過去の野外手帳
-2012年8月
ブルームーンとアオマツムシ
8月2回目の満月です。どうやらこれをブルームーンというらしいです。ブルームーンといえば、やっぱり「こちらブルームーン探偵社」。個人的には、ブルース・ウィリスはやっぱりダイ・ハードよりこっちのイメージです。
家の回りの虫の音がアオマツムシに支配されてきました。ガビチョウの声は聞いたことがないのですが、その違和感ってこんな感じなんでしょうか。
2012年9月はじめ記
ツリフネソウの森
ツリフネソウが目立つようになった某高原の小径です。
クジャクチョウとアサギマダラは姿を消しましたが、ヒョウモン系は見られました。相変わらずヒョウモン系は図鑑と首っ引きです。これはミドリヒョウモンでよさそうです。
久しぶりにサカハチチョウを見ました。
2012年9月はじめ記
そろそろ秋色の田んぼ
稲の穂が出てきて、田んぼはほんのり色づいてきました。
ミヤマアカネがたくさん飛んでいました。クモの名前も調べてみました。右上はドヨウオニグモで、その下はナガコガネグモでした。
オモダカは花が咲いて、栗はそろそろ秋の準備でした。
2012年9月はじめ記
お盆昼ポタ:サンコウチョウ付き
大気の状態が不安定という予報を聞くと遠出しにくくなります。もっとも元々遠出する予定なんてないのですが。結果的には午前中は問題なく晴れて午後雨というパターンになることが多かったので、状況を見極めれば山に行くのもありだったのですが、雷は怖いですしね。
先日、槍ヶ岳での落雷死亡事故がありました。大変痛ましいことだと思いますが、これだけ大気の状態が不安定だという予報が続けば、自分なら槍に行くことは躊躇します。なんてことを言いつつ、実は槍ヶ岳で雷に遭遇し、生きた心地がしなかったことがありました。自分に落ちなかったのは、ただ単に運がよかっただけのことです。山での雷は本当に恐ろしい。
そんなわけで、この日も高い山はやめて裏山へポタリングに行くことにしました。棚田とモモ・リンゴ畑の中の道をえいこらと上っていきます。
最近自転車に乗っていないので脚がすぐに終わってしまい、だらだら押したり乗ったりを繰り返しました。途中バイクに抜かれましたが、ライダーが袈裟を着たお坊さんだったのにはちょっと笑ってしまいました。
曲がったことのないところを曲がってみます。休耕田が目立ち始め、道がだんだん細くなったと思ったら行き止まりでした。また違う道に進んでみます。
クロスバイクではぎりぎりのシングルトラックに入り込んでしまいました。でも距離は短く、慎重に進むと見知った林道に出ました。この未舗装路もこのタイヤでは心許なく、グリップが足りないので気をつけて下ります。
こうしてプチ冒険気分を味わえたポタリングになりましたが、なんといっても収穫はサンコウチョウの声を聞いたこと。前回のポタに引き続き今季2度目。今回はかなり近かったです。
2012年8月おわり記
お盆夜ポタ:千曲川夜景付き
お盆の最中、夜ポタに出かけました。日中の気温は上がってかなり蒸し暑いお盆になっていますが、さすがは長野で、夜は過ごしやすい気温まで下がります。
盆踊りの音があちこちから聞こえてきていました。でも、近所の商店街は提灯がついていて明るかったものの人影はなしでした(写真左上)。
小布施に回ってみました。昼間はきっとたくさんの観光客が行き交っていたであろう交差点は閑散としていました(左中)。
千曲川を渡っていると(左下)、川面がかすかに白く見えました。コンデジを橋の欄干に置いて30秒露光したら、思いがけない光が写っていました。
夕飯時のビールを我慢したから夜ポタができたわけですが、結局帰ってきてから350ml缶を3本空けてしまい、ダイエット効果はゼロでありました。
2012年8月おわり記
ヤマトシジミの変異
天候が不安定なお盆でした。雨上がりに近所を散歩。早くもアキアカネを見ました。もう下りてきているんですね。夏も終わりに近づいています。そして、近頃ネットで話題のヤマトシジミを見かけてつい撮ってしまいました。
話題になっているのは福島のヤマトシジミの変異です。放射能の影響で奇形が増えているという研究結果が大きく報道され、海外メディアでも紹介されたそうです。
----以下引用(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版)
(前略)変異には、口肢(こうし)や付節の発達障害、目の傷、羽のしわや発達障害があった。最初の標本から4カ月後に収集したチョウでは奇形がさらに増えており、研究者らは「低線量放射能を継続的に被ばくしたことで(汚染した葉の摂取などによる)突然変異蓄積が起こった」可能性を挙げている。研究を主導した琉球大学の大瀧丈二准教授によれば、そうした奇形は、チョウを比較的強い放射線(1カ月の生涯を通じて55ミリシーベルト)にさらせば実験室で再現される可能性がある。論文は「観察された異常な表現型は、放射線被ばくが引き起こした突然変異が原因である公算が大きい」と結論づけている。
----引用ここまで
この記事を読んだときは、これは怖いことだよなぁ…と額面通り純粋に受け止めたのですが、ツイッター上では懐疑的な反応が目立ちました。この研究のデータのとり方に問題があるという指摘・批判が次々に書き込まれ、そのおかげで、ヤマトシジミを巡るやりとりをその後冷静に追うことができました。
そもそもヤマトシジミは南方系の種類で、北に行くほど(原発事故以前から)変異が大きいということも知りました。東北地方では変異が元々起こっている種類で、放射線の影響を検証するのは、やはり少し無理があると感じました。
ただ、この研究から「放射線被曝はヤマトシジミに突然変異を引き起こしている」と言い切れないのと同様に、「放射線被曝はヤマトシジミに突然変異を引き起こしていない」と結論づけることも正しくないわけです。本当のことはまだ分からない。ヤマトシジミが放射線被曝の影響を検証するのに向いていないのなら、ほかの生き物で調べる研究者も出てくるでしょう。
問題提起という意味で、この論文は価値があると思う次第ですが、小学校のころの夏休みの自由研究でさえ苦痛で仕方がなかった私は、これからの調査研究は地道に頑張っておられる研究者の方々に任せたい所存でございます。
ただ、素人も普段から生き物を見ておかないと、妙な思い込みにとらわれてしまうことがあるようです。「今朝、庭に出てみると、子どもの手くらいの大きさのクローバーがはえていた」話やクローバーが巨大化した!。「その椿、本当に『放射能による異常』」でしょうか?」を読んだとき、そのことを強く思いました。
2012年8月おわり記
北アルプスをかすめてきました
姪っ子連れて、北アルプスの一角をハイキング。これがこの夏唯一のアルプスかもしれません(泣)。ここは何度も来ている場所ですが、本当に美しい場所です。たくさん咲いていた白い花はあとでオニシモツケだとわかりました。
雪渓が見える場所まで行きましたが、残念ながら雲に覆われていて一部しか見えませんでした。カオジロトンボとウソを見られたので、生き物的には満足です。
2012年8月おわり記
チョウ撮り林道
チョウを目当てに某高原の林道歩きをしました。鳥は視認できたのがウグイスとコガラです。ほかにはメボソムシクイ、ルリビタキ、コマドリ、クロジなど。
一眼レフ2台に双眼鏡をぶら下げて、よたよたと歩いていくと、いろいろな花が迎えてくれました。ゴゼンタチバナはもう実の段階です。
チョウは思ったより少なかったです。アサギマダラやクジャクチョウなど撮り放題!と目論んでいたのですが、見かける個体の9割はヒメキマダラヒカゲ(下写真左上)でした。
私にとってヒョウモン系の現場同定は相変わらず大変困難です。撮ってきた写真を家で図鑑と見比べることになります。それは楽しいんですけどね。
チョウ撮りでは、望遠ズームレンズ(70-300oを使ってます)がよい結果を残すことが多いです。彼らは結構敏感で、60oマクロでは撮る前に逃げられてしまうことが多く、今回は花専用になりました(花にいるカミキリなどには有効でした)。
一時期、虫撮りに100oクラスのマクロがほしいと思って検討したのですが、費用対効果を考えると、今の機材で十分かもしれません。ニコンにラインナップされている200oクラスのマクロレンズが更新されないのは、望遠ズームレンズの最短撮影距離が短くなってきている影響もあるとどこかで読んだ気がします。
望遠端300oをつけていれば、近くに来た鳥にも対応できるし、自分のスタイルに一番合っているかもしれません。
久しぶりにエルタテハを見ることができて嬉しかったです。足下に来たところを撮りましたが、これも望遠ズームで。
さて、またシャクガがいたのですが、これも同定できません。前記事のシャクガと似ていますが、よく見ると模様が違い、別種のようです。蛾の世界は深すぎます。
カミキリムシはマルガタハナカミキリみたいです。カミキリムシの同定も難しい…。
2012年8月なかごろ記
シャクガ迷路
某高原の小径です。ちょっと時間が空いたときに気軽に車で上って歩ける場所として最近重宝してます。灯台もと暗しの森の不快昆虫が減るまでは、ここで過ごそうと思ってます(住む訳じゃないですけど)。
コバギボウシ、オカトラノオ、オオウバユリ、ヌスビトハギなど。マルバフユイチゴの実の赤が鮮やかでした。鳥はゴジュウカラを観察。
左下のガは名前が分かりません。頼りにしているのは「みんなで作る日本産蛾類図鑑V2」です。膨大なページをクリックしていくとシャクガの仲間らしいところまではたどり着けます。でもそこから先がまさに迷路。似たような模様?の種はいくつかあるのですが、どれも当てはまらないように思います。シャクガ科だけで900種くらいあるみたいで、蛾のハンディ図鑑が出ないのも道理です。
2012年8月なかごろ記
タテヤマリンドウとチングルマの山
1800m級の山歩き。雲が出ていて展望には恵まれませんでしたが、花が豊富で楽しめました。一番印象的だったのはタテヤマリンドウ。ここには載せてませんが、つぼみもとってもよかったのでした。チングルマはもう綿毛でしたが、高いところに来ているという感じがして好きな花です。
鳥はメボソムシクイ、ウグイス、アカハラ、ルリビタキ、コマドリ、ウソ、ウグイス、アオジ、クロジ、ホシガラスなど。
チョウはヤマキマダラヒカゲとクジャクチョウくらいしか見かけませんでした。
イワイチョウの花にいるのは、家に帰ってからネットで調べると、どうもアサマヒメハナカミキリらしいです(写真下右)。
似たハナカミキリが結構いて(ツマグロ・カクムネ・ブービエの各ハナカミキリ)、しっかり写真を撮ってくるべきでした。いずれも手持ちの図鑑には載っていない種類で、それでもなんとか同定にこぎ着けられるのはネットの威力です。
持っていったカメラはFT2でしたが、一日でバッテリーをほぼ使い切ってしまいました。持たなくなったなぁ…そろそろバッテリーを新しく買わないといけないのかな…と思ったのですが、撮影枚数を確認すると約350枚。そりゃ終わるわけです。撮りすぎですね。
2012年8月なかごろ記
畑にニュウナイ
用事のついでに近くの畑をのぞいてみたら、ニュウナイスズメの群れがいました。車の中にいればそれほど警戒されません。繁殖を終えて移動中なのでしょうか。お盆を過ぎればもう晩夏の雰囲気です。
2012年8月なかごろ記
ヒヨドリバナ咲く森(キイロモモブトハバチについて追記)
たくさんのヒヨドリバナ(写真右下隅)が咲いていました。たくさんのクジャクチョウが飛んでいました。お目当てのアサギマダラにも会えました。
その他写真に撮れたのは、キマダラセセリ、シータテハ、オオウラギンスジヒョウモン。鳥はノジコ、ホオジロ、アオジのシトド系とクロツグミ、イカルです(こちらは写真なし)。
謎のイモムシがいました。やたらと存在感がありました。イモムシハンドブックの1と2を見ましたが該当なしです。
2012年8月なかごろ記
ツイッターはすごいと思いました。
上の「謎イモ」の写真をアップして、名前が分からないと書き込んだら数分で答えが返ってきました。キイロモモブトハバチの幼虫ではないかということでした。早速画像検索してみたらまさにそいつでした。感謝感激でした。
キイロモモブトハバチについて、希少種みたいだよということも教えてもらいました。「レッドデータブックとちぎ」を見ると、
----以下引用
体長25.0mm前後と日本に生息するハバチでは最大級の種である。(中略)もともと全国的に個体数の少ない種で、国内ではこれまで本州(東京、長野、静岡、京都、兵庫、岡山)、四国(高知)、九州の各地から散発的に発見されているに過ぎない。(中略)食樹ハンノキが生育する湿地性の山地平地林の伐採や減少が最大の脅威と思われる。
----引用ここまで
とありました。こんなに愛らしい姿のイモムシですけど(ここは個人的な見解が分かれるところでしょうけど)、環境改変の影響を強く受けている種なのですね。
ハバチについて検索を続けてみると、幼虫はどの種も相当にかわいいです。本当にいろいろな種類の生き物がいるんだと改めて思いました。生物多様性については勉強不足で、その重要性を理解しているとは言えませんが、ただ単純にこうしたたくさんの種類の生き物が身の回りに息づいて、それを目にすることができることは楽しく豊かなことだと思います。
2012年8月なかごろ追記
久々の写メは蛾
妻から珍しく画像添付のメールが届きました。後で確かめたら2年半ぶりでした。
で、そんな久しぶりのメールに写っていたのはモンクロシャチホコでした(この画像は帰宅してから自分で撮りました)。
2012年8月なかごろ記
カエルかわいや
今週は明るいうちに帰れることが多かったです。田んぼには小さいアマガエルの姿が目立つようになりました。
さてお盆休みです。
2012年8月なかごろ記
初心に返って鳥と山の話
最近虫の話ばかりだったので、鳥と山の話にします。
2000m級の山を歩いてきました。空青く雲白く、風はあくまでも涼しく、猛暑日を連発してる下界とはまさに別世界でした。鳥はメボソムシクイ、ウグイス、ルリビタキ、ウソなど。ガンコウランやアカモノなどが早くも実をつけていました。
2012年8月はじめ記
アケビコノハ
図鑑などで写真を見る度に、一度は見たいと思っていたアケビコノハの幼虫を見ることができました。特徴的な姿勢と模様がすばらしい。
アップで見ると青い斑点があって美しいと思いました。
最近鳥の話より虫の話が多くなりつつあります。サイト名も改題の必要あり?
2012年8月はじめ記