野外手帳
-2025年9月
ニラの花
2025年9月16日記
9月上旬の畦道です。午前10時、気温27℃、やっと歩けるくらいの気温になってきました。今年はとにかく暑すぎました。夕方に歩いたことはありましたが、昼間に歩いたのは2ヶ月ぶりになりました。
リンゴはこんな感じ。
こんなところにイチジクがあったことに初めて気づきました。
ギンナンです。
キカラスウリ。
その下にはヤブランが咲き始めでした。
この時季の畦道といえばやはりニラです。
キマダラコヤガ。普通に見られるとする記述がある一方激減中という表現も見つかります。分布が局地的であると思われます。この畦道では過去に観察記録があります。
ベニシジミ。
ヤマトシジミ。
モンシロチョウ。
イチモンジセセリ。
たくさんの虫がニラに集まっていました。
この方は吸蜜していたわけではありません。今季初見のミヤマアカネです。
ここでもアケボノ
2025年9月15日記
「某所で蝶とトンボ」のつづきです。
戸隠で今季初めて見たアケボノソウを、ここでも見ることができました。
確か、アケボノソウを初めて見たのもここだったように思います。そして何度見ても感動的な素敵な花です。
ミゾソバ。
ツリフネソウ。
ミズヒキの仲間。葉に黒い斑紋がなかったのでシンミズヒキだと思われますが、ここの見分けはもっとちゃんと見てこないといけませんでした。
ザトウムシの仲間が花穂を渡っていました。
某所で蝶とトンボ
2025年9月15日記
5月にはエゾムラサキの花が咲く特に名を秘す某所。鳥はハシボソガラス、あとはイカルくらい。ハシボソガラスは湿地に群れで降りているのを見ました。採食している様子でしたが、何を食べていたのかまではわかりませんでした。
蝶はミドリヒョウモン。
そしてメスグロヒョウモン。
そしてイチモンジチョウ。
訪花対象は戸隠と同じくサラシナショウマやセンキュウの仲間。戸隠のセンキュウはヒュウガセンキュウですけど、ここのはなんだかわかりません。
花には来ないクロヒカゲ。
笹の葉の上にいた毛虫です。毛虫の左に見える葉と一緒に落ちてきたのではと思いましたが、googleレンズの判定だとウスベリケンモンの可能性があり、そうすると幼虫の食草は笹らしいです。
以前は、翅の先端に黒褐色部があるのはノシメトンボだと思い込んでいました。実際にはコノシメトンボ、リスアカネ、マユタテアカネなどの可能性があります。これは胸の模様からしてノシメトンボでよさそうです。
胸の黒条が太く上まで届くのがノシメトンボ。この個体は雌で、腹部下面の白粉も特徴です。
これは胸の黒条が途中ですぱっと切れているように見えるのでナツアカネでしょうか。
拡大すると切れた黒条の先端が角ばっているのがわかります。
ハート型のミツバウツギの実に、アカスジキンカメムシの幼虫がいました。今年、何度か幼虫を見かけていて、成虫には会えないでいます。
トンボ識別難しい
2025年9月14日記
「トリカブト属」のつづきです。9月初旬の戸隠森林植物園。
キバシリ。ずっと声はしていたのですが、姿を見られたのは一瞬でした。鳥はその他、キジバト、ハチクマ、ヒガラ、ウグイス、アオジ。
トンボがたくさんいました。アキアカネか?と思ったら胸の模様が違います。マユタテアカネと思われます。
なんか食べていました。この角度だと「眉」が見えます…っていうか、この顔の斑点は眉というより髭ですね。眉とした気持ちはわかりますが。
これはリスアカネでいいでしょうか。
さてこれはオオアオイトトンボかアオイトトンボか。今回はオオアオイトトンボと考えました。
こちらの記事「アオイトトンボ」でまとめたように、アオイトトンボは成熟した雄の腹部第9・10節に白粉が生じ、オオアオイトトンボは第10節のみに白粉が生じるということなので、上の画像からこれはオオアオイトトンボと考えられます。
さてこちらはどちらなのかという話です。よく見ると胸の下側に白い粉があります。アオイトトンボでは雄と雌の一部にそのような特徴があるのに対して、オオアオイトトンボでは雄も雌もここに白粉は生じないとのこと。よってこちらはアオイトトンボだと思われます。
トリカブト属
2025年9月14日記
「アケボノソウは秋の星」のつづきです。
アケボノソウ、サラシナショウマの他に、今季初めて見た花にトリカブトの仲間があります。
まだつぼみが多かったです。
こちらは先月から咲いているアズマレイジンソウ。トリカブトの仲間です。
トリカブトの毒性は有名ですが、このレイジンソウも強い毒を持っているとのこと。
キツリフネの向こうにツリフネソウ。
そしてかなり珍しいとされるシロバナツリフネソウ。昨季、今季と同じ場所で見られましたが、来季も見られるでしょうか。
ミゾソバ。
クサボタン。
レンゲショウマは一輪だけ残っていました。また来年。
森に差し込む光にチヂミザサが光っていました。
ノブキはほとんど結実。この実の形、好きです。
ツリバナも結実、そして赤く色づき。
足元にはキノコ。キノコの同定はほとんどあきらめているので、撮ったのはこのカイメンタケだけです。
アケボノソウは秋の星
2025年9月13日記
基本的に野外手帳は時系列で書いていて、つまり新しい記録が上なのですが、これは月食より前の記録になります。
9月初旬の戸隠森林植物園です。
9月になってアケボノソウが開花しました。今年もこのステキデザインに出会うことができて嬉しいです。
花冠先端に散りばめられた藍色の星と黄緑色の蜜腺体の配置のバランス、シャープな星形、造形が素晴らしすぎます。
この蜜腺体にはアリが取り付いていることが多いです。
そうやって集まってくる虫を狙ってか、クモも蜜腺体の前で待ち構えていました。
サラシナショウマも咲き始めました。ヒュウガセンキュウがそろそろ終わりで、それと入れ替わるように林床に白い花穂を揺らします。
蝶たちも吸蜜場所をヒュウガセンキュウからサラシナショウマへ移していました。
ミドリヒョウモン。
オオウラギンスジヒョウモンは姿を消し、ヒョウモン類はほとんどがミドリでした。
1頭だけ見かけたメスグロヒョウモン。
翅裏の淡い色彩の加減が好みです。雌の色彩が和名になっている例はあまりないですよね。先にあげたミドリヒョウモンも、雌の特徴からの命名例かもしれません。雄も翅裏は緑っぽいのですが。
エゾリンドウ。
ここにやってきたのはカラスアゲハ。
タチアザミに来ていたのは、オオチャバネセセリでしょうか。
月食スマホ実況
2025年9月10日記
「9月8日未明皆既月食」の追加記事です。
前の記事に載せた写真は一眼レフ機で撮ったものです。月食中は主たるSNSであるFediverseに画像を上げながら観望していました。最初はTLに月食を見ている人が見当たらず、ちょっとさびしいなと思っていたのですが、そんな気持ちの投稿をしたら「私も見ているよ」的な反応をいただきました。やっぱり人と繋がりながら見る月食は楽しいと感じました。
SNSにリアルタイムでアップした写真は、鳥見用の地上望遠鏡にスマホを手持ちで押し当てて撮るコリメート撮影によるものです。解像度は一眼レフ機のものにもちろん及びませんが、意外とスマホは優秀で、雰囲気のある写真が撮れました。TLに画像をリアルタイムで上げて楽しむには十分なものでした。ターコイズフリンジはこちらのほうがよく写っているくらいです。
きちんと接眼部に固定できるアダプタがあれば、かなりいい画像が得られるかもしれません。
9月8日未明皆既月食
2025年9月9日記
天気予報は曇り、皆既食になるのは真夜中と、半分諦めていた皆既月食観望でした。
9月7日夕方の月の出はこんな感じ。
その後の月も雲に見え隠れ、とりあえず三脚を立ててみました。月食は見ることができないとしても、やっぱり月を撮ることは楽しいななんて思いながら、空を見上げていました。
午後8時頃には全天に雲が広がり、これはだめだなと思ったのですが、思ったよりも雲の流れは速くて、日付が変わる頃にはほとんど雲がなくなっていました。こうなると寝るわけにはいきません。
午前1時26分から月食が始まりました。以下大体10分ごとにシャッターを切っていきました。
今回も前回にならって、撮影は一眼で、望遠鏡は観望用にしました。写真もいいのですが、やっぱり望遠鏡で見る臨場感は半端ないすばらしさでした。月が欠けていく様に見入っているうちに時はあっという間に過ぎ、晴れてよかった、起きててよかったという思いでした。
皆既になると月の周囲に星が見え、独特の赤い色合いとも相まってとても幻想的な眺めでした。
皆既食に入ったのが午前2時31分。このあと86分皆既食が続き、食の最大は3時12分、皆既食の終わりは3時53分、部分食の終わりは4時56分ということでした。とてもではないですが、通常通り仕事があるので、食の最大を待たずに撤収しました。
3時間しか眠れなかったので、次の日の仕事は眠くて辛くて大変でしたが、月食効果で1日中満ち足りた気分で過ごせました。
次の月食は来年の3月3日、今からとても楽しみです。
月齢14
2025年9月6日記
東方連山から昇ってきた月齢14の月です。月よ、皆既月食を前に何を思うのか(もちろん何も思っていません)。
天気予報を見ると月食の時間帯は曇りかな。
月齢10
2025年9月5日記
9月2日撮影。コリメート撮影に使うカメラがだいぶ古い機種になってきていることもあって、最近は一眼で撮ることが多かったわけですが、これはこれでいいですね。
さて今度の満月は皆既月食です。3年ぶり。前回は天王星食も起こった印象的な皆既月食でした。その時の記事はこちら→「3年前の皆既月食は2022年11月8日」
今回は部分食の始まりが9月8日の未明、午前1時半少し前、皆既食の始まりが午前2時半頃、皆既食の終わりが午前3時50分すぎ、部分食の終わりが午前5時少し前と、翌日に仕事があるものとしては大変厳しい時間帯です。
見たいけれど、さてどうしましょう。
次の日食は来年の3月3日らしいです。このページでわかりました。ここには2030年までの月食が掲載されていました。またこのページには2051年までの月食が載っています。こういうのを見ると、死ぬまでにあと何回皆既月食を見ることができるんだろうと考えてしまって、ちょっとしみじみしますね。
