過去の野外手帳

-2011年12月

ツグミのいない冬

リンゴ畑

今年最後の灯台もと暗しの森の森への散歩に出かけました。今年も何度も歩いた、2時間半ほどのコースです。
前々回(12月中旬)では、これまでほとんど確認できなかったツグミを複数回見ることができ、前回(12月下旬)もそれなりにツグミはいたのですが、この日(12月30日)はまた空振り。1回だけ声を聞いたのですが、やはり例年の冬とは全く違います。

リンゴ畑

こんな場所を歩けば、あっちでもこっちでもツグミのすたすた歩きを見ることができたのに。日本に来ている数が少ないのか、それとも平地に降りてこないだけなのか。

赤い鳥系では、年による渡来数の増減は鳥見の前提ですが、ツグミがこんなに少ない冬は経験がありません。まさに異変という感じがします。ツイッター上でも各地のツグミの少なさが語られています。全国的な傾向かもしれません。

灯台もと暗しの森

森の中では、目立ったのはヒヨドリとカワラヒワくらい。前回群れで見ることができたカシラダカの姿がなく、冬鳥枯れの状況に変わりはありませんでした。
この日はハイタカ(たぶん…ハイタカならこの森では初確認です)を見ることができてとてもラッキーだったのですが、こんなに鳥が少なくては、猛禽も苦労することでしょう。

たぶんハイタカ

ハイタカですが、上の写真は思いっきりトリミングしています。最初見たときはオオタカだと思い込んでしまいました。双眼鏡でも眉斑が明瞭でしたので。でも、そのときも、ちょっと小さいなとは思ったのでした。家に帰ってきて写真を見ると、やっぱり小さい。葉っぱと比べてみるとよく分かります。

ツイッターでも相談して、ハイタカの若ではないかという結論に達しました。でも自信はないので、どなたかお知恵を拝借したいです。

猛禽の識別は難しいです。そして思ったのは、どんなに遠くても、写真は一応撮っておくべきだということでした。最近は一眼にはマクロを付けて歩くことが多かったのですが、この日は望遠ズームを付けていたことが幸いしました。

一眼を持つときは必ずコンパクトデジカメを持つようにしていますが、一眼マクロのときは、望遠の効くコンデジもこういう時のために携帯しないと…と新たな買い物の口実。^^; (10年前のFZ1はさすがに電池が厳しく、現役引退です)。

2011年12月おわり記

追記

ハイタカで決定です。鷹匠をしている方からツイッターで、「頭と嘴のバランスや、背中の白斑、脇の羽のオレンジ色などすべてがハイタカの特徴」と教えていただきました。勉強が足りません。

2012年1月はじめ記

冬鳥異変

年末雪の里山その2です。天候は小雪。

雪の里山

車をとめて、リンゴ畑の中を通って山道へ。冬鳥はここでも少なくて、ツグミもカシラダカも見かけません。

雪の里山

積雪は北斜面で10cmほど。山頂から降りてきたところで、アトリの声を聞きました。結局冬鳥はこれだけ。今年は一体どうなってしまっているのでしょう。去年のこの時期にもこの山に登っているのですが、ツグミもカシラダカもわんさかいました。

雪の里山

林道を歩いていると、山仕事らしい軽トラが登ってきました。軽トラ強しですね。
鳥はヒヨドリ、ウグイス、キクイタダキ、カワラヒワ、アトリ、ホオジロ。

2011年12月おわり記

クリスマスは里山歩き

雪景色の里山に登ってきました。車をとめて、畑の中を抜けて登山道へ。

里山歩き

途中横切る林道には、動物の足跡がたくさんありました。左はたぶん犬(そういえば、以前ここを自転車で走っていたら大きな犬に追いかけられてとても怖い思いをしたことがありました:「気分はインパラ」参照)、右は、こっちもたぶんですがリスです。

足跡

一本橋を渡ろうとしたら、(たぶん)タヌキが先に渡っていました。入り乱れた足跡もありました(これもおそらくタヌキ)。何があったのか想像するのは楽しいです。

足跡

山頂が近づくにつれて雪は増えましたが、それでも深いところで5cmほどと拍子抜けでした。でも、気持ちのよい雪の森の中を歩けて、いい気分でした。

里山歩き

冬鳥は相変わらず少なくて、ミヤマホポイント(上の写真右下)でも空振り。でも最後の最後にシロハラを初認できました。他、コガラ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、アオジ、ホオジロ、アオゲラ、コゲラなど。

2011年12月おわり記

粉砂糖とカシラダカ

12月末の3連休、荒天の予報でしたが、雪はうっすら積もっただけ。しかもいい天気です。冬鳥を期待して、灯台もと暗しの森まで歩いて行くことにしました。

畦道

これまであまり姿を見せなかったツグミですが、今日はあちこちで見たり声を聞いたりしました。まだまだ少ないですが、だんだん増えてきたようです。
リンゴ畑ではカシラダカの群れも確認できました。今季初認です。

林床

森の中は粉砂糖をふりかけたような光景でした。霜柱がざくざく足の下で音を立てます。カワラヒワが目立ちます。
しばらく歩くと、シジュウカラとヤマガラ、コゲラの混群に囲まれました。幸せなひとときです。

ヤブラン

森の中でもカシラダカの群れに出会いました。長野市より北ではかなりの降雪らしいので、一気にやってきたのでしょうか。
アオゲラ、エナガ、ウグイス、ジョウビタキと次々に鳥が出ます。いつもより多い感じがしました。

コケ

このあと、ミヤマホオジロやルリビタキを期待しましたが、それはかないませんでした。
この日は-6℃まで下がりました。10時を過ぎても気温は-2℃でした。小さな水たまりはがちがちに凍っていて、落ち葉が閉じ込められていました。

落ち葉

帰り道、東に見える志賀の山々が白く光っていました。美しい眺めでした。

2011年12月おわり記

霜の朝

冷え込んだ日の朝、コンデジと、D40に60ミリマクロを持って畦道に散歩に行きました。

霜

これは畑のイチゴです。

霜

この日の朝は-4℃でしたが、太陽の光は強く、日が当たればあっという間に融けていってしまいます。霜の写真は時間との勝負。

霜

こんな時期に咲いていたホトケノザの花に霜がついていました。見た鳥はモズ。

他の写真は写真倉庫205でどうぞ。

2011年12月おわり記

やっとツグミを複数見た

再び灯台もと暗しの森へのお散歩です。

ツイッターで、新潟方面の山は大雪、冬鳥がそっちへ行くかも!という書き込みを昨夜読んだのですが、案の定といいますか、これまでなかなか見かけなかったツグミを3羽見ました。この森へ行く途中の住宅街で、ヒヨドリに混じって桜の木の枝にいました。

ツグミの平地への渡来は遅れています。これまでの野帳をめくってみると、例年11月中には普通に見られるようになっているので、今年は1ヶ月は遅れている感じです。冬鳥の異変、少々気になります。

灯台もと暗しの森

森の中では冬鳥の気配なし、でした。ミヤマホオジロはもちろん、カシラダカだっていません。

灯台もと暗しの森

森の中の道でお父さんと男の子2人連れに会いました。この森で人に会うことはそれほど多いことではありません。子どもと会うのはなかなかに珍しいことです。

人なつっこい子で、「こんにちは!」と元気よく挨拶をしてきました。
「何見ているの?」
「鳥を見ているんだよ」
「鳥なんていないよ」
「あんまりいないねぇ(確かにその通り)」
「一緒に行ってもいい?」
「またね」
「バイバイ」

2011年12月おわり記

インフル予防接種もついでにしてきました

通院のため病院へ。運動不足を自覚しているので、歩いて行きました。

そしたら「いいこと」はあるもので、小路でジョウビタキの雄は見られたし、病院を出るときにはツグミの声も聞けました。

雪の降る寒い土曜日で注射もやや憂鬱だったのですが、たったこれだけのことで温かい気持ちになれる鳥見は素敵な趣味です。

2011年月はじめなかごろおわり記

12月最初の日曜日

たんぼ道

12月最初の日曜日、カミ様の車のタイヤ交換を終えてから、灯台もと暗しの森の森までのんびりとこんな道を歩いていきました。森はすっかり葉が落ちて、冬を迎える風景になっていました。種がびっしり積み重なっていたウバユリの実は空っぽになっていました。

灯台もと暗しの森

鳥は少なく、冬鳥には会えずじまい。帰りは大回りして、以前電線にとまっていたムクドリが降りていった川沿いに行ってみました。竹藪がありましたが、糞で白くなっている様子はなく、ここが塒かどうかは分かりませんでした。

竹藪と路地

スーパーに寄って、赤ワインとチーズを購入。レジ袋をぶら下げての帰り道、小さい頃よく通った懐かしい路地を歩いてみました。この石垣にはアオダイショウが住み着いていて、隙間からよくア首を出していました。

2011年12月なかごろ記

皆既月蝕観察撮影記

この日(12月10日)のメインイベントは、何といっても皆既月蝕でした。

ちなみに「月食」と「月蝕」、私は月蝕の方が好きです。満月がまるで虫が葉を食べるように蝕まれていく…。まだどうして月蝕が起こるのか分からなかった時代、そんな人々が感じた不安さや不気味さが表れているような気がするのです。

常用漢字が決められたことで「蝕」が使われなくなったのでしょうけど、代用字について調べてみると、常用漢字に絞ったよさも感じられるので(使い分けが難しい)、まあ仕方ないですね。

目で見ても月が暗く欠けてきたのが分かりました。部分蝕の始まりです。

皆既月蝕

上の3枚と下の右端は、野鳥観察用の地上望遠鏡(コーワの774に30倍接眼レンズ)に、コンパクトデジタルカメラ(普段使っている防水コンデジのFT2です)を押し当てて手持ちで撮った、いわゆる押しつけコリメートの画像です。

月が暗くなるにつれて、シャッタースピードが極端に遅くなり、ピントも合わなくなった皆既あたり(下の左2枚)は、一眼レフ(ニコンのD7000)に70-300mmの望遠ズームレンズで撮ってみました。こういう時は、やっぱりデジスコのシステムがほしいなあと思ってしまいました。

月の大きさは画像処理ソフトで大体そろえてあります。

774774とD7000

ベランダに、このようにプロミナーを立てて、レンズを月に向けてみました。高度は70°以上なので、雲台の向きを逆にしてあります。
右は押しつけコリメートに挑戦中の中3の息子です。一眼レフでは、ライブビューを利用してリモコンで撮りました。

この日は、部分蝕の始まり(21時45分)から終わり(1時18分)まで、家族大騒ぎでベランダに出たり入ったり、楽しく月見をしました。我が家は二世帯住宅で二階リビングです。こういうときは大変都合がよろしい。気温はほぼ0℃でしたが、すぐに炬燵に潜り込める好条件でした。

日中は雲が多い天気でしたが、夕方は晴れて本当によかったです。息子たちも赤い月を見ることができたし。この日のことはきっと後々まで覚えていてくれることでしょう。

赤い月は本当に神秘的でした。月が暗くなるにつれて星がわーっと湧いて出るように輝き始めるのも感動しました。この日は天の川も久しぶりにきれいに見えました。

皆既蝕は23時5分から23時58分まででしたが、あっという間に感じました。面白いと思ったのは、肉眼でもレンズを通してみるのと見ないのとでは「赤さ」が違うことです。望遠鏡では月面はきれいに見えますが、あまり赤く感じませんでした。一番赤く見えたのは双眼鏡です。

部分食

部分蝕の始まりのころ、一眼レフに60oマクロを装着しての手持ちでも撮ってみました。本来、雲は邪魔な存在であるはずですが、ですが、こうしてみるといい感じです。

部分食

とても印象的な夜になりました。

2011年12月なかごろ記

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