過去の野外手帳

-2017年4月

久しぶりに息子と里山

4月最後の日曜日、午前中道ばたの森に行き、そして午後は、帰省中の下の息子と里山を歩くことになりました。カタクリを見に行くと言ったら「オレも行く」とついてきたのです。

息子と歩くなんて何年ぶりでしょう…。たぶん彼が小学校6年生のとき以来だから、9年ぶりということに。

リンゴモモ

まずは山麓のリンゴ畑とモモ畑の中の農道歩きからスタートです。点在する小さなため池を、彼はひとつひとつのぞいて歩いていきます。カエルなどの生き物を探しているのです。こういうところは、彼がまだ小さい頃、家の周りにまだ畦道が残っていたときの様子と全然変わっていなくて、おもしろいなと思いました。

キブシ

山道に入るとキブシやチョウジザクラなど。そしてカタクリの群落。もう盛りを過ぎていましたが、十分な数の株がまだ花をつけていて、なかなかよい眺めでした。来てよかったと思いました。

カタクリ

山頂を踏み、すぐに引き返しました。他愛のない会話をときおり交わしながら、再びカタクリの中の道を歩いていきます。贅沢な道です。

カタクリ

久しぶりの息子との野遊びでした。この記事を書いているのは5月4日の夜です。この日の夕方、彼は都会へ戻っていきました。

カタクリ

2017年5月はじめ記

ノジコの目つき

4月最後の日曜日は道ばたの森に行きました。今季初です。快晴、7℃のコンディション。朝は寒くて、手袋にフリースの完全装備で歩きました(この日の午後は平地で気温が27℃まで上がり、半袖Tシャツで過ごすという日較差が極端に大きな日でした)。

道ばたの森

芽吹きはまだまだ。例年だといい感じに伸びているコシアブラも、ちょこんとした芽しかついていません。リュウキンカが少し、ナニワズがあちこちに咲いているくらいで、花も遅れ気味の感じです。

ナニワズ

車を降りたときから、アオジとノジコ、クロツグミ、キビタキの声が聞こえてきていました。ノジコとクロツグミは今季の初認です。

歩き始めてまず目にしたのは、クロツグミのオスの激しい空中戦でした。キビタキのバトルはよく見ますけど、クロツグミは初めてかもしれません。

クロツグミ

クロツグミ以外では、アオジ、ノジコ、キビタキ、くりくりおめめのコサメビタキがメインでした。

コサメビタキ

他の夏鳥ではニュウナイスズメ、ツツドリを初認。あと、サンショウクイ、ヒヨドリ、コゲラ、アカゲラ、アオゲラ、ウグイス、ヒガラ、コガラ、エナガ、クロジ、イカル、カケスなど。

ニュウナイスズメ

車に戻ってきたとき、少し離れたの木の枝に黄色い点が見えました。双眼鏡で見てみるとノジコのお腹の色でした。今日は声はよく聞いていたものの、じっくりと見る機会はあまりありませんでした。双眼鏡でじっくり眺めることができ、デジスコで写真も撮れました。

満足するまでシャッターを切ったところで、そのノジコは飛んで視界から消えました。じゃ、これで帰ろうか…とファインダーから目を離したら、目の前の地面にその個体が下りてきました。採食しながら移動するノジコの導入はデジスコではとても難しくて、ピン甘の数カットを撮るのがやっとでした。

ノジコ

家に帰ってパソコン画面で見てみると、囀っているときのきりっとした目つきと採食中のきょとんとした目との差が大きくて、ちょっと笑ってしまいました。

ノジコの目つき

この日は午後も外に出かけて、その時の記事はこちらです。

2017年5月はじめ記

夏鳥勢ぞろいの灯台もと暗しの森

5月に入りましたが、4月下旬の記事です。プレミアムフライデーで早く仕事が終わりまして…なんてことはあるはずがなく、次の日、土曜日はいつもどおり起きたものの、1周間の疲れがたまったのか、体がなかなか動きませんでした。

でも天気がいいすてきな土曜日、これは出かけないときっと後悔するだろう…ということで、体に鞭打って灯台もと暗しの森へ行くことにしました。8時半、快晴、12℃のコンディション。

灯台もと暗しの森

ソメイヨシノはさすがにもう終わりでしたけど、ヤマザクラ系(長野なんでカスミザクラなんでしょうか)が美しい森です。木の花ではヤマツツジのつぼみが膨らんできていました。ウグイスカグラはさかり。アオキの花はなんとなくレンズを向けてしまう魅力があります。

ヤマツツジ

歩き始めてすぐに、キビタキ、エゾムシクイを初認。やっぱり来てよかった!と思いました。続いてサンショウクイも初認。夏鳥はほかにオオルリ、コサメビタキ、ヤブサメ、センダイムシクイ。

キビタキ

キビタキのオスが、ブンブン音を立てながら追いかけ合う激しい縄張り争いを見ることができました。サンショウクイが飛んでいる姿をばっちり見ることもできました。透けた羽根の美しさが今でもありありと思い出されます。オオルリは高いところにいて美しい色は今ひとつわからなかったのですが、尾羽の白斑を確認できてちょっと得した気分になりました。またオオルリのメスが、イモムシを枝に打ち付けてから飲み込むシーンも見られました。花粉でくちばしの根元を黄色くしたヒヨドリが、比較的近い距離で羽繕いをするシーンも堪能しました。

しかし何と言ってもこの日のメインはビンズイ。個人的な記録ではありますが、たぶん、この森では初めての確認だと思います。

ビンズイ

冬鳥ではシロハラを至近距離で確認。くちばしが鉛色のシメも確認できました。夏鳥と冬鳥とが重なるのはちょっと贅沢な気持ちになります。

鳥の締めはフクロウでした。なぜか森に入るとき、または出る時にタイミングを見計らったように声を聴くことが多いです。どこかで見られているのか?と思ってしまうくらいです。

ヤマアカガエル

その他、鳥ではシジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、コゲラ、アオゲラ、ウグイス、イカル、カワラヒワ、ツバメ、ハシボソガラス。ヤマアカガエルのオタマは数を減らしているように見えましたが、塊になってうごめいてました。虫ではアゲハ初認。翅が折れてしまっていました。

マムシグサ

タチツボスミレはさかり。ムラサキケマン出始め。マムシグサ系が伸び始めてきていました。

2017年5月はじめ記

霜の畦道散歩

4月下旬だというのに、この日の長野は1℃まで下がり、霜の朝となりました。あちこちからまだツグミの声が聞こえてきました。その声が似合う風景の畦道でした。

遅霜

出かけたのが少し遅くなったので、日陰でとけ残った霜を見つけてシャッターを切りました。

ツグミの他にキジの声が聞こえてきて、赤い服を来てくればよかったと思いました。先日のNHK「ダーウィンが来た」で、キジのオスが赤いバイクに乗る郵便配達員を攻撃している映像を流していたのです。キジの攻撃を受けてみたい。

サクラ

近所のサクラはまだ満開でした。来週末まではもちそうにないので、これで見納めです。ヒヨドリがたくさんいました。

ウメとリンゴ

さすがにウメはおしまい。サクラを挟んで次はリンゴです。切れ目なく花が咲くのが春の信濃路です。

アケビ

花といえば個人的に外せないアケビももうすぐ。膨らんだつぼみを見つけて嬉しくなりました。楽しみです。家にもアケビがほしい今日このごろ。

新緑

灯台もと暗しの森に到着。森は新緑がまぶしく素敵な雰囲気でした。彩りを添えていたのがウグイスカグラ。この花も見つけると嬉しくなる花です。下の写真は落ち葉の上に寝っ転がり、仰向けになって撮りました。

ウグイスカグラ

この森の近くのサクラは葉っぱが出てきていましたが、このくらいのほうがむしろ好きです。こうして春が終わっていきます。

サクラ

2017年4月おわり記

某神社で花見と鳥見

サクラ

土曜日は午後から仕事。夕方には上がれたので、帰り道、里山近くの神社に車をとめてみました。目的は花見です。

サクラ

夕日に照らされたサクラはとても美しく、ファインダーをのぞくのが楽しいひと時でした。サクラ大好きですけど、サクラの下にシートを敷いて酒を飲む趣味はありません。純粋に花を見るだけ。花見でお酒を飲んだことがあるのは、20代の時に一度だけです。

サクラ

まさに満開のサクラ、見事と言うしかありません。ここのサクラはまだつぼみが残っていました。でも、来週までは持たないでしょう。もう少し長く花をつけてくれるといいのだけれど。

サクラ

たくさんのヒヨドリとメジロがいました。カメラだけではなく、小さな双眼鏡もカバンに忍ばせてきたので、鳥見もできました。

2017年4月おわり記

4月下旬の灯台もと暗しの森

灯台もと暗しの森

前回はサクラ開花宣言の2日後。1週間後のこの日は夏鳥を一気に初認した日になりました。センダイムシクイ、ヤブサメ、オオルリ、コサメビタキ。メンバー的には、あとキビタキとサンショウクイがやってくればほぼ出揃った感じになります。それから、ウグイスのさえずりもこの日が初認となりました。

タチツボスミレ

タチツボスミレの勢いもだいぶ増してきました。ただ、森で一番目立っていたのはシロハラだったかもしれません。あちこちからツィーという地鳴きが聞こえてきていました。

タラノキ

この森の近くのサクラは、見頃をやや過ぎ、散り始めという感じでした。それでも大変美しく、何枚もシャッターを切りました。

サクラ

普段は人影が少ないこの辺りですが、この日はサクラを見る人が何人か行き交っていました。

サクラ

2017年4月おわり記

4月中旬の灯台もと暗しの森

花見のついでに灯台もと暗しの森。そろそろな夏鳥?と思っていたのですが、確認はできませんでした。逆にツグミやシロハラ、アトリ、ここでは冬鳥のルリビタキなんかがまだいました。

この森ではかなり久しぶりに、鳥を目当てに歩いている人に会いました。最新のMFTズイコーのサンヨンを構えたその方は、昨日ここでオオルリを初認したとのこと。この森ではオオルリは通過していってしまうので、来週はどうなるかわかりませんが、とりあえず次の週末に期待です。

ノスリが盛んに鳴きながら飛んでいたのはこの森の春の証し。コゲラのペアが追いかけ合いをしていたのも春っぽくて、その様子をずっと双眼鏡で眺めていました。

ウバユリ

前回、3月下旬には見られなかった光景のひとつは、ウバユリの葉っぱと木々の新緑。これも春。

タチツボスミレ

前回一株だけしか咲いていなかったタチツボスミレは、あちこちで花をつけていました。まだ全盛ではない感じです。普通種ですけど美しい花ですよね。

タラノキ

タラノキとハリギリの芽が春っぽい。この森では採りません。

カナヘビ

カネチョロ(和名:ニホンカナヘビ)が活発なのも春。

ヤマアカオタマ

前回「胚」だったヤマアカガエルはオタマジャクシになっていました。線状のピンクの生き物はイトミミズでしょうか。野外では初めて見た気がします。

2017年4月なかごろ記

2017年4月16日

長野市のサクラ開花宣言は4/14でした。日曜日(4/16)に近所のサクラの状況を偵察に行ってきました。

サクラ

まだ3分咲くらいでしたが、木によっては満開に近いものもありました。やっぱりサクラはいいなと思いました。人が植えた木や花にあまり興味がないのですけど、サクラはちょっと別です。

サクラ

ウメは散り始めですが、なんとかサクラとの共演が果たせている長野市の春です。

2017年4月なかごろ記

トガクシショウマ

庭のトガクシショウマが咲きました。

山野草を庭で愛でることは基本的にはしません。売られている株の多くは野外で採取されたものではないと思いますが、盗掘とどこかでつながっていることがあるかもしれないと思うと、遠慮しとこう…と思う分野です。昨年はほんとに嫌な思いをしましたし

なので、トガクシショウマを自宅に植えたいという気持ちは全くなかったのですが、知り合いがどうぞどうぞとくださった実生の苗を、庭の片隅に植えてもう数年。一昨年から小さな花をつけるようになりました。丈は5cmほどです。

トガクシショウマ

山野草は野外で見てこそ美しいと思いますが、トガクシショウマは自然の株に出会うことはなさそうなので、素直にきれいだなと思いながら地面に這いつくばって眺める春です。背景がコンクリ壁なのがとても残念。

2017年4月なかごろ記

ニワウメレポート

庭の梅のレポートです。開花は4/5。2輪だけが咲きました。だいぶ咲きそろってきた下の写真は4/8のもの。

ウメ

次の写真は雨の4/9。ぬれたウメの花は一段と美しいです。

ウメ

4/14に長野のサクラの開花宣言がでました。そしてこの写真は、その翌日の4/15のもの。盛りは過ぎた感じですけど、まだまだ見頃です。この日はウメの木にヒヨドリがやってきていました。

ウメ

2017年4月なかごろ記

タネツケバナの深い沼を知る

4月最初の日曜日の記事です。

ウメのつぼみ

道ばたのウメのつぼみがだいぶふくらんできた畦道です。ウメの開花はこの3日後でした。これを書いている4月中旬、まだウメは散らずに咲いています。

灯台もと暗しの森

灯台もと暗しの森に到着。まだツグミやアトリを見かけました。ジョウビタキもいました。タチツボスミレは一株だけ咲いていました。ヤマアカガエルの卵塊は上のような感じ。

灯台もと暗しの森

森から出たあたりで、ウソの声をここでは久しぶりに聞きました。ウソといえばサクラのつぼみはどんな感じ?…と思って見てみると下のような状態でした。この日はまだまだ硬かったつぼみ。この日から12日後に、長野市のサクラは開花することになります。右はトチノキの芽です。

サクラ

帰り道、夕日を浴びて光っていたハコベ。つんつんと空をついているタネツケバナ。

タネツケバナ

そういえば、ハコベの仲間の区別ってなかなか頭に入らないよな…ということを、後日twitterに書き込んだところ、野外調査を仕事とされている乃海 @noa_a_uさんから返信をいただきました。ハコベの仲間の区別について教えていただき、とても勉強になったのですが、驚愕したのはタネツケバナの同定です。タネツケバナはタネツケバナだと思っていましたが、こんなサイト「植物図鑑・撮れたてドットコム:タネツケバナの仲間(基本編)」を知って、底なしの沼を見た思いがしました。これが「基本編」だというのが恐ろしいです。

2017年4月なかごろ記

復活スノーシュー

今シーズン、せっかく修理したスノーシューを使わずじまいというのも何なので、半日戸隠に行ってきました。

2003年の冬に購入して13シーズン目という古い製品なのに、修理できたということがすばらしいアトラスのスノーシュー。劣化してしまったバインディング部分のベルトが一新されていました。修理代は約1万4000円でした。
今回は、これまでと同じ感覚で歩けるかの試運転です。

戸隠森林植物園

2℃、曇り(小雪)のコンディション。駐車スペースは除雪されていました。積雪は1mちょっとくらいです。スノーシューを付け、カラマツの林を抜けてミズナラの森へ。

下の画像を見てもらえばわかるように、この日の雪面はモナカ雪というのでしょうか、表面は固いのにその下の層がかなり軟弱な感じ。ツボ足では膝までずぼっと潜ってしまい、スノーシューを履いても、表面の雪が固まったままデッキに乗ってしまって、重くて歩きにくいし、疲れるし。
でも、スノーシューとしてはこれまでと同じように使えることがわかって、安心しました。

戸隠森林植物園

まだ春浅い森の表情はとても魅力的で、時々立ち止まっては息を整え辺りを眺めては、来てよかった(または、スノーシューの修理が済んですぐの、2月にも来るべきだった…)と思うのでした。

戸隠森林植物園

少し予定の時間を過ぎていたのですが、せっかくここまで来たのだし…と、「ミズナラの巨木」を目指しました(スノーシューなしで長靴で歩いた2016年春の記事はこちら)

ところが、方向を外してしまったみたいで、近くをかすめて通り過ぎてしまいました。昨年も確か間違えました。ずっと通い慣れた場所だったはずなのですが、昨年は1度、一昨年は来ていないという頻度の落ち方が感覚をおとろえさせているのでしょう。
巨木にたどり着くどころか、クリークをどう渡れば帰れるのか、悪戦苦闘する羽目になってしまいました。

クリーク

この流れの近くで、ミソサザイの歌を聞けました。その他、エナガ、コガラ、コゲラ、アカゲラ。
この日は会えなかったゴジュウカラやキバシリ、カワガラスなども含めて、戸隠残留組のみなさん、もうすぐ春ですよ。よくこの森で頑張ってきました。

クリーク

車にたどり着いたのは午後4時半。2時半を予定していたので反省。試運転のはずが、思ったよりハードになってしまった今回の雪遊びでした。もう一度くらい行きたいけど、難しいかな。

2017年4月なかごろ記

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