過去の野外手帳

-2008年2月

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ツグウジャ

久しぶりにちゃんと晴れました。でも昨夜の雪はしっかり残っていて、除雪車がかき寄せた雪が路肩に積まれています。外を歩く用事があったので、雪と鳥との風景を楽しみに出かけました。何気ない景色の中にも無限の楽しみがある。鳥見はいい趣味だと思います。

環境は農村。10:30-12:00。気温1℃。積雪30cmほど。ツグミはうじゃうじゃ。シロハラとヒヨドリ、スズメがうじゃ。モズ、ハクセキレイ、シメ、ジョウビタキ、ホオジロ、ハシブトガラス。
雪が積もると鳥たちがよく見えます。つまりは人から逃げる余裕がない。鳥たちの暮らしがそれだけ厳しいということを感じて歩きたい。

2008年2月おわり記

やっぱり灯台もと暗し

よく降りました。運動不足アンド雪遊び不足だったので、出かけようと思っていたのですが、その気持ちを削ぐに十分な降り方でした。
それでも昼過ぎに少し空が明るくなったので、「灯台もと暗しの森」へ行ってみることにしました。気持ちは戸隠だったのですが、平地でもこれだけ雪が降っているのですから、わざわざガソリン燃やして二酸化炭素を排出しながら戸隠まで上らなくても、ご近所で十分です。とはいっても自転車には無理な路面状態、車で行きました。所要時間は5分。

下駄箱カー野外手帳では時々この「灯台もと暗しの森」が登場しますが、これは私の勝手な命名です。
家の近くの台地上に、里山の風景が小規模ながら残されているのです。この地に長く住みながらその存在に気付かずにいました。身近に山の小鳥たちが立ち寄れる自然が残っていたことの嬉しさ、そして親しみと意外性を込めて「灯台もと暗しの森」と名付けたわけです。

アオバトの森吹きだまりには膝上までの積雪があるので、雨具ズボンにゴアのトレッキングシューズ、ロングスパッツを選択しました(スノーシューはちょっと大げさだと思ってやめました)。自転車だとこうはいきません。下駄箱カーは便利です。
歩き始めてすぐ、ミヤマホオジロ、シジュウカラ、ジョウビタキ、そしてシロハラが現れました。ヤマガラの囀りが盛んに聞こえてきます。今日は天気は荒れ気味だし最高気温もマイナス2℃だったのですが、彼らは春を感じているんですね。さらにずぼずぼと歩みを進めると、遠くの枝にイカルの群れとルリビタキを見つけました。

彼らを見ていると、右手の木の枝にやや大きめの鳥がとまっているのに気付きました(写真下円内)。双眼鏡をそちらに向けてみると、アオバトではないですか。灯台もと暗しの森初記録です。
標準ズームしか持ってこなかったことを嘆きつつ、雪の中に鮮やかに映える美しい緑色を感動しながら見続けました。途中あの独特の鳴き声も聞くことが出来ました。鳴いているところは初めて見ました。あまりにも動かないので、家に望遠レンズを取りに行って来てもまだあそこにいるかも…などと思った瞬間飛んでしまいました。やっぱり欲をかいてはいけません。

雪がまた激しく降り始め、来た道を戻ることにしました。わずか40分の雪上歩行でしたが、他にツグミ、ヒヨドリ、アトリ、カワラヒワ、ミソサザイ、モズも見ることができました。

2008年2月おわり記

3回目

ノスリ近くに行く用事があって寄ってみたのですが、やっぱり毛足の姿はなし。

でも前から感じていたことですが、ここはノスリが多い。この日も追いかけ合いにホバリングにと、彼らのダイナミックな動きを堪能することができました。住みやすい環境なのだろうと思います。この辺りは、河川敷の無理な利用(といっては語弊があるのかもしれませんが)をしていないのがいいんでしょう、きっと。

2008年2月おわり記

幸せの日曜日

雪の里山ガードレールはところどころにしかないので、そろりそろりと車を進めました(写真上左)。
一度待避所に車を寄せなければならなくなったのですが、そこはたぶん未舗装で除雪もしてありません。危ないかなと思ったら、案の定タイヤが空転する音が聞こえてきました。前輪が雪を掘ってしまう前に、慎重に後進してなんとか脱出しました。

雪はそれほど深くないので、いろいろ持ってきた中から防寒長靴を選択してスタート。最近車が下駄箱化しています。
歩き始めにウソの声を聞きました(写真上右)。白い里山はとても美しくて、何枚も写真を撮ったり「こういうところを歩きたかったんだよ」と自分自身勝手に納得したりしていました(写真中)。

そのうちカラの混群に囲まれました。ヒガラ、シジュウカラ、エナガ、コゲラ。静かだった森の雰囲気が一変します。いいなあーと思いながら彼らを見ていたとき、やや遠くから聞こえてきたのはあの声ですよ。
声を頼りに細いトレール(写真下左)を辿ると木々の間を飛び交う鳥影を発見。やがてアカマツの梢に止まって盛んに鳴く赤い鳥を見つけることができました。やや遠かったですがじっくり(時間にすれば数分だったのでしょうが)見ることができて感動しました。
写真を撮ってみましたが、辛うじてくちばしの食い違いがわかるかどうかというレベル(写真下右)。でも写真はおまけですしね。雪の中懸命に生きる姿を見ることができて心震えました。

ふらりここに来るまでは平凡な休日だったのですが、赤い鳥のおかげで輝いたすばらしい日曜日になった気がしました。雪の山道を足取り軽く駆け下ってしまいました。ストックを持ってきたのは正解でした。

2008年2月おわり記

オウチでイカル

あれ以来シメはよく見かけます。同じ個体でしょうか。

どかどか降る雪に仕方なく外に出て出勤前の雪かきをしていると、今度はイカルがやってきました。5羽ほどの群れで、大騒ぎしながら庭の木でなにやらついばんでいます。あまり人を恐れる様子がなく、カメラを持っていたら何枚か撮れたでしょう。

(でも持っていたのは雪かきでした)

出勤途中に一時停止をする場所でジョウビタキのメスを見つけました。いつものようにふるふるしていました。
こういう日はなんだかいいことありそうな気がします。

(でもそうでもありませんでした)

2008年2月なかごろ記

あぁ

毛足毛足-と再び来てみましたが、何もいない誰もいない。今回は車です。

前回の顛末はこちら。

2008年2月なかごろ記

ミヤマホオジロを見たいならここ

さすがはミヤマホポイント、ファインダーの中だけでも7羽はいます。

ミヤマホポイント

地面でがしがし餌を探している彼らですが、人が通るたびに枝に待避します。再び地面に戻るまでの待ち時間は羽繕いに余念がありませんでした。
なんだか余裕ある生活に見えてしまいましたが、厳しい寒さが続く今日この頃。彼らの無事と幸運を願いながらこの場を後にしました。

2008年2月なかごろ記

いつもの小径

灯台もと暗しの森鳥は少なく感じましたが、楽しい1時間を過ごすことができました。

まず現れたのはメジロ。盛んに鳴き交わして梢を移動していきます。続いてはジュリジュリと妖精のようなエナガ。妖精を見たことはありませんけど、たぶんこんな感じです。

歩いていく先、ここらに鳥がいるのではないかと双眼鏡を向けると、シロハラを見つけることができました。すごく得した気分。視野からは数秒で消えていってしまいましたが、表情をしっかり見ることができました。
開けた場所に出るとアトリの群れの移動に出会いました。オレンジと白とのコントラストが青い空に鮮やかでした。

車に戻る途中、トラツグミを見ることができました。こっちに向かって飛んできて、ニンゲンを見つけるや否やあわてて進路変更するあたりは前回から進歩がありませんが、おかげでトラトラ模様をうるさい枝越しではありましたが見ることができまして、満ち足りた気分になりました。

2008年2月なかごろ記

今年もシマシマ

スノーシューイング結構登ったつもりでしたが、地形図を見ると稼いだ標高はわずか。でも周囲の山はぐんとせり上がってきたのがわかりました。
先ほどまでいた雪原が下に広がっているのが見えます。

脚が重くなってきたので、抹茶クッキーのおやつにしました。心地よい疲れ。
あそこまで登ろうなどという目標はないので、今日はここまでとし穏やかな尾根を戻ることにしました。

下りのスノーシューは本当に気持ちいい。粉雪が体重をふわっと受け止めてくれて、ちょっとした浮遊感を味わえます。

疎らな木々が作り出す青い縞模様はどうしようもなく美しく、毎冬のことでありますが何枚もシャッターを切ってしまいます。
帰ってきてPCの画面で見ると、どれも同じに見えてしまうのですが、現場では「さっきもよかったけどここはもっといいっ!」と思ってしまうのです。

粗製濫造的撮影態度ですが、その場所その空気の中でシャッターを切ったということが私にとっては大事なことなのかもしれません。
そんなわけで、毎度おなじみの変わり映えのしないシマシマ写真であります。またかーとお思いの方も多いでしょうが、ご容赦下さい。

2008年2月なかごろ記

オウチでシメ

シメ雪降りで沈殿していたら、シメがやってきてくれました。
そっと窓から写真を撮ったのですが、目が合ってしまいました。
シメは盛んに電線に積もった雪を嘴で払うような仕草をしていました(写真下)。

これと似た行動はモズでも見たことがあります(2003年12月のジェーモズ・ディーン主演「理由なき行動」)。
そのときはまるで遊んでいるかのように見えたのですが、この日は止まる場所を確保しているように見えました。雪を食べていたのかもしれません。

上の正面顔でも嘴にはたっぷり雪がついたままです。

2008年2月なかごろ記

ふわまるさんのところでも「オウチでシメ」のようです。

2008年2月なかごろ追記

足跡

トラッキングあれこれ想像するのが楽しい。

2008年2月はじめ記

毛足ポタ50km

午後から噂の猛禽を見るべしと自転車に乗って出かけました。件の場所に近づくと同じ目的を持ったらしい方々の姿が見えました。シャーッと近づき、「毛足毛足毛足はいますか」と自転車を降りるなり聞いてしまいましたが、大宮ナンバーの方に「わたしたちも今来たところです」とたしなめられるように言われてしまいました。そう、焦っても仕方ないです。簡単に見つけられるイメージで来たのがいけません。じっくり探すのも楽しみのうち…。

しかし、この日(立春より前の話なんですが)その猛禽を見ることはできませんでした。「昨日まではいたんだけどねー」と地元の方が言うのを聞いて残念に思いましたが、相手は羽のある生き物ですから仕方ありません。他の方々はまだまだ粘る様子でしたが、真っ暗になる前に家に帰りたいので「お先にー」と現場を後にしました。

でも実はこれからが今日のハイライトでした。川沿いにルートをとると次々に鳥が現れたのです。こちらを伺うアオサギの視線。自転車を止めた途端に飛び去ったカワアイサ。河原でじっと獲物を探すノスリ。ぐいんぐいん飛び回るイカルチドリ。ひょこひょこ泳ぐオオバンの群れ。

薄暗くなってきた頃、ハシボソガラスがたくさん集まっている木を見つけました。そろそろ入塒なんだろうな、写真でも撮ろうか…と思ったとき、視界に飛び込んできたのはハヤブサでした。あわてて双眼鏡を取りだします。特徴ある顔の模様もしっかりと見ることができました。ハヤブサは何度かカラスの群れる木につっこむような行動を繰り返した後、東に向かって飛び去っていきました。

帰り道、巡航速度はかなり落ちてしまっていましたが、ハヤブサ効果でそのあとは20km/時をキープ。おかげで途中でスタミナが切れ、うどんを補給してようやく帰宅しました。

2008年2月はじめ記

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