野外手帳
-2022年8月
8月最後の畦道
2022年10月16日記
これが最後の8月の記録です。8月末の畦道です。

夕方になってから歩きました。

ガガイモの花にシロテンハナムグリがついていました。

口のところが凹んでいるのがシロテンハナムグリ。凹んでいなければシラホシハナムグリなので、その識別点を撮ってみます。

ニラの花がもうすぐ咲きそうでした。咲けば蝶たちが集まってくるでしょう。

今季初めてウラナミシジミを見ました。これから数を増やしてくるのでしょう。夏の終わりを告げる蝶です。<
大好きな花の一つです。とても小さいですが、拡大してみると本当に美しいと思います。マクロレンズやパピリオが活躍します。

こちらは春から秋まで見られるヤマトシジミ。カタバミが食草っていうのはラッキーですよね。どこにでも生えていますから。

その他見かけた虫たち。カメムシはブチヒゲ、ハゴロモはベッコウ、蛾はシロオビノメイガ、ハエはミズジミバエと考えてみました。

水田で採食していたムクドリに飛ばれました。幼鳥も混じっていました。
アメシロ退治
2022年10月16日記
8月下旬、庭木(ハナミズキ)にアメシロがいるから退治してと頼まれました。

こうしてみるとなかなかかわいいんですけどね。申し訳ないですが、駆除いたしました。
フォトジェニック畦道
2022年10月16日記
10月半ばですが、まだまだ8月の話が続きます。8月下旬、蒸し暑い日でした。

雨に濡れたヒルガオの上にオンブバッタが乗っていました。

こういうの見つけるとすごく嬉しくなります。

畦道を抜けた先の住宅地のアスファルトで、オナガサナエを見つけました。カメムシはチャバネアオです。

アカツメクサで吸蜜するツバメシジミ。普通種ですが、ここらではあまり見かけないです。年に数回程度です。

いつもキカラスウリの花が咲いていたフェンスはきれいにされてしまいましたが、違う場所で咲いているのを見つけました。このフェンスに残されたつる植物の葉っぱを、なにかいないだろうかとめくっていたら、「花の写真ですか」と柴犬を連れた方に声をかけられました。「虫を探しているんです」と答えると、「いい趣味ですね」と言ってくれました。カメラを持ってうろついているのは怪しまれるんじゃないかと思っていましたが、こういう見方をしてくれる方もいるということです。

田んぼにはオモダカ。

休耕田にシロバナサクラタデ。

用水沿いにヤイトバナ。

ノブドウ。撮るものに困らない美しい畦道です。
昔犬を飼っていた時、両親が犬がいると歩く理由ができるというようなことを言っていました。否が応でも運動になるという意味だったのだと思います。私の場合は、カメラを持てば散歩する理由になります。最近は近距離観察性能が高いパピリオを導入したので、なんてことのない畦道歩きが、なおさら楽しいです。
戸隠8月3回目のキノコ
2022年10月10日記
「虫と鳥」編の次はキノコ編、これで最後です。

ますます大きくなるハナビラタケ。下のコバノフユイチゴと比べると巨大さがよくわかります。

そのコバノフユイチゴの葉を傘にしたイグチ系。

カイメンタケの幼菌っぽいですけど…。キノコの同定は遠い昔にあきらめていますので、以下写真だけ。

戸隠8月3回目の虫と鳥
2022年10月10日記
戸隠8月3回目シリーズ、「花と蝶」編、「蛾」編に続きまして、虫と鳥編です。

いつも直翅はスルーするのですが、あまりに存在感があったので調べてみました。前脚に赤い部分があるのでヤマクダマキモドキと考えました。
次は半翅。セミはもういませんでした。

丸っこい全身グリーンのカメムシはツヤアオカメムシでよさそうです。
甲虫類です。

久しぶりに見たカメノコテントウ。

テントウムシハンドブックはあまり活用できていません。テントウムシ類を観察する機会があまりないというか見逃しているというか。でもさすがにこれだけ大きいと老眼でも発見は容易です。

ルリハムシでしょうか。

遠かったヨツスジハナカミキリ。
続いてはトンボ。

アキアカネ。

アオイトトンボ(またはオオアオイトトンボ)。
最後に鳥。

撮影できたのはアオゲラ。ほかには、アカハラ、コガラ、ヒガラ、コゲラ、カワラヒワ、イカル、アオジ、ノスリを確認しました。

水色の卵の殻が落ちていました。水色の卵というとすぐムクドリを思い浮かべますが、ここでムクドリを見たことはありません。
卵図鑑は持っていませんが、昔懐かしの保育社の原色図鑑に卵の図版が載っていたのを思い出して、本棚の奥から引っ張り出してみました。
すると、アカハラの卵は斑入りの水色であることがわかりました。アカハラはここでは多い鳥でその点で矛盾はありません。なのでアカハラの卵と考えてみました。
戸隠8月3回目の蛾
2022年10月10日記

マルバダケブキで吸蜜していたのはツバメエダシャクの仲間。

識別のポイントの一つは顔ということがわかっていたので、そこはしっかり写真に撮って、家に帰ってから調べました。

上半分がオレンジで下側は白いことから、シロツバメエダシャクである可能性が高いことがわかります。
・フトスジツバメエダシャク:顔は白
・シロツバメエダシャク:顔は白+オレンジ
・ウスキツバメエダシャク:顔はオレンジ
・ノムラツバメエダシャク:顔はオレンジ
・コガタツバメエダシャク:顔はほぼ白
・ヒメツバメエダシャク:顔はほぼ白
他にもこの画像から触角が櫛状になっていることがわかりますが、この仲間でそのような触角を持つのはシロツバメエダシャクのオスだけということなので、確定できました。

シロオビクロナミシャク。

ヒメマダラエダシャクと考えました。

これもヒメマダラエダシャクでしょうか。自信がありません。

クロホシフタオかヒメクロホシフタオ。前翅の凹みがあればクロホシです。他の画像を見ても凹みがあるかどうか微妙で、区別が付きません。

美しいアオシャクです。未同定。

これも未同定です。
戸隠8月3回目の花と蝶
2022年10月10日記
一時期のパワースポットブームも去りつつあるようで、異常な混雑はなくなってきました。一時期は戸隠を避けていたのですが、その必要はなくなってきたようです。

それでも駐車場にはある程度の数の車が止まっているのですが、園内に入ると、車の数に比べて人影はまばらです。多くの人は園内を素通りして奥社参道に向かっているものと思われます。というわけで静かな森歩きができた今夏でした。

ノブキが結実して、星座を形成しつつありました。さながらプレアデス星団です。よく見ると宇宙人(アカアシカスミカメ)が宇宙空間に浮遊していました。

光を受けるズダヤクシュの実。

前回もそうだったのですが、コバノフユイチゴの実があちこちにびっしり。

この時季に見ておきたいオオシラヒゲソウの開花が始まっていました。まだ数は多くなかったです。

レンゲショウマの開花もさらに進んでいました。

ツルリンドウ、ゲンノショウコ、ミゾソバ、レイジンソウ。
以下は蝶です。

ミヤマカラスシジミ。日本固有種なのですね。ここで見かけるのはたいてい1頭で、個体数は少ないようです。

逆光で、しかもこの1枚しか撮れなかったのではっきりしないのですが、これはアサマイチモンジでいいでしょうか。

ミドリヒョウモン。

オオウラギンスジヒョウモンかウラギンスジヒョウモン。逆光で羽が透けてしまうと頼りにしている前翅角の暗色部もはっきり見えず、よけいによくわかりません。

クロヒカゲ。

別個体ですが、珍しく翅表を見せてくれました。

前翅の紋が方形でないのでヤマトスジグロシロチョウでいいと思います。

今季は観察機会があまりなかったミヤマカラスアゲハ。

この日は木道上での吸水行動をじっくり見ることができました。翅の美しさに息を呑みました。

すごい蝶です。蛾編はこちら。
低山雨上がり
2022年10月10日記

8月の雨上がり、低山歩きの記録です。

この山はツリバナが多いです。

この山では例年この実にキバラヘリカメムシが取り付いているのを見ます。ツリバナ好きなのか?と思って検索してみると、ニシキギやマユミ、ツルウメモドキという例も多いようです。

晩夏の花々。

暗い林床に輝いて見えたのはヤブランの花です。

そこにセミの抜け殻が雫をまとって取り付いていました。

まだ8月でしたので、山の中はセミの声に満ちていました。これはミンミンゼミ。アブラゼミも鳴いていました。

あちこちで見かけたオジロアシナガゾウムシ。

ミヤマアカネ。

オオミズアオ。久しぶりに見たので嬉しかったです。

ヒトリガの仲間。翅がよく見えなかったのですがシロヒトリでしょうか。

最後に大きなキノコを見てこの山を降りました。その頃には雨はすっかり上がっていました。
再びゴマシジミ
2022年10月10日記
今日は10月10日、体育の日…いやスポーツの日でありますが、まだ8月の記録が続きます。
この夏の思い出にと、もう一度ゴマシジミを見に行きました。小雨が時折降る中、3頭を観察しました。





来夏の再会を。
8月午後
2022年10月9日記
長野県にはあまり影響がなかった台風、でも空にはまだその余韻が残っていたそんなとある8月の午後でした。

畦道で見つけたのは、ベッコウハゴロモ。

そのすぐ近くで見つけた謎の物体。何かの卵嚢でしょうか。

キカラスウリ。残念ながらこの後、これが絡みついていたフェンスがきれいにされてしまいました。所有者からすると当然ですが邪魔者扱いです。

一緒に咲いていたヤイトバナも当然なくなってしまいました。

がんばれゴマシジミ
2022年10月9日記
まだ8月の観察記録です。
絶滅危惧U類とはいえ、本州以南、そして長野県に限れば状況はかなり悪いと言えるでしょう。県内で確実に見ることができるのはごく限られた場所だけです。

その貴重な蝶を、この夏も見てきました。

今夏、この場所では40頭ほどが確認できたそうです。この日、私が見ることができたのは4頭でした。

いつまでもゴマシジミの姿がこの場所で見られますようにと、願わずにはいられません。

「がんばれ」と表題には書きましたが、それはこちらの気持ちの持ち方の話であって、彼らはこんな人間の思惑とは全く関係なく、尊く命を輝かせていました。
レンゲショウマが咲いた頃
2022年10月8日記
ほぼ2ヶ月遅れです。まだ8月半ばの記録です。

これを書いているのは朝の気温が一桁になった日ですが、まだ時季的には盛夏の戸隠です。

ただ夏はすでに去りつつあることは明らかでした。レイジンソウがそれを教えます。

晩夏の花々。ミゾソバは里では完全に秋の花ですものね。

終わりかけているシキンカラマツも秋告げの花です。

たくさんのキノコはそれこそ秋っぽい感じです。左上だけわかります。ハナビラタケ。

植栽ながらもこの時季のこの森のスターと言えるレンゲショウマ。すばらしすぎです。

これも植栽のソバナ。

ハサミムシの仲間がくっついていました。

こちらは植栽でない花。ノブキ、ヤマオダマキ、ジャコウソウ、エゾアジサイ。

これはタチアザミでいいんでしょうか。

林床にはコバノフユイチゴが赤い姿を見せていました。

結構びっしり実っていてアングルによってはかなり見事です。

この赤い実はトチバニンジン。

蝶はまだ夏という感じがします。このあたりの感覚のずれはちょっとおもしろいです。これはアサギマダラ。

ウラギンスジヒョウモンかな。

ヒメキマダラヒカゲ。

この時季は最も個体数が多いと思われるサカハチチョウ。

相変わらずかっこいいクロヒカゲ。

目に見える(昼行性の)蛾としては最大多数のシロオビクロナミシャク。敏感で撮りにくい種ですが、吸蜜中は多少警戒心が薄れるようです。

未同定の蛾。少しくやしいです。

鱗翅以外ではカワトンボの仲間。

アオモンツノカメムシでしょうか。

最近は鳥を見るというより虫に気持ちが偏りがちです。これはそろそろ引き上げようかと思ったときに、割合近くに来てくれたゴジュウカラです。ほかに、コガラ、ヒガラ、アカゲラ、ウグイス、アオジ、アカハラ、カルガモを観察しました。
花の木道
2022年9月24日記
「高層湿原そしてキヌガサソウ」の続きです。10年ぶりのこの湿原歩き、たくさん見かけたのは以下の2種です。

モミジカラマツ。

イブキトラノオ。
花ではないですがサンカヨウの実がとても多かったです。

時期が合えば花もいいだろうなあと思いました。実も色がきれいですよね。食べられるそうですが、試したことはありません。

この花は初めて見ました。

近くにいたご夫婦にレイジンソウですよと教えてしまいましたが、オオレイジンソウでした。ごめんなさい。トリカブトの仲間であることがよくわかる花の形です。

ミソガワソウ。現地では名前がわからず帰ってから調べました。木曽川支流の味噌川由来の名前だそうです。初めて見たような気がしますがシソ科の花でこれに近い色や形の花は結構あるので、これまではスルーしていたかもしれません。

オニシオガマ。

これは同定に苦労した花で、もちろん初見。クロバナロウゲだと思います。苦労したと書いてしまいましたが最後はグーグル検索が決め手になりました。
そして、秋の訪れが近いことを感じさせた花。

リンドウです。エゾリンドウかオヤマリンドウかはよくわかりません。ここではエゾリンドウとしておきます。エゾリンドウは脇にも花がつく、てっぺんに花がつくのはオヤマリンドウと覚えていたのですが(手持ちの図鑑は全てそう)、ネットにはそうでない例も載っています。それがこれまで信頼して同定にも使ってきたサイトなので混乱してしまいます。

なかなか見事。

そのすぐそばにはタテヤマリンドウも咲いていました。これは秋の花というわけではありません。

そしてトリカブトの仲間。やはりここでは少し秋が早いようです。
少し標高を下げてみると花の様子が変わります。

カニコウモリ。

そしてタマガワホトトギス。

戸隠だと7月の花。上では秋の気配を感じていたので、一気に季節が巻き戻った感じがしました。
虫もやっぱり少し違って―

フタスジハナカミキリ。これはスマホ撮影。

クロヒカゲ。

高層湿原そしてキヌガサソウ
2022年9月24日記
8月上旬、いつもより少し遠出して、某高層湿原を歩いてみました。ここは久しぶり、野帳を見ればなんと10年ぶりでした。

木道を歩いていきます。コバイケイソウをかき分けるようにして進みます。

コバイケイソウはもう結実していました。8月の初めでも山ではもう夏の終わりが見えていました。

高層湿原で見たいトンボといえばこれ。カオジロトンボです。上の画像はオス、下の画像はメスです。

木道の上にはこんな風景も。↓

バッタの仲間、かなり小さかったのでまだ幼虫でしょうか。こうして集団でいるのは初めて見ました。

飛んでいた蝶の9割以上はこのヒメキマダラヒカゲでした。これは少し意外です。高層湿原を歩く機会は結構ありますが、ほかではヒョウモン系が多い印象なので。

ミヤマ?と思って撮ってみました。家でPC画面で確認するとモンキチョウでした。里からこんな高いところまで、この蝶の生活圏は広いなあと思います。

ウソがいました。その他、ルリビタキ、メボソムシクイ、キジバト、クロジを確認。キジバトもモンキチョウみたいに生活圏が広いですね。

さてこのカタツムリは難題です。カタツムリハンドブックから、山岳種のチャイロヒダリマキマイマイと考えてみましたがどうでしょう。

高層湿原ならではの風景の中を気持ちよく歩いていきます。

点在する池塘。

もう少し天気がよければと少し思ってしまいましたが、十分開放的。

花もまだ残っていました。

ヒオウギアヤメ。

モウセンゴケ。

イワイチョウを撮ったらピドニアが入り込んでいました。撮ったときには気づきませんでした。

イワショウブにもピドニア。

今回はマクロレンズを持っていかなかったので、スマホでいろいろ撮りました。左上はアオジョウカイでいいでしょうか。あとはわかりません。

高層湿原から少し山道に入ったところでキヌガサソウを見つけました。ああ久しぶりに山に来たんだなと感じました。

今回はこのキヌガサソウとの再会が一番よかったかもしれません。花の話が長くなりそうなので、つづきはこちら。
アカセセリなのかどうか
2022年9月23日記

某ゲレンデ歩き。

ホオジロがいました。目的はここでも蝶と蛾です。

この間の林道と同じく、気づくのが遅れてしまって飛ばしたキベリタテハ。リフト施設の鉄骨の上に止まったままずっと降りてきませんでした。あまり飛び回らない蝶なのでしょうか。

少し前に山で見たシロテンキヨトウに似ているな…と思いながら検索するとショウブヨトウという名前に行き着きました。標高からするとタカネショウブヨトウと思われますが、観察だけではその区別はできないそうです。

さてこのセセリです。前にも別のゲレンデで見たアカセセリと特徴が一致するように思います。その時も書いたように、アカセセリは「現存生息地が非常に限定される」(「」内引用:フィールドガイド日本のチョウ2012年誠文堂新光社)とのことなので、一夏に2回も見てしまっていい蝶なのかどうかです。
オオトラフコガネに感激
2022年9月23日記

亜高山帯の森。

高山植物というのには少し微妙な気がするカニコウモリは、コマクサとか見る前から知っていたものを除いて、初めて現場で覚えた花の一つです。なんてことはない地味な花ですけれど、樹林帯の歩きではすごく印象に残る花なのです。

朽ちかけのオニノヤガラがありました。

ゴゼンタチバナはすでに結実。ここではもう夏の終わりが見え始めていました。

その他の花々。
今回一番嬉しかったのはオオトラフコガネを初めて見ることができたことです。

すごく珍しい種類というわけではないのでしょうが、これまで縁のない図鑑でしか見たことがなかった虫でした。

お腹側もこんなに美しい。今日はここに来てよかったと思いました。

オオトラフコガネと一緒にいたハナカミキリ。初めて見ましたがブチヒゲハナカミキリでいいと思います。

ハナカミキリ類の中で圧倒的に多かったのはニンフホソハナカミキリ。

飛んでいるとハエとかアブのように見えます。

このあたりはよくわからないのですが、ツヤケシハナカミキリあたりかと思います。艶消しが特徴とネットにはありました。そんなに艶がないわけでもないです。

マルガタハナカミキリ。こっちのほうがはるかに艶がない。

ヨツスジハナカミキリ。艶はある。

カラカネハナカミキリ。艶があるというよりピカピカの金属光沢。
これとそっくりに見えるのにハナカミキリの仲間でさえはないというのが下。

アオハムシダマシだと思います。似すぎている。

そして美しい。

フタオビヒメハナカミキリ。ピドニアの中では唯一と言っていいほどわかりやすい。

そしてこのピドニアはお手上げです。
鳥はメボソムシクイ、ウグイス、ルリビタキ、オオルリ、コゲラ、コガラ、ミソサザイを観察しました。
池を目指して歩いた夏の日
2022年9月23日記
大雨洪水警報が出ている秋分の日に、やっと8月半ばまでの写真整理を終えました。ということでやっとアップできます。これは8月上旬の林道歩きの記録です。

目的は探蝶探蛾です。

こんなでっかいキノコがありました。手前のゴゼンタチバナの葉と比べてみると大きさの見当がつくと思います。種名は不明です。

まずはアサギマダラ。個体数は少なかったです。安定の美しさです。この花(ヒヨドリ系)は多くの蝶を集めていました。

オオウラギンスジヒョウモン。

ヒメキマダラヒカゲ。ここの林道はこの蝶が非常に多い印象があったのですが、今回はそうでもありませんでした。

ヤマトスジグロシロチョウでいいと思います。

ちょっとここには似合わないなあと思ってしまったベニシジミ。

ツバメエダシャクの仲間。顔がオレンジ色でそれほど大きくないので、ノムラツバメエダシャクと考えてみました。

手にも乗ってもらいました。

かなりたくさんいた吸蜜する蛾。ハグルマエダシャクと考えました。

ウツボグサにはイチモンジセセリ。
続いて花以外で見かけた鱗翅たち。

久しぶりに見たエルタテハ。かっこいいです。

キシタエダシャク。

これは未同定。
この林道の行き着く先はこの青い水面。

現実離れした青さに息を呑みます。この青い水面をご存じの方はもうどこの林道かおわかりでしょう。


この池の先は登山道になります。かつては登った道ですが、もう登れないかなと思っています。

空振りの日
2022年9月3日記
昨年ルリモンハナバチを見たポイントに寄ってみましたが空振りでした。
ウグイスとサンショウクイが鳴いていました。上空にノスリ。花にはオオハナアブとキタキチョウ。アスファルトにクジャクチョウ。

イナゴ系と最近あまり見かけないノシメトンボ。
戸隠虫見
2022年9月3日記


実をつけた植物を多く見かけて、花だけではなくこちらでも夏の終わりの気配を感じます。

今回は蝶以外の記録です。まずはシロオビクロナミシャク。個体数は大変多いです。

ただし非常に敏感、マクロレンズでは撮れません。今回は吸蜜している個体が多く、比較的近寄れたほうでした。

こちらはよく似ていますが、後翅端に白紋が並ぶのでシラフシロオビナミシャクでいいと思います。

ややこしいので和名はシラフシロオビクロナミシャクにしてほしいです。なぜクロを省いたのか…。もう一つ似た種類に、シロホソオビクロナミシャクってのもいます。こちらにはクロを残しているのに。
そしてこれはすごく久しぶりに見たキベリタテハ。気がつくのが遅くて、飛ばれて木の枝に乗ってしまいました。なかなか動いてくれず、近くで撮るのはあきらめました。遠くて残念、もっとじっくり観察したかったです。

その他の蛾。左上は図鑑とかなり違っていて同定に苦労しましたが、ツマキエダシャクと考えました。以下、イカリモンガ、シロシタホタルガ、ツバメエダシャクの仲間です。ツバメエダシャクの仲間は遠すぎて大トリミングでもこの程度で、顔の色などはわかりませんでした。

アオイトトンボ(またはオオ)。眼が美しすぎます。

ノブキの花にアカアシカスミカメ。

同定スルーの直翅類。すみません。

ハナビラタケしかわかりません。この株は見るたびに大きくなっています。
戸隠蝶見2
2022年9月3日記

「戸隠蝶見」の続きです。

もう晩夏から初秋を感じさせる花々が咲いていました。
前記事の「戸隠蝶見」はタテハチョウばかりだったので、アゲハに登場してもらいます。

というわけで目が覚める美しさのミヤマカラスアゲハです。

やっぱり気分が上がります。

常に羽ばたいて吸蜜するので、撮るのは難しく感じます。吸水シーンのほうが撮りやすいですけど、今回はここでしか見られませんでした。

続いてはシジミチョウ科から、ミヤマつながりでミヤマカラスシジミです。数を減らしている蝶のひとつということで、ここでもいつも見られるわけではありません。

シジミチョウの仲間は眼がかわいいですね。

ルリシジミでいいでしょうか。この手の(素人目には)特徴がつかみにくいシジミチョウの同定がどうにも難しく感じます。

ルリシジミのメスにしては、図鑑に比べて青みが強すぎると感じますが、webではこのくらい青いのも全然ありのようです。

ゴイシシジミ。脚がかわいい。

シロチョウ科からはスジグロシロチョウ。前翅黒紋が四角くて翅脈に接しているので、ヤマトではなくスジグロでいいと思います。

戸隠蝶見
2022年9月3日記

8月の戸隠森林植物園です。

一輪だけレンゲショウマが咲いていました。ここのは植栽です。でも手軽にこの花を見ることができるので、ありがたいです。

鳥的には声も姿もまばらでした。アカハラ、ウグイス、ヤマガラ、コガラ、コゲラ、キジバトなど。ハチクマが上空を飛ぶのを見ました。
鳥を見ることが難しいので、8月の戸隠森歩きは必然的に蝶見となります。蝶の場合は探して歩くというより、花のある場所で待っていると次々に現れるという感じなので、「探蝶」ではなく「蝶見」という表現がぴったりです。

オオウラギンスジヒョウモン。色合いを図鑑と合わせてみるとウラギンスジヒョウモンっぽいのですが、同一個体の下の写真では、前翅表の性標は3本なのでオオウラギンスジヒョウモンと考えました。

web検索してみると、前翅裏面先端の色が暗色になるのもオオウラギンスジヒョウモンの特徴みたいです。

でもやっぱり難しい。

ミドリヒョウモンはわかりやすくて好きです。

オスはあんまり「ミドリ」じゃないですけど、メス(下)はまんまミドリです。

メスはこれまではあまり見かけなかったのですが、飛び回る時期が少しずれているのでしょうか。

戸隠ではあまりみかけないコヒョウモン。

タテハチョウ類は翅裏がなかなか魅力的な種類が多くて、コヒョウモンもそのひとつです。

スマホでも撮影できるほど近くで観察できました(この写真はスマホのものではありません)。

同じく翅裏魅力種のサカハチチョウ。

数は多いです。

ヒメキマダラヒカゲ。

ヒメウラナミジャノメ。
まさかのアカセセリ?
2022年9月3日記
8月のゲレンデ歩きです。

もう朝夕はめっきり涼しくなってしまって、この夏の日はもう思い出の一部分になりつつあります。

この日は上には登らず、ゲレンデを横切っている林道に入ってみることにしました。

さて問題はこのセセリです。とりあえず撮ってきて図鑑と合わせてみると、アカセセリっぽいです。でもアカセセリは絶滅危惧U類で、しかも図鑑の記述だと「現在生息地は非常に限定される」(引用:「フィールドガイド日本のチョウ」誠文堂新光社2012年)とのこと。そんな蝶を見たことにしていいのかと少々自信がありません。


この場所ではたくさん見られるジャノメチョウ。ストロボをオンにしていると、プレ発光で飛ばれてしまい、まともに撮れないことがわかりました。

クロヒカゲ。

トラフシジミ。

ルリシジミでいいと思います。

コヒョウモン。

道端にたくさん咲いていたのはシシウドかな。この手のセリ科の花の同定もできるようになりたいですけど、なかなかそこまで時間がありません。

ここにはキアゲハの芋がついていました。
ヒメシジミや(タカネアオハバチ→)タケウチアオハバチなど
2022年8月27日記
「マルバダケブキの蝶と蛾」「ノアザミの蝶と蛾」「赤と紫の花」の続きです。

黄色の花。マルバダケブキ、アキノキリンソウ、ハクサンオミナエシ、シナノかどうかはわからねどとりあえずオトギリソウ。


オレンジ系のコウリンカとネバリノギラン。

白系。ヤマハハコ、オオヤマフスマ、コバノイチヤクソウ、ウメバチソウ。

ウスユキソウ。この花は見た目の地味さに反して案外虫に人気です。

ニンフホソハナカミキリがいました。見た目が地味と書いてしまいましたが、それはあくまで人間目線の話で、虫からはどう見えているのでしょう。

セリ科の花にもニンフホソハナカミキリがいました。

その他の虫の紹介。キアゲハ。セリ科の植物は山には多いので、もっといてもいいと思うんですが、それほど見かける機会は多くありません。

一度だけ遠くに見かけたヒメシジミ。準絶滅危惧種です。

見事な擬態のオオヒサゴキンウワバ。先月も一度観察機会がありました。その時は盛んに吸蜜している姿で、今回はまったく印象が違いました。

美しい緑色のハチがいました。眼が青いのもまたすばらしいです。タカネアオハバチと考えてみました。
→twitterにアップしたところ、風信子(かのこ)さんよりタケウチアオハバチと教えていただきました。タカネアオハバチは頭部の黒い紋がH字、タケウチアオハバチはW字ということで、この個体はW字です。

黒い紋の形がわかりやすいように大トリミングしてみました。

バッタはわかりません…。
赤と紫の花
2022年8月27日記
「ノアザミの蝶と蛾」のつづきです。今回は主に赤・紫系の花の紹介です。

イブキジャコウソウが咲いていました。

ここにもコヒョウモンが来ていました。

個体数でいえばここではコヒョウモンが一番多い蝶かもしれません。

ここにも山地性の蛾、シロテンキヨトウがいました。

赤系の花がたくさん。カワラナデシコ、シャジクソウ、シモツケソウ、トモエシオガマ。

中でも多かったのはハクサンフウロ。

後ろになにかいます。おそらくニンフホソハナカミキリ。

マツムシソウ。

あまり花に来る印象がないベニヒカゲ。吸蜜もするんですねという感じです。一緒に写っているのはカラカネハナカミキリ。

クガイソウとコヒョウモン。

ワレモコウとカニグモの仲間。ヤミイロカニグモでしょうか。
ノアザミの蝶と蛾
2022年8月27日記

マルバダケブキに続いては、ノアザミに来た蝶と蛾を撮ってみました。アザミの同定には自信がないので、ここでは一律ノアザミとしておきます。

この日の目当ての一つ、キシタギンウワバ。ここに来ると比較的高い確率で見ることができます。本州では亜高山帯の蛾。この響きだけでお酒が飲めます。

後翅の鮮やかな黄色と、前翅の枝分かれする白紋がすてきです。

さて、この人には初めて会いました。後翅はそんなに黄色くないし白紋の形も違いますが、キシタギンウワバと同じヤガ科キンウワバ亜科と考えて、タンポキンウワバとしてみました。もしそうであればこの蛾も亜高山性なので、もう一杯飲めます。

さらにこの人も初めて。シロテンキヨトウと考えてみました。これも山地性の蛾です。

ウラギンヒョウモン。マルバダケブキでは翅裏が撮れませんでしたが、こちらではばっちり。

アカタテハ。サカハチチョウなどとも通じるこの翅裏模様は芸術的です。

遠かったけどクジャクチョウも1頭だけノアザミで見ました。

ノアザミ編の最後はオオチャバネセセリ。つづきあります。
マルバダケブキの蝶と蛾
2022年8月27日記
上にありますようにこれを書いているのは8月も末ですが、ここからようやく8月の記録です。夏は鳥の姿を見ることが難しいので、以前だったら山歩き、最近では虫見、特に探蝶探蛾です。蛾は、ライトトラップまでして見る元気はなく、昼行性の種や昼間葉に止まっているものだけにしています。そうしないと同定作業が大変なことになりますので。

今回は花に集まる蝶や蛾の話です。まずはマルバダケブキから。人間の目にはとても存在感のあるこの花、昆虫にもかなりの人気です。

最初に見たのはコヒョウモン。良い蝶です。効率が悪そうな飛び方も好きです。

翅裏もすてきです。というか翅裏が好きです。

ウラギンヒョウモン。この蝶も翅裏が好きですが、マルバダケブキ絡みでは撮れませんでした。

ここでは1頭しか見かけなかったアサギマダラ。

マルバダケブキが少し似合わない感じがするヒメキマダラヒカゲ。

マルバダケブキにはもっと似合わないイメージのクロヒカゲまでやってきていました。

そして蛾。シロシタオビエダシャク。山地性の蛾みたいです。

きれいです。
