過去の野外手帳
-2008年11月
オオタカ公園
息子とよく遊びに行く公園の木々は、すっかり葉っぱを落としていました。キャッチボールをしていると上空をオオタカが飛んでいるのに気づきました。
オオタカの行く先には20羽ほどのムクドリの群れ。ムクドリって普段はあまり高いところを飛ばないように思うのですが、右へ左へと急旋回を繰り返しながら、群れはだんだんに高度を上げていきます。オオタカに上空をとられると急降下攻撃を避けられないということなのでしょうか。必死に逃げまどうムクドリをいつしか応援していました(息子はオオタカを応援していたようです)。
やがて群れはオオタカを振り切り、一直線にびゃーと東へ飛び去りました。いやあよかったよかった。オオタカの狩りを見たかったような気もしましたが、やっぱりほっとしました。オオタカは輪を描きながら空高く消えていきました。
2008年11月おわり記
灯台もと暗しの森もフユシャク乱舞
あわよくばミヤマホオジロでも…と思い、息子と灯台もと暗しの森に出かけました。昨年はこの時期、ここでミヤマホオジロを見ています。
でもミヤマのミの字もなく、他の冬鳥もほとんど姿を見せず、山から下りてきたウグイスがチャッチャ鳴いているのを見かけたくらい。でも帰ろうとするときに10羽ほどのシメの群れを発見しました。これはこれで満足です。その他、アカゲラ、コゲラ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、ヤマガラ、イカル、カワラヒワ、カケスなど。
里山開拓3でフユシャクの数の多さに感じ入ったばかりでしたが、ここでもフユシャクが大量発生していました。里山開拓3では写真を撮ることが出来ませんでしたが、今回はなんとかとまっている個体にピントを合わせてシャッターを切ることが出来ました。昨季と同じく大半はクロスジフユエダシャクみたいです(他の種もいました)。
来年はいよいよ下の息子も中学生になります。虫や葉っぱや木の実が大好きで(鳥もまあまあ好きで)、オトーサンによく付き合ってくれるのですが、こうやってのんびり一緒に歩いてくれるのはあとわずかかもしれません。寂しいなあ。
2008年11月おわり記
里山開拓3
里山開拓2で残したルートを歩いてみました。
車を峠下のトンネル入口に捨て(写真左上)、古道と思われる道を歩きます。峠からは露岩交じりの道が尾根に延びていました。
尾根道ではあるけどもあるけどもフユシャクの姿が絶えませんでした。
登山道だけでさえこの数なのだから、この名もなき里山山全体には一体どれだけのフユシャクが発生しているのか。「自然って得体が知れない」といった類の印象を受けました(然るべき計算をすればきっと求められるのだと思いますが)。別の表現を使えば、自然の果てしなき豊かさということか。人間の想像が及ぶ世界ではないということです。
登山道は急に傾斜を増し、踏み跡は薄くなり、頂上直下では木々の幹をつかんで登りました。所々につけられたテープを頼りに頂上に着くと、北信濃の山並みと町並みがぼんやりと見えました。
帰りに見えたこの頂は、里山開拓1のピーク。なかなか格好良い。格好はいいけど、そしてこの道もかなり気に入りましたけど、あまり人が来そうにもないこのルートでけがをしたら、ちょっと厄介です。降り始めた雨に打たれながら慎重に車に戻りました。
2008年11月おわり記
火曜日(ツグミ初認など)
土日とたっぷり働いてしまったので、火曜日にして週末のような疲労感。今週は長いです。
寝坊して家を出るのが少し遅くなってしまいました。いつもよりちょっと飛ばし気味の通勤路。今日はウィンドブレーカーの下にフリースを着込んでいるので全然寒くありません。快調にペダルを踏みます。
あちこちでジョウビタキの声を聞きます。ジテツーの冬は3年目ですけど、今冬はこれまでの中で一番ジョウビタキが多い感じがします。
そしてツグミの声も聞きました。「ツグミだーっ!」って、思わず小さく叫んでしまいました。
でもこちらの初認は悲しい出会い。せっかく日本まで渡ってきたのにね。無念きわまりないです。
野外で動き回っている姿を見ると、「何でこの鳥がシロハラ?」って思いますけど、こうしてみると確かに白いお腹がよく目立ちます。
2008年11月なかごろ記
月曜日(カモに月)
これから自転車に乗って帰るのか…と思ってしまう今日この頃。
暗いし寒いし疲れたしと、気持ちが消極的になってなかなか出発できません。うだうだとコーヒー飲んで気力がたまるのを待っていたりします。いざ乗り出してしまうとどうって事はないのですけど。
街灯がほとんどない真っ暗な道、LEDライトを頼りに進みます。ふと頭上からカモの羽ばたく音が聞こえてきました。自転車を止めて見上げてみますが、ただ月が雲間に煌々と輝くばかり。
2008年11月なかごろ記
日曜日(里山開拓2)
今日も午後から仕事をしないとあれやこれやに間に合いません。そんなわけで、早めに家を出ての里山歩きを目論みました。車を走らせた先は、前回気になる分岐を見送った例の里山です。
登り始めて20分ほど、ちいさなピークの手前でがさっがさっと大きな音がしました。最近クマのニュースが相次いでいるので、体がこわばりました。そっと音の方向を伺うと、木の上にサルの群れ。これはこれで手強いのですが、クマよりはましです。幸い群れは私の姿を見て、そそくさと移動していきました。
よく踏まれた尾根道から分かれ、柔らかい感触の道へ進みます。木々に彩られた山肌が見えました。この日は曇りでしたが、晴れていたらきっともっと素晴らしい。
道は等高線に沿ってゆるやかに下り、山と山との鞍部に向かいます。
やがて現れたのは深い切り通しでした。そういえばこの下にはトンネルが通っています。ということは、ここはトンネルが出来る前に使われていた峠道ということになるのでしょう。
自然のものなのか、それとも人手をかなり加えたものなのかは分かりませんでしたが、なんとも歴史ある感じの切り通しで、ちょっと感動してしまいました。
切り通しを抜けてみると、踏み跡が草むらに延びていました。さすがに夏は歩けそうにないですけれど、今でも通る人がいるということです。道はリンゴ畑に続いていました。
ふたたび切り通しに戻ると小さな指導標を見つけました。ここが前回の山と尾根続きのもう一つの山の登山口。でも時間がないので、こっちはまた機会を改めて登ることにします。
道はつづら折りに下ってあっというまに峠の下を貫くトンネル入口に出ました。下に炭焼きの小屋が見えました。車道を歩いて車を止めた場所まで戻ります。総計1時間あまりの気持ちよい周遊コースでした。さて仕事仕事。
2008年11月なかごろ記
土曜日(灯台もと暗し)
2週連続で灯台もと暗しの森歩き。この日は最高気温が10度に届かず、まとわりつくムシムシはさすがに姿を消していました。双眼鏡とカメラをぶら下げて歩きます。
途中おばさんが木に抱きついていました。私はそういう趣味はありませんが、気持ちは何となく分かります。木って素晴らしいですからね。大体、一人でこんなところを歩いているのですから同じ種類の人間です。
一段と木々の色づきが増して秋の深まりを感じました。先週はあれほど騒いでいたヒヨドリたちは数を減らしていました。鳥影は薄く少し寂しい感じがしましたが、気持ちのよい落ち葉の散歩道でした。
午後から出勤、8時間もただ働きしてしまいましたが、こんな時間があるからもっています。
2008年11月なかごろ記
悲しみと希望のポタリング
日が傾いた頃から自転車をこぎ始めです。久しぶりに秘密基地候補地に行ってみると、重機が入って全てがつぶされていました。取らぬ狸の皮算用ならぬとらぬベニマシコの皮算用を目論んでいましたが、まごまごしているうちにその機会を失ってしまい、後悔しました。この辺りではサシバやフクロウも確認していたので、とても残念な気持ちになりました。
気を取り直して以前から気になっていた農道の分岐を登ってみます。ホオジロがチチと鳴き、カケスの声がジャージャーと頭上から聞こえてきます。前輪が浮かないように押さえながらペダルをぐいと踏むと、後輪がずるっと滑るほどの傾斜と悪い路面でしたが、登り切ると初めて見る風景が広がっていました。丘と丘の間にもリンゴ畑が見えました。知らなかった道が眼下に見えて、今度はあの道を行ってみようと思いました。
2008年11月はじめ記
11月に麦を蒔け
ネットによれば、狭い小径にムギマキ目当ての人がずらりレンズを構えて混雑しているということで、10月下旬はとても出かける気になれませんでした。
そろそろ静かになっただろう…と息子と出かけてみた森は、葉っぱがほとんど落ちてしまい、初冬の佇まい。行き交う人影もまばらで、静かな森でした。鳥屋さん、大砲カメラマンにもほとんど会いませんでした。
ムギマキはもちろん期待していなかったのですが、偶然2羽を見ることができました。とても幸運でした。そのほかの季節モノは、マヒワやアトリの群れ、ルリビタキ、そして新蕎麦です。
2008年11月はじめ記
久しぶりに灯台もと暗しの森
「灯台もと暗しの森」とは、我が家から自転車で数分の距離にありながら、オオマシコやアオバトなど意外性のある鳥が見られる森である…ということから勝手に命名した雑木林のことであります。
9月に息子と来て以来(ヤブ蚊の襲撃に退散して以来)でしたが、まだまとわりつくムシムシ多数。なかなか落ち着いて鳥を見るという感じになれません。
木々は多少色づいてきたかなというところで、秋らしさという点ではもう一つでしたが、何しろヒヨドリがいっぱいで、その騒がしさはまさに秋でした。
顔の回りのムシを手で追い払いつつ、結局足早に歩き通してしまったこの日の森でした。自転車を止めた場所に出れば不思議にムシは消え去り、やっと一息つきました。
自転車の鍵を外していると、シジュウカラとコゲラの混群にが近くまでやってきました。バッグにしまった双眼鏡をもう一度取りだしました。
4羽のシジュウカラと3羽のコゲラ。双眼鏡の視野の中で生き生きと動き回ります。車止めの石に腰を下ろしてその姿を見ていると、だんだんに心がほぐれていくのを感じました。
そのうちコゲラは本当に手が届くほどの距離までやってきました。赤い羽毛が見えないだろうかとじっくり見ていたのですが、それは叶わず。でも、鳥を見るってこういうことなんだよ!と、なんだか原点に返ったような、そんな数分でした。
2008年11月はじめ記
やってきました!ジョウビタキ
ベランダからPHSのアンテナにとまって鳴く彼をぱちり。いやあ、嬉しいです。
長旅にもめげず、早速のなわばり宣言、お疲れ様です。
2008年11月はじめ記