過去の野外手帳

-2007年9月

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赤とんぼやーい

赤トンボ 一気に寒くなって、最高気温が20度を下回りました。3日ほど前はまだ30度オーバーだったので、ちょっと急すぎやしないかいと文句も言いたくなります。
涼しくなって、ちょっと気になっているのは赤とんぼの動向です。

ここらで見かけるのはアキアカネ、その他ナツアカネやノシメトンボなどだと思いますが、ぱらぱらとしか見かけません。それで「こんなに少なかったっけ?」と思っているわけです。
こう感じているのは私だけか思ったら、この間お会いしたとある方も同じ意見でした。

数日前までは9月というのに夏の気温でしたから、単純に暑すぎて避暑地から下りてきてないんじゃないかとも思っていました。この涼しさでどうなるでしょうか。
今日は見かけませんでしたが、一日雨降りでしたし。
もっとも、環境変化で私の住む地域では数が減ってきていて、それに気づかないでいただけかもしれません。
いずれにしても、ちょっと気になる赤とんぼ。

2007年9月おわり記

見えざる力

タカ舞う秋の空 3連休最終日。仕事はたまっていたのですが、我慢できずにタカを見に出かけました。
いつも一人で鳥を見ているので、タカ渡り観察ポイントに出かけることはちょっと敷居の高い感じがしましたが、よたろうさん、Laputaさんなど知っている方もおられましたし、大勢で見るのは(とは言っても10人ちょっとでしたが)楽しいものでした。

それにしてもタカが飛ぶ飛ぶ。
風向きの条件は決してよくはなく、Patrickさんが言うには、「こんなにサシバがはばたいて渡るのは初めて見た」とのことだったのですが、465羽も飛びました(自分で数えたわけではありません。詳細はこちら)。

サシバ354、ハチクマ87、ツミ14、ミサゴ3。チゴハヤはたっぷり見ちゃいましたし、出ればなあと思っていたハヤブサも飛んでくれたし、オオタカもノスリもトビもと、これだけの数・種類の猛禽を一度に見たのは初めての体験でした。
今季初めてのタカ見でこれだけ飛んでくれたのは幸運以外の何ものでもありません。日頃の行いのよさに我ながら感じ入りました。

4時には引き上げたのですが、最後の最後まで見所満載で、本当に心満たされた一日でした。
今週は仕事が大詰めで、家族が寝静まった頃に帰る日々でしたが、この一日があったから何とかなった…なんて書くのは格好よすぎますけど、嘘でもありません。

タカの渡りをぼんやり見ていると不思議な気持ちになります。
一斉にわらわらとタカが舞い上がってタカ柱がたったり、ぽつりぽつりとタカが輪を描き高度を上げたりしていきます。
そこまではタカの個々の意志みたいなものを感じるのですが、舞い上がったタカがすーっと南に流れていく姿からは、見えざる大きなものに引かれていくかのような印象を受けるのです。

自然の摂理の大きさにただ圧倒され、彼らの旅路の幸運を祈り、青空を見上げていました。

2007年9月おわり記

とらぬベニマシコの皮算用

秘密基地候補地 秘密基地候補地の続編。
7月に自転車で走れた道はこんな(→)になっていて、途中で進むのをあきらめました。草の生命力のすごさを感じました。

鳥はほとんどいませんでしたが、雰囲気からして冬はベニマシコがわんさか…!などということになっているかもしれません。

2007年9月おわり記

田圃ポタ

秋は渡りの季節。
ホントはタカ渡りや森を通過中の小鳥などを見たいところですが、山に行く時間がなかなか取れなくてですね。

空いた時間に近所の田圃を走ってみました。
稲穂去年アカエリヒレアシシギがいた辺りやエリマキシギ情報があった場所(これも去年)には休耕田が見当たらず、他にもめぼしいポイントは見つけられませんでした。

情報なしの行き当たりばったりポタなのでこんなもんです。でもコサギ、チュウサギなどを見てそれなりに満足して帰ってきました。

右写真の奥にちらりとシギの姿を見ましたが、さっと隠れられてしまい正体はわからず。最初から識別はあきらめているので、粘りもせず。

田圃でたくさんの方が農作業をしている中、双眼鏡を首から下げた怪しげな自転車乗りでありました。
人が働いている横をいかにも暇そうな顔して自転車こぐのは、少し気が引けます。こちらから挨拶をすればいいんでしょうけど、何をしているのか説明するのもちょっと面倒くさくて。

2007年9月おわり記

ハエトリグモ・スタイル

林道9月というのに暑い。自転車をこげば汗びっしょりです。
林の中の道を行くと、シジュウカラのジュクジュク声が梢から聞こえてきました。姿を見ようと自転車を止めたら、藪蚊の羽音がまとわりついてきました。

私に寄ってきた蚊はきっとずっとここにいて、四十男の発する二酸化炭素を検知、「いざ鎌倉!」とやって来たのでしょう。
蚊はまだましだと思います。吸血だけが食事ではないようですし、それほど移動能力があるとは思えませんが飛べるからです。

ササダニ(マダニ)は、吸血対象動物が通りかかるまでピンポイントで待っているわけですよね(風に乗って飛ぶという話を聞いたことはありますが)。
この辺りにはいませんけど、ヤマビルもそうです(彼らも多少移動は出来るらしいですけど)。

これはなかなかにすごい人生だなと思う次第なのです。
このまま「えさ」が来なかったらどうしようとか、不安に思わないのだろうか。

でも、きっとその待つスタイルが合理的なのでしょう。
クモにも歩き回って餌をとるクモと網を張るクモとがいますが、効率は網張り待ちグモのほうが上のようなイメージを勝手にもっています。

ここでふと、バーダーやカメラマンのことを連想しました。
野鳥の観察や写真撮影にも、鳥を求め探し歩くスタイルと、一ヶ所でずっと待つスタイルとがあるからです。網を張るクモの中にはかくれ帯を作る種類がいて、まさに鳥屋のブラインド。

歩きか待ちかは種類や観察・撮影したい内容や行動によって選ぶことでもあるので、あなたはどっち派?と聞くのは乱暴でしょうけど、少なくとも私は待つのは苦手です。
ブラインドに入ってじっとしているなんて考えられません。30分もすればこのまま一日鳥が来なかったら…と不安になるに決まっています。

そんな訳で、私の鳥見はハエトリグモ・スタイル(吸血昆虫でいえばウシアブ・スタイル)です。あなたもハエトリグモ(ウシアブ)でしょうか?

2007年9月なかごろ記

美林

針葉樹

樹齢100年を越えるような針葉樹がすくっと伸びゆく表情はこの上なく美しかったです。でもやっぱり雑木林のほうが好きだなって思いました。

2007年9月はじめ記

9月初ポタ

自転車ふらり

ちょっと自転車に乗ってこようと思ってふらり出かけました。

もうツリフネソウが咲いているんだあなどと思いながら先月の逆コースをのろのろ上っているうちに、ソバの花咲く某高原まで行ってしまいました。

特徴ある声に空を見上げると、サンショウクイが数羽飛んでいきました。9月に入りそろそろ渡りの季節です。

帰りは初のトンネル体験。ちょっと怖かった。そして太陽が沈みかけた帰りの下りは寒くて寒くて、ウインドブレーカーを持たなかったことを反省しました。

2007年9月はじめ記

何ガエルでしょ?

ウシガエル幼体と判明しました。

謎ガエル

帰宅すると、息子が「見たことのないカエルを捕まえた」というので、早速見てみました。学校の池にいたということですが、確かに初めて見るカエル。
ツチガエルとはいぼいぼの程度や喉やお腹が白い点が異なります。図鑑やネットで写真を見たのですが、ぴったりするものがありません。
外来種か、もしかしたら新種か!?なんて冗談も出たのですが、ヌマガエルじゃないの?ということに一応落ち着きました。

でもすっきりしません。ご意見下さい。ちなみに、カエルが乗っているコンクリートの角棒は3cm角です。

※以下はヌマガエルだと仮定しての話です。

『山渓ハンディ図鑑・日本のカエル+サンショウウオ類』に載っている分布図では、長野には生息していないことになっています。
本州では静岡以西の太平洋側、四国、九州など温暖な地方に見られ、国外では東南アジアに広く分布。オタマジャクシは高水温にも耐えるそうです。

そんな種類が長野にいるってことは、温暖化の一端なのかも…と思ってしまったのですが、ツマグロヒョウモンなどの蝶ならともかくも、カエルが分布を広げるってどうやって?地道に歩いてきたのか?
千葉・神奈川の一部に移入と図鑑にはあったので、その線もありかもしれません。
そんなわけではっきりしない正体も含めて、晩夏のミステリーでした。

2007年9月はじめ記

皆さんにご意見・ご協力をいただきありがとうございました。
「ウシガエル幼体」の可能性が高まってきました。最初からウシガエルじゃないと決めつけていたのはいけませんでした。
ウシガエルって6m以上跳んだ記録があるんですね。びっくりです。

2007年9月はじめ追記

ウシガエル幼体で決着です。

カエルってオタマから変態したらもう「オ・ト・ナ」だと思っていたのが全ての間違いでした。調べたり、教えたりして下さった皆様、ありがとうございました。
ネットで調べてみると、ウシガエルは1918年にアメリカから20数匹が移入され養殖が始まったとされています。アメリカザリガニは、ウシガエルの餌として導入されたことを初めて知りました。セットだったんですね。
その後全国各地に広がったのですが、2006年には特定外来生物に指定されました。国策によって養殖が始まり、約90年後に再び国策によって排除の対象となったのは皮肉な運命です。

息子がウシガエルを捕まえてきた学校の池は、数年前に作られたものだそうです。
人間の都合で日本にやってきたウシガエルに罪はありませんが、こうやって新しくできた池に進出してきた事例(驚異的なジャンプ力と関係があるのでしょうか)を目の当たりにすると、生態系への影響が心配になります。

こんなページを見つけました。すごいです。あまりやってみたくはないですけど。

2007年9月なかごろ追記

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