過去の野外手帳
-2017年8月
8月の探蝶
ミゾソバの花が咲き始め、いよいよ秋の雰囲気を感じる森です。キンミズヒキ、レイジンソウ、ゲンノショウコ、これらも晩夏の花という感じです。
ノブキの白い花が実になり始めていました。
盛んに鳴いていたの猛禽。3個体は見ました。ハチクマだと思います。ハチクマはあまり鳴かないということなんですが、見た目はハチクマでした。
撮ることができたチョウ(ガ)は、上画像のアサギマダラ、オオウラギンスジヒョウモン、ミドリヒョウモン、ミヤマカラスアゲハ、キアゲハ、イカリモンガです。他にもいたかもしれませんが、写真を撮らないことには同定が難しいので、とりあえずこの6種の確認です。
イモムシはこの2種。帰宅してイモムシハンドブックで調べると、左がアオスジアオリンガ、右がミツボシツマキリアツバのイモのようです。
コウチュウはこの2種。アカハナカミキリとコガタルリハムシでよいでしょうか。
2017年9月はじめ記
小さなクモ
庭で小さなクモを見つけました。
文一総合出版の「クモハンドブック」で調べてみたところ、おそらくハナグモだと思います。
写真を撮っているときには気づかなかったのですが、片側の脚(第1脚と第2脚)が欠けていました。これで問題なく狩りができるのか、心配になります。
その他、いつものイラガ。
そしてアミメアリ。
2017年8月おわり記
月齢5
2017年8月おわり記
月齢2
2017年8月おわり記
晩夏
晩夏の花といえばレンゲショウマ。
この花を見ると8月も終わるのだなと思います。
空の色を透過する萼、紫のグラデーションがかかった花弁、ぽつぽつと下向きに咲く花の配置、丸いつぼみ、どれをとっても完璧です。
2017年8月おわり記
蕎麦虫
蕎麦を食べに行ったので
ついでに蕎麦畑を見て
その時のムシムシ。
たくさん飛んでいたキタキチョウ。
息子の服に止まっていたたぶんコウヤツリアブ。
これがよくわかりません。ムシヒキの仲間であることはわかるのですが、図鑑に記載なし。webであたってみて、ヒサマツムシヒキかシロズヒメムシヒキか?と見当をつけてみました。
2017年8月おわり記
庭の住人
今年、庭の柿は花をほとんどつけず、従って実もほとんどついていません。目立つのはこの方々ばかり。
ぷっくり見事なイラガです。ざっと見ただけで10個体はくだらないです。見つけてしまえば、この仰々しい姿はとても目につくのですが、ぱっと見には案外保護色で目立たちません。茶色い部分なんかは葉っぱが茶色くなっている部分に紛れます。
うっかり触れてしまう事故も起きかねないので、通り道に近い側の葉っぱを食べていたイラガは、反対側に移動していただきました。
続いてはミンミンゼミ。
8月に入って気温が上がらず、今ひとつ調子が出ないようです。胸の模様の美しさは人知をこえますね。
続いて、等倍マクロレンズで撮るにはあまりにも小さかったのですが、無理やり撮ったグンバイムシ。
これは外来種のアワダチソウグンバイ。セイタカアワダチソウだけでなくヒマワリにも取り付くとのことで、まさしくヒマワリの葉っぱの上で発見しました。
普通種中の普通種マメコガネ。
「なんだマメコガネか」と言ってしまうほどよく見る虫ですけど、じっくり眺めてみればなんとも美しい。そういう意味で、ちょっとだけカワラヒワを連想。あの鳥もほんとにどこでも見かける普通種中の普通種ですけど、渋いグリーンに鮮やかな黄色、とっても美しいと思うんです。同じ緑色系ですしね。
運悪く帰省中の息子に捕まったキアゲハ。
虫大好き少年だった息子は、中高では部活一色で、まったく虫とは無縁の生活となっていましたが、根っこは全く変わっていないことがよくわかったこの夏でした。
カマキリの幼虫。
文一総合出版の「日本の昆虫1400」には後翅によってオオカマキリとチョウセンカマキリを見分けると書かれていますが、この個体はまだ後翅が伸びていなくてそこは識別点になりません。
検索すると、前脚(つまり「カマ」)の付け根の色が淡黄色ならオオカマキリ、オレンジ色はチョウセンカマキリという記述を見つけることができます。これで区別できるならとても簡単なのに、なぜ「日本の昆虫1400」が、後翅を広げないと識別できない記述にとどめているのか)が気になります。前脚の付け根の色で識別できるというのは正しいのかどうかです。
そしてニホンアマガエル。かわいすぎです。個人的には前脚の折りたたみ方と背中がツボです。
2017年8月おわり記
ヒアリが話題なので庭のアミメアリを撮ってみた
カメラを持って庭をウロウロのお盆。ヒアリが話題なので、ヒマワリの葉柄に列をなしていた小さなアリを撮ってみました。お腹がピカピカで、頭と胸はブツブツで光沢がないので、これはアミメアリのようです。
ヒアリの特徴を示した画像を見た時、腹柄が2つ(2つのコブ)あることが印象的だったのですが、アミメアリも同じでした(下画像)。調べてみると、ヒアリもアミメアリも、同じフタフシアリ亜科でした。環境省外来生物対策室の「ヒアリの簡易的な見分け方(暫定版)」では、フタフシアリ亜科すべてがヒアリに見えてしまいます。
twitterではヒアリと見分けが難しい種類として、
○ハリブトシリアゲアリ(腹部の先端を持ち上げる)
○ヒメアリ(頭と胸は淡黄色、腹部は黒色)
○オオシワアリ(頭と胸に光沢がなく胸部後ろに棘…アミメアリと同じ)
○オオズアリ(触覚棍棒部は先端3節・兵隊アリの存在)
の解説が流れてきました(Junさんのこちらのツイートがとてもわかりやすかったです。そしてこちらは追加編)。
これを見る限り、オオズアリとの見分けが難しいと感じました。ヒアリは触角先端3節ではなく、2節が棍棒部なのだそうです。また、頭と腹部が暗色なのがオオズアリという話も目にしました。でも、手持ちの「日本の昆虫1400」(文一総合出版2013年)には、上記のうちアミメアリとオオズアリしか載っていません。ヒアリとの違いだけに限っても、アリの同定はなかなかハードルが高いと思いました。
アリ用殺虫剤が売れているそうです。その背景には、こうした同定の難しさがあることが改めてわかりました。でも、むやみにアリを駆除することは、外来種のヒアリの定着をかえって促してしまうおそれがあるとのこと。もちろん、それ以前に生態系保全の観点から望ましいことではありません。
これからは、アリにも興味を向けて観察していこうと思います。
2017年8月おわり記
カタツムリは難しい
8月の戸隠森林植物園の続きです。いかにもクマが踏みましたという感じのミズバショウ。最近も目撃情報はあるみたいです。
ミヤマカラスアゲハと思われる蝶はたくさん飛び回っていましたが、吸蜜シーンや止まるところに行き会えなかったので、写真はありません。下はクロヒカゲとたぶんオオウラギンスジヒョウモン。
大型のイモムシを見つけました。オオミズアオと思われます。
オオミズアオの成虫は何度か見たことがありますが、幼虫は初めてでした。でも文一総合出版の「イモムシハンドブック」を3冊そろえていますので、同定できました。
ハンドブックシリーズは好きで、新しいのが出るとついつい買ってしまいます。イモムシハンドブックはよく活用できているのですが、買ったきりほとんど使わずにいるハンドブックもあります。そのひとつが「カタツムリハンドブック」。その理由は、自分の行動圏ではカタツムリを見ることがほとんどないからです。子どもの頃はもっと見かけたように思います。環境が変わってしまったのか、それとも目線が変わってしまったのか。
森のなかでこのカタツムリを見つけて久しぶりにページをめくってみましたが、同定がむずかしい…。識別のポイントを踏まえて写真を撮ってこないとだめですね。ニッポンマイマイの仲間でしょうか。
2017年8月なかごろ記
8月の戸隠森林植物園
林床に、ノブキの白い花が目立つようになった8月の戸隠森林植物園です。
ツリフネソウとキツリフネは、秋が近いことを感じさせる花です。まだたくさんは咲いていませんでした。
前回見頃だったタマガワホトトギスはそろそろおしまい。なぜか、もれなくアカアシカスミカメがくっついていました。検索してみると、ヤマジノホトトギスとアカアシカスミカメがそろって観察されている例がごそっと出てきました。
その他の花々。タチアザミが目立ちはじめ、これも晩夏を感じさせます。サラシナショウマは準備を整えている感じでした。
レンゲショウマはこれからでした。アキアカネが止まっていました。シキンカラマツはそろそろおしまいです。
2017年8月なかごろ記
アブラゼミ
日が落ちてもずっと鳴いているので、庭で現場を激写してやりました。緑の翅脈が美しいですね。
2017年8月なかごろ記
アサギマダラを見にいく
半休を取って、避暑兼探蝶。前回は行き会えなかったアサギマダラが目的です。そして歩き始めて数分で、この目的は達成されたのでした。
ものすごくたくさんいて、通算では軽く50頭以上でしょうか。乱舞という言葉がふさわしい眺めで、すばらしい光景でした。スマホでも撮ることができました(下写真左上)。生息環境が写し込めるのはいいなと思い、やはり広角マクロにチャレンジしたくなりました。
マクロレンズで近づいて撮るとこんな感じです(↓)。翅の「浅葱色」はもちろん、体の黒地白紋や複眼の模様もすてきです。
アサギマダラは渡りをする蝶。これから先、山を越え海を越えて飛んでいくことを想像すると、壮大過ぎてロマンを感じてしまいますが、蝶にとっては厳しい旅ですよね。
アサギマダラ以外の蝶も少し撮れました。ウラギンヒョウモン、ミドリヒョウモン、ヒメキマダラヒカゲ、ヤマキマダラヒカゲです。
ついでにカエル。背側線がほぼまっすぐなのでニホンアカガエルでいいでしょうか。
ついでにキノコ。こちらはすべて未同定です。
2017年8月なかごろ記
エントモファガ・グリリ
高原の湿原で避暑。ちなみに19℃でした。下界より7℃低い。時折小雨が降り、肌寒いくらいでした。
ヒヨドリバナ系の花が咲いていましたが、残念ながら目当てのアサギマダラの姿はありませんでした。
アキアカネがたくさんいました。この湿原で、以前はカオジロトンボを見たことがありますが、最近は見ていません。
周囲からはメボソムシクイやルリビタキのさえずりが聞こえてきましたが、目にしたのはホオジロのみ。これは幼鳥でしょうか。
雨が強くなってきたので、1時間ほどで退散です。
さて、表題のエントモファガ・グリリです。このサイトで話題にするのは3度め。
最初は2004年7月。2度めは2014年8月です。2004年の記事は今回と同じ湿原でのもの。ここには毎年来ているのですが、このようなバッタの死を毎回見るわけではないので、エントモファガ・グリリの感染には波があるのかもしれません。
バッタがこの菌に感染すると、高いところに上って息絶えるのだそうです。バッタを高いところに上らせて胞子を遠くに飛ばす戦略なのだとか。自然の営みは不思議すぎます。
2017年8月はじめ記
