過去の野外手帳
-2016年7月
ポケモンGOは自然観察の代替ではない
夕方からの畦道散歩。スマホと小さな双眼鏡だけを持ってのぶらぶら歩きです。
ガガイモの花を発見。ハギの花が咲きはじめていました。
ポケモンGOは立ち上げたままでしたが、田んぼやリンゴ畑の中の道を歩いても、ポケモンはほとんど現れません。あまりにも出てこないので、帰り道には初めて「おこう」を使ってみました。
----------以下引用(ポケモンGO攻略ニュース)
おこうを使用すると、家の中などにいて動けない場合は5分に1回のペースでポケモンが出現します。ただし、移動している場合は1分に1回のペースでポケモンが出現!
----------引用ここまで
だそうですが、動いていても5分に1回くらいでした。それでも、こんなスクリーンショットが撮れたので、まあまあ楽しかったです。田舎の風景ってポケモンに似合うと思うんです。生き物ですからね。
「アスファルトの上のナゾノクサ」
「キャタピーの食草はクズと判明」
ジムバトルは、車通勤なので週末にしかレベル上げができない自分には敷居が高すぎるし、自宅周辺ではレアなポケモンなど望むべくもないので、こういう遊び方(スクリーンショット遊び)が一番合っているかもしれません。
ポケモンGOについては、やくみつるさんに代表されるように、批判的な声があります。
----------以下引用(やくみつるさんの7/25の発言:日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」より)
こんなことに打ち興じている人を、心の底から侮蔑します。現実は面白いことに満ち溢れているわけです。道端の植え込みだって、そんな中にいる虫にだって興味を示せばいいものを、そこを見ながら現実的じゃないものを探す。親はもっと楽しいものを子供に提供する義務があります。親も一緒になって打ち興じたら、アホな子にしか育たないですよ。
----------引用ここまで
これに対しては、「昆虫の観察機会が多いような場所には、そもそもポケモンはあまりいないのですよ」…というのが、第一の反論になるでしょうか。これは街で遊ぶゲームです。
そして一番思うことは、ポケモンGOと自然観察を並列に論じるのは乱暴だということです。
ポケモンGOって、これまで歩かなかった人には歩く理由を与えているみたいです。
そして、自分のように、これまで目的を持って外を歩いていた人には、新しい楽しみを加えてくれている…というのが、ポケモンGO歴10日で得た印象です。後者にとって、このゲームはあくまでもエンタメ的要素をプラスしてくれているスパイスで、決して自然を楽しむことの代替ではないと感じています。
やくさんは、バーチャルな生き物をゲットすることより、本物の虫を採ることの方が、子どもにとって価値がある…というようなことを言いたかったんじゃないかと推測しますが、これまで虫採りに魅力を感じなかった子どもに、まず「外に出る」きっかけを与えてるとすれば、それでいいんじゃないでしょうか。
ただ、ポケGOは、昆虫採集っぽいゲーム性があるのでこんな話になりますけど、ポケストップの設定から、歴史的な建造物などへの興味が高まることこそ、大いに期待できます。自分も、ここにこんなものがあったのか!と思うことは度々です。この面では、やくさんの「現実は面白いことに満ち溢れている」という言葉はそのまま生きてきます。
いずれにしても、自然観察の代わりにポケGOというのは変だし、ポケGOをしなければ自然に親しめるわけではありません。
灯台もと暗しの森にも行ってみました。この間は出現ゼロでしたが、今回は少し出ました。イーブイとポッポです。ここでは凄惨な?現場にも遭遇。これまでの観察記録から、オオタカの仕業だと想像します。
ポケモンGOで外に出て、こんな場面に遭遇できれば、見方や世界が広がるきっかけになりますよね。
もっとも、自宅周辺で出るポケモンはだいたい決まっていますから、このゲームでほんとに楽しく遊べる期間は、そんなに長くはないと思います(個人の感想です)。
2016年8月はじめ記
ポケモンよりチョウが多かった(戸隠森林植物園)
「戸隠森林植物園でポケモンGO」の続きです(7月下旬の記事)。
園内のあちこちに、こんな感じでポケストップがありました。全部は回っていませんが、入り口と同じように案内看板が指定されているようでした。
もっとも、今日の目当てはポケモンGOではなくチョウ(ガ)です。
一番多かったのはサカハチチョウ。
スジボソヤマキチョウ、イカリモンガ、イチモンジセセリ。
ヒョウモン系で撮影できたのは下の2種。
まずはたくさん見かけたオオウラギンスジヒョウモン。
次のこれは、ヒョウモンチョウでいいと思います。コヒョウモンかもしれませんけど。
『信州戸隠高原と周辺の蝶』(山口文男著:戸隠昆虫自然園刊)によると、
ヒョウモンチョウは
----------以下引用
戸隠では、裾花川畔から標高1200m辺りの低山地まで、広く分布。戸隠高原・飯綱高原は多産地。(中略)全国的には、分布域が極限されているなかで、長野県のなかでも北信地方は、本種の主産地とも言える代表種である。
----------引用ここまで
とありました。
コヒョウモンは
----------以下引用
戸隠では、裾花川畔から標高1300m辺りの低山地まで、広く分布するが、かなり局所的。
----------引用ここまで
だそうです。両種は混棲しているとのことです。
ヒョウモンチョウについて、私は「多産地」と実感できるほどの観察機会を経験していません。時代・環境の変化なのか(この本は2012年刊ですが)、歩く場所が違っているのか、それとも自分に見る目がないのか。
アカアシカスミカメはやたらとたくさんいました。山ではよく見かける種類です。
『日本の昆虫1400』(槐真史編:文一総合出版)には掲載されていませんでした。
『見つけよう信州の昆虫たち』(田下昌志ほか編:信濃毎日新聞社)には載っていましたが、色が抜けてしまうのでしょうか、実物のガラス細工のような美しさは、標本写真ではわからないと思いました。
上の写真・右上はシロオビクロナミシャク、右下は相変わらず敏感で写真を撮らせてくれないクロヒカゲ。
そんなわけで、ポケモンGOをしながらですけど、ちゃんとリアルな生き物も見てきました。正確に言えば、自然観察のついでにポケモンGOですね。
鳥はモズ、アカハラ、ウグイス、ヒガラ、エナガ、イカルなど。ほとんど声だけでしたが、カイツブリの幼鳥は見ました。
2016年8月はじめ記
戸隠森林植物園でポケモンGO
午後からの戸隠。森林植物園の入り口案内看板がポケストップになっていました。
このアプリで表示されるマップには高低が示されないので、なんだか広大な草原に足を踏み入れていくかのような感じがします。実際の風景は↓。
キツリフネが咲いていて、ちょっと晩夏の気分です。シキンカラマツはすでに花びらが落ちてしまっているものが多く、来るのがもう少し遅かったら撮り逃すところでした。
ちょうど見頃だったのはタマガワホトトギス。
ミゾソバが咲きはじめ(上写真の右下:一緒に写っているのはアカアシカスミカメ)で、秋が近づいている感じを受けました。
他に、これからって感じの花は下のレイジンソウやサラシナショウマ(右上)、レンゲショウマ(右下)。レイジンソウやミゾソバは、昨年より半月以上早い印象です。昨年のお盆過ぎがこんな感じでしたから(2015年8月「晩夏戸隠」)。
今年は北アルプスでも花が早いという報道がありました。
----------以下引用(信濃毎日新聞「信州山小屋ネット」2016年7月31日より)
白馬岳の「お花畑」、夏と秋が共演 2016/07/31 10:31 白馬岳の「お花畑」 北アルプス白馬岳(2932メートル)へ向かう登山道にあるお花畑で、秋の花とされる黄色いミヤマアキノキリンソウなどが早くも咲き始めた。今年は積雪が少ない影響で、周辺では例年より2週間ほど早く開花。30日も登山客が足を止めて楽しんでいた。
----------引用ここまで
で、ポケモンGOですが、森を背景にスクリーンショットが撮れました。
出現したのはこの2体だけ。園内にポケストップは数カ所あり、奥社参道の大鳥居はジムにもなっていましたが、やっぱりポケモンは街の遊びですね。
2016年7月おわり記
ポケモンGOで森歩き
7/22から配信が始まった「ポケモンGO」の波に、生き物好きとして早速乗ってみたわけですが(自由研究「ポケモン配信前夜に思う」参照)、やはり田舎の宿命で、自宅の周辺にはポケストップもジムもあまりありません。でも歩けばそれなりにポケモンは出現して、楽しく捕まえているポケモンGO歴3日目。
いつもの森(灯台もと暗しの森です)は、市街地からそんなに遠くないし、ここなら生き物もポケモンも、両方楽しくゲットできて2倍おいしいかもしれない…と目論みました。
森の入り口に立ってみると、もちろんその先にポケストップやジムは見当たりません。
30分ほど森の中を歩きましたが、ポケモンはさっぱり現れませんでした。現実の森では鳥が鳴き(ヒヨドリくらいでしたけど)、セミが鳴き(ヒグラシをやっとここで聞けました)、そしてヤブランが美しく咲いていて、なかなか楽しかったのですけど、ここにはポケモンは棲んでいないようです。
結局、ポケモンはゼロでした。ヒトスジシマカに血まで提供したのに、ちょっと残念な結果でした。こんな美しい緑を背景にポケモンの写真を撮りたかったのですが、果たせませんでした。
でも、家に帰ってくると、ポケモンが出ました。コラッタが、まるでトウモロコシ畑を荒らしているかのような妙にリアルな写真が撮れました。今回はこれでよしとします。
2016年7月おわり記
セミ初鳴日
里のセミの初聴はここ3年記録してあるので、ある程度比較できます。
ニイニイゼミ | 2014年6/30 | 2015年6/28 | 2016年6/17 |
ミンミンゼミ | 2014年7/25 | 2015年7/21 | 2016年7/02 |
アブラゼミ | 2014年7/25 | 2015年記録なし | 2016年7/08 |
こうしてみると、今年は明らかに早いことがわかります。これも地球温暖化の現れなのでしょうか。
ヒグラシのデータはありません。自宅周辺ではほとんど鳴かないのですよね。どうしてなのか、いつも疑問に思っています。
2016年7月おわり記
アキアカネ飛来
土日に海の日を加えての3連休でしたが、休出以外は在宅でした。カメラを持って歩いたのは家の周りだけでしたが、それだけでも「発見」はあるもの。一番はアキアカネの飛来でした。
「夏至を過ぎると秋」というツイートをタイムラインで目にしました。暑さが苦手な自分としては受け入れにくい表現だなぁ…なんて思っていましたが、いわゆる赤とんぼが、すでに平地に下りてきているというのは、秋を感じてしまう出来事でした。
その他の庭で見かけた面々。カメムシはホオズキカメムシ、テントウムシはヒメアカホシテントウだと思います。このほか、アオメアブ、ツマグロヒョウモン、ヤマトシジミなどを見ました。
2016年7月なかごろ記
お許しを
いつもの散歩道。このサイトの名前に反して、もはや「鳥」でも「山」でもない記事がメインですけど、許してください。ヤブカンゾウが夕日を浴びて美しかったものですから。
鳥や山がメインでなくなってから、雑草としか認識していなかった花や実も、ずいぶん名前を覚えました。ヘクソカズラ(自分はヤイトバナと呼んでます)とヨウシュヤマゴボウ。
畑ではトウモロコシがぐんぐん育っています。ネムノキがまだ咲いていました。案外花期が長い印象です。
1時間ほど歩いて帰宅しました。鳥のことも書いておきますと、セグロセキレイとハクセキレイの幼鳥が目立ちましたといったところです。
2016年7月なかごろ記
この頃の唯一の癒やし
7月初旬、道ばたの森を歩く時間を得ました。自宅から比較的短時間で来られるこの場所は、親の介助の関係で、休日に長い時間家を空けられない自分にとって、とても貴重な野遊びの場所です。曇り、気温25℃。蒸し暑い午後でした。
さえずっていた鳥はホオジロ、アオジ、ノジコ、キビタキ、ウグイス、カッコウ、ホトトギス、シジュウカラ。思ったより多くの声を聞くことができました。
小径は夏草に覆われていました。目に止まった花をいくつか。
左のトンボはアオイトトンボだと思われます。右はカワトンボ系?
チョウはヒョウモン系を見かけましたが同定不可能でした。クロヒカゲを遠くから。ガはトンボエダシャクとシロモンクロエダシャク。
ハバチの幼虫がいました。かわいいです。オオクロハバチっぽいですけど、よくわかりません。
キノコ画像も貼っておきます。
2016年7月なかごろ記
