過去の野外手帳
-2022年3月
スプリング・エフェメラルのお花見その2
2022年4月10日記
その1はヤマエンゴサクとカタクリのお花見で、今回はミスミソウ(今季2回目:1回目はこちら)。前回ミスミソウはまだ出始めという感じでしたので、再チャレンジです。
しかしこの日は降ったりやんだりの天気で、雨具を着ての山歩きとなりました。
ショウジョウバカマの株を前回以上にたくさんみつけました。また来なくては。きっと開花期はかなり見事です。
この間は咲いていなかったダンコウバイが里山に彩りを与えていました。
さてミスミソウですが、花は増えていたものの、天気のせいか開いているものは少なかったです。
でも、これだけ見られれば大満足です。自宅から半日でこの花を見て帰れるというのはかなり恵まれていると言えますし。
登山口にあるソメイヨシノのつぼみです。里での桜のお花見もそろそろです。
スプリング・エフェメラルのお花見その1
2022年4月10日記
某所でお花見。
ヤマエンゴサク。いい花ですよねぇ。
青みが強いものから赤紫っぽいものまで。
そしてカタクリもぼちぼち。
つぼみが多かったですが、咲いているものも少しだけありました。まだ新鮮な花ばかりで、きれいでした。
たぶん今季最後の雪遊び
2022年4月9日記
今シーズン3回目の雪遊び。今回はいつもとちょっと違うところを歩いてみました。
単調なカラマツ植林地が広がる広い谷を緩く登っていくと、広葉樹林に出ました。
ここで早めのお昼ごはんにしました。雪の上ではいつもパンです。
ブナでいいですよね?なかなか立派な樹形で、何枚か写真を撮りました。
それほど大きくはないですが、風雪に耐えてきたたくましい雰囲気に魅了されました。
これはすぐ近くにあった別の株です。こちらもいい感じ。
夏道はたぶんない場所ですから、この木を見たことのある人はそれほど多くないでしょう。そういう特別感がスノーシュー遊びのいいところです。
これは1本のブナではなく何本かが合わさった形の株です。その分、枝の広がり方が雄大でした。
登ってきたルートより少し南側の広い尾根を下ることにしました。
下りはあっという間。傾斜が落ちてくるとまもなく車道が見えてきました。
春めく森
2022年4月9日記
3月下旬のいつもの近所の森の記録です。
色に乏しかった森の風景に少しずつ変化が現れてきました。
真っ先に葉を出してつぼみをつけていたのはウグイスカグラです。来週には開花しそうです。
葉より花を先に開くのはダンコウバイ。春らしい明るい黄色です。
青空をバックにするとウクライナカラー。
さえずりを聞いたシジュウカラ。ヤマガラもさえずっていました。そして写真はありませんがウグイスのぐぜりも聞けました。谷渡りから始まって、軽くホケキョと鳴いていました。
その他、エナガ、アカゲラ、シロハラ、ハシボソガラスなどを記録しました。
帰り道、サクラの花芽を撮影。もうすぐです。
サクラとほぼ同じ時期に咲くアケビはこんな感じ。こっちも楽しみです。
花と鳥の畦道
2022年4月9日記
3月下旬、この月5回目の畦道の記録です。
土手にしゃがみ込んで写真を撮る行為は、傍目からはかなり変だと思われますので、いつも人に見られないように気をつけています。もっともそれほど人には会いませんが。
見事なホトケノザの群落です。
逆光に光るヒメオドリコソウ。
ノジスミレも元気。
赤い茎がすてきなトウダイグサ。
葉の緑との対比がたまりません。
オオイヌノフグリを背景にしたナズナ。
こちらはホトケノザを背景にしたナズナです。
夕方の光を受けるスイバの花穂。
見上げると電線にムクドリが止まっていました。頑張って冬を耐えてきた個体なんだなあと思います。ようやく春です。
東山を背景にスズメ。そろそろ繁殖シーズンイン。
互い違いのカワラヒワ。盛んにさえずっていました。彼らの声はキラキラとしていて、まさに春の音風景です。
夕方の光に色づくヒヨドリを見て、この日の畦道散歩はおしまいです。
その他、特記事項としては、ベニマシコとシメがまだいたことが挙げられます。
オオアカゲラたっぷり
2022年4月5日記
ミズナラ大王を見た後のスノーシューの記録です。いつもはここから南下するのですが、久しぶりに北上するルートにしてみました。
戸隠山を正面に見る場所から、キャンプ場方面に向かいます。
カラマツの植林地を通過。
再び広葉樹林へ。でもここにはそれほど大きな木はありません。
でもこの木には見覚えがあるなと思いました。
このネバネバの冬芽はトチかな。
セッケイカワゲラを何回か見かけました。マクロレンズを持ってこなかったので、これが精一杯です。
さらに進むと少し起伏が現れ始めます。南斜面では根本から雪が溶けているのがわかりました。
ちいさなピークを避けて進むと自然にサカサ川に誘導されます。カワガラスを見ました。
ほかにもコガラ、ヒガラ、エナガ、シジュウカラ、ミソサザイなどを観察。エナガ以外は囀りも聞くことができました。鳥たちは完全に春モードという感じでした。写真はありませんが、キバシリの歌も聞きました。
今季はけっこう観察機会が多いオオアカゲラを今回も見ることができました。一応小さくて軽い望遠ズームレンズを持っていったので撮影することができました。
するとここでまた山スキーの夫婦と一緒になりました。近くでお見かけするともうかなりご高齢のペアでした。クロカンやテレマークではなくツアービンディングだったのが印象的で、キャリアの長い方なんだろうなと思いました。
何を見てるのかと声をかけられました。このあたりには珍しいスズメもいるんだってねとも聞かれました。たぶんニュウナイスズメのことだと思います。
たっぷりとオオアカゲラの観察ができたので、車に戻ることにしました。今回もすてきなスノーシュー遊びができました。
ミズナラ大王写真集
2022年4月5日記
スノーシューの歩き始めの写真はこちら。ここはミズナラ大王の写真だけをまとめました。
駐車場をほぼ同時に出た夫婦と再びここで一緒になりましたが、彼らはこのミズナラはスルーでした。人によって何に関心があるのかは違うのだなと思いました。
お二人はヒールフリーのスキーで歩いていました。私もクロカンを履いてここに来たことがありますが、スキーだとやっぱり滑ることがメインになります。写真を撮るのならスノーシューのほうが向いているなと思います。
木の周りをぐるりと一周しながら写真を撮ります。どの角度から撮ってもすごい木です。
とても一つの幹から展開しているとは思えない奥行きのある枝ぶりが一番の魅力です。空間感覚がバグる感じがします。
これがベストの1枚!と選ぶことができないので、またしてもたくさん載せてしまいました。
枯れた枝がいくつか落ちていました。こうして年々姿を変えていくのだなと思いました。
樹勢の衰えを指摘する声もあり、この木をこれからもずっと見ることができるのかどうか、少し心配にはなります。
戸隠スノーシュー今季2回目
2022年4月5日記
再びミズナラ大王に会いに行きました。
雪原に足を踏み入れると、前回よりも春の雪という感触でした。
戸隠山の残雪もかなり減った印象です。
木の姿をカメラにおさめながら歩いていきます。
イボイボの木。
剛腕の木。ここまで来るとミズナラ大王はすぐそこです。続きはこちら。
ミスミソウが咲き始め
2022年4月5日記
3月下旬の里山歩きの記録です。今回の目当てはミスミソウ。カタクリなどがそうだったので、今季はやはり花期が遅れ気味なのかなと思いながらスタートしました。
谷をトラバースして回り込むとぐっと気温が下がって、アウターを羽織ることになりました。よく見ると結構な残雪がありました。
頂上直下の上りでは、イワカガミの葉がたくさん見られたのが印象的でした。花の時期に歩いたことがないのですが、どんな感じの道になるのか、ちょっと興味ありです。
光が透過するとどきっとするくらい赤い葉です。
ショウジョウバカマも見かけました。この花の時期にもここを歩いたことがありません。ミスミソウの花期が終わった後も来てみようと思いました。
さてミスミソウですが、やっぱり遅れ気味で、落ち葉の下から花が顔を出し始めた段階でした。しかもまだ日当たりのいい場所限定という感じでした。
でも見られて大変満足です。
イワカガミの花、ショウジョウバカマの花、そして満開のミスミソウを見るという、この山にまた来る理由が3つもできてしまいました。
春まだ浅い近所の森
2022年4月3日記
3月中旬のいつもの近所の森です。
前回、これはニオイスミレと同定した群落です。もう少し経つとタチツボスミレが咲き始めるはずです。
今季、レンジャクは来てくれないようです。代わりに近すぎるヤマガラ。
藪で採食するシジュウカラ。
近くにかなり黒くなったアトリがいました。
これはヒキガエルの卵でいいんでしょうか。親はさっぱり見かけません。でもひっそりとこの森に生きているんだなと思います。
3月畦道4回目
2022年4月3日記
3月中旬の自宅周辺の畦道の記録です。曇りときどき小雨。5℃で肌寒い午前中でした。
それでも畦道の花はどんどん勢いを増していて、前回は見られなかったスミレが咲いていました、ノジスミレでいいと思います。畦道の花のほとんどが外来種で占められる中、スミレはやっぱり大事にしたくなります。
前回はまだ伸び始めだったナズナは、かなり大きくなっていました。ナズナは春の七草のひとつなので、在来種っぽく感じるのですが、史前帰化植物とのことです。
ホトケノザ。これも史前帰化植物のようです。デジカメではあいかわらずいい色が出ません。
この頃の、赤い茎と緑の葉の対比が好みのトウダイグサ。成長するとちょっと違う印象になってしまいます。
冬越しのヒメオドリコソウは本当にいい色。
春真っ盛りにはこの色は失われてしまいます。
花穂が出始めたスイバ。
よくノスリを見かける場所であたりをうかがう個体を見ました。このあと何回か地面をめがけて舞い降りる行動を観察しました。
だんだん減ってきたように感じるツグミ。上空を気にしているように見えたので私も見てみると…。
ハシボソガラスにモビングされているオオタカが飛んでいました。
サクラの花芽はまだ固いまま。
ウメもまだまだでした。
カタクリはまだ
2022年4月3日記
3月中旬の記録です。
セツブンソウのところで、今季は花期が遅れていると書きました。カタクリにもそれは当てはまっているようです。この辺りでは多分一番早いカタクリの群生地に行ってみましたが、ほとんどは葉っぱだけ。一部つぼみをつけている株があったという感じでした。
ダンコウバイは咲き初め。これもまだ咲いているのはごく一部という感じでした。長野の春はこれからです。
車に戻ろうとしたら、イカルが地上で採食していました。何を食べていたのかはちょっとわかりませんでした。
セツブンソウのお花見
2022年4月3日記
3月中旬の記録です。例年よりちょっと遅めのだと思います。今年は全体的に花期が遅れている印象です。
林床にびっしりセツブンソウ。見事です。
もちろん寄ってもすてきなセツブンソウ。
改めてすごいデザインだと思います。
前日の雪が背景に少し写っています。
休日でしたがちょうどお昼時だったせいか、それほど人は多くありませんでした。
年に一度は見ておきたいスプリング・エフェメラルです。ここの保全活動をしている方のお陰で今年も会うことができました。
最初から匂いを確かめればよかった
2022年3月28日記
3月中旬のいつもの近所の森。
まだ色は冬のままでしたが、シジュウカラとヤマガラのさえずり、アオゲラのドラミングと音風景は春の到来を感じるものでした。
さてこの森で真っ先に咲くスミレ。前にも悩んだやつです。アオイスミレかニオイスミレかです。
タチツボスミレでないことは前回判明していましたが、今回ははっきりわかるように柱頭が曲がっているかどうかを撮ってみました。アオイスミレはニオイスミレ類に属していて、この仲間の特徴は雌しべの先がかぎ型に曲がっていることなのだそうです。
花弁を指でめくって柱頭を露出させてみると、きっちりこのように曲がっているので、アオイスミレかニオイスミレか、どちらかでよさそうです。
アオイスミレの特徴は図鑑に次のように載っています。
「スミレバンドブック」(文一出版)より
・花期は早く3月初めくらいから咲き出す
→合致
・上弁がウサギの耳のように立ち上がる
→まあそうかな
・側弁は前方に突き出すものが多い
→そう見えないこともない
・距は上に立ち上がる
→合致
・葉は円形で基部は心形、両面に毛を密生
→裏は毛が目立つが密生とまではいかないような…(下画像)
・植物全体に毛がある
→そうでもないような…
また「信州のスミレ」(ほおずき書籍)からは
・側弁は有毛(スミレハンドブックには無毛または有毛とある)
→合致(下画像)
・雌しべの先端が曲がるのがこの仲間の特徴
→合致(今回確かめたこと)
・距の先端が曲がるものが多い
→曲がっているものといないものがある
そんな感じです。そして外来種のニオイスミレについては図鑑に詳しい記述がありません。
「スミレハンドブック」では
----------(以下引用)
西ヨーロッパ〜西アジア原産。スミレの花束にされ、香水の原料にもする。ナポレオンの愛したスミレと言われている。花期は3月初め。
「信州のスミレ」では
----------(以下引用)
西ヨーロッパから西アジアが原産地。日本でも古くから栽培されている。ヨーロッパでは香料用・コサージュ用として栽培されている。
とだけあって、形態に関しては説明がないのです。ネットで調べて、最初に触れたようにニオイスミレ類は柱頭が曲がっているという共通の記述がようやく見つかる程度(アオイスミレはニオイスミレに近縁)です。
となると、後は香水にも使われるということから、芳香があるのがニオイスミレということになるので、匂いをかいでみました。するといい香りがしました。
ということで2年越しの懸案でしたが、ここにあるのはニオイスミレであると結論づけてみました。
というか、長々と書いてしまいましたけど、最初から匂いを確かめてみればすんだんじゃないの?という話でした。
畦道の花
2022年3月28日記
3月中旬、今月畦道3回目。11時半から12時半。気温は15℃と暖かい日でした。
期待していた蝶はキタテハ1頭。
前回は見なかったナズナの花。ロゼットから茎を伸ばし始めていました。
オオイヌノフグリは好調。
大好きな冬越しのヒメオドリコソウの渋い色。
ハコベがだいぶ増えてきました。畦道の花が一気に揃ってきた感じがしました。
活発なヒヨドリ。エネルギー満点。
その他の記録種は、ツグミ、ムクドリ、ジョウビタキ、スズメ、カワラヒワ、ホオジロ、オナガです。
戸隠スノーシュー2
2022年3月27日記
ミズナラ大王に会うまでの前半はこちら。
ミズナラ大王から少し西に進んだところで景色が開けます。ここでカレーパン。
ここから南に下ると、個人的命名:片流れのスギに会えます。ミズナラ大王と同じくらい好きな木です。
このスギの近くには何本かのブナがあります。
まだ雪を載せた枝があって時折落雪がありました。直撃されたらけがはまぬがれないので、気をつけながら写真を撮りました。
その雪がとけ、幹を伝って水が下りてきていました。
ブナを見送ってしばらく歩くとオオアカゲラに会うことができました。軽い望遠ズームを一応持っていってよかったです。
あとは雪と木の造形を楽しみながら車に戻るだけです。
冬の戸隠に通い始めてずっと撮っている青い影を、今回もたくさん撮ってきました。雪面が荒れていたので厳冬期ほどきれいな影ではありませんでしたが、それでも十分楽しめました。
戸隠スノーシュー
2022年3月27日記
よく晴れた休日、戸隠の雪原を歩きました。
気温は8℃、暖かい日でした。手袋がいらないほどでした。
いつものように巨樹の姿を楽しみながら歩きます。休日でしたがとても静かで、誰にも会いませんでした。聞こえてくるのは小鳥たちの声と、時折戸隠山の方面からの雪崩の音くらいでした。
顔なじみの巨樹たち。まずこれはヤドリギをたくさん載せた木。ただここでレンジャクを見たことはありません。
イボイボの木と勝手に名付けた株。何かの病気なのかもしれませんが、これだけ大きく育っているのだから違うのかな。
個人的命名:豪腕の木。少し前から折れた幹を抱えるようになっていて大変そうです。
そしてミズナラ大王。この木に会うためのスノーシューです。
もうすごすぎます。
一本の木とは思えない空間の広がりに毎回やられます。
少し離れたところでお茶を飲みました。
この木だっていつまで健在かわかりません。毎年見ておきたいなと思います。後半はこちら。
なごり雪というには激しすぎ
2022年3月27日記
3月畦道2回め。3月上旬の記録です。
15時から16時の1時間。歩き始めはこんな感じでしたが、次第に雪模様になってきました。
そしてあっという間に本降りになりました。ぼたぼたのぼた雪です。
なごり雪というにはやや激しすぎる雪でした。
鳥たちには悪いのですが、雪が降ると鳥たちの美しさが際立ちます。
休耕田のカワラヒワ。
ここにはキジも潜んでいました。
昨日は歌っていたホオジロは雪の中に佇んでいました。
一時は視界が悪くなるほどの雪でした。カメラがびっしょりになってしまいました。
ちょっと珍しいなあと思ったのはアトリとカシラダカを同時に見たことです。下の画像にはアトリしか写っていませんが、同じ場所で2種が地面で採食していました。
そもそも、田んぼでアトリを見たということ自体もあまり記憶がありません。
家につく頃にはだいぶ雪の勢いは弱まり、雪景色も長続きはしませんでした。
3月畦道1回目
2022年3月27日記
ここから3月の記事です。3月上旬の畦道の観察記録です。11時から12時半まで。晴れ、気温8℃。雪はだいぶ減りました。
冬鳥ではアトリ、シメ、ツグミを観察。3月らしい話としてはホオジロの囀りを聞きました。
この日のトピックは気に入っていたリンゴの木が切られてしまったことです。この冬も、枝に雪を載せたちょっとエヴァっぽい姿が面白くて写真を撮った木でした。
もちろんこれは農家ではない立場からの気楽な発言で、後継者不足とかいろいろ事情はあるのだと思いますが、風景がだんだんに変わっていってしまうのは寂しいものです。
