過去の野外手帳
-2023年4月
キビタキなど初認
2023年5月14日記
5月も半ばになりました。今回の記録は4月末のものです。いつもの近所の森です。この日はキビタキとクロツグミ、センダイムシクイを初認した日になりました。しかし、3種ともなかなか姿を見ることはできず、とりあえず花など撮りながら歩きます。
前回の野外手帳から1週間後、蕾だったヤマツツジは開花していました。
そしてホタルカズラの花を見つけました。
まだ新鮮な感じの花でした。今後が楽しみになりました。
展開寸前のマムシグサ。季節はどんどんと進みます。
林内で目立ったのはこのガマズミの仲間の白い花。
この緑色の目立たない花は、調べてみるとニシキギに似ているように見えます。
ヤマアカガエルのオタマもだいぶ大きくなりました。これだけオタマがいる場所があるのですが、この森で上陸した個体を見たことがまだありません。
ずっと声だけだったキビタキを最後の最後にやっと見ることができました。
こちらはコサメビタキ。巣作りの様子を観察することができました。
ヒヨドリ。そのほかエナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、サンショウクイ、メジロ、
カワラヒワ、コゲラを観察しました。ツグミも見ました。この日を最後に5月に入ってからはツグミの観察機会がないので、個人的なツグミ終認の日となりました。鱗翅はイカリモンガ、スジグロシロチョウ、キタキチョウを記録しました。
花に追いついていく
2023年5月7日記
5月連休最終日の4つめのアップはいつもの近所の森、オオルリとヤブサメを初認した前回の1日後、同じく4月下旬の記録です。
昨日は気づかなかったのですが、ウワミズザクラが咲いていました。
5月に入ってから咲く花というイメージだったので、例年との差が短縮してきた感じがします。
ヤマツツジもなんだか例年より早いイメージがしていましたが、過去の写真を見るとそれほど大差がなくなってきている感じで、早い春のスタートがここでだいぶ吸収されてきているのかなと思いました。
タンポポは在来のもの。この森では周辺部でも在来タンポポは結構多いです。
ハリギリ。ちなみに右は同じ株の1週間前の様子。こんなに伸びるんですね。
新緑に染まるヒヨドリ。
新緑にうまるヤマガラ。
シメはまだまだこの森に残っていそうです。
30分だけの森
2023年5月7日記
5月連休最終日の3つめのアップはいつもの近所の森。この日はいろいろあって、午後になって30分だけ歩くことができました。コサメビタキとサンショウクイを初認した前回の6日後、4月下旬の記録です。
たった30分ではありましたが、オオルリとヤブサメを初認することができました。その他、シジュウカラs、ヤマガラv、コサメビタキv、サンショウクイs、ヒヨドリv、メジロs、コゲラc、イカルs、シメc、アトリcです。sは囀り、cは地鳴き、vは視認です。
ヤマツツジがもう咲きそうでした。
冬鳥は残りそして夏鳥が来る
2023年5月7日記
5月連休最終日の2つめのアップは再び畦道です。ツバメを初認した前回の1週間後、4月中旬の記録です。
リンゴの開花が進んで畦道は華やかさを増していました。この道が一番美しい季節かもしれません。
シジミチョウがいました。ちらっとだけ翅裏が見えました。ヤマトシジミでいいみたいです。
安定のモンキチョウ。
まだいるツグミ。前回もでしたが、1羽、2羽ではありません。
ここらでは何度も会っている(たぶん同じ個体の)キジオス。
畑で食べ物を探しているハシボソガラス。
クルミに止まるムクドリ。ペアで行動している姿が多かったです。
上空を飛んでいたトビ。この写真を撮った直後に、トビとチョウゲンボウとハシボソガラスの三つ巴の争いを観察することができました。
ツバメがだいぶ増えてきていました。そのほかスズメ、カワラヒワ、ヒヨドリ、オナガ、キジバト。
そのままいつもの近所の森に接続。芽吹きが早くてすでに探鳥には向かない感じです。ここではツバメに続いて今季2種目、3種目の夏鳥を初認しました。コサメビタキとサンショウクイです。囀りはシジュウカラ、ヤマガラ、ウグイス、メジロ、キセキレイで確認。一方、冬鳥はシメとアトリを見ました。その他はエナガ、コゲラ、アオゲラ、キバシリを観察しました。
薄暗い林床にシャガ。
そして宇宙人っぽいと勝手に思っているアオキ。
ムラサキケマンは今季初めてです。
水たまりにはおそらくヤマアカガエルのオタマ。3月に比べてみると大きくなっていました。
ツバメ初認の日
2023年5月7日記
5月連休の最終日に、まだサクラが咲いていた頃、4月上旬の記録をアップしていきます。畦道です。
写真上段はウメとサクラ。さすがにウメはほぼおしまい、サクラは散りはじめというところでした。下はモモとリンゴ。リンゴは蕾が膨らんできていましたが、枝によっては開いている花もありました。
今季は1,2週間は早いという感じです。蕾は赤味があって開くと白いというのがかわいいです。
サクラが終わりそうということはアケビの花のシーズンというわけで、アケビポイントに行ってみました。
まだほとんどは蕾でしたが、こちらも一部は咲いていました。
畦道の花たち。カキドオシが出てきて春も後半という感じがします。
チョウはモンキチョウが中心。
ベニシジミもいました。
さて鳥です。この日の特記事項はなんといってもツバメの初認でした。河川敷などに行けばもっと早く見ることができたのでしょうけど、ようやく住宅地、農耕地にもやってきたというところです。夏鳥の到来はやっぱり嬉しいものです。
でも冬鳥はまだいて、シメの声を聞きました。そしてツグミ。
まだ蕾のリンゴの枝に止まっていました。地面で採食している個体もいました。結構な数が残っています。
その地上ツグミと同じ場所にいたムクドリの小群。
その他、スズメ、カワラヒワ、ヒヨドリ、モズ、セグロセキレイ、キセキレイ、カルガモ、ハシボソガラスを観察しました。
雑草見分けのお勉強
2023年4月23日記
NHKの朝の連ドラ「らんまん」のモデルが植物学者の牧野富太郎博士であることにびっくりしましたが、視聴は時間的に無理なのでどんな感じに話が進んでいるのかはわかりません。
牧野富太郎博士といえば「雑草という草はない」という名言で知られています。どんな植物にも名前があるということなのですが、私自身は雑草という言葉、また雑木林という言葉に対してもあまり悪い語感を持っていません。
なぜなら「雑」という文字には、たしかに大事ではない、取るに足らないものという意味もありますが、いろいろなものが混じっているという意味があります。いろいろな草木が生育しているさまを総称して、雑草とか雑木林という言い方はなかなか便利だと思うからです。
調べてみると、雑草にはいろいろな定義があるようで、栽培目的以外の植物、つまり農業にとって邪魔な存在という意味でくくられる場合、また人の活動によって環境を変えられた場所に発生したり生育したりする植物を指す場合もあるそうです。
というわけでいやいややっている畑仕事のかたわら、栽培目的以外の植物としての「雑草」を撮ってみました。もちろんそれぞれにしっかり名前がありますので、それを覚えるためにここに自分のためのメモとして記事にしていきます。
まずはスギナです。うちの畑にとって最大のやっかいもので、取っても取っても出てきます。それにしてもツクシのかわいさよ。
ホトケノザ。わが畦道ではお馴染みの花。びっしり群生するとなかなか見事です。
すっかり春の風物詩となっているオオイヌノフグリ。
ナズナ。
アップで撮るとなかなか美しいです。
ノボロギク。
いつも思うのですが、これで咲いているようには見えませんよね。
キュウリグサ。
ムラサキ科は大好きなのでむしろ生えてほしい雑草です。
さてこのあたりまではいいんですが、以下はなかなか覚えられないものです。
タネツケバナ。
これがタネツケバナの仲間というところまではいいのですが、その先は自分にとってあまりにも迷宮にすぎるので、いつも入り口で引き返すことにしています。いがりまさし氏の公式サイト「撮れたてドットコム」のタネツケバナのページ(こちら)を見ると目がくらくらして、これ以上中に入れなくなります。
ミミナグサ。
いつもオランダミミナグサとの区別を忘れてしまいます。ここに改めて書けば覚えるかしらん。ついでにハコベの仲間との識別点も挙げてみます。
ミミナグサ:花柄は萼片より長く茎が紅紫色になる。萼片も紫色を帯びることが多い。花弁の先は浅裂。
オランダミミナグサ:花柄は萼片より短いか同長。茎があまり紫色を帯びない。萼片は淡緑色。花弁の先は浅裂。
*ハコベやツメクサの仲間とは花弁の切れ込み方が異なる。ハコベやノミノフスマは花弁が基部まで切れ込む。ノミノツヅリやツメクサは全く切れ込まない。
この写真では花柄と萼片の長さがわかりません。識別点を知らずに写真を撮ってくるとこのザマですが、茎の写真は撮ってありました(↓)。
このような色なので、オランダじゃないミミナグサと考えてみました。でも畑の状況的にはオランダじゃないの?という気もしてます。
さてミミナグサの仲間とも間違えやすい(私だけでしょうけど)ハコベです。
先程書いたように、ミミナグサの仲間は花弁が浅裂します。
花弁は裂けない:ツメクサ、ノハラツメクサ…葉は線形(ツメクサ属)
花弁は裂けない:ノミノツヅリ…葉は卵状三角計(ノミノツヅリ属)
花弁が基部まで裂けていたら、次は花柱の数に注目です。
花柱…3:ハコベなど(ハコベ属)
花柱…5:ウシハコベ(ウシハコベ属)
雄蕊の数にも注目。
雄蕊の数1-7:ハコベ(茎は紫色を帯びる)
雄蕊の数5-10:ミドリハコベ(茎は緑色)
そして萼片と花弁の長さ。
萼片>花弁:ハコベ
萼片<花弁:ノミノフスマ
これらの点がなんとか写っている写真がありました。花柱は3、雄蕊は5、茎は紫色を帯び、萼片が長い。なのでハコベでよさそうです。
今回の最後はスミレです。スミレの識別は本当に苦手。スミレかノジスミレか。
図鑑によると、ノジスミレはスミレに比べて花に青みがあり側弁基部は無毛、葉の毛はビロード状、葉の翼は狭いとあります。一番違うのは根の色だそうです(スミレは茶色、ノジスミレは白色)がそこまで確かめてあるはずもなく。
ただ上の写真では側弁は無毛に見えます。もっとはっきりわかる写真を撮るべきでした。次回の課題です。
葉の写真を撮ってありました。これを見るとかなり毛があることがわかります。やはりノジスミレでよさそうです。
カタクリ早い
2023年4月23日記
4月1日の午前中はこちらへ、午後は近くの里山へ。
ここでは毎年サシバが観察できます。この日はハシボソガラスにモビングを受けるノスリを見て山麓からスタートしました。
登山道はキブシで飾られた道でした。
この日の目当てはカタクリの開花状況の確認です。季節の進み方が早い今年の春ですので、この山では例年なら4月末に見頃を迎えるカタクリももしかしたら咲いているかもと予想。
山麓、そして中間地点ではまだ葉が出ているだけの株が多かったです。
しかし、山頂が近づくにつれて蕾を持った株が増えました。この山では標高が高いところの株が早く咲く傾向にあり、これは日当たりに関係しているのだろうと思っています。
そして山頂直下では、開花している株がかなりありました。
じっくりとカタクリを見てから、別ルートで下山。アズマイチゲポイントを目指します。
まだ開花は進んでいませんでしたが、やっぱりアズマイチゲも例年よりかなり早い感じでした。
その他の花。
光るダンコウバイ。
チョウジザクラ。
林道まで降りると、フキが出始めていました。
見かけた蝶はルリタテハくらいでした。
4月1日の畦道と森
2023年4月23日記
ここから4月の記録です。春色の畦道散歩。
休耕田にはびっしりとタネツケバナ。もう数年お米は作られていない田んぼですが、定期的に草刈りはされているのでこういう風景が見られます。完全に放置されるとセイタカアワダチソウとかススキっ原になってしまうのかなと思います。それはそれで、ここらの生き物にとっては好都合なのかもしれないですが。
道端にはトウダイグサが鮮やかでした。
4月上旬のリンゴのつぼみはこんな感じです。今年はすべての花が早いわけですが、リンゴも半月くらい早く感じます。
リンゴ畑では剪定が行われていて、地面に落ちた枝にカワラヒワの群れがいました。
その枝を足がかりにして、何かをついばんでいます。画像を拡大するとハコベを食べているようでした。
そのままいつもの近所の森へ接続します。
芽吹きはまだ、森の中にもサクラの花。
この時季の森の楽しみといえばタチツボスミレの色。
そしてコナラの新芽の色。
銀色に光るベルベットのような産毛も美しいです。
この森で早くから彩りを添えているウグイスカグラはちょうど盛りでした。
