過去の野外手帳
-2023年9月
9月最後の森
2023年10月22日記
タマゴタケが出てないかなと歩いてみた場所。
あった!と思ったらこれは違います。
これも違います。
でもやっぱり赤いキノコはいいですね。
サラシナショウマの結実。前回の戸隠のところで、トリカブトとレンゲショウマの実が似ていると書いたのですが、これも共通するテイストがあります。みんなキンポウゲ科だから?(適当なこと書きました)。
ミゾソバの花が平地でも見られるようになったら秋です。
いろいろ結実
2023年10月22日記
9月下旬の戸隠森林植物園です。曇り21℃のコンディション。12時から2時間ほど園内を歩きました。
紅葉はまだまだでしたが、花的にはもう晩秋。
ツリバナの実は地上に落ち始めていました。ツリバナにもいろいろ種類はあるようですがよくわからないのでここでは単にツリバナとします。
地上に落ちた赤い星です。
トリカブトの仲間の結実を意識して見たり写真に撮ったりしたのは初めてかもしれません。
レンゲショウマの結実についても同じです。こんな形の実をつけるのですね。トリカブトと共通する形です。
レンゲショウマにはこんなのがついていました。未同定。
強烈な色彩と造形のヤマシャクヤク。これもヤマシャクヤクの仲間ということにしておいたほうがいいのかも(ベニバナヤマシャクヤクというのもあるので)。
キノコ多数。最近は同定を試みていません。図鑑はあるんですが…。
蝶はほとんど見かけず、オオウラギンスジヒョウモンとウラナミシジミだけ。蛾はイカリモンガがいました。
鳥はウグイス、アオジ、コガラ、ゴジュウカラ、アカゲラ、ヒヨドリ。
これはヤマメでいいのかな。
カツラの木の香ばしい香りでこの日の森歩きはおしまいです。
車はある程度停まっていたものの、園内は静かでほとんど人に会うことはありませんでした。紅葉には早いし鳥も花も地味すぎる季節なので、みなさん森を歩くのではなくここを無料駐車場として利用して奥社参拝に行ってしまうのでしょう。この秋はクマ事故が相次いでいるので、ひとけのない森歩きには効くかどうかはさておき、熊鈴が必須です。
ちなみにこれを書いている10月下旬は戸隠の紅葉が見頃だということです。
中秋の名月
2023年10月19日記
2023年9月29日は中秋の名月でした。雲との組み合わせが美しい月夜でした。
中秋の名月と満月とが同じ日になるのは7年後だそうです。自分はどうしているのやら。
アケビコノハとシジミチョウ
2023年10月19日記
9月下旬の畦道歩きです。
再びアケビコノハの幼虫を見に行きました。
前回は1頭だけでしたがこの日は別個体を発見。
このフェンスの近くではヒガンバナが妖艶に咲いていました。夕日を受けてますます美しく。
同じく夕日に輝くエノコロたち。好物の被写体です。
ノブドウは見つけるたびに撮ってしまいますね。
さて蝶です。
光り輝くヤマトシジミ。
たくさん飛んでいたウラナミシジミ。
黒バックに浮かび上がるツバメシジミ。
カキの実に取り付いていたウラギンシジミ。
とシジミづくしでした。
今季最大のタカ渡りの日
2023年10月17日記
某所で偶然タカ柱を見た日の午後の話です。9月下旬。
絶好のタカ渡り日和なのに昼前には観察ポイントに入れないという不運。しかし午前中にあれだけのタカ柱を見ているので期待が高まります。一方、条件がよすぎて、午後はもう「在庫」が残っていないのではないかという予想もしていました。
結果から書きますと、その悪い方の予想が当たりまして、2時間半の観察で、渡りはぽつりぽつりでありました。
前回ここで一緒だった方も合流して観察開始。その方が午前中にいた場所ではざっと数えて800羽以上が飛んだとのことでした。
上の画像はノスリ。どうやら渡らない個体のよう。盛んに鳴いて追いかけ合いをしていました。重複してカウントしてる可能性が大きいのですが、ノスリは計13羽。
上はハチクマやノスリ。ハチクマは31羽、サシバは21羽。その他、トビ、アオバト、ツバメ、カケスなどを観察しました。
午前中にここを通過したタカのその多くは夕方までに白樺峠まで到達したと思われます。この日の白樺峠のカウント数はサシバ4383羽、ハチクマ364羽、ノスリ8羽、ツミ39羽、その他16羽の計4847羽。今季のタカ渡り総数の34%がこの一日で飛んだことになったようです。
某所で偶然タカ渡り
2023年10月17日記
特に場所を秘す某所、9月下旬の記録。本当は空高く晴れて風もなく、タカ渡りの絶好の日曜日だったのですが、諸事情で午前中は入ることができず、止むなくこちらに転進しました。
シータテハがいました。
アサギマダラもいました。
ウラギンヒョウモンはここでは初めて見たような。
移動をする蝶といえばアサギマダラばかり話題になりますが、他の蝶もかなり移動しているのではないかと思います。
一番わかりやすいのは、秋のこの時季、里でミドリヒョウモンが観察できる機会が結構あること。
秋の花々。
ここでは過去にタマゴタケを記録しているのですが、今季は見ていません。
視界がひらけて空が見える場所に来ました。
白い機体が青空に映えて見えました。アプリで見るとミラノ発東京行きの貨物便のようです。見えた機体をその場で確認するというこの遊びは、なんだか気に入っていてよくやります。
このようになんとなく何機かのジェット機を見ていたら、偶然双眼鏡の視野にタカが入りました。まさかここで観察できるとは!です。
最初に見たのはどんどん南下していく数羽の群れでした。空を双眼鏡で探索すると、かなりの数のタカが渡っているのが見えました。高くて遠くて、スコープを持っていなかったことを悔やみました。
そして何十羽ものタカ柱も観察。このくらいの規模のものを何度も見ることができました。
この画像の範囲内だけでも20羽以上確認できます。過去に見た中で一番の規模でした。この場所に20分ほどいて、その間だけでも軽く100羽以上は飛んだと思います。
午後からはタカ渡りの観察スポットが開放されるのでそこへ移動しました。
タカ渡り観察2回目
2023年10月15日記
曇っていて風が強く条件的にはどうかというところではありましたが、平地でもハチクマの渡りを見ることができたことに気をよくしてタカ渡り観察ポイントに向かいました。
今回の観察者は私を含めて4人。毎年見かける県外の方、初めてお会いする県外の方、そしてtwitterの長野関係リストで見かけたことがある方とで空を見上げていました。
気温は15℃、強風ですごく寒くて、インサレーションジャケットを着込んでの観察となりました。山肌を雲が駆け下りてくるような条件で、案の定あまり飛びませんでした。1時間半ほどいて、ハチクマ7、サシバ2、ノスリ1、トビ1、チョウゲンボウ1という結果でした(非渡りを含む)。
他の3人より一足先に帰ったのですが、そのtwitterで目にする方のツイートを後で読んだら、私がいなくなってから結構飛んだようです。
ちょっと残念でしたが、あまりにも寒すぎたので仕方ありません。
フェンスのアケビコノハ
2023年10月15日記
近所のアケビポイントを見に行きました。アケビが絡みついてるフェンスにはほかにもいろいろな植物が見られます。
道すがらカラフルに色づいたノブドウ。
個性的な造形のキカラスウリの花。
この間庭木の剪定をしていてやっぱり臭いな…と思ってしまったヤイトバナの実。
色づきはじめの頃のグラデーションが好みのアオツヅラフジ。
そしてアケビにはこの人がいました。今年も見ることができてよかったです。あちこちにアケビはあっても、このイモムシがついている場所は2ヶ所くらいしか知りません。ちなみに成虫はまだ見たことがないのです。
ここのとある施設の敷地沿いのフェンスにはいろいろな植物が絡んでいて春夏秋と楽しめます。うちのフェンスにも絡んでほしいものです。
ダイサギとまさかのハチクマ
2023年10月14日記
9月下旬の畦道です。前回から1週間経ったのでタカ渡りの観察に行こうと思っていたのですが天候は曇り、あまり飛びそうにないなということで近所を歩くことにしました。
珍しく休耕田にダイサギが降りていました。私の存在はあまり気にする様子がなく、盛んに何かを捕食しています。
くちばしになにかくわえていて、双眼鏡で見たときにはミミズのように見えたのですが、PC上で画像を拡大してみるとミミズに見えたのはカナヘビの尻尾でした。上の画像からくちばし付近をを切り取ってみました。(↓)
今回の畦道で初めての記録となったのはハチクマです。
観察できたのは3羽、まさか自宅の近くでハチクマの渡りを見ることができるとは思いもしませんでした。タカ渡りの観察に行かなかったのに畦道で見てしまうとは。とてもびっくりしました。
その他の虫や草花の様子。
ツユクサにとまるミヤマアカネ。
色づいてきたヨウシュヤマゴボウ。
今年のヒガンバナは場所によって開花の具合がばらばらです。
リンゴの色づきが進んでいます。
復帰最初はタカ渡り
2023年10月13日記
野外手帳的には前回9月初旬に戸隠でハチクマの声を聞き、この日(9月中旬)のタカ渡りの観察にすんなり繋がっていますが、その間に新型コロナに感染してしまっていました。第9波がきて、ついに捕まってしまい、数日寝込むことになりました。
症状そのものは比較的軽くて、熱も1回38度台まで上がっただけで37℃程度でしたし、喉の痛みも味覚や嗅覚の喪失もありませんでした。ワクチンをしっかり打っていたのがよかったのだと思います。家族に感染させずに済んだのも幸運でした。
野外活動復帰第一戦が今回のタカの渡りの観察でした。
いつもの観察ポイントに到着。他には誰もいません。上の画像はたまたま青空が広がっているように見えますが、全天的には雲が多めで条件はよくありませんでした。それでも着いて5分後には盛んに鳴きながらハチクマが1羽飛びました。でもこの個体は渡らない様子。
しばらくするとポルテに乗ったご夫婦が到着。昨日もここで観察をされたそうですが全然飛ばなかったと言われていました。
その後もう一人、お見かけしたことのある方が到着、3人で観察をしました。
私は1時間45分で観察を切り上げました。
結果ハチクマは15、小さなタカ柱をなんとか観察できました。あとはノスリ1、トビ3、カケス、エナガ、シジュウカラ、ハシボソガラス。
タカ渡りネットワークを見ても渡りはまだまだこれからという感じなので、今後に期待というところです。とりあえずは新型コロナからの復帰第一弾としてはよい一日になりました。元気に外遊びができることのありがたさを改めて感じた次第です。
槙野万太郎ごっこ
2023年10月12日記
11時スタート、曇り24℃のコンディション。ようやく歩きやすい気候になってきました。
この時季の戸隠で見逃せないのはオオシラヒゲソウです。
この花を見るために、普段は近づかない奥社参道を歩きました。
植物園内ではほとんど人と行き会わないのに対して、ここは人通りが絶えません。しゃがみこんで写真を撮るのは少し気恥ずかしい感じがします。
牧野富太郎氏をモデルにしたNHKの朝の連続テレビ小説「らんまん」の放映で、以前よりは周囲の理解が進んだのかもしれません。
実際、ここ戸隠ではないですが花の写真を撮っていると「万太郎ですね!」(ドラマでは主人公の名前は「槙野万太郎」でした)と声をかけられたことはありますから。
熱烈な朝ドラファンの妻はもちろん「らんまん」にもはまっていたので、今度一緒に槙野万太郎ごっこをしようよと誘ったりもしているのですが、生返事ばかりで未だに実現はしていません。
これからは植物観察が万太郎ごっこと呼ばれるようになるかもしれません(なりません)。
見事な花です。今年も会えてよかったです。
前日の特に場所を秘す某所に続いて戸隠でもアケボノソウの観察ができました。
オオシラヒゲソウもいいですが、アケボノソウはやっぱりよすぎです。
その他の花々。最近の野外手帳では頻出の花が多いので説明は割愛します。
この時季の園内で主役を張っているのはサラシナショウマです。
ミドリヒョウモンとサラシナショウマ。
ぼろぼろのミヤマカラスアゲハとサラシナショウマ。ミヤマカラスアゲハを今季見たのはこの日が最後になりました。この夏は見る機会がとても少なかったです。
ノブキの花は終わってしまっていてあちこちでこんなかわいい結実が見られました。
この日とても印象的だったのはノブキの実が自身の葉に落とす影です。この可愛さに気づいたのは今年が初めてでした。
キノコはたくさん。
さて肝心の鳥は、シジュウカラ、コガラ、ヒガラ、ゴジュウカラ、キバシリ、ウグイス、コゲラ、アオゲラ、ハシボソガラス、ハチクマでした。
ハチクマの声を聞いて、そろそろタカ類の渡りの季節だなと思いました。次回はそのタカ渡りの観察の記録です。
野歩き趣味に暇なし
2023年10月11日記
9月初旬の特に場所を秘す某所です。前回は8月中旬だったので2週間空いてしまいました。
これから咲くという感じだったミヤマウズラの花は、もう終わってしまっていました。ちょっと間を空けすぎた感じです。
ここ10年ほど、めっきり遠出をしなくなりました。それは気力的、体力的、時間的にあまり余裕がないということが一番の要因ですが、いつも自分が行く場所で起こることを見逃さないためには遠くに行っている暇がないということもあります。
定期的に歩いている場所は何箇所かあって、それぞれ季節が進むに従っていろいろな生き物が様々な生きざまを見せます。その変化に巡り合うためにはこまめに通うしかありません。すると必然的に遠くまででかける時間がなくなってくるというわけです。
8月下旬はいつもよりやや遠出をした休日があったので、ミヤマウズラを見逃してしまったとも言えます。ただ前回同じくつぼみだったアケボノソウは、ちょうど見頃を迎えていました。
この場所は初めてこの花を見た場所でもあって、当時のことはよく覚えています。まだ山野草についての知識がほとんどないころで、それでもこのデザインはものすごく心に刺さりました。
今でも秋には必ず見たい花です。
ツリフネソウ。
ミゾソバ。
トリカブトの仲間。
ツルリンドウ。
秋の花も楽しいです。
前回8月中旬に咲き始めていたサラシナショウマは満開に近い状態でした。
この花は蝶に人気があって、この日もミドリヒョウモンが吸蜜中でした。
シロツバメエダシャクもサラシナショウマに来ていたことを見たことがありますが、この日は葉の裏で休息中でした。
この日は2個体を見ました。テンションの上がる蛾です。
この他の蛾。最近ここで見かけることの多い種が並んでいます。
鳥はサンショウクイ、ヒヨドリ、コゲラ、アオゲラ、ウグイスを記録。前にも書いたように4年前の大規模倒木を境にして野鳥の出現は低調です。
このアオイトトンボも当時かなり減った印象がありました、現在はそこそこ見られるようになっていると思います。
花を探し当てる驚異的な能力
2023年10月10日記
ここからやっと9月の記録です。ようやく1ヶ月あまりの遅れまで詰めてきました。
午前中は畑仕事。スベリヒユに黄色い花が咲いているの気が付きました。こんな花が咲くんだっけ?と思いました。これまでスベリヒユの花に気づかずに生きてきたわけです。
カメラを持っていなかったので後で写真を撮ろうと思いました。夕方になってマクロレンズをつけたカメラを持ち出すと、スベリヒユの花は閉じていました。夕方になると花が閉じる草であることも初めて知りました。
身近なことでもまだまだ知らないことはたくさんあります。
スベリヒユが撮れなかったので、代わりに撮ったのがこのニラの花です。観賞用として植えてもいいんじゃないのと思うくらいきれいで、シャープな造形が魅力的です。
ベニシジミがやってきていました。ニラの花には蝶をはじめ、いろいろな昆虫がやってきます。おそらく虫たちを魅了してやまないすごくいい匂いをあたりに強烈に放っているはずです。
近くにいたのはルリシジミだと思います。
この夏初めてうちの庭に来たアカスジカメムシ、まだまだたくさんいました。庭の片隅に植わっていた数本のセリ科の花(名前は不明)に群がっています。どうやってこの花がここにあるのかを知ったのか。
科学的に説明するとすれば「嗅覚」を使ってここにやってきたということなんでしょうけど、ピンポイントでやってくることがすごすぎます。
アカスジカメムシに限らず多くの昆虫は、こうして食べ物を探し当てているわけです。その能力は驚異的だと思います。