野外手帳
楽しきは野山徘徊。
青系紫系赤系緑系他
2025年6月30日記
「戸隠6月白い花 1」 と「2」 の続きで、今回は白じゃない花の紹介です。
まずはラショウモンカズラ。平安時代の武将、渡辺綱が京都の羅生門で退治した鬼女の切り落とされた腕に花の形をなぞらえたものだそうですが、どういう想像力だ!と思ってしまいます。
やってきていたのはトラマルハナバチでしょうか。
フデリンドウ。
図鑑を見ると根生葉がロゼット状なのがハルリンドウ、根生葉がないのがフデリンドウという説明や、ハルリンドウは1つの茎1つだけの花、フデリンドウは1つの茎にたくさんの花をつけるという解説が一般的です。ただそれはわかりにくいことが多いと思います。
個人的には葉の形を見るのが簡単だと感じます。ハルリンドウは細く尖った葉のようですが、フデリンドウは上の写真のように広卵形の葉です。
オオタチツボスミレ。
ムラサキサギゴケ。
なんとカタクリの花がまだ残っていました。
シラネアオイはさすがにそろそろおしまいです。
ちなみにこの紫色のものは花弁ではなく萼片だそうです。花弁はないとのこと。
クリンソウは咲き始め。
アズマシャクナゲ。
ルイヨウボタン。
緑色の花というのもなんともいいものです。黄色い蜜腺の周りの小さい緑色の部分が花弁、まわりの大きなのは萼片です。
クルマバツクバネソウ。この花の構造もちょっと変わっていますよね。ここらになると何色の花とは言えなくなってきます。
ナツトウダイ。この花も何色とはうまく言えません。
エンレイソウ。
エゾユズリハの葉が展開し始めました。
これは雄花のようです。花弁も萼片もありません。
黄色いレンゲツツジ。キレンゲツツジです。
おそらく自生ではなく植えられたもの。
エゾアジサイはまだ固い蕾でした。
戸隠6月白い花 2
2025年6月29日記
「戸隠6月白い花 1」の続きです。
白い花の真打ちはこれ。
見事なヤマシャクヤク。すばらしいフォルムです。
つぼみもありました。
花の中は虫でいっぱい。彼らにとっては夢のゆりかごのようです。
数は多くありませんが、あちこちで咲いていました。数日で散ってしまう短命の花だそうです。この花を見られることは幸運だと言っていいでしょう。
これからの主役、ズダヤクシュ。まだ咲き始めという段階です。1週間もすれば林床はこの花で埋め尽くされるでしょう。
サワハコベ。
ミヤマエンレイソウ。
咲き始めたユキザサ。
これも戸隠では多い花です。
サンカヨウはまだ一部残っていました。
でも多くは結実。
顔をのぞかせたコバイケイソウ。確か咲くシーズンはほとんど咲かなかった記憶があります。
これも白い花に入れていいでしょう。まだ咲いていないギョウジャニンニク。
これも咲いてませんが、白い花になるはずのヤグルマソウのつぼみです。
ズミ。
ウワミズザクラ。
トチノキ。まだ黄色がかっていますが、この花もこれも白に入れておきます。
戸隠6月白い花 1
2025年6月29日記
6月上旬の戸隠森林植物園です。探鳥とミズバショウのハイシーズンは終わっているので、朝はゆっくり目に出ても駐車スペースは大丈夫です。
私も鳥よりはお花見中心。今回は戸隠の6月の白い花の紹介。
まずはなんといってもタチカメバソウ。
みんな大好きムラサキ科。
ムラサキ科のコシジタビラコにも期待したのですが、少し早かったでしょうか。
ミドリヒョウモンの幼虫と思われる芋がタチカメバソウの葉にいました。確か食草はスミレ類だったと思うのですが。
ホソバノアマナ。
スタイリッシュな素敵な花です。
小さな花ですが、葉の貧弱さに比べると大きな花とも言えます。あの葉での光合成で栄養はたりるんでしょうか(たりるんでしょうけど)。
カノツメソウ。
割と最近覚えた花です。
前にも書いた記憶があるのですが、名前の由来は根が「鹿の爪」に似ているから。またしもそこかよ?という着眼点です。
クルマバソウ。
横顔アップ。漏斗状。クルマムグラとの相違点。
いい花です。
たくさん咲いていたタネツケバナの仲間。オオバタネツケバナらしいです。
チゴユリ。
花弁基部が緑がかっているのがまたいいです。
だいぶ伸びたニリンソウ。もう少し白い花は続きます。
ウンモンスズメかっこいい
2025年6月29日記
ウンモンスズメを見つけました。ちょっと興奮。これは望遠レンズで。
近づけたのでこれはマクロレンズで。カメラボディが違うせいか1枚目と色合いが異なります。こちらのほうが実物に近い感じ。なんというかっこよさでしょう。
バラシロエダシャクでいいと思います。
よくわからないです。クロオビリンガが近いでしょうか。
ユウマダラエダシャクでいいと思います。前翅前縁の灰色の斑に暗褐色の紋がなければユウマダラエダシャクです。
自分にはとてもじゃないけど同定が不可能なシャクガ。シダの葉と比べてわかるようにかなり小型でした。
ヒモワタカイガラムシ。
意外な出会い2件
2025年6月28日記
6月上旬のいつもの近所の森。エゴノキだけを取り出して前の記事にしたので、他の話を。
ちょっとびっくりしたことその1はこのサイハイラン。戸隠で見たことはありました。ここでも見られるとは!という感じで意外性のある出会いでした。花のつき方が戦国武将の使う「采配」を連想させることからの名前らしいですが、どうもしっくりきません。
ちょっとびっくりしたことその2。これはオニノヤガラっぽいです。これもこの森で見られるとは!という印象でした。名前は漢字で書くと鬼の矢柄で、まっ直ぐ伸びた姿を矢に見立てたものということです。確かにちょっと不気味な印象もあります。葉緑素を持っていないので光合成を行わず、菌と共生して栄養を得ている植物だそうです。
ヒョウタンボク。蔓性ではなかったので、スイカズラではなくヒョウタンボクでいいと思います。
イボタノキ。名前の由来を検索したら、「イボタロウムシ(イボタ蝋虫)が寄生し、その分泌したロウ状物質を家具の艶出しや滑りを良くするために使った」との結果でした。その「イボタ」が何なのか知りたいんだよ!ともう少し見てみたら、なんと「疣(いぼ)取り」にその蝋が使われたということらしいです。
この森に春を告げるように真っ先に咲いたウグイスカグラは結実。
林床にはドクダミがいっぱいでした。
エノゴキ写真集
2025年6月28日記
6月上旬、いつもの近所の森にエゴノキの花が咲くシーズンがやってきました。
いいです。
すごくいいです。
よすぎです。
エゴノキの名前の由来は、実を食べると「えぐい」ことなんだそうです。果皮にサポニンをたくさん含んでいるのだとか。ヤマガラなど野鳥には好まれる実なんですけど、ヤマガラは中身だけ食べているようです。
これだけ美しい花が咲くのに、わざわざ食べないでもいい実のエグさからの命名というのがなんとも。このような、そこ?と感じる命名例は植物の和名あるあるです。
英名はJapanese snowbellで、花の印象からの命名です。
ただ、この実は魚毒にも用いられていたらしいので、和名こそが人々の生活に密着した名前と言えるのかもしれません。実をすりつぶして毒流し漁に使ったとか。
ただ毒性はそれほど強くないみたいで、同じように毒流し漁に用いられたと言われるサンショウの樹皮と比べると実用にはならなかったという話もあるようです。
庭木として利用されることもあるようです。この美しさですから。ただ管理は難しいみたいです。横に広がりやすくこまめな剪定が欠かせないとか、花と葉が落ちると掃除が大変だとか。「エゴノキ 植えてはいけない」で検索するといろいろヒットします。
畦道のアカンやつ
2025年6月26日記
ここから6月の記録です。6月中になんとか6月の記事に入れました。まずはいつもの畦道散歩から。
川沿いに咲いていたこれはたぶんオオキンケイギク。アカンやつ(日本の侵略的外来種ワースト100)です。最初は法面の緑化などに利用されていたとのことですが、在来種の生息に影響があるので、今は栽培や販売が禁止されているそうです。この川沿いでも一気に増えた印象でした。この植物の強さを物語るような、アスファルトの隙間から生えているとは思えないほどのある意味見事な眺めでした。
川の中にもたぶんキショウブ、これもアカンやつ(要注意外来生物)です。
アカンやつは、ほかにもこの畦道でたくさん見られて、セイヨウタンポポ(外来タンポポは侵略的外来種ワースト100にも選ばれています)もそうですし、ハルジオン、ヒメジョオン、セイタカアワダチソウもそれです。キショウブの写真を「美しい自然」として写している写真を見るともやっとしますが、セイヨウタンポポやハルジオンなどはそうでもないのが、自分でもいい加減だなと思います。
6月はノイバラの季節。別名野バラで日本のバラの代表的な原種です。
スイカズラ。よく似た花を咲かせるヒョウタンボクは低木、こちらは蔓性です。別名金銀花は花の色が白から黄色に変わることから。
道端にはナワシロイチゴが見られました。実は食用になるみたいです。
以下ムシ編。
泡を見つけて、その中の住人を取り出してみました。
泡の主。アワフキムシの仲間の幼虫です。泡の正体は、この幼虫が大量に吸った植物の汁を排泄したのもの。その際アンモニアなどを混ぜて泡を作るとのことです。この泡には界面活性剤と同じ性質があり、ほかの昆虫が入ることができないのだそうです。誰が考えたのか、すばらしい仕組みです。
アケビの蔓にいたベニキジラミ。どうやってアケビにたどり着くのか、本当に不思議です。
ドクガの幼虫と思われます。アカツメクサは食草ではないと思うんですが…。「みんなで作る日本産蛾類図鑑」によると食草は、バラ科:サクラ属、バラ属、キイチゴ属、コナラ属、カキノキ科:カキ、タデ科:イタドリとありますので、そこからの移動中だったのかもしれません。
キリって外来種だったんか
2025年6月22日記
前からここに桐の花が咲いているのには気づいていましたが、わざわざ車を止めて写真を撮るということはできていませんでした。
でも一度は撮ってみるかと車から降りてレンズを向けてみました。
少し人目が気になりましたが、写真を撮ることで桐の花の造形の美しさが改めてわかりました。
調べてみると、キリは中国中部原産で、日本にもともと自生していた種類ではないそうです。木材として有用だったため、古くから各地で栽培されていて、風散布の種子は発芽率が高く成長も早いため、野生化が進んだとのこと。各地で見られるものは全て野生化したものだということでした。
桐箪笥は日本の伝統的工芸品ですし、桐紋(桐の花や葉を図案化した家紋)は皇室や政府の紋章として使われています。500円貨のデザインにも採用されているので、キリが外来種だったことはちょっと意外でした。
ただ、そんなことを言い出すと皇室のもう一つの家紋に用いられている菊も外来種なんですけどね。
ミツバウツギが咲く森で
2025年6月22日記
5月下旬のミツバウツギ咲く森です。
控えめに開いていました。
水辺にはリュウキンカ。
ミズバショウとともに咲くイメージが強いですが、ここのはもうミズバショウが大きな葉っぱになっている時季にもかかわらず、新鮮な花をつけていました。
林床にはチゴユリ。
チゴユリもサンカヨウのように花弁が透明化する素質を持っているようです。
クルマバツクバネソウ。
ウワミズザクラ。
ホウチャクソウ。
クルマムグラ。
ショウジョウバカマの終わり。
これからのウバユリ。
ムラサキケマン。
ムラサキケマンの葉にいたアカハネムシかその仲間。
シロオビクロナミシャク。シラフシロオビナミシャクとは翅の縁で見分けるわけですが(本種は前・後翅の翅頂と後角が白、シラフシロオビはまだら模様)、この和名のややこしさをなんとかならなかったのでしょうか。なぜ、シロオビクロナミシャクに対して、シラフシロオビ「クロ」ナミシャクじゃないんでしょう(毎年書いているような気もします)
鳥ではこのミソサザイのほか、ノジコ、アオジ、ホオジロ、キビタキ、ウグイス、メジロ、ヒヨドリ、コゲラ、アカゲラ、ヤマガラ、コガラ、キセキレイを観察しました。
最後、車の中から見たノスリ。ちょうど運良くあった駐車スペースに車を止めて窓から撮りました。
コルリ ミソサザイなど
2025年6月20日記
今回の戸隠行きはサンカヨウが一番の目的でしたが、鳥などについてもご報告。
まずはコルリ。声はすれども姿は…ということが多いわけですが、今回は見つけることができました。
擬木の上で囀るミソサザイ。
梢から降りてきたところのクロツグミ。
池にはカイツブリ。
他には、カッコウ、ホトトギス、ツツドリ、コサメビタキ、キビタキ、ノジコ、アオジ、クロジ、コガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、アカハラ、ウグイス、キクイタダキ、ニュウナイスズメ、サンショウクイ、キセキレイ、アカゲラ、コゲラ、キジバト、カルガモを確認しました。27種類です。
モリアオガエルの卵塊も少しだけありました。本格的な産卵シーズンはこれからのようでした。
木々初夏へ
2025年6月18日記
アズマシャクナゲが開花です。
豪華です。
咲く前は葉と葉柄のつながり方で見分けていましたが、中に緑色の斑点がないので、やっぱりアズマでいいみたいです。
戸隠のオオカメノキ、前回来たときにすでに咲いている木もありましたが、この株はこの時季(5月下旬にして)やっと開花です。
ウリハダカエデ。
ツリバナ。まだつぼみ。
たぶんズミのつぼみ。いつものことですが自信はなしです。エゾノコリンゴがとてもよく似ていて見分けは困難とのことなんですが、つぼみがこうして赤くなるのはズミという記述も見つかるので、やっぱりズミでいいのかしら。葉の形が一番の決め手らしいです。そこは見てきませんでした。
エゾユズリハ。最近のお気に入りです。まだ若葉は展開していません。
若葉の下についているつぼみです。
こうして木の花の写真をあげていくと、まだつぼみのものが多いことに改めて気づきます。
平地では随分前に咲いていたトチノキもここではまだつぼみでした。
トチノキは葉が開き始めているところもありました。この形と色のなんと魅力的なことか。
こちらはホオノキの葉の展開。
ブナは根本に雨を流していました。
というわけでサンカヨウのお花見から始まった雨の森歩きはなかなかよかったです。
タチカメバソウ開花
2025年6月17日記
5月下旬のスプリング・エフェメラルのつづきです。
ここからは初夏の花。ムラサキ科推しの私としては待っていたタチカメバソウが咲き始めました。
この花も長く濡れれば透明になるのかしらん。
まだ数は少なかったです。6月に入れば全盛となることでしょう。
ズダヤクシュ。これからの森の林床を埋める花です。
これも盛りはこれからという感じでした。
クルマバツクバネソウ。
まだつぼみのユキザサ。
つぼみもまだのクリンソウ。
葉はわさわさと茂っていたギョウジャニンニク。
葉が開き始めたところのヤグルマソウ。
次回は木の花を紹介します。
5月下旬のスプリング・エフェメラル
2025年6月17日記
半透明のサンカヨウ以外の花の紹介です。
シラネアオイ。
雨に濡れて一層美しく見えます。
葉の上に落ちた花弁を見ると、しっかり水分を含めばサンカヨウのように透明になる可能性もあるのかなと思いました。
トガクシショウマ。
花はもう数少なくなってきていました。
まだ残っているカタクリ。
もちろん結実している株が大半でした。
ヤマエンゴサク。もう5月下旬なのにまだ見られるとは。長野の春は長いです。
ニリンソウ。
まだしばらくは見られそうです。
コミヤマカタバミ。今年は開いているところを見ることがありませんでした。
オオタチツボスミレ。
エンレイソウ。
ここまでが一応スプリング・エフェメラルといっていい花たちです。
つづきはこちら。
半透明のサンカヨウ
2025年6月15日記
前回はつぼみだったサンカヨウ。もう咲いている頃。しかも前の日からこの日にかけては雨。もしかしてこれは透明なサンカヨウを見るチャンスなのでは!と勇んで出かけてみました。
結果から言うと、透明サンカヨウの別名であるスケルトンフラワーを見ることはなかなか難しいことがわかったという話です。。
前日から雨だったので、期待してしまったのですが、1,2日程度の雨では透明にまではならないことがわかりました。
しかももう散りかけでした。短い花期の間にまとまった雨が降るという条件と、私との休みとが重ならないとガラスのように透き通ったサンカヨウには出会えないということです。
それでも半透明のサンカヨウを見ることができたので、雨の中出かけた意味はありました。以下写真を並べます。
透けるとまではいかないものの、これはこれでかなり美しい光景でした。
半透明くらいまではいってます。
濡れた花弁は独特の質感です。
次にこのようなチャンスが来るのはいつになるでしょうか。
もともとこの花の花弁は白くはなく、気泡が光を乱反射した結果白く見えるのだそうです。そこに水が入り込むことで乱反射が抑えられ透明に見えるようになるのだとか。
白い花は同じように白い色素を持っていないケースがあり、その場合はサンカヨウと同じように濡れると透明になることがあるそうです。そういえば、昨年の3月に見に行ったセツブンソウも一部透けて見えたことがありました。
湿地の白い花
2025年6月15日記
とある小さな湿地帯。ミズバショウやリュウキンカが見られる場所ですが、もうそれらの花はおしまいです。
たくさん見られたのはホウチャクソウ。
名前の由来はお寺のお堂や塔の軒先四隅に吊るされる大きな鈴、宝鐸(ほうちゃく)に似ているからだそうです。
チゴユリ。
タニギキョウ。
クルマムグラとその横顔(↓)。クルマバソウとの区別のために、横顔の確認は欠かせません。
ベニバナイチヤクソウなど
2025年6月14日記
レンゲツツジでちょっと知られている場所に行きました。
目当ては、珍しい花ではありませんが、この時季見ておきたいこの花です。
ここでは大きな群落が期待できるベニバナイチヤクソウです。
ただ思ったよりは咲いていなくて、少々残念でした。
でもこれだけ見らたのでよしとします。
マイヅルソウの比較的まとまった群落がありました。
ナルコユリ。茎が丸ければこれ。稜があればアマドコロです。
ジンヨウイチヤクソウ。白い葉脈の葉の写真も撮ってあります。
オオヤマフスマでいいと思われます。葉先が鈍いのが本種、尖っていればタガソデソウの可能性があるとのことです。葉先の写真をちゃんと撮ってきました(ここには載せてありませんが)。やっぱり花だけ撮ってきてもだめですね。
チゴユリ(↑)とミヤマニガイチゴ(↓)もたくさん咲いていました。
エゾムラサキ詣で3回目
2025年6月14日記
1度目はつぼみ、前回は2度目、そして今季3回目のエゾムラサキのお花見です。
もう何度見てもいいですからね。
エゾムラサキが咲いているのはほんの一部分の場所ですので、十分堪能したあとに他の場所も歩いてみます。人気がない場所なので、お守り程度の効果しか期待はしていませんが、熊鈴は必須です。
ムラサキケマン。この花も、このエリアでは多くありません。
クリンソウが見頃な感じ。
見事です。
タニギキョウ。いいですよね。

なんとマイヅルソウもあるんです。楽しいエリアです。
そしてヒトリシズカまで。
ニリンソウはまだしばらく見られそうです。
サクラスミレ久しぶり
2025年6月13日記
前の記事はレンゲツツジが咲くエリアのお花見でしたが、今回のはミツバウツギがあちこちに咲く場所でのお花見です。
これがそのミツバウツギです。咲くと言ってもこんな感じで、花自体に華やかな印象はありません。でも数が多いので、森のあちこちにこの白い花が揺れていて、なかなか好きな光景です。
ここは最近歩いていなかった場所で、ここならではのスミレ、サクラスミレを久しぶりに見ることができました。
たおやかな姿のスミレで、とてもいいです。もうこの日はこれで満足でした。
この花は初めて見ました。きっとこの場所には前からあったのだと思いますが、目に入らなかったのでしょう。タチキランソウかニシキゴロモか。
タチキランソウは花の紫色がもっと濃く、葉はより細長いみたいなので、これはニシキゴロモと考えました。花のアップだけでなく葉の様子もわかる写真を撮ってこられるようになっていて、我ながら進歩です。
チゴユリ。
まだまだ咲かないジンヨウイチヤクソウ。
葉の写真もちゃんと撮ってきました。葉脈の白さが「ジンヨウ」の特徴です。
最後はクルマバツクバネソウ。
クルマバでないただのツクバネソウは見た記憶がありません。ただ、地元の花を掲載している図鑑にツクバネソウは載っているので、見逃しているのだろうと思います。
レンゲツツジの山道
2025年6月12日記
レンゲツツジが咲く山道を歩いてみました。
これからちょうど見頃になりますという感じでした。きれいだとは思いますが、実はレンゲツツジにはあまり惹かれません。
いつもあいまいになっていて、そしていつも「ズミかな」と書いている花です。今回も同じです。進歩がありません。
ガマズミの仲間の花です。これもいつも進歩なく「~の仲間」で済ませてしまっています。葉の形で見分けるんですよね。
というわけで、葉っぱの写真を今回はきちんと撮ってきました。このくらいのとんがり具合です。
広卵形だとガマズミ、長卵形だとコバノガマズミ、葉先が急に細くなって尖っているとミヤマガマズミということなので、これはミヤマガマズミでいいでしょうか。
葉柄も識別ポイントらしいので、今度は見てこなくては(ガマズミは、葉柄に毛が密生、ミヤマガマズミはそんなにびっしり生えていないそうです)。
ミヤマニガイチゴ。これも葉で見分ける種類で、ミヤマニガイチゴはニガイチゴより葉が3裂する傾向が強く,先が鋭くとがるとのこと。
戸隠のオオカメノキはまだ花が咲きはじめでしたが、ここのはもう結実。
自宅近くのいつもの近所の森では数を減らしていると感じるギンラン。ここでも前はもっとあったと思うのですが。
タチツボスミレはもうおしまい。これはニョイスミレ。
さて、これはクルマバソウか、クルマムグラか。正解は花を横から見るとわかります。
花の根元がお椀状になっているので、これはクルマムグラです。
ちなみにここが漏斗状なのがクルマバソウ。言われてみると、花弁もクルマバソウのほうがシュッとしている印象です。
ムラサキ科推し
2025年6月10日記
特に場所を秘す某所でエゾムラサキの魅力にどっぷり浸かってきたわけですが、そのエゾムラサキはムラサキ科。これに限らず、ムラサキ科の花が大好きです。
もっとも身近なムラサキ科の花は庭にも畑にもたくさん見られるキュウリグサです。
上の画像は4月の庭のキュウリグサです。
エゾムラサキと花の形はよく似ています。エゾムラサキは日本で園芸品種として流通しているワスレナグサと近縁で、同じワスレナグサ属の植物です。
家の庭にも、ムラサキ科っぽい花がありました。妻が知り合いから種をもらったのだそうです。ワスレナグサかと思ったのですが、少し違うようです。
調べてみると「シノグロッサム」という種類のようです。中国西南部の標高の高いところに見られる花だとか。園芸品種として日本では扱われていますが、きっと野の姿は美しいのだろうなと思います。
和名はシナワスレナグサ、英名はChinese forget-me-notですが、ワスレナグサ属ではなくオオルリソウ属とのこと。
次のムラサキ科は、梅雨入り前のタチカメバソウです。こちらはキュウリグサ属とのこと。下の画像は昨年のもの。今年も見てきたので、また記録はアップします。
ついでに蝶の写真を1枚。
庭で見かけたシジミチョウはヤマトシジミでした。
秘密の場所のエゾムラサキ開花
2025年6月10日記
前回ここに来たときには「エゾムラサキはまだつぼみ」だったのですが、今回は開花していました。
ここは人には教えていない、秘密の小さな群生地です。
どこにでもある花ではないので、毎年この花を見ることができると嬉しく思いますし、また以前は盗掘被害もあったのでほっともします。
この森の一角、わずか1平方メートルほどの場所に十数株が咲いているだけなので、この眺めもちょっとしたことで失われてしまう可能性があります。
いつまでもこの場所で素敵な花が見られますように。
他の花も少し紹介しておきます。これはムラサキケマン。
木の花ではクロモジ。
ズミでしょうか。
そしてレンゲツツジ。
鳥ではモズ。
アカゲラ。ほかに、ホオジロ、アオジ、ウグイス、シジュウカラ、ヒガラ、キクイタダキ、メジロ、カッコウ、ホトトギス、ツツドリを確認です。
鳥が減っている感じがする
2025年6月9日記
確認種はキンクロハジロ、カイツブリ、キジバト、ホトトギス、ツツドリ、カッコウ、コゲラ、オオアカゲラ、サンショウクイ、キクイタダキ、コガラ、ヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ウグイス、ゴジュウカラ、キバシリ、ミソサザイ、クロツグミ、アカハラ、コルリ、キビタキ、ニュウナイスズメ、カワラヒワ、イカル、アオジ、クロジの27種です。
珍しく鳥類目録順に並べてみました(第7版)。この並び方は未だに慣れることができません。そして違和感ばりばりです。普段は印象に残った順です。
視認できたのはこのうち10種類ほど。撮影できたのはさらに少なく数種類です。
近くに来てくれたのはコガラ。
激しい追いかけ合いも見せてくれました。こういうときって鳥は人間の存在など眼中にない感じで、見ている側もなんだかはらはらします。上の写真はその1シーン。
鳥の体って本当に軽いんだなと思った1枚。葉っぱをつかんでますものね。
結構たくさん撮ってしまいました。
続いてはヒガラ。
そしてゴジュウカラ。
ゴジュウカラってもっとたくさんいたように思うのですが。今回は1度しか見かけませんでした。
戸隠で一番減ったと感じるのはアオジです。他の方がそのような話をしているのを聞いたこともあります。
これは感覚的な話でしかありません。ただ、以前の戸隠では、車を降りた途端にアオジを主体としたまさに「森のコーラス」に包まれる感じがありました。今の戸隠がそうではないことは確かです。
これはそのアオジ。
5月中旬戸隠の木の花
2025年6月8日記
「春の妖精の定義について」のつづきです。ここからは、見てきた木の花の記録です。
オオカメノキ。この若葉のくるりと内側に巻いた姿は大好きです。
花も咲きはじめていました。エゾムラサキ自生地ではもうオオカメノキの花は終わっていたので、ここはやっぱり春が遅いです。
シャクナゲのつぼみ。
図鑑には、アズマシャクナゲとハクサンシャクナゲの見分け方がいろいろ書いてあります。例えば、アズマは葉の裏が褐色の綿毛、ハクサンは褐色とあったり、アズマは花冠の裂片の先がへこんでいて、ハクサンは花冠の内側に緑色の斑点があるとあったり。
これはなかなか覚えられない…と思っていたわけですが、葉の根元の形で見分けられると知ってからは、ある程度自信が持てるようになりました。
上の写真のように、アズマは葉柄に葉の縁が流れるようにつながっているのに対して、ハクサンは、葉柄と葉の縁との角度が直角に近くなるのだそうです。これならつぼみでも見分けられます。
ただその他のシャクナゲが混じってくるとやっぱり葉の形だけではだめみたいです。
これはウリハダカエデでいいと思います。4月に里山でウリハダカエデの花を見て調べてあったので、すぐに同じだ!と気づくことができました。下に4月の写真を貼ってみます。
これでこの花はこれからも見分けられそうです。また一つ覚えました。解像度が上がっていくのは楽しいことです。幹の模様がよく似た「ウリカエデ」という種類もあるそうで、見比べてみたいものです。
花ではありませんが、ヒメアオキ。これも昨年覚えました。この時季に赤い実を付けているのでとても目立ちます。
最後にこれも花ではありませんが、今年はついに自分で採ることがなかったコシアブラの若芽。植物採取が禁止のこの植物園でも、タラの芽とコシアブラは結構採取の跡がめだちます。
春の妖精の定義について
2025年6月8日記
「5月のスプリング・エフェメラル」のつづきです。
スプリング・エフェメラルと言えば、早春に咲くカタクリ、ヤマエンゴサク、キクザキイチゲ、アズマイチゲ、ミスミソウ、フクジュソウ、セツブンソウあたりを個人的にはイメージします。
そして戸隠ではこの花、トガクシショウマを外すわけにはいきません。
それからこの花、シラネアオイも。
トガクシショウマもシラネアオイも、ここ戸隠森林植物園で見られるのは植栽されたものです。個体数は少なく自生地は限られているといいますし、登山に身体と気持ちが向かなくなってきているので、このような植栽がなければ、これらの花の素晴らしさに触れることができなかったでしょう。そういう意味でとてもありがたいことです。
もし山を歩いていて、こんな見事な花が登山道の脇にあれば、大感激すること間違いなしです。
ショウジョウバカマもスプリング・エフェメラルのひとつとするのが一般的みたいです。花の後、かなり長い間葉などが残るのでちょっと違和感がないわけではないですが、それはシラネアオイなども同じです。
オオタチツボスミレなどスミレ類は、スプリング・エフェメラルに当てはまるかどうかは微妙らしく、検索して調べてみるとweb上では見解が分かれています。
エンレイソウ。花の後に長く葉などが残るので、「厳密にはスプリング・エフェメラルとは言えない」としている記述を見かけます。
このコミヤマカタバミもエンレイソウと同じく葉は長く残るのでスプリング・エフェメラルではないという人もいるようです。
そしてサンカヨウ。まだつぼみでした。場所によっては花は梅雨時と重なってくるので、やっぱり「厳密には」スプリング・エフェメラルとは言えないという意見があるようです。
ただ、スプリング・エフェメラルの定義に「厳密には」という言葉はそもそも似合わないと感じます。そういえば、蝶にもスプリング・エフェメラルが存在します。
ということは、スプリング・エフェメラルは学術的な分類ではなく、春先にその命を輝かせる生き物を総称したイメージとしての言葉なのですよね。なので今回挙げた花々は、もうそのくくりでいいんじゃないかと思うわけです。
5月のスプリング・エフェメラル(戸隠)
2025年6月8日記
5月中旬の戸隠森林植物園です。正規の駐車スペース最後の1台分に車を止めて歩き始めたのは午前6時。
ミズバショウが見頃でした。
リュウキンカも。
林床の花といえばこのフッキソウ。これは草本ではなく常緑の低木です。
ニリンソウは咲き始めという段階でした。
まだつぼみが多かったです。
標高の低いところでは3月に咲く花がまだ咲いていました。
カタクリはあちこちに。
雪が多かったせいか、花は全体的に遅れている感じです。そういえば駐車場の奥には除雪でできた大きな雪の山が未だに残っていました。
ヤマエンゴサクはとある1か所だけで見ました。
キクザキイチゲは閉じたまま。もう少し太陽が昇れば開いた姿を見られたことでしょう。
ニリンソウやカタクリ、ヤマエンゴサク、キクザキイチゲなどは、スプリング・エフェメラルと呼ばれる花です。意味は「春の妖精/春のはかないもの」で、春が浅いうちに花を咲かせ、夏が来る前には枯れて地上からは姿を消してしまう植物の総称です。ということは、5月の戸隠はまだ早春ということになるのでしょう。
カタツムリの冒険的道路横断
2025年6月7日記
5月中旬の畦道です。
マストドンで「#カメムシ地位向上委員会」のハッシュタグを使い始めました。となるとカメムシ探しに出かけたくなるわけで、ねらいはそろそろ出てきてもいいアカスジキンカメムシです。幼虫はときどき見ますが、成虫に出会えたのはカメムシに関心を持ってから数年経ってのことでした。この日もアカスジキンカメムシを見ることはできませんでした。
代わりに撮れたのはかわいいウズラカメムシです。ウズラの卵の模様に似ているのが和名の由来とのことですが、あまり納得感はありません。魚のウマズラハギに通じるところがある愛嬌のある顔つきがいいです。
あまり撮る機会がないツバメ。自宅のまわりでは飛んでいるところを見かけることはあっても、こうして止まっている姿は見かけません。ツバメは基本的に人通りの多いところに営巣するので、人があんまり歩いていない我が家のあたりまではやってこないのです。
ムクドリ小群。
電線モズ。
クルミの雌花。
結実しているものもありました。
クルミの枝の下のアスファルトに、夕日を浴びながら移動しているカタツムリがいました。幅員は車が1台ぎりぎり通れるくらいなので2mほどでしょうか、でも体が小さく移動速度も遅いカタツムリにとっては、かなり長く危険な冒険的な道路横断です。何が彼を道の反対側に呼び寄せたのでしょうか。左巻きの殻をもっていたので、ヒダリマキマイマイでしょうか。googleレンズは違う種類を提示していました。
ウスバシロチョウ初認
2025年6月7日記
前回の続き、いつもの近所の森です。
ウスバシロチョウを初認しました。「シロチョウ」という和名ですが、シロチョウ科ではなくアゲハチョウ科です。以前はもっと個体数が多かったように思います。最近は、珍しいとまでいかないものの観察機会が減りました。
ウスバシロチョウは北方系の蝶なので、温暖化の影響を受けているんじゃないかと心配になってしまいます。
この森では、過去に観察したことがなかった南方系のクロコノマチョウを昨年確認しました。ツマグロヒョウモンが当たり前に見られるようになったように、蝶の種類は今後入れ替わっていくのかもしれません。
これはダイミョウセセリ。戦国大名が着ていた羽織袴の紋になぞらえた命名という説が有力らしいです。
コジャノメ。
フタホシシロエダシャク。ヨツホシではなくフタホシ。蛾の仲間はこのように片側だけの紋の数で命名されているもの(例:ヒトツメカギバ)と、左右の翅の紋を数えているもの(例:エゾヨツメ)とがあって混乱します。
未同定シャクガ。このあたりはあきらめることにしています。
花が終わったタチツボスミレの葉についていたイモムシ。ミドリヒョウモンの幼虫でよさそうです。ここの平地の森でも発生しているとは。
ドクガの幼虫と思われます。触ってはいけないやつです。
珍しく、地上ではなく草に登って待ち伏せをしているニホンカナヘビ。
ヒヨドリ。
イカル。たくさんいますが、相変わらず写真は厳しいです。
ほかにはシジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、メジロ、サンショウクイ、コゲラ、ホオジロなど。
トチノキ エゴノキ そしてギンラン
2025年6月6日記
5月中旬、いつもの近所の森の記録です。
トチノキを見上げてみました。
花が咲いています。
現在の主たるSNSはFediverseで、いくつか作ってあるリストの一つにはウクライナの方の投稿が流れてきます。ある日の投稿にはトチノキの花の写真が添えられていました。ロシアの侵略行為で大変なことになっているウクライナでも、日本と同じようにトチノキの花が咲くんだなとしみじみしてしまいました。
さてこの時季の森の花ではエゴノキが楽しみです。
ぽつぽつと咲いている花を見つけて撮ったのが上の写真です。
でもまだほとんどはつぼみ(↑)でした。
まだ咲いているホタルカズラ。
ガマズミの仲間の花はおしまいです。ほとんど散ってしまっていました。
マムシグサ。
シシガシラ。フォルムが魅力的すぎです。
ようやく見つけたギンラン。
昨年はたしか、見ることができないまま終わったと記憶しています。今年はなんとか1株だけ見つけることができました。前にも書いたように、この森では以前はもっとたくさんのギンランを見ることができました。原因は不明で気になっています。
すぐ気候変動に結びつけたくなってしまうのですが、それは思考停止かもしれないので気をつけます。
保護という名の拉致と外猫に気をつけて
2025年6月6日記
5月中旬、畦道探鳥の記録です。
雨が上がって青空が見えてきた午後2時過ぎから歩き始めました。
最近は自宅でカッコウの声を聞くことが増えてきました。この日見かけたのはそれと同じ個体かもしれません。
路上にスズメの巣立ちびながいました。
先日届いた「野鳥」誌には、「ヒナを拾わないで」ポスターが同梱されていました。なぜか巣立ちびなを見ると「私が育てなくては!」という謎の善意に駆り立てられる人が出てくる季節です。保護という名の拉致誘拐の一部はSNSで露呈することもあるわけですが、自分はいいことをしているという善意からの行動なので、周りからの忠告や指摘が耳に入らないのがなんとももどかしいところです。そしてその結果は大概悲しいものになるのです。
このヒナも、拾われることがありませんように。そして放し飼いにされているネコの犠牲になりませんように。
鳥のその他の記録は、オナガ、モズ、カワラヒワ、ウグイス、ムクドリ、ヒヨドリ、ツバメ、キジバトです。
いわゆる雑草たちの顔ぶれもだんだんに変わってきました。
オドリコソウ。
カキドオシ。
リンゴの実は順調に大きくなってきていました。
いつの間にかクワも実をつけていました。
コミスジ。
ヒゲナガガの仲間。きれいです。web図鑑で同定を試みるも、ぴったりの翅の模様が見当たらず、未同定とします。
ナナホシテントウ。
蛹。
カメムシ。クサギカメムシでいいでしょうか。
カマキリの幼虫がかわいすぎました。
成虫になれる個体はわずかなんでしょう。
マミジロハエトリ。カマキリ幼虫はハエトリが食べるには少し大きすぎるでしょうか。逆にカマキリ幼虫がハエトリを捕食することがあるのかもしれません。
畑仕事をしていると、ハエトリグモの仲間の個体数はすごく多いと感じます。あの個体数を支えるだけの、私に見えていない小さな獲物がきっとたくさんいるのでしょう。
虫たちにとって恐ろしい敵であろうニホンカナヘビです。
ここのヒヨドリはどこから
2025年6月3日記
5月中旬のいつもの近所の森です。
新緑の気持ちいい森歩きです。
ヒヨドリがいました。1年中この森では見ることができる鳥です。でも上空を渡っていく群れを見ることはよくあります。渡りをしない個体もいるという話ですが、夏と冬とでは違う個体を見ている可能性があると思います。
写真を撮っているときには気づきませんでしたが、盛んに虫を捕らえて食べているようです。上の写真は赤っぽく見える虫、下の写真は黄色みがかかった翅を持つ虫をくわえているように見えます。
エナガの群れもいました。おそらく巣立ちびなたちです。これも撮っているときにはわかりませんでしたが、親鳥(またはヘルパー)がイモムシを与えている様子が写っていました。上の写真から切り出してみました。
左は下向きに写っている個体がくちばしにイモムシをくわえていることがわかり、右の写真はイモムシをまさに与えようとしているところです。
イカルもたくさんいました。最近この森ではイカルが多いです。でもなかなかまともに写真を撮らせてくれません。
その他の確認種はオオルリ、キビタキ、コサメビタキ、シジュウカラ、ヤマガラ、カワラヒワ、シメ、スズメ、コゲラ、アオゲラ、メジロ、サンショウクイ、ツバメ、ホオジロです。シメはこの冬ほとんど観察ができませんでしたが、この日は森で地鳴きを聞きました。どこかにはいて、ここには渡りの途中に立ち寄ったのでしょう。
花はガマズミの仲間、ムラサキケマン、そしてマムシグサなど。
例年ですとそろそろギンランが出てきてもいい頃です。ただこの森では年々株の数が減っている気がします。ちょっと気がかりです。
湿地の花と鳥
2025年6月2日記
ミズバショウが咲く湿地を歩いてみました。
個人的にはミズバショウって花としてはそんなに「いい…」とは思わないんですけどね。群落としての見事さはあると思います。
この記事は5月中旬のものですが、先日、ミズバショウが終わった戸隠で、すれ違った方から「どこかにミズバショウって咲いてますか」と聞かれました。もちろんミズバショウは葉っぱだけになっていわたわけですが、ほかにもいろんな花が咲いているのになと思ってしまいました。。
やっぱり「夏の思い出」の歌詞の影響があるんでしょうか。♪水芭蕉の花が咲いている 夢見て咲いている水のほとり…ですもんね。ロマンチック極まれリという感じです。
この湿地でミズバショウとセットなのがリュウキンカです。人里では園芸種のヒメリュウキンカが野外逸脱して困ったもんだと思うわけです。ちなみにヒメリュウキンカは、同じキンポウゲ科ではありますが、リュウキンカ属ではないとのこと。
こではニリンソウの群落も見ることができます。文句なしに素晴らしい光景です。
リュウキンカと同じキンポウゲ科の花です。イチリンソウ属。
ナツトウダイ。トウダイグサ科。タカトウダイとの見分けは割と最近覚えました。識別点をしっかり撮ることもできるようになりました。花弁はなく、上の写真では黄色く写っている腺体から蜜を出して虫を呼び寄せます。この腺体の形が見分けのポイントです。
木道の上に、木道が壊れていることを示すために置かれていたコーンの上で、ミソサザイが囀っていました。
その後、場所を変えてさらに囀りを続けていました。日本三鳴鳥にミソサザイが入っていないのは不思議です。そのくらい素晴らしい声だと私は思っています。
アオジもいました。ここにはノジコも生息しています。この日はノジコは声だけの確認でした。アオジはしっかり止まって囀るのに対して、ノジコはちょこちょこと移動しながら鳴く傾向があると思います。
倒木の上にタテハチョウの仲間。翅の模様がしっかり写っていないのでよくわかりません。前翅の白斑の感じから、エルタテハかヒオドシチョウだと思います。
その他、ウグイス、クロツグミ、シジュウカラ、ヒガラ、ヤマガラ、エナガ、コゲラ、キジバト、キジを確認しました。
エゾムラサキはまだつぼみ
2025年6月2日記
最近は早く寝ることを心がけているので、更新が滞りがちになっています。6月になってしまいましたが、まだ5月中旬の記録です。
毎年咲くのを楽しみにしているエゾムラサキの自生地に行ってみました。エゾムラサキはムラサキ科の多年草。ワスレナグサと同属です。エゾムラサキは在来種、ワスレナグサは外来種です。
----------以下引用(「山の花1200」青山潤三 平凡社より)
本州中部以北の深山に生え、上高地徳沢の群落は有名。花序は長く上伸し、径6~8mmの淡青紫色の花を多数つける。
----------引用ここまで
残念、ちょっと早かったです。2024年も2023年も、5月の初旬には咲いていたので今年は遅いです。
ほかの花を見て回ることにしました。
オオタチツボスミレ。
こちらはタチツボスミレ。平地の森ではもう終わってしまっていますが、標高が高いここではまだまだ元気に咲いていました。
見慣れない白いスミレを見つけました。
側弁にも紫色の筋があります。
葉はこんな感じで、地上茎がないことからヒカゲスミレと考えました。
少し湿った場所にはショウジョウバカマ。
根本からカエルの声がしました。ヤマアカガエルでいいでしょうか。
つぼみをつけるのは早いけれど、なかなか咲かないジンヨウイチヤクソウ。今回はまだつぼみはありませんでした。普通のイチヤクソウは、葉の先がもう少しとがり、マルバノイチヤクソウには葉の白斑はないそうです。
ベニバナイチヤクソウはつぼみをつけていました。
木の花いきます。
まずはクロモジ。
若葉の明るい緑と半透明の花の淡い黄色との組み合わせがすてきです。
オオカメノキ。花はほとんど終わっていました。これは残っていた花。
クサボケ。
レンゲツツジはまだつぼみでした。
花ではありませんが、やっぱり撮ってしまうリョウブの新芽。
というわけで、エゾムラサキの開花を期待して、次の週もここに来ることにしました。
今度こそツグミ終認
2025年5月17日記
5月大型連休最終日は雨。
夕方になって雨が上がったので、ずっと「Move!」とスマートウォッチもうるさいので、近所を歩いてくることにしました。探鳥ではなくウォーキングのつもりではあったのですが、街ではなく足は山方面へ。
小道をゆけばキビタキの声。さえずりはサンショウクイやウグイスも。
家に帰る途中、もう薄暗くなってきた県道を歩いているときに、なんとツグミの声を聞きました。それも何度も。
4月の終わりにツグミを確認して以来、姿も声も聞くことはなかったので、すっかりそれが終認だと思っていました。もちろん、ここにいたツグミではなく渡っていく途中の個体という可能性もあります。
モグラ発見
2025年5月15日記
5月大型連休3日目の夕方の畦道探鳥。
カキドオシの季節です。
オドリコソウもいい感じです。
ツバメの飛翔写真をSNSで見かけたのでちょっと撮ってみたくなってチャレンジしましたが、これは無理です。ドットサイトと鳥認識のAFが必要ですよね。
ファインダーに導入するだけでも一苦労です。
リンゴの花は終わりかけ。ヒヨドリがいました。くちばしの先が少し黄色くなっているので、リンゴでも受粉者となっている可能性があります。
リンゴ畑の地面にはキジバトがいました。
ペアで行動してるムクドリを見かけますが、こうした群れでの採食行動も見かけます。
スズメ。
スズメの減少が話題になりますが、私の歩いている環境ではそうは感じません。もっとも気がついたときにはもう「手遅れ」なのかもしれませんが。
コムクドリもあちこちでみかけます。
コムクドリは以前に比べて当地では増えている印象です。
セグロセキレイを見ました。最近ハクセキレイを見ないです。たまたまだとは思いますが。
さて、今回のトピックはモグラです。足元でがさがさ音がしたのでいつものカナヘビかなと思ったら違いました。
なにかの間違いで?地表に出てきてしまったところに私が通りかかったという状況だったのでしょうか。あわてて落ち葉の層に潜り込もうとしていました。しかしこの場所は落ち葉が薄くてなかなか下に入れません。
黒っぽい色だったので、見たときはヒミズだと思いましたが、上の写真の前足の大きさ、頑丈さからするとモグラの可能性が高いと考えました。
スギナをむしる前に
2025年5月15日記
畑カメラシリーズ。
アスパラについているアスパラハムシ(ジュウシホシクビナガハムシ)。毎年書いている気がしますけど、畑の中にぽつんと生えているアスパラガスを見つけてこうしてやってくるという昆虫の能力のすごさを感じます。
最近になって咲いている花が目立ってきたカタバミ。美しい花です。葉っぱもかわいいハート型なのに、世間的にはあまり人気がないのが不思議です。
アメリカフウロ。
レンゲ。デジカメだと見た目の色に撮れません。実際は花弁がもう少し赤いのですが、赤くしようとすると葉や茎が赤みを帯びてしまいます。
この日の畑仕事のミッションは、びっしり生えているスギナ退治だったのですが、むしる前に美しいスギナのポートレート。
エゾムシクイ初認とキツネ
2025年5月13日記
5月大型連休3日目も近所で。
いつもの近所の森です。
緑が濃くなり、鳥の観察には向かなくなってきました。
エゾムシクイを初認。オオルリはこの森での初認。しかしいずれも声だけです。センダイムシクイは樹冠に一瞬だけ姿を見ました。
森の中でずっと声だけは聞こえてきたキビタキ、森を出ようとすると至近で2羽がブンブンと音を立てて追いかけ合いを始めました。私の存在などどうでもいい感じで、かなり激しく争っていました。それが一段落ついたところで撮った写真が上です。
そのすぐ近くにはビンズイがいました。
その他、ウグイス、ヤブサメ、メジロ、サンショウクイ、キセキレイ、ヒヨドリ、シジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、アオゲラ、コゲラ、イカル、カワラヒワ、スズメ、ツバメ、オオタカ、トビ、オナガ、ホオジロを観察できました。
少しびっくりしたのはキツネを見たことです。畦道ではよく見かけますが、この森では初めてでした。
後ろ姿が見えていて、最初は犬?と思いました。シャッターを切っても耳を動かすだけ。
もう一度シャッターの音がするとゆっくりこちらを向いて、それからそれほど慌てる様子もなく去っていきました。
花ではヤマツツジが開花。
ガマズミ系が引き続き印象的。
タチツボスミレはおしまいです。
ミノウスバ芋
2025年5月13日記
5月の大型連休2日目の庭の話です。
庭にもノヂシャが咲いていました。この花はとても身近な花なのに、ハンディ図鑑にはまず載っていないのが謎です。肉眼で見るともっと透明感があって、結構きれいです。ヨーロッパ原産で、あちらではサラダの材料になるとか。
さて問題はマサキにいたミノウスバです。成虫は半透明の輝く翅を持つ美しい蛾です。毎年その発生を楽しみにしていたのでマサキを食べるのは基本的に容認していたのですが、かなりの数がいるようで、マサキが丸坊主状態になってしまいました。
ミノウスバの幼虫は、振動などで危険を察知すると口から糸を吐いて懸垂し難を逃れようとするのですが、その数がちょっと尋常ではなかったです。
これでもほんの一部。マサキの葉っぱはもう残りわずかです。そろそろ地面に降りて蛹になる時期ではあります。駆除してしまえば晩秋の成虫を愛でる楽しみはなくなってしまうし、迷うところです。、
大型連休は近所で
2025年5月12日記
ここから5月の記録です。テレビは大型連休後半と伝えていましたが、休日はカレンダー通りなので、私の大型連休は5月になってから始まりました。1日目は家にこもっていて、これは2日目の話です。
ソメイヨシノはすっかり葉桜に。
いわゆる雑草たちも4月とは違うメンバーが咲き始めました。ノヂシャ、トキワハゼ、ジシバリ、オドリコソウです。
クルミの梢にコムクドリ。柔らかい声がいいです。癒やされます。
畑にはセグロセキレイがいました。畦道では他に、スズメ、カワラヒワ、ムクドリ、セグロセキレイ、シジュウカラ、ヒヨドリ、オナガ、ハシボソガラス、キジバト、ツバメを確認しました。
コミスジ初認です。調べてみると幼虫で越冬。春に蛹になって羽化なのですね。
そのままいつもの近所の森に接続しました。新緑がまぶしい美しい森でした。
ウグイスとイカル、センダイムシクイ、シジュウカラ、シジュウカラ、キビタキ、サンショウクイがさえずっていました。イカルはたくさんいましたが、写真は厳しかったです。
あと、メジロ、コゲラ、ヒヨドリ、ホオジロ、オオタカを確認です。
4月に続いてホタルカズラを確認。
あとウグイスカグラ。
そしてガマズミの仲間です。
森をあとにして再び畦道を戻ったわけですが、特筆すべきはツグミの姿も声も確認できなかったことでした。4月が終認だったか…とこのときは思ったわけですが。
