過去の野外手帳

-2007年3月

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4日連続ケアシノスリ探し

しばらくネット落ちしていたのですが、久しぶりによたろうさんのところに行ってみると、なんとご近所にケアシノスリが出現しているということで!!!

いつも思うのですが、最初に珍鳥を見つけるってすごいことです。普段と変わらない風景の中に、普段では見られない鳥を見出すんですから。
今回はよたろうさんが第一発見者ということで、有り難く見に行かせていただきました。

第1日目(金)

仕事が一段落ついて抜け出せたのは夕方。この場所、実は勤務先から結構近いんです。
わくわくしながら河川敷に車を乗り入れます(河原ではなく畑や道路がある環境です)。 対岸の木にとまっていたハシボソカラスを「あれか!?」と勘違いしてしまったほど期待に高ぶっていたのですが、結局この日はケアシノスリには会えませんでした。

河原

でも、なんだかいい感じだったんです。ヒバリがたくさんいて、空に昇り高らかに春を謳歌していました。川方面から(たぶん)イカルチドリの声が聞こえてきました。カワアイサの雄が上流に向かって飛んでいくのも見えました。
1時間ほどのんびりしてから帰りました。

第2日目(土)

午前中から出動。
同じコースに車を乗り入れると、目の前の木にいきなりケアシノスリがとまっていました。「ち、ち、近すぎる!」とあわてて下がったもののふわりと飛ばれてしまいました。
まずかったと思ったのですが、あまり警戒心が強くなく遠くまで飛んでいきませんでした。ちょっとほっとして、100m以上離れたところから観察開始。

ケアシノスリ

私のように識別能力がないと見過ごしてしまいそうですが、やっぱりノスリより白い。特に翼裏面の白さが飛ぶと際だちます。
そのうち、なんと私の車のすぐ近くにとまったのです。距離にして20mくらいでしょうか。声にならない声を出しながらシャッターを切りました。

ケアシノスリ

この日はよたろうさんと、初めてお目にかかるkomitoriさんとお行き会いしました。
お二人から、2月くらいからこの場所にいたらしい(畑仕事の方の証言から)こと、2個体いるのではないかなどの興味深いお話をお聞きすることが出来ました。

ケアシノスリ午後から仕事をしなければいけなかったので昼過ぎに退却したのですが、このあとチョウゲンボウのネズミを横取りするシーンがあったそうで、見たかった…。

←車が近づいても平気。車の近くにとまるのも平気。

第3日目(日)

珍しく家族の予定がない日なので、みんなで遊ぼうということでボーリングと食事。焼肉でお腹一杯になったところで、ちょっといい?ということでケアシの場所に連行。
でもこの日は空振りに終わりました。

第4日目(月)

昼休みに突撃。昨日は私だけがふられたのではなかったようで、期待していなかったのですが、着いてすぐにケアシノスリが旋回しているのを見つけることが出来ました。デジスコを構えた方(お名前分かりません…)と一緒に、「いいですねぇ-」と青い空を背景に帆翔と停空飛翔を繰り返す姿を眺めていました。
現地にいられたのは20分間だけでしたが、お腹いっぱいになって引き上げました(物理的にもちゃんとお腹はいっぱいにしました)。

ケアシノスリ

気になるのは、この個体を含めてノスリ系を2羽見たことです。同時に帆翔しているのを見たのですが、遠くてしかもシルエットで、もう1羽はケアシなのか普通のノスリなのかは識別できませんでした。
土曜日の2個体いるらしいというお話から、もう1羽もケアシなのでは…という希望的観測もできますけれど、果たしてどうでしょう。

2007年3月おわり記

上越暇つぶし

上越妻と息子、その友人が新潟上越方面に行く用事があるというのでので、送迎を引き受けました。待っている間は鳥見をすればいいという計画?です。

まずはガン渡来地の某池に足をのばしてみました。
マガンやヒシクイの姿はもちろんありませんでしたが、強い風に荒れる水面(写真一番上)にはマガモやハシビロガモ、カワアイサがぷかぷか浮いていました。

ミサゴが大きな魚を足につかんで、どこで食べようかー!って感じであちこち飛び回るのを見ることもできました。
何羽ものカラスがまとわりついていました。無事に食事は出来たのでしょうか。

周辺は雪が残っていて(写真2番目)、ここではダイサギ、ツグミ、タヒバリ、カシラダカ、ホオジロなどを見ました。
遠くの木にノスリらしき猛禽を見つけ、かなり白っぽい感じがして、もしやあのお方では?と思ったのですが、しっかりとポイントを確認できないうちに飛び去ってしまいました。ちょっと心残り。

まだまだ時間があったので、池周辺の道路を車でゆっくり走ってみました(写真3番目)。
小鳥たちがたくさん道路脇の草地で採餌中でした。まだ周囲は雪で覆われているので、鳥たちも雪が融けた道路脇に集中している感じでした。
車で追い回す形になってしまい鳥には悪かったのですが、たくさんのカシラダカ、その他はアトリ、シメ、アオジなどを見ることができました。

まだまだまだ時間があったので、周辺の水田の中の道を車で回ってみました。
ここでのヒットはタシギで、車に乗ったままでは全く警戒されることなく、くちばしを泥の中に突っ込んで餌をとる様子を至近距離でじっくり見ることができました。
でも写真を撮ろうと(3倍ズームのデジカメしか持っていなかったのですが)窓を開けた途端、身を低くして警戒され(写真下から2番目)、やがて飛ばれてしまいました。

まだまだまだまだ時間があったので、海沿いに出てみました。ここもすごい風で、海はかなり荒れていました(写真一番下)。
カモメ類が風に流されて次々に通り過ぎるので、識別練習にはもってこいでした。
とはいってもようやくウミネコ、オオセグロカモメ、セグロカモメの成鳥が見分けられるようになったという低レベルです。

少し場所を移すとウミアイサの群れとアカエリカイツブリを見つけました。大きな波をものともせず盛んに潜水を繰り返していました。
見ているだけで船酔いしそうでした。なんともたくましい姿でした。

まだまだまだまだまだ時間があったのですが、車に乗っているのも疲れてしまったので書店に寄って立ち読み。ようやく呼び出しの電話が鳴ったので、待ち合わせ場所に向かいました。

2007年3月おわり記

邂逅的スノーシュー

戸隠

車に戻ろうとする頃、太陽はすっかり弱々しくなっていました。雪原を南東に向かって歩きます。

小さな川にぶつかります。いつもなら雪に埋まっていて容易に越えられるのですが、なかなか渡れる場所を見つけることが出来ません。そういえば、この間来た時も同じような苦労をしていたのでした。川に沿って歩いていくと、いつの間にか先行者の足跡と一緒になっていました。この人も同じように渡る場所を探して川沿いに歩いていたのだということが分かりました。
私の前に伸びている足跡は、少なくとも今日のものではないようです。
この間の自分の足跡が残っているとは考えにくかったのですが、足跡を重ねて歩いているうちになんだか過去の自分をなぞっているような気持ちになってきました。

戸隠

河床に降りられる場所に足跡は続いています。この場所は見覚えがある。浅い流れをじゃぶじゃぶ渡って、対岸の1mほどの段差をひざとポールを使って乗り越えます。これもやった覚えがある。
もしかしたら本当に自分の足跡なのかも…と思い始めた頃、その足跡はだんだんに自分の進路からそれていきました。なーんだというか、やっぱりというか、でもちょっとさびしい気持ちになりながら再び歩き始めた午後4時半でした。

2007年3月おわり記

もぐもぐ

灯台もと暗しの森これも3月上旬の野遊びの記事です。

日曜日、暇そうな小4の息子を連れて「灯台もと暗し」の森へ行きました。 このあとあんなに寒い3月になるとは想像できないほど、ぽかぽか暖かな日でした。

息子と二人、鳥たちの気配を感じとりながら歩くのは楽しかった…と書きたいところですが、この日はスギ花粉が激しく香しく大気に充ち満ちていて、大くしゃみを連発。鳥がどんどん逃げていきました。そんな中でウソだけはハクショーン!と轟音を発しても驚くことなく、花芽をひたすらもぐもぐしていたのでした。
そんな心優しきウソを(というより食欲が全てに勝っていたウソを)カメラを取り出してパチリパチリ。こちらから近寄るまでもなくアップで撮らせてくれました。

遊歩道を一周して戻ってくると、ウソは同じ場所でまだ花芽を食べ続けていました。嘴からこぼれた芽がはらはらと落ちてきました。

ウソ

今年はウソが平地で多く見られました。きっとその分サクラの花芽も多く食べられてしまったことでしょう。ウメも被害にあったかもしれません。
新聞を読んでいないので知らないのですが、今年は有害鳥獣駆除でウソが撃たれることはなかったのでしょうか。ひたすら食べ続けるウソを見ると、ちょっと心配になってしまうのです。

2007年3月おわり記

静かな春

戸隠戸隠これを書いている今はもう3月下旬ですが、3月初旬の戸隠報告です。

やたらに暖かくてべたべたの雪でした。下は防水性のズボンをはきましたが、上は薄手のフリースだけでもいいくらい。

斜面を下る途中、遠くすれ違ったクロカンカップルに「あんなところに人かなー?」などと大きな声で言われてしまいました。クマに見えたんでしょうか。黒いフリースだったのがいけなかったか。

鳥の少ない戸隠です。カラ類はそこそこいるのですが、例えばアトリやマヒワを全く見かけません。
春を待ちきれない鳥たちのざわめきを感じたい戸隠行きだったのですが、この日は頭の上から木の皮をぱらぱらと落としながら幹を降りてきたゴジュウカラや、梢を伝っていくコガラの群れに出会えたくらいでした。

通れば写真を撮ることにしている高台園地の案内標識は左上の通り。全く同時期の写真はなかったのですが、過去写真を引っ張り出して比べてみると、雪の多かった昨年は3月の終わりで標識がようやく顔を出した程度(右中)。今年3月初旬の積雪は、昨年の4月末に相当することになります(右下)。
昨年は逆に異常とも言えるほどの多雪だったのですが、おととしの4月上旬と比べても雪はかなり少ないです(右上)。
雪の量だけでみると、1-2ヶ月ほど早く春が来てしまうことになるのでしょうか。この日は本当に暖かくて、林内を飛び回る小さな虫まで見ることになりました。

鳥の少なさには、こんな少ない雪や早すぎる春の訪れが影響しているのかもしれません。

戸隠

2007年3月おわり記

生き様

えー、まだ2月の記事です。すみません。

戸隠の森には存在感のある木が結構あります。スノーシュー遊びの醍醐味は、夏には近づけないその木に近づくことが出来ること。

樹

近くに行くと全体が収まらないので、離れたところから少しずつシャッターを切りながら近寄ります。ファインダーの中の木の姿がだんだんに変化していきます。

樹

見上げるたびに、うーとかあーとか声にならない声が出てしまいます(気持ち悪い中年おじさんですが、周りに人はいないのでいいんです)。
この木にも心のどこかが激しくやられてしまいました。あー、うー、おー。
でも写真じゃ(というか私の腕では)やっぱりほとんど伝わりませんね。

2007年3月はじめ記

お互いほどほどに

山菜オジサン再び「灯台もと暗し」の雑木林へ。
小さな川をはさんだ結構な斜面に山菜取りのおじさんを発見しました。

ときどきバランスを崩して落ちそうになりますが、何とか持ちこたえています。落ちても死ぬことはないでしょうが、もしかしたら骨くらい折るかも。危ないなあ、落ちたら助けに行かなくてはいけないなあ…などと思いながら対岸を通り過ぎました。
山菜やキノコ採りの事故って結構ありますけど、こういうことですね。

この日のヒットはアカゲラとアオゲラ。

2007年3月はじめ記

9分6秒

サイコンお昼前、「灯台もと暗し」の雑木林へ。
サイクルコンピュータをリセットして出かけたので、所要時間が判明しました。急いだわけではなく、気持ちよくペダルを回して9分6秒で到着です(→)。
こんな近くのこんないい場所を知らなかったなんて、本当に悲劇的な鳥人生でした。

まずはシロハラ登場。トランプの神経衰弱のように落ち葉をひっくり返す様子を、木々の影からそっと見ていました。
続いてアトリ。十数羽の群れがぐるぐるとあたりを飛び回っています。
そのうち、まだ2月も半ばだというのに(今はもう3月です。内容が古くてすみません。)メジロのさえずりが聞こえてきました。

灯台もと暗しの森

鮮やかなメジロ色の後は、ヤマガラの群れに囲まれました。ここはヤマガラが多い。彼らのさえずりも聞こえてきました。日射しはぽかぽかと暖かく、上空をキリコロ飛んでいったカワラヒワまでもどこかでチュビーンとさえずりを始めました。

昨日10cmほど積もった雪はかなり融けてしまって、鳥たちの声も春そのものです。
さすがにオオマシコとの再会は果たせませんでしたが、20種弱の鳥とジョギングオジサンを見ることができました。もちろん、これからもちょくちょく通うつもりです。なんせ、9分6秒ですから。(^^;)
春もちょっと楽しみです。

小鳥たち

2007年3月はじめ記

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