過去の野外手帳
-2007年7月
幼鳥シーズン
台風最接近の予報でしたが、午前中はポツリポツリ程度の雨。家にいても暇なので、双眼鏡とカメラをもってふらふら散歩に出かけました。住宅が多く怪しい人物に見られては後々面倒なので、機材はショルダーバッグにしまい込み、必要に応じて取り出すことにします。
巣立ったばかりの鳥がたくさんいました。歩いていくと畑からどっと飛び立つスズメの群れ。逃げ遅れてあわてる姿がありました。
川では、ハクセキレイやキセキレイがもつれあっていました。まだ色がほとんどないような幼鳥なのに、血気だけは盛んです。子犬同士がじゃれ合っているようにも見えました。
カワラヒワの幼鳥は胸や腹にぶつぶつが残っていて、マヒワっぽい感じでした。穂先にとまろうとするのですがバランスの取り方が危なっかしくて、仮免許路上検定中といった段階です。
2007年7月なかごろ記
夏なのに冬?
「普段から」の続きになります。
休日出勤の帰り道に田圃に寄ってみました。
時刻は6時を回っていて薄暗く、天候は台風接近に伴う雨でしたが、なんとか写真は撮れました(ISOは800)。でも安物300ミリズームの手持ちではなかなかきっちり撮れません。厳しいです(画像はいずれもかなりトリミングしています)。
家に帰ってPCに取り込み拡大してみますが、こういうときは普段は十分だと思っている600万画素が恨めしくなります。もっともっと拡大したい。口角の切れ込み具合は辛うじてなんとなくわかり、私の眼には両方ともチュウサギのように見えます。
チュウでもダイでもいいんですけど、どちらにせよ嘴が黄色い。夏羽では嘴が黒いという図鑑の記述は当てはまりません。
左はダイサギだと思いますが、やっぱり嘴は黄色いまま。この間はちゃんと黒くて目先がエメラルドの個体もいたのですが。
右の超大トリミング写真、アマサギの夏羽の色ではないですが、拡大してみると嘴の具合がアマサギに見えます。この間はちゃんとアマサギ色の個体もいたのですが。
他の鳥は季節に応じてきっちり夏羽になったり冬羽になったりすると思うのですが、サギはそのあたりがまちまちなんでしょうか。
実は、シラサギ系をきちんと識別しようとしたのは今回が初めてといってもいいくらいです。初心者ぶりを露呈してしまいました。普段からサギを見ている方からすれば迷うことではないのかもしれませんが、私には難しい。間違ったこと書いていたら、どなたか教えて下さい。
シゲさんも、同じ日に撮ったシラサギ系の写真をサイトに掲載されていましたが、やはり黄色い嘴の人達がいてこちらと同じです。
2007年7月なかごろ記
ハリブキの森
よたろうさんのブログで紹介されていたクボタテンナンショウとハリブキが見たくなって、出かけてきました。
ハリブキはすぐにわかりました。ハリブキハリブキ…と唱えながら歩いていると、あちこちにとげとげした植物があることに気付きました。知らなければ見過ごしていました。今までと違う視点を持つだけで随分森が違って見えるものだと感じます。
初めて意識したハリブキは、茎や葉の表面だけではなく葉の裏まで針で徹底的に武装していて、葉裏をのぞき込んだ時に「おー。」と声をあげてしまいました。自然の造形って本当に面白いです。
クボタテンナンショウにも出会えました。
個性的で素晴らしい色・模様と形。森の中から浮き出たような、それでいてまたとけ込んでいるような、不思議な印象の植物でした。
人気のない山。太陽も傾き、そそくさと下山。
あちこちで盛んにルリビタキがヒッヒッヒッヒと鳴き交わしていました。双眼鏡を向けると、オレンジ色のほわっとした羽毛が光って見えました。
そのほかの鳥はエゾムシクイ、メボソムシクイ、ウグイス、キクイタダキ、コルリ、ミソサザイ、ホオジロ、ホトトギス、カッコウなど。
2007年7月なかごろ記
広がっていく世界
相変わらずスミレはよく分からないのですが、分からないなりに心ひかれてしまいます。識別に燃えるのも楽しいのだと思いますが、識別は出来なくてもそれなりに楽しいのは、鳥見と通じるところです。
左はオオバキスミレ系。右はたぶんニョイ。翼さんとエコファーマーさんに相談してみました。
続きましては謎の白いもじゃもじゃ。かぜくささんのBBSでそっと聞いてみると、変形菌(ツノホコリの仲間らしいです)の子実体と教えていただきました。きのこ山書房さん、akaitoriさんありがとうございました。
いろんな生命の形があるものです。知らないことばかりで、それを教えてもらうのも楽しいです。
2007年7月なかごろ記
新品チューブの午後
放置してあったパンクをようやく直しました。チューブの側面に穴があってパッチを貼りましたが、よく見ると穴のように見えるポツポツがあちこちにあります。
空気は漏れていないものの、チューブが劣化しているのかもしれないと思って、結局チューブを交換してしまいました。
夕方から近くをふらふら回ってみます。もちろん秘密基地候補地にも行ってみました。
セミが鳴いていました。7月って感じです。この日は30度を超えましたが、この時刻になると気温はだいぶ下がって汗もそれほどかきません。
スズメやツバメがうじゃうじゃといました。巣立った若い個体でしょうか。ここは周囲に木も茂っているし、人はほとんど来ない場所なので、カッコウの…じゃなくて格好の塒になっているのかもしれません。
この日はサンショウクイまで確認してしまいました。ここも同じく近所の「灯台もと暗しの森」と同様、なかなか奥が深そうです。
2007年7月はじめ記
新品ソールの山
4月にトレッキングシューズのソールを張り替えたのですが、軽い靴を新たに買ってしまったこともあって、山らしい山に履いていかないまま7月まで放ってありました。
久しぶりに亜高山帯の山歩き。ウソ、キクイタダキ、ルリビタキ、メボソムシクイなどの鳥のコーラスを楽しみながら歩きました。
道はドロドロ。でもソールは新品だし、ゴアの靴なので大丈夫です。こんな道じゃ登れませんね-と嘆くおじさんを、「そうッスねー」と笑顔で追い越して(ちょっとイヤなヤツだったかもしれない)、静かな山頂に一人到着しました。
一息ついてから再び歩き始めると、コガラ、ヒガラがすぐ近くまでやって来ました。手を伸ばせば届きそうです。
信頼されているのだなあと感動してしまいましたが、よく考えてみれば無視されていた可能性の方が高いです。
小さな双眼鏡を一応持ってきましたが使うことはありませんでした。
2007年7月はじめ記
秘密基地候補地
「知らなかった風景」の続き。今回は逆コース。さらに脇道を見つけて入り込んでみました。
車は無理だけど、自転車なら行ける細い道を上ってみたら、荒れ果てたこんな風景が残っていました(2007年7月はじめのトップ写真も合わせてご覧下さい)。キジはもちろん、タヌキやキツネだっていそうです。
さらに道を上りきると住宅街の裏手に出ましたが、それのギャップにもちょっとびっくり。どうもここは台地上の捨てられた果樹園のようです。
下り坂がある-と喜んで自転車で下っていったら、その道は草に覆われて行き止まりになっていました。キャンプが出来そうな、ほどよい広さの草地も見つけました。
子どもの頃こんな場所があったら、秘密基地を作って楽しく遊んだかもしれません。
道端ではホオジロがチチと地鳴きをしていました。上空にはサシバが飛んでいました。
2007年7月はじめ記
普段から
田んぼの中に佇む(正確には獲物を狙っている)サギの姿をよく見かけます。一番多いのがアオサギ。ゴイサギも結構います。シラサギはダイサギが多いと思います。チュウサギもいるのかもしれませんが、走っている車の中から見かけることが多いので、双眼鏡でしっかり確かめたことがありません。
この日は自転車。「あ、ダイサギ?。」と思って自転車を止め双眼鏡をのぞいたのですが、嘴が黒いのと黄色いがいて、「あれ??ダイサギでいいのか???」と頭の中が?マークでいっぱいになってしまいました。
冬の嘴は黄色いけど、夏は黒くなるんじゃなかったっけ????と乏しい知識と照合しているうちに混乱してしまいました。
普段からしっかり観察していないとこういうことになります。
まあいいかと再び進んでいくと道路脇から飛び立ったホオジロSP.。車だと「ホオジロか」と通り過ぎてしまうのですが、今日は漕ぐのを止めて双眼鏡で観察。
するとホオジロではなくてホオアカでした(写真円内)。
後で図鑑を見れば、高原だけでなく平地にもいるとありますので珍しくも何ともないのですが、勝手に霧ヶ峰や菅平にいる高原の鳥というイメージを作り上げていたので、私にとって予期せぬ出会いとなりました。
普段からしっかり観察することはやっぱり大事です。
家に帰ると足が怠くて怠くて。普段から運動不足だとやっぱりこたえますね。
2007年6月おわり記
またまたこの場所に行って来ました。この日はシラサギ大集合。その中にアマサギを見つけることができました。
で先日の件ですが、嘴が黒くなっているような…でも黄色いぞ。というようなチュウサギがいることが分かったのですが、車を動かしたら皆さんに飛ばれてしまい、黄色い嘴のがダイなのかチュウなのかは不明のままです。
2007年7月はじめ追記
大正解
ぽっかり空いた日曜日。久しぶりの野遊びは行き先に迷いました。
もちろん長野市某所に来ているという赤い鳥にも心動きましたが、平日からバーダーやカメラマンが押し寄せてえらいことになっているということなので、日曜日の今日は選択肢から除外です。
じゃあ山に行こう。ここのところ里山ばかりなので少し高い山に行きたいなどと思い、どこにしようかな…と考えているうちに時間がどんどん過ぎてしまいました。買い物や食事の注文では割と迷ってしまう方なのですが、そんな優柔不断さはこういう時に出ます。
結局出発すべき時間までに家を出ることが出来ず、山も断念。こんな時は自転車だーと思い直して、息子と途中まで歩いた林道を自転車で詰めてみることにしました。
千曲川を渡り、北アルプスや飯綱、高妻、黒姫、焼山、妙高、斑尾の姿を楽しみながら北上。途中ハチクマを見かけたり、つけ麺を食べたりしました。
林道入口からえいやっと坂を上り始めます。でもすぐにダウン。最近大変運動不足につき心肺機能が追いつかず、最初から自転車を押す羽目になりました。
そんな私のすぐ上をサシバがすれ違いざまに飛んでいきました。こんなに近くで見たことはなかったので感動です。赤い鳥も山もやめて自転車にした訳ですが、こっちで正解です。
勾配が緩むとサドルにまたがり、自転車本来の使用法に基づいて進むことができるようになりました。
ほどなくして三叉路に出ました。辺りではクロツグミが全開で囀っています。オオルリ、キビタキ、そしてサンコウチョウの声まで聞こえてきました。赤い鳥も山もやめて自転車にした訳ですが、こっちで大大正解です。
下のスギ林から聞こえるサンコウチョウの声に惹かれて、林道の奥まで行ってみるという当初の目的をあっさり捨て、三叉路から下ってしまうことにしました。
この決断は大正解とはいかず、結局サンコウチョウを見ることはできなかったのですが(そしてクロツグミやオオルリ、キビタキも見られませんでした)、一人山の中で健康的に汗をかき、鳥的にもまあまあ充実した半日となり、帰りにお腹が空いてしまい本日2回目の昼食として食べた味噌チャーシュー麺もおいしかったので、ここに「大正解」というタイトルで今回の野遊びをご報告申し上げる次第です。
2007年6月おわり記