過去の野外手帳

-2018年7月

平日八方2回目その2

その1の続きです。その1は花でしたが、その2では蝶の話が中心です。とはいっても写真に撮れたのは2種類だけでした。

オヤマソバ

オヤマソバが美しい稜線のルートです。

クガイソウとコヒョウモン

クガイソウの群生地にヒョウモンチョウの仲間を見つけました。現場での同定は無理でしたが、家に帰ってから図鑑と合わせるとコヒョウモンでよさそうです。かなり傷んでいましたが、力強く稜線を飛んでいました。別の場所ではもっときれいな個体を見ることができました。(↓)

クガイソウとコヒョウモン

それからベニヒカゲにも会うことができました。汗を吸いに来たので、間近で観察できました。

ベニヒカゲ

ハイカーに踏まれたベニヒカゲを見ました。わざとではないでしょうけど、残念に思いました。

ベニヒカゲ

他にはアサギマダラを1頭。セセリの仲間を見ましたが同定はできず、コヒョウモンっぽくないヒョウモン系を見ましたが、これも同定はできずでした。鳥はウグイスとホオアカくらい。

八方尾根

八方池から丸山ケルンを経て唐松岳に至るルートを見上げて、ここで引き返しです。下る頃には少し雲が取れて、天狗ノ大下りから不帰あたりが見え始めていました。

リフト→リフト→ゴンドラと乗り継いで、山麓に戻ったのが14時20分。そして、16時前には余裕で家に戻ることができました。16時半のデイサービスからの受け取りに間に合いました。

ここの記述は昨年の記事の引用ですけど、今回も全く同じスケジュールで行動できました。今度は遠見尾根に行ってみようかなと思いますが、どこで引き返せば間に合うのかしっかり考えないと…です。

2018年8月なかごろ記

平日八方2回目その1

その2はこちら。

平日なら八方に行ける」は昨年9月の記事。その書き出しをここで引用します。

母は要介護5です。平日はデイサービスにお願いしていますが、土日は家で介護が必要です。少なくても朝昼晩の3回は手が必要なので、確保できる隙間時間は長くて3-4時間くらい。近隣の探鳥、近所の里山歩きならなんとかなるものの、ある程度移動に時間がかかる場所へ出かけることは難しい現状です。そんなわけで、当サイトの記事もここ数年は近隣ネタばかりなのです。もし平日に休むことができれば、デイサービスにお願いしている6時間ほどが行動可能時間として確保できます。普段はなかなか有給を取る訳にはいかない仕事環境なのですが、9月下旬にチャンスはやってきました。

今年は夏に平日休みを取ることができました。9時にデイサービス、9時30分に出発は昨年と全く同じスケジュールです。ゴンドラに乗ったのは11時過ぎ。機動力とお金を使って時間と標高を稼ぎます。

八方尾根

残念ながら、前回はよーく見えていた五竜は雲の中でした。その分、足元の花に注目しながら歩くことにします。

カライトソウ

カライトソウ、ミヤマコゴメグサ、イブキジャコウソウ、タテヤマウツボグサ。このあたりは図鑑なしでも大丈夫です。

ハクサンシャジン

ハクサンシャジン、ヤマホタルブクロ、エゾシオガマ、ミヤマダイモンジソウ。

シモツケソウ

ルートを華やかに彩っていたシモツケソウ、ミヤマウイキョウ、タカネマツムシソウ、タカネナデシコ。

ミヤマウイキョウ

ミヤマウイキョウはとっても絵になる花だと思いました。

ミヤマムラサキ

ムラサキ好きには嬉しいミヤマムラサキ、ムシトリスミレ、ミヤマアズマギク、ミヤマタンポポ。ミヤマタンポポと他の在来タンポポとの見分けは、総苞の内片と外片の長さの違いにあるのだとか。そこがわかる写真は撮ってきませんでした。

ユキワリソウ

ユキワリソウ、キンコウカ、タカネシュロソウの花の後、クモマミミナグサ。このあたりはかなり怪しくなって、名前が浮かんできません。タカネシュロソウは花が散ってしまった後なので、自力での同定は無理ではありました。

こうして自分では同定できない花の名前もわかるのは、観光地たる八方尾根のハイキングだからです。株の脇には種の表示札があって、こうして不勉強で知識のない者にも楽しめます。その最たる例が、八方尾根の固有種です。これは手持ちの図鑑には記載がなく、札がないと気づくことさえできません。

八方固有種

左上はハッポウウスユキソウ、下はハッポウワレモコウ。そして会いたかったハッポウタカネセンブリ。昨年は秋に歩いたので花を見ることはできませんでした。何年ぶりだったでしょう。嬉しかったです。

ハッポウタカネセンブリ

その2につづく。

2018年8月なかごろ記

虫の音ポタ

夜ポタを続けています。というか、この夏の異常な暑さの前には夜に自転車に乗るという選択肢しか残されていない感じです。

イディオム

カンタンの美しい声が聞こえる農道を行きます。東南の空には大接近中の火星と月とが並んで光っていました。

2018年8月なかごろ記

小さな白いピークに上がってみる

裏山の尾根上に凝灰岩が現れている場所があります。家からも見えるのこの小ピークに、久しぶりに登ってみました。

白岩峰

眺めは爽快、でも凝灰岩は風化していてザラザラしていて、足元が不安定なおっかない場所です。以前はこの下から支尾根をよじ登ってここに出たのですが、とてもいい道を教えてもらったので、これからは気軽に来られそうです。

2018年8月なかごろ記

道ばたの森のムシムシその2

道ばたの森の続きです。その1はこちら

コエゾゼミ

足元をごそごそ歩いているセミを見つけました。胸の部分を走る黄色い線が途切れているのでコエゾゼミです。よく見ると翅が波打ってしまっています。羽化に失敗してうまく飛べないでいたようでした。この後、手から離れて飛んできましたが、スピードは出ず、数メートル飛んだところで落ちてしまいました。

ヨツスジハナカミキリ

甲虫はここではおなじみの面々、ヨツスジハナカミキリとアカハナカミキリです。

オオバギボウシ

花はオオバギボウシ、オカトラノオ、チダケサシです。

2018年8月なかごろ記

道ばたの森のムシムシその1

その2はこちら

道ばたの森に行ってみました。もう昼近い時間帯でしたが、クロツグミやアオジ、ノジコ、ウグイス、ホオジロなどが歌う気持ちのよい森でした。視認できたのは下のシジュウカラ幼とアオゲラのみです。

シジュウカラ

この時季のこの森でよく目にするのは2種類のトンボです。

カワトンボ

1つは上のカワトンボの仲間(それ以上はよくわかりません)。

オオアオイトトンボ

そしてオオアオイトトンボです(アオイトトンボかもしれません)。両種とも辺りを飛び交いながら、縄張りを確保している様子がよくわかりました。

アサギマダラ

アサギマダラは1頭だけ見ました。全体的に蝶は少なく、写真には撮れなかったタテハ系を何回か見た程度です。蛾もキンモンガ、エダシャクの仲間(画像下はトンボエダシャクと思われます)くらいで、ちょっと物足りなかったです。

トンボエダシャク

ただ、蛾はあまりたくさん写真を撮ってしまうと家に帰ってからの同定が大変になるので、色形が特徴的なもの以外はスルーする傾向にあります。上のエダシャクの仲間も、とてもきれいな蛾で美しいと思うのですが、〇〇の仲間の先を突き止めるのは自分には難しすぎです。

2018年8月なかごろ記

7月下旬の戸隠森林植物園その2

その1はこちら

真夏なので、鳥の出は戸隠と言えどもそれほどではなくて、それでもカッコウやホトトギスが鳴き、アオジやノジコがさえずり、コガラやヒガラの幼鳥の可愛らしい姿を見ることができてまあまあでした。でもこの時季のねらいは、どちらかというと蝶にしていますです。

ただこの日は数的にはかなり少なくて、かなり期待外れでした。今年の夏はとても暑いので、発生時期がずれているのかもしれません。

オオウラギンスジヒョウモン

上はタテハチョウ科の蝶。左上からオオウラギンスジヒョウモン、ミドリヒョウモン、ウラギンヒョウモン、アサギマダラと考えました。こうしてみるとたくさんいたように見えますが、各それぞれ片手に足りない数しか見かけていません。

ヒメキマダラヒカゲ

ヒメキマダラヒカゲ、ヤマトスジグロシロチョウ、クロヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ。よく考えずに並べてしまいましたが、ヤマトスジグロシロチョウ以外は引き続きタテハチョウ科です。

個体数が一番多かったのは、ミヤマカラスアゲハでした。これもいつも見られるポイントでは姿がなく、かわりにマルバダケブキのエリアでは何頭も見られました。望遠レンズで遠くから撮ってみました。鱗粉の輝きに、ファインダー越しでも心躍ります。

ミヤマカラスアゲハ

その他のムシムシ。ヨツスジハナカミキリ、アキアカネ、エゾアオカメムシかな。

ヨツスジハナカミキリ

カタツムリは、「カタツムリハンドブック」と照らし合わせてみてもよくわかりません。ニッポンマイマイ類ではないかと見当をつけてみました。

戸隠森林植物園の記事のその1その2を書くだけでも、たくさんの図鑑と格闘しなければなりません。時間に余裕がないと記事が書けません。これがサイト更新が滞る一つの原因です。もう少し覚えたいものです。

2018年8月なかごろ記

7月下旬の戸隠森林植物園その1

その2はこちら

モミの木

池ではカイツブリが子育て中でした。

ニワトコ

春の花は実の季節を迎え、夏の花は見頃を迎えていました。

オオバギボウシ

中でも存在感があったのはタマガワホトトギス。

タマガワホトトギス

そしてシキンカラマツです。

シキンカラマツ

花の名前はまだ全然覚えることができず、また同定もできませんが、知っている花の名前が増えるに従って、森の風景画像の解像度が高まる感じがしてます。

その2はこちら

2018年8月はじめ記

ミニベロと土星

小さな踏切を渡ってこれまで知らなかった小路に迷い込んでみました。これはミニベロの楽しみ方の一つだと思います。

イディオム

自転車で夜走ると星がよくわかります。15年ぶりに最接近している火星が明るく見えているのですが、土星もよく見えています。家に戻ってベランダにプロミナーを出してのぞいてみました。30倍の接眼レンズでも輪がきちんと見えて、思わず声を上げてしまいました。

土星観望

2018年8月はじめ記

水曜23時

辛うじて夜景が見える場所にまで上ってみました。

イディオム2

この日の帰宅は午前様になってしまいました。

2018年8月はじめ記

日曜22時

またしても夜ポタです。日曜日の夜、善光寺参道入口にて。

イディオム2

善光寺周辺の宿坊街をふらふらした後、駅前まで気持ちよく下って家に帰りました。約1時間、15kmの夜遊びでした。

イディオム2

2018年8月はじめ記

夜の千曲川を渡って

夜ポタ記事が続きます。この日は千曲川を渡って隣町まで走ってみました。

イディオム

街灯もなにもない真っ暗なリンゴ畑の中の道で、どちらに向かっているのかよくわからなくなってしまいました。月を見ながら方角の検討をつけて走ってみましたが、自分が思っていた場所とはずいぶん違う場所に出ました。でも、こういうハプニングは楽しめます。

イディオム

上の写真を撮った辺りの人家近くの木立の中で動物の鳴き声がしましたが、正体はわからずじまいです。夜の自転車はいろいろと刺激的です。

2018年8月はじめ記

キモちE-!

夜ポタにすっかりハマっています。自転車にまたがって漕ぎ出した瞬間の風のひんやりとした感じは、エアコンの数倍は気持ちいいのです。忌野清志郎が、だれよりもキモちE!って歌っていたのはこれなんじゃないかと思ってしまうくらいです。彼も自転車乗りでしたしね。

イディオム

この夜は長野駅前方面まで。一応長野市の飲食店が集まっているとされる権堂アーケード街も、この時間だと人気はまばらでした。

イディオム

絵になりそうな場所を見つけると、ついつい自転車を降りてスマホで写真を撮ってしまいます。なんだか、写真を撮るために夜ポタに出かけているような気もしてきています。

イディオム

2018年7月おわり記

畦道散歩で生き物調べ

緑が濃くなってきた田んぼの土手に、点々とオレンジ色のヤブカンゾウが咲いている風景は、クソ暑い夏における清涼剤です。

ヤブカンゾウ

7月上旬の畦道散歩、ヤブカンゾウ以外にはヤイトバナやネムノキ。田んぼにはかっこいいオモダカが生え始め、銀杏が青く実っていました。

ヤイトバナ

この日はミンミンゼミの初鳴を記録しました。たった一声鳴いただけでしたけど。

モンキチョウ

まずは蝶と蛾から。左上からモンキチョウ、カノコガ、ベニシジミまではいいとして、下段3種の同定は「みんなで作る日本産蛾類図鑑」で片っ端から検索しました。左下はヨツモンキヌバコガ、真ん中の美しいシャクガはフタテンオエダシャク、右はキシタホソバと考えました。

キボシカミキリ

甲虫は図鑑をちらっとめくればいけるレベルで、キボシカミキリ、マメコガネ、セマダラコガネ、コフキゾウムシ、ナミテントウでいいですよね。

キボシカミキリのところにもちょっと写っているふわふわの虫はハゴロモの幼虫。カメムシはブチヒゲ、ハエはアシナガバエの仲間。クモは左がサツマノミダマシ(の仲間)で、右はわかりません。イモムシはハバチ系かな。

ハゴロモ幼虫

久しぶりにカタツムリを見ました。これはカタツムリが減っているのか、大人になって目線が変わったからかはわかりません。カタツムリハンドブックを買って全然活用していなかったので、今回は調べてみたら、ヒダリマキマイマイでよいのかな。地上を好むと書いてありました。

ヒダリマキマイマイ

最後にキジのお母さん。ヒナを4羽ほど連れていました。警戒しているように見えますが、しゃがんでいたらこちらにどんどん寄ってきたりして、もう少しちゃんと見たほうがいいと思います。

キジ

生き物探しは、その事自体が楽しいし、写真を撮るのも楽しいし、こうして名前を調べるのも楽しいです。ただ、蛾はあまりにも種類が多くそれらしい種に行き当たるまでに時間がかかりすぎるのが難点です。

2018年7月おわり記

夜の善光寺

暑い日が続き、昼間に自転車に乗る気がしないので、平日の夜に自転車に乗ることが増えてきました。この日は善光寺まで。善光寺の境内への自転車の乗り入れはできませんが、周囲の宿坊街が案外絵になります。

イディオム

境内と参道にも自転車を置いて行ってみました。さすがに誰もいませんでした。

善光寺

家に着くと23時を回っていました。なんでもない平日の夜、自転車に乗っただけで充実した一日の終わりとすることができました。

イディオム

2018年7月おわり記

パトカーに止められる

7月上旬のミニベロライドです。前回ふられたホタルを目当てに、再び某所に行ってみました。でも今回もだめでした。数年前にはあんなにたくさんいたのに、どうしてしまったのでしょうか。ただ単に発生の時期がその時とはずれて、自分が行き会えなかっただけならいいのですけれど。

イディオム

この日は火星が一段と明るく見えていました。調べてみると、6000万km以内に近づくのは2003年以来15年ぶりの大接近なのだそうです。火星と自転車を同時に収めることはスマホでは無理なので、月とイディオムとで撮ってみました。

イディオム

さて、そんなわけで自転車こぎこぎの帰り道、途中でパトカーに止められてしまいました。確かに、田んぼのど真ん中を走る農道で人家も近くにはほとんどない中を、夜中の12時近くに走っている自転車って怪しいです。

一応防犯登録を確認させてねーということでした。もちろん爽やかに対応。ライトはもちろんちゃんとつけていたし、ヘルメもかぶっていたしで完璧です。「これはジャイアントですねぇ。僕も自転車好きなんですよ。」とは、2人のうち若い方の警察官の話。そうなんだー。

イディオム

とここまではよかったのですが、パトカーと別れて自宅まであと1kmほどという場所でイディオム初の立ちゴケをしてしまいました。シートステーが縁石にあたってガリッと削れたような傷が入ってしまって、大ショックです。

2018年7月おわり記

クロベに会いに行く

サラサドウダンに出会う」の続きです。

ハクサンシャクナゲを見つけました。虫がたくさんいましたがすべて未同定です。

ハクサンシャクナゲ

イカリモンガだけはわかりました。

イカリモンガ

飛んでいた蝶のほとんどはサトキマダラヒカゲのようです、たぶん。

たぶんサトキマダラヒカゲ

アオシャクの仲間だろうということまではたどりつきました。美しい蛾です。

アオシャク

この森のハイライトはクロベです。このクロベの巨樹に会うために、この森を歩くのだと言っても過言ではありません。

クロベ

自然への畏怖を感じる巨樹の姿です。

クロベ

2018年7月おわり記

サラサドウダンに出会う

7月上旬、亜高山帯の森歩きです。コシアブラの葉越しに見上げる空の青さに心が浮き立つオジサンです。モミジカラマツ、クルマムグラのお出迎え。鳥はウグイス、センダイムシクイ、エゾムシクイ、キビタキ、オオルリなどの声。

モミジカラマツ

標高を上げると、だんだん花も鳥も変わっていきます。ハクサンチドリ、タニギキョウ、ゴゼンタチバナ、ギンリョウソウ。声はコルリ、クロジ、ヒガラ、ミソサザイ。

ハクサンチドリ

ギンリョウソウは低いところではもうおしまいという感じのものが多く、高くなるにつれて地面から顔を出したばかりというものが見られるようになりました。

ギンリョウソウ

この日の最高地点。ここではルリビタキ、メボソムシクイ、キクイタダキなど。

最高地点

山道で見かけたサラサドウダン。葉の下に花が隠れていて、気づかずに通り過ぎるところでした。見つけたときははっとしました。庭木として見かけることがありますけれど、こうして山道を登って出会ったことで、格別な美しさに感じました。

サラサドウダン

サラサドウダンの名は更紗染めの模様に似ていることに由来しているのだそうですけど、更紗染めの模様って知りません。検索してみても、更紗染めの典型についてはよくわかりませんでした。いずれにしてもこの模様が人々の心をひきつけたからこその命名で、確かに自然のデザインの素晴らしさを感じる花でした。

サラサドウダン

2018年7月おわり記

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