野外手帳
楽しきは野山徘徊。
ホウジャクとウスバキトンボ
2024年9月19日記
9月上旬の畦道です。
鳥影は少なめ。
ホウジャクが吸蜜しているところを頑張って撮ってみました。
以前に家の庭に来ていたのはホシホウジャクでしたが、ホウジャクも混じっていました。今回観察できたのは後者のホウジャクみたいです。
吸蜜している花は野生化していてあちこちで見かけるものです。調べてみるとウスベニカノコソウという花のようです。スペイン原産だとか。
たくさん撮ってしまいました。
花の周りをぶんぶん飛び回りながら吸蜜しているわけですが、相当にパワーを要する飛翔だと思います。蜜にはそれだけのコストをかけるだけの価値があるというか、蜜を吸っているからこそこうした飛び方が可能なのだろうと思うわけです。本物は見たことがありませんが、その辺はハチドリと共通項があるのかもしれません。
その他見かけた鱗翅類をまとめておきます。
ウラナミシジミ。前回に比べてすごく増えました。
ヤマトシジミ。
キタテハ。
モンキチョウ。
モンシロチョウ。
モンシロチョウといっしょにカメムシの幼虫が写っていました。撮ったときは気が付きませんでした。
矢印のところにいます。
他のニラにはブチヒゲカメムシ(上)がいたので、てっきりその幼虫だと思いこんでいたのですが、今回写真を整理がてら調べてみるとブチヒゲ幼ではないことがわかりました。確証は持てませんが、アオクサカメムシの幼虫っぽいです。
そしてシンジュサンの芋がまだいました。
鱗翅類は他にアゲハチョウとイチモンジセセリを確認しました。
鱗翅のほかに特筆すべきは、やっぱりウスバキトンボが現れたことでしょう。かなりたくさん飛んでいました。
お盆トンボとか精霊トンボなどと呼ばれるこのトンボは、ほぼ止まることがないので、以前はアカネ系の未成熟個体かななんて思っていたのです。見た目は赤くないので。
ですが、飛んでいるところの撮影に成功して以来、これがウスバキトンボだとわかりました。今は、その止まる姿をほとんど見ることはないということが、ウスバキトンボを見分ける特徴になっています。
蜜のパワーで翅を高速でぶん回すホウジャクと違って、あまり力まずに飛んでいるように見えます。グライダー的なアプローチなのかもしれません。
それにしてもなぜこれだけ止まらずに空中生活を好むのだろうと不思議に思うくらい止まらないトンボです。今回、ウスバキトンボの写真は撮れませんでした。
9月1回目の戸隠 その3(シロバナツリフネソウ)
2024年9月18日記
その1で、たまたまそこに居合わせた植物観察グループにミヤマカラスアゲハを教えたと書きました。行動をともにしたわけではないですが、その後もルートがほぼ重なって抜いたり抜かれたりしながら園内を歩くことになりました。
そしてラッキーだったのが、そのグループのガイド役の方がメンバーに教えていた「シロバナツリフネソウ」の存在です。木道のすぐ脇にありましたが、言われなければ気づかずに通り過ぎてしまったと思います。
まさにシロバナツリフネソウ。家で検索してみると白いのはかなり珍しいようです。サイトによってはキツリフネと同じ感じで「シロツリフネ」と記載してあるケースもありました。
毎年同じ場所に生えるのかどうか。
下は普通のツリフネソウ、そしてキツリフネです。
いやあ、いいものを見せてもらいました。
実のいろいろも載せておきます。
まずはツリバナ。幹に「ヒロハツリバナ」という看板がついていましたが、あれ…実は5裂です。ヒロハだと4裂のはず。うーん。
サワフタギ、ミヤマイボタ、コマユミ、トチバニンジンでいいと思います。
たくさーんあったコバノフユイチゴの赤い実はほとんど見かけませんでした。動物たちに利用されたのでしょうか。
目立ち始めたチヂミザサ。
そしてノブキのかわいい実です。付着型の動物散布ですが、一つ上のチヂミザサの種がやたら服に付くのに対してこちらはあまり気になりません。
キノコも載せておきます。
ぼんぼんぼんと、まとめて3つもハナビラタケ生えている場所がありました。
戸隠森林植物園内には他にもハナビラタケが生えている場所がありますが、かなり長い期間その形を保持しています。サルノコシカケなどとは違って、普通この手の柔らかめのキノコはあまり「日持ち」?がしないのですが、これは違いますね。
その他のキノコは例によって同定を諦めているのでまとめて画像にしてしまいました。
一番下の右端はイグチ系のキノコです。
9月1回目の戸隠 その2(アケボノソウ)
2024年9月17日記
9月に入ったということで秋の花です。なんといっても私にとってそれはアケボノソウ。
もうなんというステキデザイン。
エゾリンドウも出てきました。
デジタルカメラではいい色が出ません。図鑑に載っているのもみんな妙な色に見えます。
リンドウつながりでツルリンドウ。結実が始まっていました。そう言えば最初に挙げたアケボノソウもリンドウ科です。
そして秋といえばこの花も外せません。
トリカブトの仲間。
そしてこれもトリカブト科のレイジンソウ。
戸隠で見られるのはアズマレイジンソウらしいですが、詳しいことはわかりません。
写真の枚数が多くなってしまうのでまとめてしまいました。マツムシソウ、ゲンノショウコ、ミゾソバ、一株だけ咲き残っていたシキンカラマツ。
キク科はよくわからないです。左上はアキノキリンソウ、右上はハンゴンソウでしょうか。
そして嬉しいことにまだレンゲショウマが残っていました。
レンゲショウマの立ち姿は、なんかもう「夏の思い出」という感じです。
9月1回目の戸隠 その1(ミヤマカラスアゲハ)
2024年9月16日記
今年は戸隠重点で、5月から月3回詣でを続けています。冬まで続けられるとは思いませんが。
ヒュウガセンキュウが盛りでした。
そこにやってきていた美しい美しいミヤマカラスアゲハ。個体数は少なめに感じますが、見られてよかったです。
近くに植物観察グループがいて、かなり専門的な会話もしている人達だったのですが、蝶はわからなかったようなので「ミヤマガラスです」と伝えました。
コアオハナムグリもいました。
サラシナショウマも多く咲いていました。ヒュウガセンキュウといっしょに林床を白く幻想的に飾っていました。
ここではミドリヒョウモンと…
ウラギンスジヒョウモンを見ました。
マユタテアカネ。
コガラ。
しきりに鳴いていましたが姿を見られたのは一瞬だったハチクマ。そろそろ渡りの季節。
入口の池にカイツブリ。
鳥はその他ヒガラ、ゴジュウカラ、コゲラ、キバシリ、サンショウクイ、ウグイスアオジなど。サンショウクイはヒリヒリ囀りと似た声でした。飛んでいるときはあの声が出ちゃうのかもですし、渡りの途中なのかもですね。
アブラコウモリ
2024年9月15日記
夕焼けがあまりにもきれいだったのでカメラを持って家を出て、いつもの畦道方面を歩いてみました。
その写真はまた写真倉庫に上げたいと思います。
あっという間に空は色を失って、空が暗くなりました。そこにたくさんのアブラコウモリが飛び交っていました。
レンズをMFにセットし距離は適当、ノーファインダーでコウモリの姿がレンズの方向と一致した瞬間にストロボを発光させてシャッターを切ってみました。そうしたら何枚かはコウモリの姿を捉えることができました。
アブラコウモリという和名は、九州北部でこのコウモリを「あぶらむし」と呼んでいたからという説が有力のようです。でも、皆さんその説明で納得できますか?私としてはじゃあその「あぶらむし」とは、特に「あぶら」は一体どこから出てきたのかということが気になります。
生態からすると別名のイエコウモリがすっきりぴったりするわけで、個人的にはなんでこうなった和名シリーズの一つです。
畦道花鳥
2024年9月14日記
ママコノシリヌグイを見ました。すごい命名です。
あちこちに咲いているツユクサが美しい畦道です。
キカラスウリ。この時季は歩けばあちこちで見かけるものの、きちんと咲いているところを見たことがありません。朝方まで開いているようなので、もう少し早起きして歩けばいいんですけどね。
ヤイトバナは結実している株が多くなってきました。
花ではありませんが実も少し。
いい色になりつつあるアオツヅラフジ。もう少し黒くなった頃が好みです。
ヨウシュヤマゴボウ。
さて鳥です。
オナガ。
スズメ。
ホオジロ。
何かを足に挟んでついばんでいたシジュウカラ。
畦道虫虫
2024年9月13日記
今季はアカスジキンカメムシに縁がないなと思っていたのですが、ようやく見ることができました。でも残念ながら幼虫です。
この場所では成虫を見たこともあるので、今後に期待しましょう。
ガガイモにむしゃぶりついていたのはシロテンハナムグリ。
ノブドウにやってきていたのはコガタスズメバチ。
そしてセグロアシナガバチ。かっこいいですね。キアシナガバチとの区別が難しいですが、別カットで後頭隆起線が大顎基部に届いているようには見えないのでセグロとしました。
ナガコガネグモ。
不明種。小グモが糸を出しているようです。以前、草叢にレース状に糸が張られていて、その正体がわからなかったことがあるのですが、それによく似ていると思いました。
その時の記事「謎のレース」はこちらです。
田んぼの防鳥網についていたイナゴ類。
そして今回は防鳥網の意外な問題を見ました。それはトンボ類が網に絡まる事故が多いことです。
飛翔能力の高さが裏目に出るのか、ちょっと理由はわかりませんが、脱出できなくなってしまっているトンボをたくさん見ました。
畦道鱗翅
2024年9月12日記
9月に入っても夏が続く今日この頃です。8月の終わり、一時期涼しくなったなと思ったときがあったのですが、また蒸し暑さがぶり返しています。
以下は8月の終わりの畦道、この日はすごく暑いという感じはありませんでした。雨上がりということもあったかもしれません。
左下は銀杏です。
ヒルガオが咲いていました。
そこにヤマトシジミ。
ニラが咲いていました。
そこにもヤマトシジミ。
クズです。
そこにはウラナミシジミ。今季初認です。
シロバナサクラタデにやってきたのは…
ベニシジミでした。
その他の鱗翅類。
キタテハ。
モンキチョウ。
ツマグロヒョウモン。
さてこれは幼虫ですが、大きな桑の木の葉を食べ尽くしていました。
アメリカシロヒトリですね。
8月3回目の戸隠(シラキトビナナフシ)
2024年8月23日記
弟と姪っ子を連れての軽いハイキング的な戸隠だったので写真はわずかです。
人が多すぎて、普段は寄り付かない奥社参道にも行ってみました。姪っ子にこの杉並木は見せたかったので。
思いがけずオオシラヒゲソウが咲いていました。まだ数輪なのでこれからが本番でしょう。
レンゲショウマ、ジャコウソウ、ヒュウガセンキュウ、カノツメソウです。
サカハチチョウ。
シロツバメエダシャクの仲間の亡骸。
鳥はノスリ、アカハラ、ゴジュウカラ、ヒガラ、コガラ、コゲラ、アオジです。
帰りの車の中でフロントガラスにナナフシがくっついてしまっているのが見えました。この前、山からアカウシアブを連れてきてしまいましたが、今回もやってしまいました。結局市街地までガラスに貼り付いたままでした。途中で停車して、山においてきてあげればよかったです。悪いことをしました。
後で調べてみるとシラキトビナナフシのようです。本州以南では標高の高いブナやミズナラがある場所に生息してる種類だとか。
8月庭と畑の虫 鳥 そして獣?
2024年8月20日記
アカスジカメムシはまだまだ健在。
直翅の幼虫。調べてみるとあの秋に騒がしいアオマツムシのようです。
ヒメクロイラガの幼虫。
こちらはイラガ。
庭木の剪定をしていたら見つけた繭。クスサンっぽいけど果たして。
ツマグロヒョウモン。
ヤマトシジミ。
そのヤマトシジミを貪り食うシオカラトンボ。鱗粉が風にふわふわ舞っていてなんとも言えない光景でした。
こちらはオスです。
庭から見える電柱に止まっていたハシボソガラスです。胸に白い部分があってツキノワグマみたいでした。ツキノワガラスです。
畑のトウモロコシが連日誰かに食われています。網から手を突っ込み、もぎとり引きずり出して食べているようです(手前)。
食害しているのはタヌキと睨んでいますが、ハクビシンとかアライグマとかの可能性もあるかもです。タヌキ以外は見たことがないのですがどんなものでしょう。
家の中にいた
2024年8月19日記
マツカレハ。網戸の中にいました。
庭にマツがあってこの幼虫(いわゆる松毛虫)が大量についていたんですよ。もうマツが枯れる勢いだったので駆除したんですけど、その生き残りが羽化してここにいるのか、それとも飛来したのか。それにしてもどこから入った?
今季2回目のゴマシジミ観察
2024年8月17日記
3個体を観察できました。ワレモコウの花に止まることがほとんどなので、探すのは(そこにゴマシジミがいれば)簡単です。
1回目の観察はこちら。
生息地がとても限定されているこの蝶が、これから先も見られる世の中でありますようにと願わずにはいられません。
夏が終わっていく
2024年8月16日記
某所。
左はカシワの実。右は春にズミかな?と思った花がついていた木の実。かわいいね。
歩き始めてすぐにエナガの群れに囲まれました。とても幸せな時間でした。
エナガもかわいすぎです。
ツルボが咲き始めていました。
特徴的な名前で、漢字だと「蔓穂」らしいですが、蔓植物ではなし、名前の由来を調べてみてもよくわからないです。
夏の終わりを感じさせる花の一つです。
その他の植物の姿も、季節的な印象は「夏の終わり」でした。今年も夏が終わっていきます。
コバギボウシを撮ったらアカアシカスミカメがたくさん写っていてちょっと笑ってしまいました。この写真だけで5匹もいます。
オトシブミ。
アカハナカミキリ。
同定苦手なトンボです。サナエの仲間だということまでは現地でわかり、あとは家に帰って「トンボハンドブック」で確かめです。
オレンジ矢印にT字の黄色斑があり、水色矢印のところに逆ハの字の黄色班があるという特徴がわかります。これでヒメサナエかヒメクロサナエかに絞ることができるみたいです。
加えてこの角度からだと腹部先端に白色部がないことからヒメクロサナエと考えてみました。ヒメサナエだとオスは尾部上付属器が、メスだと尾毛が白いとのこと。また腹部横の黄色斑がずらりと並んでいることから、これはヒメクロサナエのメスでよさそうです。
「トンボハンドブック」を買ったのでそろそろ見分けたいアオイトトンボとオオアオイトトンボ。これはオオと考えてみました。
野鳥の記録はまとめて上げておきます。上の写真のエナガの他に、サンショウクイ、ヒヨドリ、コゲラ、イカル、クロツグミ、ウグイス、ホオジロ、アオジを確認です。
夏も終わるというのに、囀り期間の長いウグイスとイカルはともかくも、サンショウクイとクロツグミも歌を聞かせてくれました。
8月2回目の戸隠 その2(コガラ)
2024年8月14日記
その1のつづきです。
コガラが近くに来てくれました。
ヒュウガセンキュウの茎にぶら下がって食べ物を探しています。
結構長い時間あちこちをつついていました。
ようやく何かを口にしたようです。食べ物を探すのも大変です。
鳥は、他にシジュウカラ、ヒガラ、エナガ、ゴジュウカラ、キバシリ、ウグイス、アカハラ、アオジ、カワラヒワ、ホトトギス、キジバト、ハチクマ、カルガモ、カイツブリを確認です。
画像はカイツブリの若いふたり。
幼鳥2羽。
蝶はサカハチチョウ、ヒメキマダラヒカゲ、ミドリヒョウモン、4枚目は迷いますが性標3本が見えるのでオオウラギンスジヒョウモンと考えてみました。
共演の図。
蝶は他にミヤマカラスアゲハ、スジグロシロチョウsp、ヤマキチョウsp。ヤマキチョウは多分スジボソヤマキチョウだと思うのですが、止まってくれないと私は同定できません。
木道に出てきたバッタ。ハネナガフキバッタと思われます。フキバッタというと翅が短いのが普通ですが、これはフキバッタ類で唯一翅が長い種類だとのこと。山地の広葉樹林で見られるフキバッタだそうです。
最後はトンボ。アオイトトンボの仲間、カワトンボの仲間、ノシメトンボ、アキアカネです。
8月2回目の戸隠 その1(レンゲショウマ)
2024年8月14日記
いよいよレンゲショウマが開花です。
スマホで。
マクロレンズで。
望遠レンズで。
この花を見ることができたので、今回はもうこれでOKという感じになりました。8月といえばやっぱりレンゲショウマです。
咲いていたのは1株だけでした。まだつぼみしかない場所で写真を撮っていると、
「これトガクショショウマですよね?」
と声をかけられました。
「いえ、レンゲショウマです」
と答えると
「レンゲショウマってかわいいですよね」
と返ってきました。この方はたぶんレンゲショウマが咲くとどんな花なのかご存じないです。
その他の新登場。
ジャコウソウ。
フシグロセンノウ。
マツムシソウ。もう秋じゃんとか、この花を見ると思うわけです。
レイジンソウももうすぐ咲きそうです。
コバノフユイチゴの実が多くなり、あちこちで見かけるようになりました。
コマユミの実が赤くなり始めていました。
ノブキの花も増えてきましたが、一部はすでに結実。このフォルムは大変好みです。
そのノブキの実についていたハバチの幼虫。未同定。いつもハバチの芋については宇宙人を想起してしまいます。もちろん宇宙人を見たことはないのですが。
その2につづきます。
夕方畦道
2024年8月12日記
ニラが咲き始めていて、少しだけ秋の気配です。
夕方なのでヒルガオはしぼみかけ。ノブドウが色づき始めていました。
ノウルシの木があるところでシンジュサンを見つけました。シンジュサンとは漢字で書くと「神樹蚕」。ノウルシ=神樹なのだそうです。ノウルシの英名がTree of Heavenで、その直訳が神樹というわけです。神樹を使って養蚕をしていたことからシンジュサンという呼び方になったのだとのこと。
ヤマトシジミ。
あまり深く考えずに撮ったのですが、ゴマダラチョウの前翅に見えます。ここらでは見たことがないんですけど。
大きさや触角の特徴からアブラゼミの抜け殻だと思われます。
まだ口元に黄色を残すツバメ。
ニホンアマガエルの上陸が始まっていました。とっても小さなカエルがあちこちでぴょんぴょん跳びはねています。
里山盛夏
2024年8月12日記
暑くてなかなか足を踏み入れにくい夏の里山です。夕方にちょっとだけ歩きました。
メジロを見ることができました。すごい保護色。
木々の間から見えたノスリの飛翔。
その他の観察種は、ヒヨドリ、ホオジロくらいです。鱗翅類に期待して歩いたんですけど、ここに限らず今夏は少なく感じます。
鳥も暑い
2024年8月12日記
鳥が口を開けるのは、体内の熱を逃がすためです。つまり暑いってこと。人間はエアコンがあるからいいですけど野の鳥は逃げられませんからね。
カワウも。
ホオジロも。
ハシボソガラスも。
8月1回目の戸隠 その3(昆虫)
2024年8月11日記
メスグロヒョウモンのオスでいいでしょうか。
ここの黒斑が斜めなのがどうやらポイント。
ウラギンスジヒョウモンのメスとしてみました。毎度難しいです。
これはわかりやすいです。ミドリヒョウモン。
セセリもいました。スジグロチャバネセセリでしょうか。
この角度からの写真しかなくて翅の裏側が撮れなかったのが痛いです。またスジグロとヘリグロの重要な識別点の縁毛が擦り切れてしまっていて、色がよくわからないのも痛いです。
ヘリグロチャバネセセリだと黄緑色矢印の斜め線がなく、また水色矢印のところにはもっとはっきりした黒斑があるはず。
ヒメキマダラセセリだとオレンジ矢印部分の黒帯がもっと幅広くはっきりしているはず。
よく見かけて何度も図鑑を見るのに名前を覚えられない蛾の代表格、シラフシロオビナミシャク。敏感で撮りにくい蛾です。シラフとは後翅の縁に並ぶ白い班のことらしい。
これはよく似ていますけど前翅と後翅の角だけ白いシロオビクロナミシャク。
なんで覚えられないかというと、これをシラフのないこれを、白帯「黒」波尺蛾にするのであれば、前者は「白斑」白帯「黒」波尺蛾でいいのに、和名は白斑白帯「」波尺蛾だからです。なんで「黒」を取ったの。
その他。イカリモンガ、ヒメキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、セセリsp(ミヤマチャバネセセリ)。セセリは特にいろんな方向から撮っておかないと難しいです。
ノシメトンボが多かったです。
こちらはアキアカネ。
鳥は少なく、写真のアカゲラ(地面をホッピングで歩く姿を観察しました)、コガラ(さえずりがよかったです)、カルガモの他は、シジュウカラ、アカハラ、アオジくらいでした。
戸隠1回目の戸隠 その2(花のつづき)
2024年8月11日記
その1のつづきです。7月から咲いていた花が中心です。
黄色系の花。
メタカラコウ。下から咲き始めた花が上まで来てしまいました。そろそろおしまいです。
ホソバガンクビソウ。
キンミズヒキ。
マルバダケブキ。
キツリフネ。
赤・紫系の花。
ツリフネソウ。
カライトソウ。
シキンカラマツ。
ミゾソバ。
白系の花。
ノブキ。
オカトラノオ。
バイケイソウ。今年はコバイケイソウが咲きませんでした。バイケイソウもとても少ない感じです。
ノリウツギ。
青系はその1で上げたソバナのほかはこのエゾアジサイだけ。
今年も楽しませてもらいました。
結実も少し。
シラタマノキ。
早くも実ができていたヌスビトハギ。
こちらも、えっ!もう?って感じのコバノフユイチゴ。
トチバニンジン。
キノコも少し。
すごく大きかったハナビラタケの株はもうおしまいという感じになってきていました。
その他のキノコは一覧で失礼します。
8月1回目の戸隠 その1(新登場)
2024年8月11日記
5,6,7月とそれぞれ3回ずつ戸隠に行って観察をしてきました。8月もそうしたいところですが、夏休みシーズン、特にお盆はひどい渋滞が発生するので、3回は無理かもしれません。
戸隠に上がる道はループライン、七曲り、県道経由といくつかありますが、戸隠の観光スポットを通過する道路は基本的に1本しかないので、一度詰まると大渋滞となってしまいます。地元で生活している方にとっては大変なことで、これもオーバーツーリズムってやつでしょうか。もっとも最近はパワースポットブームが落ち着いたので、状況は少し変わるかもしれません。
そんなわけでお盆休みの前に1回目。
新しく咲いた花の紹介、その1はツルリンドウ。
ソバナ。
オトコエシ。自信がなかったので葉っぱもちゃんと撮影してきました。↓
「三河の植物観察」によると「葉は対生し、長さ3~15㎝。上部の葉は分裂しないが、中部以下の葉は羽状に3~5深裂する。」よさそうです。
カノツメソウ。名前の由来は「鹿の爪草」で、根が鹿の爪に似ているからだそうです。そこか!という感じ。これも自信がなかったの葉を撮ってきました。↓
いがりまさしさんの「撮れたてドットコム」によると、「下部の葉は2回3出複葉。上部の葉は1回3出複葉になる。」うーん言葉が難しいですけど、合っているみたいです。
戸隠でもコバギボウシが開花です。
レイジンソウのつぼみ。
レンゲショウマのつぼみ。
以上8月に入って咲き始めた花とこれから咲く花の紹介でした。その他は長くなりそうなのでその2に回します。
今年もゴマシジミ
2024年8月10日記
アカセセリに続いてこちらのゴマシジミも絶滅危惧Ⅱ類です。なので撮影場所は某所とさせてもらいます。
例年お盆頃に発生数が多くなるようです。少し早めでしたが、どうかなと思って行ってみたら1頭だけ見ることができました。今後に期待です。
その他、左はジャノメチョウで右は未同定の蛾です。
帰ろうとして車に乗り込み、ドアを閉めたらサイドガラスにアカウシアブ?が止まりました。そのまま発車したら風圧に耐えながらもずっとついてきてしまいました。
平地に降りてきてからやっと飛んでいきました。環境が一気に変わって戸惑ったことでしょう。どうぞご無事で。
今年もアカセセリ
2024年8月10日記
某所でセセリ探し。
秋のような雲が出ていた日でした。8月の空は時折こうして秋の表情を見せます。ちょうどそこに太陽がかかって見事な彩雲が見えていました。
今回の目的、絶滅危惧Ⅱ類のアカセセリです。「フィールドガイド日本のチョウ」日本チョウ類保全協会編(誠文堂新光社)によると、「草原の管理放棄や開発によって減少傾向が著しく、現存生息地は非常に限定される」とあります。
もちろんこの場所に限っての話にはなりますが、生息数は多いと感じます。なので見つけること自体は難しくありません。
このチョウを見つけたのは本当に偶然でした。調べてみると上のような状況なので、場所を公開するわけにはいきません。ここでの観察を始めて数年になりますが、ずっと「某所」としています。
もっともここに限らず、戸隠と有名山岳以外は場所を明確にしないようにしていて、これは本サイトの一貫したポリシーです。
撮ったときには気付かなかったのですが、アカセセリの足元にクモが迫ってきていました。
前後のコマを見返してみると、クモはアカセセリに気づいて近寄ってきたものの手を(脚を)出せずにいたようです。
この後クモが獲物をとらえることはありませんでした。
そのほかのチョウ。
ヒョウモンチョウと考えてみました。準絶滅危惧種です。コヒョウモンとの区別は難しいのであまり自信はありません。
コヒョウモンに比べてヒョウモンチョウは前翅の縁が直線的だったり(コヒョウモンは丸みを帯びる)、下の写真で示した黒斑が分離傾向だったり(コヒョウモンは融合傾向)するようです。
総合的にみてヒョウモンチョウとしてみましたがどんなもんでしょう。
ヒョウモンチョウを追い立てるアカセセリの写真も撮れました。
ギンボシヒョウモン。
ウラギンスジかオオウラギンスジか迷うのですが、下の写真で目立つ性標が2本に見えるので、ウラギンスジヒョウモンとしてみました。準絶滅危惧種です。
ジャノメチョウ。たくさんいました。
蛾はこの1種。
アカマダラメイガ。
トンボ2種。
ミヤマアカネ。今季初。
アキアカネ。
甲虫はこの1種。
ヨツボシナガツツハムシ。
鳥は下の写真の2種の他、ウグイスとエナガの4種。
ホオアカ。
ホオジロ。
以下花もいくつか。
オオバギボウシ。
キキョウ。
シシウドの仲間でいいかしらん(知らん)。
ヤマハハコ、コオニユリ、コウリンカ、カワラナデシコ。
というわけで今年もアカセセリに会えてよかったという話でした。
キヒゲアシブトハナアブなど
2024年8月10日記
小さな湿地帯を歩いてみました。
ツリフネソウ開花、今季初。
コバギボウシ開花も今季初。
ウバユリとオオウバユリの境目はどこあたり?
「山の花1200」青山潤三(平凡社)には、「北日本産はより大型で花数が多く別変種オオウバユリとする」とあります。「いっしょに探そう野山の花たち」馬場多久男(信濃毎日新聞社)には、ウバユリは「花の数は数個から10個」、オオウバユリは「10個から20個」とあります。
ということで、この写真は10個。境目ですけどウバユリでいいでしょうか。
数個しかついたいない株も多かったですし。
ウバユリについていたアカアシカスミカメ。
ここでの目的の一つ、キヒゲアシブトハナアブ。
これは手持ちの図鑑には載っていません。webで検索すると自然度の高いところに生息するという記述が見つかりますが、いろいろみていくと必ずしもそういうわけではなさそうです。
でも私はここでしか見たことがありません。
シリアゲムシの仲間。翅の模様だけで判断できないみたいなので、もう「仲間」というところまでにすることにしました。
ナツアカネ。私の普段の行動範囲で写真を撮るとアキアカネが多く、「夏」ほはほとんどで目にしないトンボです。気づいていないだけの可能性もあります。
オベリスク姿勢。そんなに暑くはなかったのですが、トンボ的には体温を上げたくなかったようです。
ナシカメムシ。触覚が長いです。
アオゲラを見ました。野鳥の確認種は、この他に、ウグイス、シジュウカラ、コガラ、アオジ、ホオジロ、イカル、ツバメ、モズ、キジバト、カケスでした。
この場所はいろいろな鱗翅類が見られるという印象でしたが、今回はほぼゼロ。ちょっと心残りでした。
環水平アーク
2024年8月8日記
たまたま出張からの帰り道。 お昼ごろでした。
最初は雲がきれいだなと思って、山道の駐車帯に車を止めてスマホで写真を撮ったのです。黄緑色の矢印のところに太陽があって、周りに彩雲が出ていました。
ところが下のオレンジ矢印のところも色づいていることに気づきました。この時点ではこれも彩雲だと思っていました。
ところがあとでウィザーニュースの記事を読み、環水平アークが出ていたことを知りました。このオレンジ矢印部分の色づきは彩雲ではなかったらしいのです。確かに太陽からこれだけ離れた位置ですしね。
----------以下8月2日のウェザーニュースより引用です。
今日8月2日(金)の昼前から、中部地方や近畿の一部で虹色に染まった雲がみられました。環水平アークと呼ばれる現象です。夏空が広がっている東海や甲信、北陸、近畿では、上空の高い所の雲が虹色に染まる様子がみられました。これは環水平アークで、巻雲など空の高い所に広がる雲を構成する氷の粒が、太陽の光を屈折させることで現れます。今回見られた環水平アークは、太陽の中心から下方46度前後の空の低い所に出現します。一般的には水平に長く伸びる虹の帯となることから、環水平アークと呼ばれ、太陽高度が高い、4月上旬から9月上旬にかけての昼前後が見えやすい時間帯です。今日は帯状に伸びるというよりも、巻雲の一部だけが色付くような形になりました。この後は太陽高度が下がっていくため、段々と見えにくくなっていきます。
----------引用ここまで
彩雲と思っていましたが、結果的には環水平アークを見ることができて、しかもけっこう久しぶりだったので幸運でした。
これはスマホで。トリミングしています(というかこのサイトにトリミングしていない写真はほとんどありません)。
この日は午後休みを取っていて、出張の後はそのままどこかに撮影に行こうと目論んで車にカメラを積んできていました。以下はカメラで撮った写真です。
この2枚はマクロレンズで。
そしてこれらは望遠レンズで。
大気光学現象は本当に大好きなので、カメラとレンズを持っていて本当によかったです。いつも空を見上げているとこういう幸運にときどき巡り合うことができます。