自由研究
コシジタビラコにたどりつく
2024年7月16日(同日の野外手帳より抜粋加筆)
6月下旬の戸隠森林植物園、6月になって3回目の訪問となりました。ここで見つけた謎の花です。
ムラサキ科だとはわかったけれど図鑑に載ってない
この花をところどころで見ました。拡大してみるとムラサキ科だろうと見当がつくのですが、図鑑に記載がありません。普段使っている平凡社の「山の花1200」にも、長野県に特化しているので使いやすい信濃毎日新聞社の「いっしょに探そう野山の花たち」と「信州の山の花」にも、新潮文庫の増村征夫氏による4冊のポケット図鑑にもありません。
家にあったその他の6冊の植物図鑑やガイドブックでもわかりませんでした。
Googleレンズの判定はミズタビラコだったけど
googleレンズによるとミズタビラコ。検索してみるとそれでよさそうです。図鑑にはない種類までわかるとは!と感動してしまいました。
ところがミズタビラコで検索すると、コシジタビラコという似た種類があることがわかりました。
違いは果実。ミズタビラコは果実が4分果で、一つの形は三角形。その表面は平らであるということです。
それに対してコシジタビラコは、同じ4分果ですが、その表面に「環状の付属体」があるらしいのです。
そしてなんと奇跡的なことにその部分を撮影していました。同定ポイントを外しまくりの私としては珍しいことです。
この白い縁取りが「環状の付属体」ということになるようです。
コシジタビラコと判明
なので、これはコシジタビラコとしてよさそうです。ちなみにムラサキ科キュウリグサ属。ミズタビラコでさえ図鑑に載っていなかったわけですが、さらにその奥に潜んでいた花という感じでした。
参考にしたサイトはこちらです。
「HiroKen花さんぽ 野山に自然に咲く花のページ」
コシジタビラコの記述はこのページにありました。
最近更新が途絶えているようで心配です。有用な情報はこのような個人サイトにこそあると思うのですが。
上記サイトから、コシジタビラコについての解説を引用しておきます。
----------以下引用
山地の渓流の近くなどに生える、高さ10〜40cmの多年草。葉は楕円形で長さ1.5〜4.0cmで互生し、表面には細かい毛がある。葉、茎ともに柔らかい。枝先に花序を出し、淡青紫色の花をやや密につける。果実は4分果。環状の付属体があることで母種のミズタビラコと区別できる。本州の近畿地方以北秋田県までの日本海側に分布する。花期は5〜6月。
----------引用ここまで
ちなみにミズタビラコについての解説も引用します。
----------以下引用
山地の渓流の近くなどに生える、高さ10〜40cmの多年草。葉は楕円形で長さ1.5〜4.0cmで互生し、表面には細かい毛がある。葉、茎ともに柔らかい。枝先に花序を出し、淡青紫色の花をやや密につける。果実は4分果。変種のコシジタビラコのような環状の付属体はなく、表面はなめらか。
----------引用ここまで
これまで戸隠を何回も歩いてきましたが、この花に気づいたのは初めてでした。
さてもう一つきちんと識別点を偶然撮影できていた花はこのカラマツソウです。
よく似た種類にモミジカラマツとミヤマカラマツがあります。モミジカラマツはその名の通り葉がモミジのように裂けているのですぐわかります。カラマツソウは葉柄に托葉があり、ミヤマカラマツにはないとのこと。今回はなんとそこの写真もなぜか撮ってありました。
矢印部分が「托葉」です。なのでこれはカラマツソウということになります。ほおずき書籍の「花かおる戸隠高原」というハンドブックにはミヤマカラマツしか紹介されていないので、ここを撮影していなければミヤマカラマツとしていたところでした。今回はコシジタビラコといいカラマツソウといい冴えていました。