野外手帳
-2021年4月
ホタルカズラ

4月下旬のいつもの近所の森。前回と同日ですが、時間帯は別、歩いた範囲も別エリアです。

目当ての一つは林縁に咲くホタルカズラ。咲いていた場所の大半が工事で失われてしまいましたが、手が入らなかった場所では、かえって増えている印象がありました。ちょっとほっとしました。

こちらのウワミズザクラは開花が進んでいました。

この花には見覚えがなく、帰ってから検索してみました。よくわからないですがアオダモの仲間っぽいです。気にしてみると、他の場所でも咲いていることに気づきました。

この花はこの森で多く見られます。アイズシモツケだろうということで毎シーズン流してしまってきましたが、検索してみると葉っぱも雄蕊も違うんですよねぇ。科がぜんぜん違うガマズミの仲間っぽい気もします。

写真に撮れたのはイカルぐらいでしたが、16種類を確認しました。この日は、今年の冬にはあまり見かけなかったシメが、ようやく登場したという感じもありました。

林縁の畑で砂浴びをしていたスズメ。

その脇に咲いていた野草。ノヂシャ、コメツブツメクサ、ヘビイチゴ系、カントウタンポポ系。
2021年5月はじめ記
キビタキ初認
昨日に引き続いていつもの近所の森。久しぶりに早起きして行ってみました。5時半スタートです。

やはり早起きはしてみるもので、歩き始めて早々にキビタキを初認しました。まだ1個体だけ、そして囀りだけでしたが、満足です。他の夏鳥はヤブサメとサンショウクイ。冬鳥ではツグミがまだいました。

サクラ2種。ウワミズザクラが咲き始めです。

タチツボスミレって花期が長いですよね。右はカキドオシです。

よく知らない花を見つけました。家に帰って調べてみると、どうもヤブニンジンっぽいです。この森はもう数え切れないほど歩いているのですがまだ知らない花がたくさんあります。トコロジストへの道は険しいです。

この花もこの森で覚えました(アオキです)。

もうセミが出てきたわけではなくて、これは昨夏からずっとここにいるわけですよね。風雨と雪にも耐えてきたわけですから、素材としてなかなか優秀だと感じます。

あなたはここにはいてはいけません。
2021年5月はじめ記
吹く風爽やか
4月下旬のいつもの近所の森です。すごく爽やかな風が吹いていました。初夏というには少し早いですがまさに「薫風」でした。

色合い的にも、この森が一番美しい季節かもしれません。

ムラサキケマンが花盛り。

林床にはカキドオシが目立ちます。マムシグサが葉の展開を始めていて、ヤマツツジはもうすぐ咲き始める感じでした。

夏鳥では、コサメビタキ、サンショウクイを確認しました。キビタキやオオルリの到着が遅れているのはちょっと気になりましたが、キビタキはこの翌日に初認することになります。
2021年5月はじめ記
夏鳥の道 最後はビロウドツリアブ

カラマツの森の中の道を歩きます。

芽吹きの美しい道でした。花はムシカリ(オオカメノキ)でいいでしょうか。この仲間の識別ができるようになるのも長年の目標のひとつですが、いつもうやむやなまま終わってしまいます。植物の同定ポイントは、頭に入れても入れてもどんどん流れ出してなくなってしまいます。

ヤブサメ、サンショウクイ、ニュウナイスズメと次々に夏鳥を初認しました。道沿いのとある施設の池に、オシドリの番がいて、すげーってなりました。

ホオジロを見かけた疎林で引き返します。

これはセンボンヤリでいいと思います。

ビロウドツリアブです。複眼が離れているのでメスでいいのかなと思います。

こっちはオスだと考えました。
2021年5月はじめ記
これから春めく森

ハロが美しかった4月下旬の某森歩きです。

ここは標高があるので、自宅周辺より春の到来が遅いです。このギャップはすごく長野的で、ちょっと車で走るだけで季節を戻せるのが大好きです。

コガラとヒガラの透明な囀りを聞きながら歩いていくと、クロツグミを見つけました。そのうち歌い始めることでしょう。

大トリミングのコサメです。

例年ならあちこちから聞こえてくるはずのアオジの囀りは、まだ本格的には始まっていない感じでした。ノジコはまだ到着していないようでした。

近くで見られたコゲラ。

美しい蛾ですが、あとで同定します。

花が咲き始めていました。まずはショウジョウバカマ。

アズマイチゲ。

ニリンソウで咲いている株はごく一部でした。まだ多くはつぼみさえつけていませんでした。

湿地にはミズバショウ。

そしてリュウキンカ。

これは後日確かめてみたい葉っぱ。エンレイソウじゃないかと予想しています。

ジンヨウイチヤクソウも楽しみです。
2021年5月はじめ記
月面X20210419
twitterのタイムラインを眺めていたら、この日は月面Xだと知り、慌てて撮った写真です。コーワ774に30倍接眼でコリメート撮影。

Xはここです。

ニコン1を使ったデジスコシステムはもう月面撮影にしか使っていないです。デジスコを鳥撮りに持ち出すのはもう面倒で…。対象の導入とピント合わせがやっぱり難しすぎです。でも来月の皆既日食ではまた活躍してもらいます。
2021年5月はじめ記
エナガの巣材集めと夏鳥の到来
前回から1週間後のいつもの近所の森です。シダの仲間が丸い姿からどんどんと葉を展開させていました。

林縁のソメイヨシノは完全におしまい。でも森の中のヤマザクラはこれからです。
長野県内にはヤマザクラはなくてカスミザクラだと聞いたことがありますが、ここは過去に森ではなかったこともあるようで、自生なのかどうかもわかりません。

サクラの花びらを受け止めるウバユリの葉とネコノメソウの仲間。

この日も夏鳥ねらいでしたが、まず現れたのはエナガでした。よく見るとコケをくわえています。巣材集めのようです。

別の場所では、虫の繭だと思うんですが、そこから糸を引き出す行動を観察できました。背景に引っ張られて露出がオーバー気味なのが悔しいです。RAWで撮っておくべきでした。

静止画だと糸をくわえたままぶら下がっているように見えます。実際には飛び回りながら糸を引っ張っている感じでした。

少し前まではつぼみだったムラサキケマンは花盛りを迎えていました。ウスバシロチョウの登場もそろそろかなと思います。

そろそろくたびれてきた感じのあるタチツボスミレ。この花は花期が長いですよね。

それにしても夏鳥がいないなあと思い始めたとたんにまずはコサメビタキを視認。続いてオオルリの囀りを聞くことができ、両種とも今シーズンの初認となりました。

木の花ではどことなく宇宙人っぽいアオキが咲き始め。

ヤマツツジは早い株がつぼみをつけていました。

ウグイスカグラはまだまだ盛り。

花ではありませんがハリギリ。おいしそうだけど、毎年採らないで撮ることにしています。でも誰かが採ってしまうんですよね。

帰る頃になって現れたのはマヒワでした。この日は大型ツグミもいたのですが、先週までいたシロハラなのか、そろそろ来てもおかしくないクロツグミなのかはわかりませんでした。
2021年4月おわり記
新アケビポイント

サクラの花が終わる頃、見頃を迎える花といえば、個人的にはアケビ推しです。

ここはいつものアケビポイント。

そしてこの日はいろいろ歩き回っているうちに、新しいアケビポイントを2ヶ所も発見してしまいました。

前からのポイントが実は同僚の家のすぐ近くということが判明したので、カメラを構えて変な場所で写真を撮っているのを見られる危険性があり、新しいポイントを今後は積極的に活用していく所存です。

2021年4月おわり記
サクラの終わりと芽吹きの始まり

前回に続き、4月中旬のいつもの近所の森です。これを書いているのは4月の末日です。この頃はまだシダレザクラが咲いていたんだと、画像を見て思い出しました。4月はあっという間に去っていった感じがします。

ソメイヨシノもまだなんとか残っていて、盛んにヒヨドリが吸蜜をしていました。

森の外縁部ではキジバトが歩いていたり。

スズメが巣を作る場所を物色していたり。

森の中はヤマザクラ系と新緑のコントラストが美しかったです。

今回も前回と同じく、夏鳥は確認できませんでした。

他の鳥の写真もあまり撮ることができず、代わりに光る芽吹きにレンズを向けました。

蝶ではキタテハ。

そして翅が傷んでいてよくわからないのですが、たぶんシータテハを見ることができました。

2021年4月おわり記
クロジがいました

4月中旬のいつもの近所の森歩きです。そろそろ夏鳥の渡来が…と期待して歩きましたが、結果的にはまだでした。

この地鳴きはもしかして…とあたりをていねいに探してみたらクロジのオスを見つけました。このブルーグレーは本当にいい色です。双眼鏡からカメラに持ち替えている間に茂みに移動してしまったので、上の画像には辛うじて写っているというところです。ぱっと見ではとてもわかりませんよね。

オレンジの円内にくちばしが見えるのがわかるでしょうか。これでもまだわかりにくいので等倍近くで切り出してみます。

これは写っているとは言えないかもしれません。
でもクロジは好きな鳥なので、見られてとても嬉しくなりました。これだけでも今日はこの森に来てよかったと思えました。

TwitterのTLでは、今季はマヒワの当たり年だという話が多いです。当地では当たり年かどうかはわかりませんが、毎シーズンこの時季にマヒワが飛来しています。

とても活発だったのはヤマガラです。聞こえてくるさえずりの大半はヤマガラでした。

その他、ヒヨドリ、キセキレイ、メジロ、カワラヒワ、イカル、スズメ、シジュウカラ、エナガ、コゲラ、アオゲラ、シロハラ、アオジ、ホオジロ、カケス、ハシボソガラス、トビ、ノスリ、モズ、キジバトなどを観察しました。

森の中は低木を中心にかなり芽吹きが進んで、春らしい色になってきました。

ムラサキケマンも咲き始めです。

虫ではテングチョウを見ました。
2021年4月なかごろ記
サシバ初認

「再びカタクリの山」の続きです。カタクリの次はアズマイチゲポイントへ。

もう言うことなしです。

素晴らしい群生に言葉がありません。

林道歩きではヒガラ、コガラ、ウグイスのさえずりを聞きました。

ダンコウバイの花は終わりかけで、葉が出始めてきました。

見かけた庁はスジグロシロチョウの仲間(同定できていません)。

下山して車道を車まで戻る途中、カシラダカの小群を見ました。オスはもうくっきりした夏羽の姿でした。そしてここでサシバの声を聞きました。

一度車まで戻り、再び登山道へ向かう山麓の道に回ってみると、すぐ目の前にサシバが止まっていました。双眼鏡を構えるまもなく飛ばれてしまったので、飛ぶ姿しか撮ることができませんでしたが、念願のサシバの初認を果たせました。カタクリ、アズマイチゲのお花見と合わせていい山歩きになりました。
2021年4月なかごろ記
再びカタクリの山
「カタクリを見に行く」「カタクリを見に行く2」の1週間後です。

山麓の春色はますます濃くなっていました。

1週間経つと木々の芽吹きもだいぶ違ってきます。

輝くキブシ。

前は咲いていなかったチョウジザクラ。

1週間前はその多くが葉だけだったカタクリポイント1と2では、つぼみの数が増えていましたが、まだ花はちらほらという感じでした。



つぼみのカタクリもかわいいです。

日の当たり方によって金色に光る葉も魅力的です。

頂上直下のポイント3は見頃。素晴らしい光景が広がっていました。

西斜面のポイント4は終わりの始まりといった様子。それでも十分楽しめました。今回は人に会わず、変なアドバイスを受けることがなかったのもよかったです。



カタクリは花の後姿も好きです。
2021年4月なかごろ記
庭の花見

何故か心惹かれるキュウリグサがぽつぽつと増えてきました。放っておいても生えてきて春本番を告げる身近な野草です。

こちらは植栽のトガクシショウマ。今年も咲いてくれました。実生の苗をもらってきて数株植えましたが、残っているのはこの株だけです。キュウリグサとはある意味対象的な野草ですが、同じく我が家に本格的な春の訪れを知らせます。
2021年4月なかごろ記
4月上旬善光寺ポタ

サクラ咲く善光寺。4月上旬のミニベロ遊び。

ここはその名も桜坂。

この時はまだ開館していなかった長野県立美術館。4/10にリニューアルオープンしました。こまなくなる時期を見計らって行ってみようと思います。

2021年4月なかごろ記
カタクリを見に行く2
「カタクリを見に行く」の続きです。

頂上直下のカタクリポイント3でカタクリをじっくり見た後は西斜面に回ります。ここでもカタクリが見事な群生を見せていました。

この里山でハイカーに会うことは普段はほとんどありません。でもこの日は4月始めの穏やかに晴れた日で、10人以上の人とすれ違いました。この山でのたぶん最高記録です。この西斜面で写真を撮っていると、「こっちからこう撮ったほうがいい」と声をかけられました。正直「うっせぇわ」と思ってしまったので、申し訳ないけど無視無言です。

とそんなこともありましたが、全体としてはいいお花見ができました。

林道歩きに移行すると、先程から声が聞こえてきていたヒガラを確認、そしてウグイスの初鳴も記録です。そして目指すはアズマイチゲポイント。

ここもなかなか見事でした。この山でのアズマイチゲは知る限りここだけです。

冬を越えてきたたくましい姿のスジボソヤマキチョウの日向ぼっこを見たら、下山口はもうまもなくでした。

2021年4月なかごろ記
カタクリを見に行く
4月始めの里山歩きは、例年になく暖かい3月をうけてのカタクリ狙いでした。遅い年であれば、この山では4月下旬から5月上旬の大型連休に花期がずれ込むこともあります。果たして今季はどうか。

あともう一つの目的は、この山の山麓でたびたび観察できているサシバの初認でした。結果的にはサシバには会えず、代わりに盛んに鳴き交わして飛ぶノスリを見ることができました。

春色の山麓ではツグミの声もしていましたが、先日初認したばかりのツバメを見ることができました。

山道へと入ります。ルリタテハ。

そしてテングチョウ。コガラの透明なさえずりと遠くからミソサザイの歌が聞こえてきて、すごくいい感じでした。

目当てのカタクリはまだ葉だけが現れている株が多く、つぼみを付けているものは全体の1割り程度でした。見上げるとキブシの花が鮮やか。

キブシの花をついばむヒヨドリを見ました。こんなものも食べるのですね。

カタクリポイント1ではこのような感じでしたが、その先のポイント2も似たような状態でした。頂上直下のポイント3は、標高は上がるものの日当たりのよい場所です。期待しながら足をすすめると、すばらしい光景が広がっていました。

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2021年4月なかごろ記

