過去の野外手帳
-2024年9月
その日の午前中
2024年10月14日記
タカ渡りの観察から帰ったら、母の容体急変の連絡があったという話を前回書きました→「母が呼んだのかもしれない」。
その日は血圧も脈拍も体温も落ちてしまったのですが、一度は小康状態に戻しました。本当に母は最後頑張ったのだなと思うわけですが、比較的落ち着いた状態に戻ったことと、新型コロナが再び感染拡大の様相を呈してきたこともあって、毎日の面会は控えてほしいと医師から言われてしまいました。
この日は容体急変から5日目。これまでの経過からして再びいつ病院から連絡があってもおかしくなかったので、ぼんやり家で過ごしていた休日でした。
出かけるわけにはいかなかったのですが、あまりにも運動不足であったので、ほんの少しだけならいいかと近所を一回りすることにしました。
稲刈りが済み、リンゴが色づいていました。
ヒヨドリが南へ渡っていくのを見ました。この画像には3羽しか写っていませんが、実際には数十羽の群れです。
モズがあちこちでキチキチ鳴いていました。
スズメが激減のニュースに接してからは、こういう風景も当たり前だと思わないようにしようと思いました。
蝶は上のコミスジのほか、下のヤマトシジミ、モンシロチョウなど。
ケイトウは結構人気で、蜜が豊富なのでしょう。
秋になると平地でも見られることがあるミドリヒョウモン。戸隠ではよく見た蝶なのでなので、この個体はどこから飛んできたのかと思いを巡らせました。
写真にはありませんが、キタキチョウ、モンキチョウ、ウラナミシジミ、ベニシジミ、ツマグロヒョウモンも観察しました。
ママコノシリヌグイ。
ヒガンバナは何度か書いているように、場所によってこれからだったり盛りだったりもうおしまいだったりです。
イヌタデが勢力を増していました。これはこれとの比較です→「変だよヒガンバナとヨウシュヤマゴボウの記事」。この時群生していたオオイヌタデはもうおしまいでした。
50分ほど歩いて、12時前には帰宅。そして病院から再び容体急変の電話があったのは約1時間後のことでした。
病院に着いたときにはすでに心肺は停止していました。医師から、死亡時刻は私が病室に入った午後1時25分だと告げられました。
次の面会予定日を翌日に控えた日のことでした。こんなことになるのだったら、病院の事情も理解できるのですが、最後の5日間は面会を許してほしかったと思ってしまいました。
母が呼んだのかもしれない
2024年10月12日記
タカ渡りのシーズンになりましたが、上昇気流が発生するような青空が広がる日がありませんでした。この日も曇り。でも渡るに渡れなかったタカがおそらくうずうずしているだろうし、天気は今ひとつだけど飛ぶんじゃないでしょうか?ということで、某タカ渡り観察ポイントへ行ってみました。
現地に着くと、時折青空は見えるのものの全体的には曇り空。気温も低めで、途中で中綿入りのジャケットを着るほど。
でも、地元だけじゃなくて県外の方も来ていて、年に1度か2度顔を合わせるだけの名前も知らないけれど顔見知りになってきている方々と、和気あいあいとタカが渡るのを待っているのはなかなかよい雰囲気でした。
3時間の観察で、ハチクマ5、サシバ3、ツミ5、ハイタカ2、ノスリ2、トビ5を観察しました(非渡りも含む)。その他アオバトやヒヨドリ、ツバメなども観察できました。カモ類がまとまって飛んでいるのを見る機会が何度かあって印象的でした。カモにとっても渡りの季節ですからね。
昼過ぎに雨がひどくなって撤収。しかしその後雨はすぐにやんで、私が帰ったあとはたくさん飛んだそうです。
サシバは300以上、ハチクマも50以上飛んだことを、その後も現地に残っていた方のSNSで知りました。しかも私がこの場所に来る直前にはクマタカも出たそうで、ついていない鷹見になってしまいました。でも、今日は溜まっていたタカが飛ぶのではないかという直感は合っていました。
雨雲レーダーを見れば、撤収を決めることになった雨はそれほど長く降り続かないことはわかったのですが、なぜかすぱっとタカを見るのをやめてしまいました。それは、後から考えると、もしかしたら母が呼んだからなのかもしれません。
家に戻ってすぐ、母の容体が急変したと病院から電話がありました。家にいたのですぐに病院に向かうことができました。あのまま観察を続けていなくてよかったわけです。胸騒ぎがするとか、虫の知らせとか、そういうものは信じていないのですけど、この日のことは、そういうのもあるのかもしれないと思わされる出来事でした。
その後、一度は持ち直したものの、5日後に母は息を引き取りました。これからこの場所に行くたびに、この日のことを思い返すことになりそうです。
生き物激減のニュース
2024年10月12日記
9月下旬の畦道、チガヤが穂を揺らしていました。
アオツヅラフジが色づき始めです。
ヒガンバナが盛り、でも前にも書いたように場所によって咲き具合は結構バラバラです。
アケビが咲いていて、これは完全に狂い咲きです。やっぱり今年の夏は暑すぎたということでしょうか。
シロオビノメイガ。敏感で撮りにくい蛾です。
その他鱗翅。先日、イチモンジセセリが激減というニュースを見ました。それは実感するところです。稲の害虫でもあるので、この畦道で田んぼが減っていることと無関係ではないでしょう。そのニュースではスズメも絶滅危惧種になる可能性があると報じていました。スズメの減少については普段歩いている場所ではあまり実感がないですが、休耕田が増え、営巣できる造りの家屋も減り、スズメにとっていい材料は確かにありません。
----------以下引用(NHK NEWSWEB10/6より)
環境省は2003年度から住民や研究者と協力して、全国およそ1000か所で生態系の変化を調査しています。このうち里山やその周辺の生態系について2022年度までのデータを分析したところ、106種の鳥類のうち16種の個体数が環境省のレッドリストで絶滅危惧種の基準に相当する年3.5%以上のペースで減少していることが分かったということです。具体的には、スズメが1年あたり3.6%減少していたほか、セグロセキレイが8.6%減っていたということです。またチョウについても分析したところ103種のうち34種が年3.5%以上のペースで減っていて、国ちょうのオオムラサキは1年あたり10.4%、イチモンジセセリは6.9%減少していたということです。
----------引用ここまで
アキアカネも数を減らしているとか。今季導入した文一総合出版の「トンボハンドブック」には、(以下引用)近年各地で激減している(引用ここまで)の一文がありました。
アキアカネもスズメと同様、実感としては減ったようには思いませんが、自宅周辺ではもう産卵する場所が限られてしまっています。アキアカネ以外にもいろいろなトンボを見ることができた畦道でしたが、ハラビロトンボ、ショウジョウトンボなどは今季確認ができませんでした。
庭でニホンアマガエルを見ることもとても減りました。オタマが育つ田んぼは年々遠くなっています。上陸後、庭までたどり着くことは、あの小さな体では容易ではないでしょう。
これまで当たり前と思っていた生き物たちの姿がだんだん見られなくなってきているのはとても寂しいことです。それはただのセンチメンタルに過ぎないのかもしれません。また、自宅周辺や畦道での生き物の減少は、宅地や耕作放棄地の増加が大きく影響しているはずです。なのでこれは避けられない変化なのだとも思います。
ただ、今季のヒガンバナの開花が明らかにおかしかったように、気候変動の影響は少なからずあるはずです。毎年のように観測史上最も暑い夏だったという報道に接するたびに、一体これから先はどうなってしまうのだろうと不安になることも確かです。
中秋の名月と土星の接近
2024年9月25日記
今年の中秋の名月は9月17日でした。ちなみに満月は翌日の18日でした。
雲が多かったもののかえってそれが幻想的な雰囲気をかもし出していてかえってよかったです。
雲は月を美しくし、月も雲を美しくしていました。
今回は月の近くに土星も見えていました。拡大してみるとピクセルアートみたいになってしまいますが、なんとか輪の存在がわかりました。
変だよヒガンバナとヨウシュヤマゴボウの記事
2024年9月25日記
雨上がりの畦道の話の続きです。
ヒガンバナが咲き始めていました。でも今年は例年と少し様子が違います。
まず、私が歩く畦道には、例年たくさんの株が見られる場所がいくつかあるのですが、そのうち3ヶ所ではまだ全くヒガンバナが姿を見せていません。また、他の場所でも生長がばらばらで、まだつぼみの株があり、ちょうどきれいに開いた株があり、そしてもう花が萎れてしまっている株もあるのです。その名の通り、ある程度一斉に咲くという印象があり、実際そうだったと思うのですが、もしかしたらこの夏の異常な暑さの影響が出ているのかもしれません。
今年から稲を作らなくなった田んぼには大量のブタクサが生えていました。秋が憂鬱な季節になってしまっている原因の一つです。こうして休耕田が増えていくと、さらに花粉が増えるのでしょうか。ますます憂鬱になってしまいます。。
その隣の田んぼではオオイヌタデが優勢でした。
こちらはずっと小さいイヌタデです。これと比べるとオオイヌタデは「オオ」くらいでは済まない大きさです。
ヤイトバナはそろそろおしまい。ここのはまだびっしり咲いていてつぼみもありましたけれど。
爽やかな青のツユクサ。
ヨウシュヤマゴボウ。
先日の信濃毎日新聞にこんな記事が載っていました。
「注意!間違って食べたら下痢や嘔吐…川沿いで繁茂 庭にもなる黒い実に“ご用心” 」(2024年9月17日)
----------以下引用します
長野県諏訪市の衣之渡(えのど)川沿いで、北米原産の多年草ヨウシュヤマゴボウが育ち、直径1センチ前後の黒紫色の実が付いた房が垂れ下がり、風に揺れている。思わず口にしてしまいそうだが、強い毒があるので注意が必要だ。(中略) この近くに住んでいる50代の女性は「いま(自宅の)庭の隅にも生えています。毒があるのは知らなかったので除草剤で駆除しないと」と話していた。
----------引用ここまで
見た目がブドウっぽいので、小さい子がいる家庭などでは注意が必要なことは確かですけど、「毒があるなら除草剤で駆除」は過剰反応に過ぎると感じました。そしてこういう取材結果をそのまま記事にしてしまう記者もどうなんだろうと思います。。
というのも毒がある植物は身の回りに溢れているからです。園芸植物でも、例えばスイセンやスズラン、スノーフレーク、クリスマスローズ、アジサイにも毒はあります。スイセンとニラの誤食事故は時折ニュースにもなります。口にすれば危ない植物はごく普通の存在です。
この記事の最初に出てきたヒガンバナも有毒植物です。庭にヒガンバナが出てきたら除草剤をまけって信濃毎日新聞は伝えたいんでしょうか。
そもそも庭にヨウシュヤマゴボウが生えてくるっていうことも恐ろしいですけどね。あの植物は相当荒れてないと庭になんか生えてこないですって。
ちなみにこの記事を書くにあたって初めて知ったのですが、イヌタデは画材に、ツユクサは薬用や食用に、ヤイトバナ(ヘクソカズラ)も薬用やなんと化粧料として利用されてきたのだとか。
ヒヨドリがゴマダラチョウを食べる
2024年9月25日記
雨上がりの畦道です。
稲刈り間近の田んぼにはナガコガネグモが網を構えていました。
今回の収穫は止まっているウスバキトンボを撮れたことです。ほとんど止まることがない空中生活者のこのトンボが止まっているところは初めて見ました。雨上がりという気象条件がよかったのでしょうか。
ナツアカネもいました。ここではあまり見かけないトンボです。普段見かける赤トンボ系のほとんどはアキアカネです。
でもトンボにとって悪いことに、もう卵を産めるような田んぼは「畦道」なんだけど残りわずかなんです。
ヒヨドリが蝶をくわえているのを見ました。双眼鏡で見たときにはアサギマダラか!?って思ったのですが、画像を家で拡大してみるとゴマダラチョウでした。
上の画像を切り抜いてみると、ゴマダラチョウの特徴の黄色い口吻が見えます(↓)。
私はこの畦道でゴマダラチョウをまともに見たことはないんですけど。
クズにはウラナミシジミがいました。これだけ繁茂するクズが食草というのは生存には有利ですよね。あとシロツメクサやアカツメクサも食べるらしいですし。
クズには他にもいろいろな虫がいて、上のジャノメチョウはこの畦道では初めて見ました。
クズの葉の上のチャバネセセリ。
こうした昆虫を狙うカマキリや葉を食べる直翅類もいました。オンブバッタでしょうか。
鱗翅類に戻りまして、ほかにはイチモンジセセリ。
ヤマトシジミ。
モンシロチョウ。
ニラの花畑にはキアゲハがいました。
小さいけれど複雑な模様を持つこの蛾はキマダラコヤガでいいと思います。数を減らしている蛾だとか。
葉の裏に隠れる蛾は基本的にスルーしていますが、このくらい翅がが出ているとバレバレですね(シロオビノメイガ)。
堂々と食事をしていたのはセダカモクメ系芋虫。ホソバセダカモクメでしょうか。これだけ目立つ色をしているのには何か理由があるのでしょうか。成虫は(見たことはありませんが)とても地味なのでその対比も面白いです。
セダカモクメ系芋虫のすぐ近くで見つけたカメムシの幼虫群。ヒメジュウジナガカメムシのようです。ガガイモについているあれですね。
ここではカナヘビも見ました。撮影角度の関係でやたらと尾が長く見えます。
毎週のように歩いている畦道ですが、歩くたびに発見があります。
今回も初記録が2件。食われている最中とは言えゴマダラチョウ、そしてジャノメチョウ。
そしてキマダラコヤガは昨年7月以来約1年ぶり、ホソバセダカモクメは2014年10月以来、なんと約10年ぶり2回目に観察ができたことも収穫でした。
ここには蝶がいない
2024年9月24日記
前回歩いた湿地とは別の湿地を歩きました。
見られる花々は前回の場所とよく似ていて、でも蝶が全くいません。蝶が好むセリ科の花、そしてサラシナショウマもたっぷり咲いているというのに。
距離的にもそれほど離れていないので、同じ湿地でもここまで蝶相(という言葉があるのかどうかですけど)が異なることに少し驚きました。
タマゴタケ
2024年9月24日記
タマゴタケを目的に歩いてみました。見られる年とだめな年とがあります。昨年はだめでした。 その時の記録はこちら。
今年は見ることができました。
美味しいきのことされていますが、もし間違えるとテングタケの仲間は致命的な結果を招くので自分の判断で採って食べたことはありません。この話をMastodonに投稿したら海外アカウントからも同じように考えているという反応がりました。遠く離れた国の方が、このタマゴタケについて自分と同じように考えていたということは、ちょっと面白かったです。
こっちは食べたら絶対アカンやつです(テングタケ属)。ぼこぼこ生えていました。
その他のキノコ。
リスが作ったエビフライを見て、今回のキノコウォチングはおしまいです。
そう言えばニホンリスはテングタケ属のキノコを食べても平気だというニュースを目にしたことがあります。ここに住むリスはどうなんでしょうか。
ミゾソバやアカバナ
2024年9月23日記
小さな湿地を歩きました。
ミゾソバが見事でした。
ミゾソバいいですよね。
ここではアカバナを見ることもできます。
前も書いたかもしれませんが、なぜ赤い花と言えるほど赤くはないのにこの名前なのかと思っていました。調べてみると茎が赤くなることからこの名前なのだそうです。でもこの説明にはあまり納得できません。「赤花」ではなく「赤葉菜」説もあるそうです。
戸隠に続いてここでもアケボノソウを見ることができました。
花々。ツリフネソウ、キツリフネ、トリカブトの仲間、ミズヒキ。
結実したウバユリが林立していました。
きれいな虫こぶ。宝石みたいです。鳥たちがまちがってついばんだりしないのでしょうか。光沢がある表面の様子からしてナラハウラマルタマフシではないかと思われます。
ヒュウガセンキュウっぽいセリ科の花が咲いていました。戸隠のはヒュウガセンキュウですけど、これはどうでしょうか。私には同定できません。この花にはヒョウモンチョウの仲間が来ていました。ウラギンヒョウモンとオオウラギンスジヒョウモンでいいでしょうか。
ここでは秋めいてくるとウラギンヒョウモンが現れる印象があります。
サラシナショウマににはミドリヒョウモンがいました。
これはキアゲハです。
イナゴの仲間。
ハバチ幼虫。オオコシアカハバチあたりでしょうか。
アキアカネです。
今回の湿地歩きで見た生き物の紹介はこれで終わりです。戸隠に行くことが増えているので、今年はここに来ることが減っていますが、やっぱりその場所それぞれによさがあって、できれば両方を歩きたいと思います。週休4日くらいはほしいところです。
2024年9月23日記
月齢11
2024年9月23日記
9月2回目の戸隠 その2(ヤマシャクヤク)
2024年9月23日記
その1は主に咲いていた花に関わる蝶の話、今回は純粋に植物編です。
まず目を引いたのはヤマシャクヤクです。花を5月に見てからこの結実を見るまでに4ヶ月かかりました。
続いてはツリバナ。身が割れてツリバナらしくなってきました。
美しき青きサワフタギ。
ミヤマイボタ。熟すと普通のイボタノキと同様、黒くなるらしいです。
ノブキ。
チヂミザサ。このあたりは前回と変わらないです。
花も9月の1回目とあまり変わりはありませんでした。
アケボノソウ。
エゾリンドウ。
トリカブトの仲間。2枚目はつぼみで豆みたいです。
レイジンソウ。
シロバナツリフネソウ、ツリフネソウ、キツリフネもまだまだ健在でした。
この花はよくわからなかったので帰ってきてから調べました。でもよくわからず。ヤノネグサでしょうか。普通種ということですが初めて聞く名前です。
キノコは相変わらず一覧画像で失礼します。
9月2回目の戸隠 その1(ヒョウモン各種)
2024年9月22日記
5月から月の3度の戸隠詣でを目標にして9月まで来ました。
木道には倒木が。9月1回目の戸隠の後、木が倒れるような強い風が吹いたということはなかったように思うんですけど。
ヒュウガセンキュウはそろそろ終盤という感じです。
花期の終わりを惜しむかのように(もちろんそんなことはないんですけど)、ミドリヒョウモンが吸蜜をしていました。
サラシナショウマはもう少し持ちそうです。
こちらにもミドリヒョウモン。2枚目の個体は左の後翅をほとんど失っています。これでも飛べるのですからすごいことです。野生のたくましさ、厳しさです。
クモガタヒョウモン。戸隠ではあまり見かけることのない種類だと思います。
オオウラギンスジヒョウモンでいいと思います。オオウラギンスジとウラギンスジの見分けはほんと難しいので、毎回悩みます。前翅先端の白斑でメスとわかるのは両種共通です。
サラシナショウマに埋もれるの図。
その昔、私を蛾の世界に誘ったイカリモンガもサラシナショウマに来ていました。
鳥はほんとんど見ることができませんでした。写真に残せた唯一の鳥はエナガです。
その他、声でコガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、キバシリ、コゲラ
キジバト、ウグイス、ミソサザイを確認です。
トンボはすごく減ってしまいました。アオイトトンボが光を受けて光っていました。
クモガタヒョウモンの出現以外は9月1回目とあまり違いがないというところです。
ホウジャクとウスバキトンボ
2024年9月19日記
9月上旬の畦道です。
鳥影は少なめ。
ホウジャクが吸蜜しているところを頑張って撮ってみました。
以前に家の庭に来ていたのはホシホウジャクでしたが、ホウジャクも混じっていました。今回観察できたのは後者のホウジャクみたいです。
吸蜜している花は野生化していてあちこちで見かけるものです。調べてみるとウスベニカノコソウという花のようです。スペイン原産だとか。
たくさん撮ってしまいました。
花の周りをぶんぶん飛び回りながら吸蜜しているわけですが、相当にパワーを要する飛翔だと思います。蜜にはそれだけのコストをかけるだけの価値があるというか、蜜を吸っているからこそこうした飛び方が可能なのだろうと思うわけです。本物は見たことがありませんが、その辺はハチドリと共通項があるのかもしれません。
その他見かけた鱗翅類をまとめておきます。
ウラナミシジミ。前回に比べてすごく増えました。
ヤマトシジミ。
キタテハ。
モンキチョウ。
モンシロチョウ。
モンシロチョウといっしょにカメムシの幼虫が写っていました。撮ったときは気が付きませんでした。
矢印のところにいます。
他のニラにはブチヒゲカメムシ(上)がいたので、てっきりその幼虫だと思いこんでいたのですが、今回写真を整理がてら調べてみるとブチヒゲ幼ではないことがわかりました。確証は持てませんが、アオクサカメムシの幼虫っぽいです。
そしてシンジュサンの芋がまだいました。
鱗翅類は他にアゲハチョウとイチモンジセセリを確認しました。
鱗翅のほかに特筆すべきは、やっぱりウスバキトンボが現れたことでしょう。かなりたくさん飛んでいました。
お盆トンボとか精霊トンボなどと呼ばれるこのトンボは、ほぼ止まることがないので、以前はアカネ系の未成熟個体かななんて思っていたのです。見た目は赤くないので。
ですが、飛んでいるところの撮影に成功して以来、これがウスバキトンボだとわかりました。今は、その止まる姿をほとんど見ることはないということが、ウスバキトンボを見分ける特徴になっています。
蜜のパワーで翅を高速でぶん回すホウジャクと違って、あまり力まずに飛んでいるように見えます。グライダー的なアプローチなのかもしれません。
それにしてもなぜこれだけ止まらずに空中生活を好むのだろうと不思議に思うくらい止まらないトンボです。今回、ウスバキトンボの写真は撮れませんでした。
9月1回目の戸隠 その3(シロバナツリフネソウ)
2024年9月18日記
その1で、たまたまそこに居合わせた植物観察グループにミヤマカラスアゲハを教えたという話を書きました。彼らと行動をともにしたわけではないですが、その後もルートがほぼ重なって抜いたり抜かれたりしながら園内を歩くことになりました。
そしてラッキーだったのが、「シロバナツリフネソウ」の存在をそのグループのガイドが紹介しているところに偶然居合わせたことです。木道のすぐ脇にありましたが、自分だけでは気づかずに通り過ぎてしまっていたと思います。
まさにシロバナツリフネソウ。家で検索してみると白いのはかなり珍しいようです。サイトによってはキツリフネと同じ感じで「シロツリフネ」と記載してあるケースもありました。
毎年同じ場所に生えるのかどうか。
下は普通のツリフネソウ、そしてキツリフネです。
それにしても、いやあ、いいものを見せてもらいました。ガイドさんありがとうございました。
実のいろいろも載せておきます。
まずはツリバナ。幹に「ヒロハツリバナ」という看板がついていましたが、あれ…実は5裂です。ヒロハだと4裂のはず。うーん。
サワフタギ、ミヤマイボタ、コマユミ、トチバニンジンでいいと思います。
たくさんあったコバノフユイチゴの赤い実、今回はほとんど見かけませんでした。動物たちに利用されたということだと思われます。
目立ち始めたチヂミザサ。
そしてノブキのかわいい実です。付着型の動物散布ですが、一つ上のチヂミザサの種がやたら服に付くのに対してこちらはあまり気になりません。
キノコも載せておきます。
ぼんぼんぼんと、まとめて3つもハナビラタケ生えている場所がありました。
戸隠森林植物園内には他にもハナビラタケが生えている場所がありますが、かなり長い期間その形を保持しています。サルノコシカケなどとは違って、普通この手の柔らかめのキノコはあまり「日持ち」?がしないのですが、ハナビラタケはちょっと違いますね。
その他のキノコは例によって同定を諦めているのでまとめて画像にしてしまいました。
一番下の右端はイグチ系のキノコです。
9月1回目の戸隠 その2(アケボノソウ)
2024年9月17日記
9月に入ったということで秋の花です。なんといっても私にとってそれはアケボノソウ。
もうなんというステキデザイン。
エゾリンドウも出てきました。
デジタルカメラではいい色が出ません。図鑑に載っているのもみんな妙な色に見えます。ちなみにこの画像も、パソコンで見るのとスマホで見るのとではかなり色が違って見えます。なのでもうどうでもいいかとも思っています。
リンドウつながりでツルリンドウ。結実が始まっていました。そう言えば最初に挙げたアケボノソウもリンドウ科です。
そして秋といえばこの花は外せません。猛毒で有名なこれです。
トリカブトの仲間。
そしてこれもトリカブト科のレイジンソウ。
戸隠で見られるのはアズマレイジンソウらしいですが、詳しいことはわかりません。
全部載せると写真の枚数が多くなってしまうので、4枚セットでまとめてしまいました。マツムシソウ、ゲンノショウコ、ミゾソバ、一株だけ咲き残っていたシキンカラマツです。
そしてこちらはキク科。キク科はよくわからないです。左上はアキノキリンソウ、右上はハンゴンソウでしょうか。
嬉しいことにまだレンゲショウマが残っていました。
レンゲショウマの立ち姿は、なんかもう「夏の思い出」という感じです。
また来年会いましょう。
9月1回目の戸隠 その1(ミヤマカラスアゲハ)
2024年9月16日記
今年は戸隠重点で、5月から月3回詣でを続けています。冬まで続けられるとは思いませんが。
ヒュウガセンキュウが盛りでした。
そこにやってきていた美しい美しいミヤマカラスアゲハ。個体数は少なめに感じますが、見られてよかったです。
近くに植物観察グループがいて、かなり専門的な会話もしている人達だったのですが、蝶はわからなかったようなので「ミヤマガラスです」と伝えました。ついつい教えたくなってしまうおじさんです。
コアオハナムグリもいました。
サラシナショウマもたくさん咲いていました。ヒュウガセンキュウといっしょに林床を白く幻想的に飾っていました。
ここではミドリヒョウモンと…
ウラギンスジヒョウモンを見ました。
マユタテアカネ。
コガラ。
しきりに鳴いていましたが姿を見られたのは一瞬だったハチクマ。そろそろ渡りの季節。
入口の池にカイツブリ。
鳥はその他ヒガラ、ゴジュウカラ、コゲラ、キバシリ、サンショウクイ、ウグイスアオジなど。サンショウクイはヒリヒリ囀りと似た声でした。飛んでいるときはあの声が出ちゃうのかもですし、渡りの途中なのかもですね。