過去の野外手帳 〜2006年10月

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◆サル
ここは戸隠森林植物園。もちろん動植物の採取は禁止です。でも、春も秋もよくみかけるのですよね。山菜キノコを採っている人。
小心者なのでなかなか注意できないのですが、通路から外れて森の中を堂々と歩き、キノコを袋一杯採っていた5,60代のオジサンに、堪りかねて声を掛けました。

「採っちゃいけないんじゃないですか。」
「キノコだよキノコ。キノコだったらいいでしょ。」
「キノコだっていけないですよ。」
「あーそうですか、ハイハイ。」
(むかつくなー。)

確信犯ですからたちが悪いです。
ああいうオジサンが日本をだめにしてきたんだなどと勝手に毒づきながらしばらく歩いていくと、また藪の向こうからガサガサ音がします。
また注意して適当にやり過ごされて嫌な思いをするのか…とうんざりしながら足を進めていくと、音の正体はオジサンではなくてニホンザルでした。

他にもたくさんのハイカーが歩いていて、クマよけ鈴の音が鳴り響く戸隠でしたが、サルたちはあわてず恐れず、ゆったりと移動していきます。
子連れの個体も何頭かいて、かなり大きな群れです。襲われたら絶対かないませんから、刺激しないように慎重にやり過ごしました。
クマ問題が今秋はクローズアップされていますけど、サルとの距離も近すぎる気がして、ちょっと心配になりました。
2006年10月おわり記


◆北風の強い日
Mウェーブ(長野オリンピックではスピードスケートの競技会場でした)の横を通りかかると、たくさんのカラスが舞っていました。

自転車を止めてしばし観察。
カラスたちは屋根の傾斜に沿って急降下し、そしてふわりと舞い上がるという動きを繰り返していました。どうやら屋根に沿って吹き上げる風に乗って遊んでいるようなのです。

餌探しに懸命にならなくてもいい、時間の有り余るカラスたちの生活のひとこまなのかなと思いながら、遊ぶカラスたちを眺めていました。
2006年10月おわり記


◆息子との山
私たち以外にもたくさんの親子連れが歩いていましたが、10月の2000m級に、こんな小さい子連れてきていいの?と思ってしまいました。もっとも天気が崩れる気配はなかったのですが。

息子も息子で、そんな親子連れに「あれは絶対親が登りたいから無理矢理連れてきたんだよ、ひどいね。」との感想を述べていました。
ということは、あなたにとって今日は無理矢理連れてこられての山ではないのだね。よかったよかった。

休日はスポーツ関係の行事が目白押しでなかなか予定が空かない小4の息子ですが、今日は貴重な「暇な」日曜日。前からこの山に息子を誘っていたのです。

普段、それほど会話の多くない私たちですが、やっぱり息子と歩く山はいい気分です。

3時間ほどで頂上に到達。
行動中は半袖でもいいくらいの天候でしたが、山頂は風が冷たく、フリースを着てその上にウィンドブレーカーを羽織りました。手袋を持ってきて正解です。

私にとっては色づき始めた森の美しさが印象的でしたが、息子には流れる雲の速さが心に残ったようです。キノコが少なくて残念なのは、二人とも同じでした。
2006年10月なかごろ記


◆旅鳥冬鳥
秋の森で旅鳥探し。

偶然出会ったよたろうさんにムギマキを見つけてもらいました(これがお目当てだったんですけど)。
雄も雌も両方を見ることができて、幸せな午後になりました。

キノコを探して小さな流れのある場所まで足をのばすと、アトリの群れに会いました。20〜30羽ほどはいたでしょうか。
ものすごい勢いで草の実をついばんでいました。
このままここで冬を越すアトリなのか、それともさらに南まで渡っていく群れなのかはわかりませんが、無事海を越え日本に帰ってきた鳥たちであることには違いありません。

この日は、マヒワやキンクロハジロも見かけて、鳥を通して「冬」が見えてきました。
2006年10月なかごろ記


◆10月9日午前7時
白馬や穂高での大量遭難が報じられてから2日経って、長野市からも北アルプスの白い姿がようやく見えました。

上は長野市東部から垣間見える白馬三山(右から白馬、杓子、白馬鑓)。
昨日は悪天候や雪崩の危険のため救助活動ができなかったようですが、今日はヘリが飛べそうです。

下は千曲川沿いから五竜岳(右端)、鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳、蓮華岳(左端)です。
北アルプス北部ほどではありませんが、結構雪がついていました。画像はありませんけど、妙高も冠雪です。

低気圧の接近で荒天は容易に予想できたことでしょうし、危険地帯に突っ込むのをなんとか防げなかったのかと残念に思いますが、私も山に登り始めた頃は秋の高山の怖さをよく知りませんでした。
気象遭難の危険性をそれほど重大に受け止めていなかったのです。
今回の遭難は、そういう意味で人ごとではありません。1989年の立山真砂岳の遭難も含めて、改めて教訓にしなければと思います。

朝、息子らを部活に送っていった帰りに写真を撮りました。
今日は昼前から仕事に出なくてはなりません。やっと晴れたのに、ちょっと無念です。
2006年10月はじめ記


◆秋の香り
ちょっと天気を気にしながら、ジコボウ(ハナイグチ)探し。家族で味噌汁を味わうには十分な数が採れました。
野の香りを楽しみながらの夕飯。
2006年10月はじめ記


◆山でばったり会いたくはないけど
ちょっとは見てみたいクマ。
理想的なのは、「落葉がすんだ見通しの利く尾根歩き。谷をはさんだ向こうの尾根筋をひたすら逃げていくクマちゃんの黒い姿を双眼鏡で見る。」という状況下での出会いです。
そんなにうまくいくわけないですし、今秋は事故が多く感じられるので(気のせいかもしれませんが)用心して歩いています。

最近はマイナーな里山歩きが秋のテーマになっていますが、入山者は自分一人ということも多いので、クマ用心の面から「東京周辺の山」というようなガイドブックにも載っている山に行くことにしました。全国的にはほとんど無名の里山ですけどね。

もう駐車スペースは埋まっているかもと思いつつ林道を上がっていくと、車は一台もとまっていませんでした。

他にも登山口はありますが、ここが一番のメインルート。もう11時過ぎですから他の登山者は期待できません。

目論見が外れ、しっかりベルを鳴らし要所ではホイッスルも吹きながら(誰もいないし)歩くことにしました。

静かな静かな山でした。時々カケスが騒いでいましたが、大きな木の葉が風に吹かれて落ちる音が響いて感じられるほどでした。
画像は頂上で出会ったムモンアカシジミ。
写真には撮れませんでしたが、ノスリが2羽、大小の輪を描きながら戯れるように飛んでいるのも見ました。

メイン登山口に通じる林道が、来週から工事で2ヶ月ほど通行止めになるようです。
この山のどこかにいるクマは、静けさを取り戻してほっとすることでしょう。山でたくさん食べて早く寝て下さい。
2006年10月はじめ記


◆渡っていく鳥たち
通勤時に時々見かけたチゴハヤブサ一家?ですが、最終確認は9月20日の朝でいいみたいです。今日から10月。今頃はどこの空を飛んでいるのでしょうか。

この秋はタカの渡りを見ることができませんでしたが、こうして渡りの一端に触れることができたので満足しています。

渡りのシーズン。日本を通過していく鳥たち。
忙しがっていてシギチには出会えないでいたのですが、、アカエリヒレアシシギ(右図)が近所に来ていると教えていただいて、出勤前にその場所に寄ってみました。
長野では割と珍しい鳥で、適当鳥見の私が巡り会えたのは本当に幸運なことです。

ずっと以前に見た記憶があるので、野帳をめくって調べてみると、1979年9月30日に更埴(今は千曲市)の粟佐で数十羽の群れを見ていました。ノートに書かれた自分の字を見ているうちに、当時の風景がだんだんと蘇ってきました。

北極圏から熱帯地方までの渡り。壮大なスケールと目の前のちょこまかとした小さな姿とが重ならず、なんとも奇妙な感覚でした。
想像力の限界をこえる鳥たちの旅路です。
2006年10月はじめ記

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