過去の野外手帳

-2017年1月

夕方の森の景色

ツグミ

1月3回目の灯台もと暗しの森です。あわよくばこの森で見られたことのあるウソやレンジャクを期待して…という気持ちは一部にあるんですが、そううまくはいきません。鳥は常連のツグミ、ヒヨドリ、エナガ、シジュウカラ、コゲラ、アオゲラなど。

灯台もと暗しの森

膝までずぼずぼ潜りながら夕方の森を歩きます。

灯台もと暗しの森

先週の大雪の影響で、こんなコナラのアーチができていました(↓)。

コナラのアーチ

雪の重みに耐えられず折れてしまった枝が目立ちました。そしてセミの翅も雪上に(下写真右)。夏にクモの巣にかかったものが今頃落ちてきたのですね。

落とし物

森から見る槍ヶ岳。北にのびる険しい尾根が印象的です。北鎌尾根?

槍ヶ岳

東を振り返ると岩菅のアーベントロート。その美しさに長野に住む幸せを感じます。

岩菅山

森を出ようとするとき、フクロウが二声鳴きました。これでもう大満足です。

2017年1月おわり記

防寒長靴で雪景色を楽しむ畦道散歩

久しぶりに晴れた朝。朝日を見るのは何日ぶりか。その朝日につららが輝きます。

つらら

いつものように防寒長靴を履いて出発。気温はマイナス7℃。

畦道

前日に自分がつけたトレースを辿って土手を上り、リンゴ畑に出ます。リンゴ畑の中の道は、犬の散歩をする人たちがいるので、歩くのが楽でした。

畦道

リンゴは雪をたっぷり積んでいて、太い枝が折れてしまっているものもありました。

リンゴ畑

鳥は前日に同じく少ないので、主たる被写体は雪の造形です。丸っこい形をバチバチ写真に撮りました。キラキラ光る雪面の反射も美しかったです。反射が虹色に見える場合もあるのですが、この日は白く光るだけでした。なぜこのような違いが出るのか、興味深いところです。

雪造形

アニマルトラックも。下のはネズミの仲間のものでしょうか。

アニマルトラック

こちらはわかりません。タヌキかなと思うのですが、イヌやネコの可能性も。雪が深く、指や爪の形はわかりませんでした。

アニマルトラック

前日と同じくスズメの大きな群れは見られませんでした。目立ったのはムクドリです。

ムクドリ

その他、キジバト、ヒヨドリ、セグロセキレイ、ツグミ、ホオジロ、イカル、ベニマシコ、カワラヒワ、オナガ、ハシボソガラス。用水路から飛び立ったのはたぶんタシギだと思います。畦道散歩では初記録。「たぶんタシギ」ですけど、私的な記録なのでよしとしてしまいましょう。

リンゴ畑

家に戻って、畑のダイコンとネギを掘りました。

ダイコン掘り

2017年1月おわり記

美しく厳しい季節

1月の第3土曜日は再び雪。

雪

一気に20cmほど新たに積りましたが、昼過ぎには小康状態になりました。夕方には晴れ間が出てきたので、久しぶりに双眼鏡を持っての畦道散歩に出ました。

雪の畦道

午前の雪で、前日にできていたらしいトレースは消えかかり、防寒長靴で踏み出せば膝上までずっぽり潜ります。修理に出していなければスノーシューを使いたいところでした。

雪の畦道

土手を上ってリンゴ畑に出ます。鳥はさすがに少なくて、本格的な雪が来る前に100羽単位で活発に飛び回ってたスズメは、人家付近で数羽が見られた程度。ホオジロやカシラダカはほとんど見られませんでした。ヒヨドリやツグミもかなり減っていました。どこへ移動していったのでしょう。

雪のリンゴ畑

10日ほど前、ヒヨドリが群れ、アオゲラも実をついばんでいたカキノキにはもう実が残っていませんでした。夕映えに染まる雪面の美しさは、鳥たちにとっての厳しさでもあるのだと改めて感じました。

夕方のヒヨドリ

日が落ちてから見つけたジョウビタキとエナガ。ジョウビタキはいつもの場所で。エナガはこの雪で山から降りてきた群れだと思われます。普段この畦道で見ることはありません。

ジョウビタキとエナガ

2017年1月おわり記

渋滞の鳥見

1月の第3週は雪に悩まされた1週間でした。暗いうちに雪をかき(実測で60cm弱)、暗いうちに家を出るも渋滞に巻き込まれ。

雪降り通勤

フロントガラスから明るくなり始めた外をぼんやり見ていると、上空をカワウが2羽、連なって飛んでいきました。雪が積もると地上で採食する鳥にとっては厳しい状況になりますけど、水辺に適応した鳥は、水面が凍らない限り強いですね。

2017年1月おわり記

今日も真冬日の日曜日

昨夜から結構な積り方だったので、朝暗いうちに起きて1度目の雪かき。その後はこたつで二度寝をキメて、昼過ぎに二度めの雪かき。実測で30cmになったので、カーポートの雪もおろしました。耐雪型のカーポートにするべきだったのでしょうけど、シーズンに1,2度のことですしね。

雪

こうなってくると身の回りの保守で手一杯で、雪の中鳥を探しに行く感じではなくなってしまいます。除雪していない畦道歩きでは、防寒長靴でも中に雪が入ってしまうでしょうし、スノーシューはやや大げさ&修理中ですし。

それでも作業中、イカルが3羽、鳴きながら頭上を通過していくのを見ることができました。これで満足してしまう私です。

今日の最高気温は-4℃どまり。でも雪をかいていると汗ばむほどで、いい運動ではあります。
雪は夜になっても降り続き、寝る前にもう一度外に出るべきかどうかです。フクロウでも鳴いてくれれば。

2017年1月なかごろ記

真冬日の土曜日

この冬一番の寒気がやってきて、今日(1/14)の長野市は最高気温が-2℃と寒い一日になりました。真冬日は久しぶり。

リンゴ畑

日本の多くの地域では真冬日が体験ができません。だとすると、日本では気象庁の考える真冬は長野や東北、北海道にしか訪れないのか?などとくだらないことをついつい考えてしまいます。真夏日に比べてハードルが高すぎますよね。

川沿いの道

白くコーティングされた川べりを歩くと、キセキレイとセグロセキレイが並んで歩いていました。同じ画面に収めたかったけど、ちょっと無理でした。

キセキレイ

小雪が舞う中、スズメたちは草の穂をついばんでいました。羽を休めているのはいつものカキノキ。

スズメ

まだ実がたくさん残ってるカキノキにはヒヨドリが群れていました。双眼鏡でその姿を眺めていると、アオゲラも混じっているのに気づきました。ちょっと得した気分です。

ヒヨドリ

最後に出会ったホオジロとベニマシコ。この写真を撮った後、ベニマシコがモズに追われるシーンを見ることができました。

ホオジロ

家に帰った4時半、すでに辺りは暗くなり始めていました。気温は-4℃まで下がってきていました。

畦道散歩

2017年1月なかごろ記

オオタカ今季3回目

「カミ雪」のときはそれなりに降ったり積もったりするのですが、長野市は比較的穏やかな天候でした。朝方までは雨が残ったものの、中南信では大雪警報が出て、中央道が通行止めになったなんて、ニュースを見なければ想像できないほどです。

リンゴ畑

午後2時過ぎから歩きはじめます。そしたら最初からまたもオオタカ出現です。今度もハシボソガラスのモビングを受けての飛び出しでした。ごま粒のようにしか撮れなかった写真を拡大してみると、不鮮明ですけどやはり12月末と同じ若い個体のようです。

オオタカ

12月末はスギの木立(上写真左)から飛び出したのですが、今回はそこに飛び込む形になりました。少し離れた場所から双眼鏡で丹念に探してみたのですが、枝に止まっている姿は確認できませんでした。

ツグミ

鳥は全体的に遠くて、ルーズショットばかりです。双眼鏡での観察が主体になりました。

スズメ

全体的に色に乏しい風景の中で、目を引いたのはセイヨウタンポポの黄色でした。土手で、ロゼットのまま這いつくばって花をつけていました。さすがにたくましい。

タンポポロゼット

家に戻る頃には、再び細かい雨が落ちてきました。

2017年1月はじめ記

浅川ダム・サーチャージ水位・センチメンタルレポート

※この記事は「自由研究」に転載します。

長野市北部を流れる浅川は、過去に多くの水害をもたらした暴れ川。その封じ込め対策として計画されたのが「浅川ダム」です。

この浅川ダム、長野県内ではおそらく名前の知られたダムの1つだと思います。規模としては小さいこのダムを有名にしたのは、田中康夫元長野県知事の「脱ダム宣言」でした。

---------以下引用(長野県ホームページ「脱ダム宣言」全文より)
数百億円を投じて建設されるコンクリートのダムは、看過し得ぬ負荷を地球環境へと与えてしまう。更には何れ造り替えねばならず、その間に夥しい分量の堆砂を、此又数十億円を用いて処理する事態も生じる。(中略)河川改修費用がダム建設より多額になろうとも、100年、200年先の我々の子孫に残す資産としての河川・湖沼の価値を重視したい。長期的な視点に立てば、日本の背骨に位置し、数多の水源を擁する長野県に於いては出来得る限り、コンクリートのダムを造るべきではない。就任以来、幾つかのダム計画の詳細を詳らかに知る中で、斯くなる考えを抱くに至った。これは田中県政の基本理念である。「長野モデル」として確立し、全国に発信したい。
----------引用ここまで

2000年に知事に当選した田中康夫氏のこの方針によって、すでに始まっていた浅川ダムの工事契約が解除されました。

一方、ダムの必要性を主張する方も多く、ダム建設の是非を巡って議論が政治問題化しました。しかし知事が変わってから計画が変更された上で工事が再開され、ダム本体工事は2014年に完了しました。

浅川ダム

浅川ダムについての公式な説明はこちら(長野県ホームページ「浅川ダムの紹介」)

「環境にやさしいダム」を強調していますが、最初からそうだったわけではありません。上にも書いたように、最初は多目的ダムの予定(長野県ホームページ「旧ダムの諸元」「旧浅川ダムの完成予想図」)でしたが、穴あきダムに設計が変更されました。脱ダム宣言や反対運動がダムの形を変えたとも言えます。

工事の完了を受けて、浅川ダムは2016年10月から試験湛水を行っていました。ダムへ水を集めるために、上流の飯綱高原に点在する浅川大池など、いくつかの溜池は排水されています。比較的多くの水鳥が飛来する池なので、影響が気になるところですが、検証するデータも時間もなく。浅川大池で計画されていた日本野鳥の会長野支部の探鳥会は、池が空っぽなので中止になりました。

2017年1月3日に最高水位(サーチャージ水位)に到達。それに合わせて見学会が行われたので行ってきました。上で少し触れたように、浅川ダムは治水専用の穴あきダムで普段は水がたまらないため、サーチャージ水位の姿を見ることができるのはおそらく最初で最後の機会です。

浅川ダム

総貯水容量は110万立方メートル。ダム堤体の向こうに真光寺ループ橋、そして長野市街地を望みます。地質の軟弱さや断層の存在から安全性に不安を感じ、ダム建設に反対した方の気持ちは、この眺めを見ると理解できる気がします。ダムが市街地に近いことは確かです。

もしこの水が一気に流れ下ったら…。そんなことはあってはならないですし、起こり得ないと考えたいです。2011年3月11日、東日本大震災による福島県須賀川市の藤沼ダム(藤沼湖)決壊事故の教訓が、浅川ダムに生かされていると信じるしかありません。

普段は立ち入りが禁止されているダム上部が公開されていました。下の案内図の緑色の部分が、今回立ち入りを許可された場所です。通常時は青色部分までとのこと。

浅川ダム

ダム堤体の幅は165m、高さは53m。のぞきこむとかなりの高度感がありました。ストラップの着いていないスマホを構えるのはちょっと怖いくらいでした。

浅川ダム

上端の非常用洪水吐きから水が滑らかに落ちていきます。これが見られるのは、サーチャージ水位に達した2017年1月3日から24時間ということで、この日限り(2017年1月4日)の光景でした。

振り返って湛水面を見ます。この谷の姿や浅川に沿って走っていた県道を知るものからすると、美しくも複雑な気持ちになる眺めでした。

浅川ダム

通れなくなってしまった県道には思い出があります。といってもダムによって一部が通れなくなっただけで、道そのものは残ってはいますが。

中学3年の4月、日本野鳥の会長野支部の探鳥会に参加するために、この道を通り、標高差700mほどを自転車で上って飯綱高原の大座法師池まで行ったのです。若かったということですね。その探鳥会で、マミチャジナイとノビタキを初めて見たことをよく覚えています。野帳を見ると、この時に長野支部会員になったとメモがありました。そのことは覚えていませんでした。

探鳥会の帰りは、確か七曲り(長野市道大座法師池西高線)を下ったと思います。亀の子パターンのコンクリ路面から来る振動で、ハンドルを握る手がしびれてしまったことを覚えています。

当時、この浅川沿いの県道は飯綱高原まできれいにつながっていなかったと記憶しています。飯綱や戸隠へは1985年の地附山地すべりで一部区間が崩落してしまった戸隠バードラインか、県道戸隠線を使うのが一般的でした。七曲りの通行量は、現在と比べるとかなり少なかったです。月1で七曲り周辺の谷でラインセンサスをしていましたが、帰りに七曲りを歩いて下ってもほとんど車には出合いませんでした。

真光寺ループ橋

ダムの建設を前提に作られたのが、冒頭で触れた真光寺ループ橋(↑)です。長野オリンピック飯綱会場へのアクセス道路として使われました。ダム堤体の手前でぐるぐる回って高度を上げ、湛水面より上に掘られたトンネルへ道を繋ぎ、元々の県道に合流します。

七曲りしかなかったら、長野オリンピックの飯綱会場は機能しませんでした。現在もこの通称ループラインが、飯綱戸隠高原方面への主要ルートになっています(というか、大型車はこの道でないと無理です)。

浅川ダム

話をダムに戻します。

せっかくなので、ダム堤体直下にも行ってみました。車は迷惑だろうと思ったので、少し離れた別の場所に止めて歩いていきました。地元の利で、直下への道はよく知った道です。

下の写真で、左側に見えているのが旧県道です。ダムによって行く手を遮られています。◯十年前、自転車で上った道です。外装5段くらいはついていたと思いますが、当時のことですから、もちろんロードバイクでも何でもない普通の通学自転車でしたので、まあ大変ではありました。

浅川ダム

帰り道、ダムの下流には変わらない浅川の姿がありました。カワガラスを見ました。工事が終わってから、浅川ダムの上流でもカワガラスを見たことがあります。

きっとダムが建設される以前は、流れに沿って個体の行き来があったことでしょう。これはカワガラスに限らないことです。ダムによって環境は大きく変わってしまったけれど、ここにいた生き物はたくましく変化に適応して生き抜いているものと思いたいです。

浅川の流れ

社会の変化や要請があれば致し方ないとはいえ、ふるさとの風景を昔のまま保つことの難しさ、風景が失われることの寂しさを改めて感じたダム見学でした。

ダムが湛水を終え、通常運用の姿になった時にもう一度見に行こうと思っています。昔の道や谷の面影が、少しは見えると思います。

2017年1月はじめ記

ヤマガラ歌う森

今年2回めの灯台もと暗しの森。曇り、マイナス1℃のコンディション。

灯台もと暗しの森

鳥影は薄く、ちょっと期待はずれでした。でもヤマガラがさえずっていて、春がそんなに遠くないことを感じてきました。

灯台もと暗しの森

2017年1月はじめ記

1月4日は休みでしたけど

布団の中でtwitterを見ると、重い気分を引きずりつつも仕事始めへと立ち向かっていくTLで、なんだか休みをとっていることが悪いように感じてしまった朝でした。1月2日から働いたのだから負い目はないはずなんですけど。妻も今日が仕事始めということで、憂鬱そうな顔でした。

ベランダに出てみると、なんとも見事な東の空。妻を見送り、区画整理事業による破壊と消滅から免れ近所にかろうじて残された畦道で、霜写真家としての仕事につきます。

いやいやこの仕事はやめられませんな。

昨年末に発見した美しいスイバのロゼットは、今日もまた見事でした。

2017年1月はじめ記

1月2日は仕事でしたけど

昼に彩雲を発見。

彩雲

刻々と位置や色が変わっていきます。

彩雲

新年早々彩雲を見られるなんて、なんだかとてもついている気分でした。個人的にはとっても気持ちが上がりまして…

彩雲

早速、「長野市で今、彩雲出ていますよ!」とツイートするも反応は少なく…一般的にはそれほど関心の対象にはならない現象なのでしょうか。TLを見ると長野盆地だけではなく諏訪でも見られていたようです。

彩雲

夜にはもうひとつ空を見上げる出来事がありました。月と金星の接近です。スマホでまず1枚。ベランダから望遠ズームで1枚。スマホはオートで撮ったのですが、左上に微かに火星も写っています(↓写真左側)。こちらはtwitterでもかなり話題になっていました。

月と金星

2017年1月はじめ記

1月1日は灯台もと暗しの森

幸か不幸か、地元密着主義となっていますので、新年最初の探鳥はやはりここ(灯台もと暗しの森)になります。昼過ぎから1時間。気温7℃、曇りのコンディション。

灯台もと暗しの森

2017年、双眼鏡で最初に見た鳥はモズ(♂)でした。暖かいせいか、ヒガラがさえずっていました。ここでヒガラが見られるのは冬だけです(今季初認でした)。さえずりはちょっと意外でした。ミヤマホオジロとルリビタキも今季初認です。

灯台もと暗しの森

帰る頃になって、森に斜めの日が差し込み始めていました。鳥は上記のほかにヒヨドリ エナガ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、アカゲラ、シロハラ。

2017年1月はじめ記

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