過去の野外手帳 -2006年3月

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◆有休春スキーレンジャク添え
下の息子がつきあってくれました。風に感じる花粉にくしゃみを連発しながら滑っていましたが、こうやって戸隠に通っていればいいことは巡ってくるものです。ヒレンジャクを見ることができました。

今シーズン、某所のイスカについてネットでの情報の扱いの難しさを感じました。

人が集まっても繁殖に影響がないとか、マナー上の問題が起きない場所であれば情報をオープンにした方がいいと思います。
珍しい鳥を見たいというのは鳥を見る人にとって当然の気持ち。情報を伏せたやりとりを見ると、なんだか嫌らしい感じがするものです。
でも私は今回場所を伏せました。道路事情が悪く、人や車が集まりすぎれば地域の生活に支障が出かねない場所であると感じたからです。

実際人が来すぎて問題になるということはなかったようですが、いろいろな情報をつなぎ合わせて推論し、場所を特定し埼玉からここのイスカを見に来られた方がいたと聞いて、ネットへ情報をのせることは慎重にしなければいけないと思いました。
2006年3月おわり記

諏訪湖のレンジャクは、今晩のTV地方局ニュースで流れていたので、検索してみたらすでに数日前に報道されてました。今年は2回見ているので、「カメラマン殺到かあ」って冷静に見ましたけど、そうじゃなかったら行ってたかな。でもやっぱり異様な光景で、地元じゃちょっとした騒ぎでしょう。
信越放送(3/25) テレビ信州(3/27:動画)
2006年3月おわり追記


◆3月26日の戸隠森林植物園
車を降りるとヒガラとイカルの囀りが響き、春の気配が濃い森でした。
ざくざくのザラメ雪を踏みしめて歩き始めます。

路面に雪はありませんが、積雪はたっぷり。
2月に来た時に、雪に埋もれてしまっていた高台園地の案内表示はようやく顔を出していましたが、今シーズンは当分雪の上を歩いて遊べそうです。

高台園地の斜面の下(写真下:大)にクロカンのパーティーが見えました。20人ほどが列を作って、東に進んでいきます。
あの件以来、大人数のパーティーを見るとなんとなく避けてしまいます。やり過ごそうと双眼鏡をでたらめに森に向けていたら、キバシリのカップルが視野に飛び込んできました。

クロスカントリースキーや、うろこ滑走面のテレマークスキーを使ったいわゆるネイチャースキーも楽しそうです。レンタルで滑ってみると、滑りの要素が強すぎて鳥見には向かないと個人的には感じます。
雪の森の楽しみ方としては別の種類のものでしょう。

斜面を上がっていくと車道に出て、そこを進んできたクロカンパーティーとばったり。

「ここを降りますか」とリーダーが私が這い上がってきた斜面を指して声をかけていましたが、メンバーは明らかに「えーっ」という雰囲気でした。
かかとが上がるエッジのないスキーでこの斜面を下るのは、かなり勇気と技術がいることだと思います。
でも、スノーシューなら容易いです。やっぱり私には、技術のいらないスノーシューが向いているのかもしれません。
でも、うろこテレマークがちょっと欲しいこの頃です。

再び平地に下って、木々の姿を楽しみながらのんびり歩きました。
まだ雪をのせている木があって(写真上右)、この冬、彼は一体どれだけの雪を背負っていたのだろうと想像します。雪塊からはぽつりぽつりと雫が落ちていました。

雪原に腰を下ろし遅い昼食をとりました。
あたりはいつの間にかマヒワの群れに包まれていました。灰色の雲の間から、太陽も少しだけ顔をのぞかせました。
2006年3月おわり記


◆久々の畦道
暇そうな下の息子と散歩。捕虫網を持ち出しましたが、キタテハにからかわれただけで終わりました。
その他はナナホシテントウ、ミツバチ、たぶんホソヒラタアブ。

そろそろ花粉を感じます。春は大好きだったのに発症以来憂鬱な季節。
2006年3月おわり記


◆みんながんばれ
写真左:ボタンの造形にちょっとどきり。命みなぎる感じです。
写真右:庭のウメのつぼみもようやくふくらみ始めてきました。

テレビアンテナでモズの雄がチュルチュルと愛をささやき、雌がそれを背中で聞いていました。
2006年3月おわり記


◆雲踊る春の空
家族でスキーは、今シーズンおそらく最後です。
妻にとっては最初で最後のスキーとなりました。4人揃ったのは今回だけ。
今冬は、あまり家族でスキーに行けませんでした。

来シーズンは長男が中学生になっているので、全員で出かけることがより難しくなるかもしれません。それより、いつまでいっしょに遊んでくれるやら。

雲が激しく動き時折雪が舞うゲレンデでしたが、雰囲気はすっかり春スキー。早めに切り上げてソフトクリーム食べて帰ってきました。
2006年3月おわり記


◆息切れ
出来心で、穏やかな小さいでっぱりに登ってみました。

最近、ちょっと登っただけでゼーゼー苦しくなります。首の後ろあたりの血管がドックンドックン激しく脈打つのもわかって、大丈夫か?と思った一日でした。

これらの症状は、きっとこのヤマの標高が高すぎたからだと思いますが (地形図から読みとる限り、チョモランマやK2、富士山と同じ4桁です^^;)、 最近、登山雑誌に「救心」の広告が載っていることに違和感を感じなくなってきました。

3月はウエストサイズダウン決行月間と決めていたのですが(スーツがきつい)、最近お酒が美味しいし飲み会もたくさんありそうなので、 新しいスタートは4月こそふさわしいっと気持ちを切り替えました。
2006年3月おわり記

◆シメに会えない
午後になって、一辺3cmほどもある雪片が舞っていたのでどうなるかと思っていたのですが、それほどは積もらずでした。翌朝はマイナス6度ときっちり冷え込んで、夜半までの雪は溶けずに残っていました。まだ雪が降るのは嬉しいことです(一般的な長野のヒトビトの感覚ではないです)。

駐車場から職場までの道、毎年この時期に会えているシメを探して梢を見上げますが、その場所にはスズメがとまってちゅんちゅく鳴きながら辺りを見回しています。
今冬は会えずじまいかもしれません。そういえば、ミヤマホオジロにもベニマシコも見ていません。
2006年3月おわり記


◆1月は行く 2月は逃げる 3月は去る(猿)
えー、表題の通りでございまする。

もう春はすぐそこまできています。もう一頑張りだ。
彼はそんな私を見すえながらゆっくりゆっくり去っていきました。

最初は双眼鏡で見ていたのですが、私がにじり寄ってもなかなか逃げませんでした(ふたりの間には火花がバチバチと飛んだ気がします)。
こういうときは、カメラを構えるとちょっと気持ちが強くなります。でも、こんなチャンスに限って望遠系のデジカメを持っていない私でした。
2006年3月なかごろ記


◆赤い鳥の縁
仕事の山を追ってたつもりが、いつの間にやら追われる身。ついに悲しき休日自主出勤。
はかどらない仕事、ぼんやり外を眺める私の頭の中に響き続けているのは、「赤いの来てますよ!」のよたろうさんの言葉です。行きたい見たい我慢できない。

やはり無理です。作業は一時中断です。この決断を意志の弱さととるか、意志の強さととるかは大変難しいところですね。
そして、なぜか装備一式が車の中に揃っていたことを、計画的犯行の証拠と考える方がおられるかもしれませんが、そういう方は、もう少しあたたかい目で人を見るべきだと思います。

これまで人に会わなかったこの山(野外手帳では過去にこんなことこんなこと載せてました)ですが、現地に到着するとこの鳥の魅力に引き寄せられて集まった方々が談笑されていました。
何回かお会いしたことのある方、そしてお名前だけは存じていて、この日初めてお目にかかる方。次から次へと現れる鳥を見るのに忙しくてあまりお話ができませんでしたが、共に梢を見上げる素敵な時間が過ぎていきました(鳥影をさっと見つけ、確実に声を聞き分けていく皆さんとの眼力・識別力の差を感じた一時でもありました)。

午後3時前から小一時間滞在しただけで、一生分のたっぷりイスカ、今季初のレンジャク、かわいいメジロ、次から次へと現れるアトリ。悔いなし。心満ち足りて作業に復帰したのでした。
2006年3月なかごろ記


◆延徳田圃三年後
広い水田の中の道を運転するときは、いつもタゲリを探しています。冬にはぜひぜひ会いたい鳥の一つです。
今冬は雪が早かったこともあってまだ地元では見ていなかったのですが、くまたかさん来ているよと教えて下さり、早速行ってみました。

すでに雪は消えていて、この時と同じ場所で30羽ほどの群れを見つけることができました。当時、下の息子はまだ年長だったのだなあ(今は小3)と、野外手帳の過去ページをリンクしながらちょっと感慨に耽ってしまいました。
このペースでいくと、次にここでタゲリを見る時、下の息子は小6、上の息子は中3です。計算するとその次は15歳/18歳、その次は18歳/21歳ですよ。恐ろしい。私もどんどんどんどん年をとるのね(私の計算結果は秘密)。

えっとタゲリですが、時々カラスとの諸問題もあって落ち着きなく飛び回っていましたが、その姿のなんと美しいことか。

路肩に車を停め、ちょこまかと歩き回る姿を飽きもせず眺めていました。
車の中にいるとほとんど警戒せず、かなり近くまで寄ってきてくれます。

3倍ズームのコンパクトデジカメで撮ったのが左の写真(4羽ほど写っています)。右は8×30の双眼鏡に押し当てて「デジビノ」してみたものですが、やはり無惨な結果に終わりました。
2006年3月はじめ記


◆心壊すブルー
靴擦れもほぼ癒えたので(まだ薄皮で色も真っ赤っかなんですが)、再び快晴の山へ。今回は厳重にテーピングしました。

標高を上げていくと、さっきまで騒がしく聞こえていたヒガラの声はいつの間にか絶え、BGMも遠ざかり、遠く北アルプスがせり上がってきます。

薄く氷をまとった木々が美しく、心躍ります。青い空をバックにその姿を切り取ってみます。
日射しはすっかり春で、薄手のジップアップシャツになってもそれほど寒くありません。

体力に乏しいのは相変わらずで、あっという間にヘロヘロになりました。靴ずれした場所が心配になってブーツと靴下を脱いでみたら、足から湯気が立ち上りました。

ノートラックの斜面を見つけて滑ってみましたが、私の腕ではへっぴりシュテムが精一杯で、なかなか気持ちよく滑ることができません。
でも数ターンごとに止まって振り返れば、なんと美しい世界でしょう。文ではうまく表現できないので、写真から想像して下さい。

まあ雪も重たいしね…と、つまらない言い訳を自分に対してしながら(ピステンのかかった斜面以外では、雪質に関係なくだめだめなんですけど)、ゆっくり(へっぴり)、再びヒガラ達が騒がしい世界へ滑っていきました。

車に戻ってしばらく放心。さあ帰ろうと気持ちを切り替えるまでに、随分時間がかかりました。
あの空の青さに、心のどこかがやられてしまっているのかもしれないです。
2006年3月はじめ記


◆春を迎えんとす
相変わらず山ではてんこ盛りのツグミです。

小川沿いに雪の上を歩いていくと、次から次へと湧くように、枝からケケッと飛び立っていきます。
右の写真の中にも、たぶん30羽は写っています。

マヒワがぐぜっていました。アトリはひたすらひたすら食べていました。ヒガラはさかんに囀っていました。シジュウカラはやたら張り切っていました。カワガラスは全開ビビビビでした。コゲラはいつも通りでした。

太陽が低くなり寒くなってきたので、お湯を沸かしてほうじ茶をすすりました。
2006年3月はじめ記

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