過去の野外手帳

-2013年2月

雪の里山2月末

歩き始めてすぐにルリビタキ。アトリ、シメもいました。

シジュウカラ

耕作放棄地の雪原でシジュウカラが食べ物を探していました。その数約10。もうすぐ春だよ!と言ってあげたい。久しぶりにミヤマホオジロを見ました。

スギ植林

踏み跡のない登山道に入ると、積雪がだんだん増えてきました。
防寒長靴だったので、膝近くまでが限界です。今日はここまで。

登山道

別ルートと合流するとトレースができていましたが、また登り返す元気はなく、そのまま下山しました。
お蕎麦を食べて帰りました。

下山道

2013年3月なかごろ記

白い世界

雪降る田圃で懸命に生きる野鳥たち。

ノスリスズメハシボソガラス

2013年3月なかごろ記

食欲旺盛ウソの群れ

今季はウソが多く、楽しませてもらっています。姿形色声、どれも完璧な美しさ。夢中で花芽を食べているアカウソの群れを、飽きることなく見上げていました。

ウソの採食

それにしてもものすごい食欲で、見ている間ずっとサクラの花芽を食べ続けていました。1分間数えてみたら、このお腹の赤みが強い個体は、平均すると20個くらいの花芽を食べていました。

8羽の群れでしたから、他の個体も同じように食べると仮定すると、この群れだけで、1分間160個、1時間9600個、1日10時間で(10時間という数字には根拠がありません)96000個の花芽を消費することになります。

この場所で今季ウソを確認したのは1月下旬以降。この小群の写真は2月下旬のもの。1ヶ月の滞在で約290万個の花芽が食べられたという計算になります。

繰り返しますが、採食が1日10時間という設定はいい加減です。2月中旬の日の出から日の入りまでの時間が約11時間であることと、ウソはいつも何か食っているという印象くらいが根拠です。

好きなウソを害鳥扱いしたニュースにはいつも悲しい気持ちになりますが、梅など収穫目的の果樹の場合、この食欲ですから、大群が押し寄せれば無視できない量になってしまうのかもしれません。

-----以下引用(和歌山県御坊市にある地方新聞「日高新報」のWebサイトWeb Hidakaの3/10記事)
渡り鳥の 「ウソ」 が例年に比べ全国的に多く飛来している影響で、 みなべ町では梅の雌しべやつぼみが食べられる被害が相次いでいる。 高城や清川の山間部で被害が目立ち、 園地によっ花芽皮
ては南高梅の交配のために植えている木が枯れ木のような状態になったケースもあり、収量の減少が懸念されている。町では有害鳥獣申請を認定し駆除を許可したが、有効な防除策はなく、関係者は頭をかかえている。(中略)有害駆除が認められ、 地元の猟友会の協力を得たが、 数が多い上に人が近づくと逃げるウソを駆除するのは困難。 大きな音などで追い払うぐらいしか方法がないのが現状で、 梅農家らの頭痛の種となっている。
-----引用ここまで

記事の後半で、野鳥の会が「一過性の問題で繁殖時期の4-5月ごろにはいなくなる」ってコメントしてます。事実ではあるものの、梅農家にとっては毒にしかならない内容です。せめて殺さず追い払うくらいにしておいてもらえれば。

サクラの場合は、多少花が少なくたって花見客の数に影響はないでしょうから、駆除論が出てくる理屈は全く理解できないんですけどね。この場所でのサクラの咲き具合がどうなるか、ウソの群れが居続けた影響があるかどうか、また4月に見てみます。

ウソが花芽を採食するとき、その皮が周りに飛び散ります。車に戻ってきて双眼鏡をしまおうとしたら、接眼レンズにウソが飛ばした皮が乗っていました。

2013年3月なかごろ記

防寒長靴の鳥見

2月下旬の灯台もと暗しの森です。
スギは花粉を飛ばす気満々の赤さに見えましたが、3月上旬現在、まだ花粉をあまり感じない長野市です。まだ彼らは本気にはなっていないみたいです。本気になるのが怖いです。

この日は最高気温が1℃、最低気温が-6℃でした。
この記事を書いている今日は最高気温が14℃、最低気温が3℃。
2週間でこれだけ気温が違うってのは春のダイナミズムです。

鳥は多くありませんでしたが、ルリビタキが出たので満足。
鳥はみんな好きですけど、ルリビーは自分の中でかなり上位に来ます。目が本当にかわいいと思います。
アカゲラが豪快に木の皮を飛ばしていました。アカゲラも好きです。

雪舞う森も好きです。いつまでも歩いていたい。でも長靴の中で靴下が脱げてきていました。

2013年3月はじめ記

シロハラの飛行を撮った

シロハラ表紙画像でも使った「シロハラ弾丸飛行」です。

適当に切り出したので、大きさが不揃いなのはご容赦ください。

道路脇からいきなり飛び出したシロハラを、ズームレンズで流し撮りしました。

ファインダーに入れるまでがまず大変でしたが、その後は、ピントは完全にカメラ任せでシャッターを押しただけです。

後半はピントが合っていません。
フォーカスモードはAF-Cだったのですが、フォーカスポイントに捉え切れなかったのか、レンズの振り方が飛び方に合っていなかったのか。手ぶれしているようにも見えます。

EXIFを見ると、シャッター速度は1/800が出ているので、本当ならあまりぶれないんでしょうが、このあたりが自分のレベルの限界のようです。

それでもMFだったころに比べれば、シャッターを押すだけで飛んでいる鳥をこれだけ撮れるというのは驚異的です。カメラの進歩は本当にすごいと思います。もうMFで撮れる気がしません。

一番上の画像を「弾丸飛行」とタイトルをつけてアップしたのですが、ツイッターでは「UFO?」とか「ステルス機みたい」などの反応をいただきました。そういうタイトルの方がよかったかもしれません。

いずれにしても肉眼では捉えられない姿です。写真に撮ってこそ見ることのできる世界で、やっぱり写真は面白いと思いました。

7コマ撮ったうち、翼を真横に開いて「弾丸状」に見えるコマが2コマありました。

これは偶然なのか、それともそういう時間が比較的長いためなのか。シロハラが飛ぶのを見る機会がまたあったら確かめてみようと思います。

2013年3月はじめ記

雪の里山

活発なゴジュウカラを見ながらスタートです。いつものように鳥50%、歩き50%。鳥の姿や動物の足跡が多く、楽しい径です。

ゴジュウカラ、コゲラ、ウソ、メジロ

志賀(岩菅など)、四阿と根子、浅間・湯ノ丸・烏帽子の眺め。頂上付近は積雪50cmほどでした。アカマツの林でイスカっぽい声を聞きましたが自信なしです。

雪の里山

2013年3月はじめ記

2月のクロカン

2月のクロカン

動物の足跡や先行者のスノーシュー後を追ってみたり、影の美しさに見とれたり。

2013年3月はじめ記

魁夷館でキジバト善光寺でドバト

先週の土曜日、東山魁夷館に行ってきました。

-----以下引用(長野県信濃美術館東山魁夷館
東山魁夷の四季
2013年1月31日(木) − 2013年3月26日(火)
東山魁夷の自然美の世界を紹介するとともに、四季を東山の人生に見立て、15歳の《自画像》や絶筆となった《夕星》などを展示します。

-----引用ここまで

ということでありました(その感想は「覚え書き」に書きました)。氏の作品で、鳥を描いた作品はあまりないと思いますが、キジバトがたたずむ「白い朝」(ここに展示されているのは日展のための下図2枚で、本制作の作品は東京国立近代美術館蔵です)を見てきました。

善光寺ついでに、久しぶりに善光寺にも行ってきました。

善光寺と言えば鳩。こちらの鳩はキジバトではなくドバトです。ただ、この日はほとんど目に付きませんでした。

ドバトはカワラバト。日本には元々いなかった鳥です。

ドバトの語源は「堂鳩」らしいですから、ここ善光寺では、こういう風景が奈良時代から見られたのかもしれません(写真にはドバトは写っていませんが)。

飼われていた鳥が野生化した例として、最近よく話題になるのはガビチョウやソウシチョウです。私はまだ見たことはありませんが、ネットではよく名前を見ます。長野でも時間の問題だという気がします。両種とも侵略的外来種の位置づけで、ガビチョウは地上採食性の種類、ソウシチョウはウグイスなどに与える影響が心配です。

話はドバトに戻りますが、ドバトは移入当時、どんな影響を与えたのか、ときどき考えることがあります。ドバトによって大きく数を減らした種類はあるのでしょうか。入ってきた時代が古すぎて、今ではすっかり日本の風景になじんでしまっているので、ちょっと想像がつきません。

ただ、ドバトは自然度の高い環境ではあまり見かけません。建物に営巣するので、崖などの岩場が本来のすみかなんでしょうが、かなり都市に適応している種類です。駅のホームで足元を平気で歩いていたりしていて、この物怖じしない態度はほかの鳥にはまねできないところです。

都市が広がるに従って、生息に適した環境が増え、ドバトも増えたのでしょう。ドバトがほかの種類に影響を与えたというより、人間がドバトが増えるのに手を貸したという言い方が合っているのかもしれません。

2013年2月おわり記

端境期

灯台もと暗しの森

灯台もと暗しの森を歩きましたが、鳥はあまり出ませんでした。唯一、マヒワを今季この森で初認したのが収穫でした。先週もここは鳥が少なく、今はそういう時季なのかもしれません。

2013年2月なかごろ記

助けないという選択

車を運転中、道路脇にうずくまっていたタヌキを見ました。疥癬に罹っていると思われる個体でした。目がよく見えない様子で体毛が抜け落ち、車が近くに来ても逃げようとしませんでした。この冬を越すことは難しいと思いました。

疥癬タヌキ疥癬はダニが引き起こす病気。検索してみると、ヒゼンダニが角質層にトンネルを掘ることでおこる疾患で、そのかゆさは非常に強い…とのこと。

ただ、タヌキから人間にうつることはないみたいです。人間に寄生するのはヒゼンダニで、タヌキが感染するのはセンコウヒゼンダニという別の種類なんだそうです。これはキツネやイヌにも寄生するダニだとか。

このタヌキを助けるべきだったのかどうか。このページを見つけて、保護もありなのか?と思いましたが、その場では保護するという発想は全くありませんでした。

普段から、野生動物の個体保護は基本的にはしないでおこうと考えています。希少な種など、例外はもちろんあると思いますし、傷病鳥獣の保護活動に取り組んでいる方を否定するものではありません。あくまでも個人的なスタンスです。

けがや病気が死に直結するのが野生です。そして、個体の死は別の生き物の命を支えることになります。タヌキが死ぬことで命をつなぐ生き物もいる。
このタヌキが冬を越せないのは痛ましいことですが、「かわいそう…」と手をさしのべて助けてしまうことが、道徳的に見えてもいいことなのかどうかは疑問です。

死んだ野鳥を見つけることがときどきあります。羽を何枚かいただくことはあっても、埋めることはしません。それは死んだ野鳥を食べ物として利用する生き物のためです。
ただ、「野鳥偏愛者のダブルスタンダードだ!」と批判されてしまうでしょうが、地面に落ちている巣立ち前の雛を見つけたら、巣に戻してしまうと思います。実際、窓ガラスに衝突して動けなくなったり建物内に迷い込んだりした野鳥を一時的に保護したことはあります。

でも、そんなだめな私でも、ほかの生き物に襲われている野鳥を助けることは絶対にしません。それは明らかに正しくないです。(→アオダイショウは悪くない。)

2013年2月なかごろ記

ハギマシコ!

ツイッターのフォロワーさんの情報を元にハギマシコを探しに行ってみました。環境はこんな感じ(↓)です。

環境写真

車をそろそろと進めると、すぐに道路脇で採食しているハギマシコを見つけることができました。あっけなさすぎる気もしましたが、教えてもらわなければこの出会いはありませんでした。感謝です。そして渋い美しさに感動。フロントガラス越しではありましたが、双眼鏡でじっくり観察できました。

もう少し近くで…という欲が出たのがいけませんでした。車を少し動かしただけでぱっと飛ばれてしまいました。かなり敏感です。しかし、群れはすぐ先の地表に降り立ったので、群れが見えるところまでまたそろそろと進みました。

運転席側の窓を開け、カメラを向けたところでまた反応されてしまいました。いったん近くの木立に止まった群れは、すぐに遠くへ飛び去ってしまいました。その時に、連写したうちの1枚が下画像です。

辛うじてハギマシコっぽい鳥が8羽くらい写っているのがわかる程度ですけど、2年ぶりに見られたので満足でした。

ハギマシコ

写真を撮ることを欲張らず、おとなしく観察していればいいんですが、カメラを持つとどうしても結果を求めたくなってしまい、反省です。

ハギマシコは警戒心が強いのか弱いのかよくわからないところがあって、群れの誰かが逃げるなら自分も逃げる、でも逃げないなら自分も逃げない…という性格?だと感じます。近寄っても平気で採食しているのを観察できた経験もあります。

その過去記事はこちら。東日本大震災直前のことでした。

2013年2月なかごろ記

一人森を歩いてみる

某所でスノーシュー三昧。混みそうな戸隠は外してみました。

戸隠だって森に入ってしまえば人に会うことはあまりないのですが、2月の3連休は駐車場が厳しそう。それにノートラックを歩く気持ちよさを今回は優先してみました。

スノーシューで冬の森

戸隠のような巨木がないのはちょっと物足りないですけど、気持ちのいい静かな森でした。鳥影は薄く、ゴジュウカラが近かったくらい。

2013年2月なかごろ記

夕暮れスノーシュー

夕刻に山頂に着くように登ってみました。行動時間が短く、登り慣れている小さなピークなので、自分の中ではあまり問題は感じませんでしたが、決してほめられない行動だとは思います。

登山道

登山道に入るとわかんで歩いた跡。私はスノーシューです。雪は堅く締まっていて、つぼ足でも行けたかもしれません。尾根まで一気に登りました。

妙高など

山頂までは約40分。山の端に太陽がかかり、周囲の色を赤く染め始めました。色づいた風景がすばらしかったです。この眺めが見たかったんです。

山頂風景

山頂でミヤマホオジロを2羽見ました。明るさが残っているうちに急いで下山です。どんどん日が沈んでいくのはやっぱり怖くて、林道に出るまでは走って下りました。

下山西尾根

林道まで下りればとりあえず安全圏。かなり暗くなりましたが、ライトなしでは歩けなくなる前に車に戻ることができました。もうしません。

林道風景

2013年2月なかごろ記

雪を食べる?

雪を食べる?

雪を食べる?2月初旬、暖かい日が続きました。灯台もと暗しの森に行ってみると、森の雪もだいぶとけてきていました。

ウソの声がして、姿を探すと地面の上にメスがいました。地面に下りているのは初めて見たかもしれません。

よく見ると盛んに雪を食べているようでした。上の真ん中の画像、口元がわかるように拡大してみたのが左の画像です。種と一緒に雪を食べていたのかもしれませんが、雪の粒をほおばっているように見えます。

それにしてもウソはサクラの芽にしても雪にしても、どうも口の中に食べ物をいっぱい詰め込む傾向にあります。

鳥は少なめでした。その他の出現は、アオゲラ、コゲラ、ヒヨドリ、ヒガラ、シジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、ツグミ、ルリビタキ。

コゲラなど

2013年2月なかごろ記

過去の野外手帳インデックス最近の野外手帳

このページのトップ