過去の野外手帳
-2021年1月
越冬中のフクラスズメ
片付けをしていたら、越冬中のフクラスズメを見つけました。幼虫にはよくお目にかかっていました。成虫は初めてです。というかグーグルレンズ先生に見てもらってフクラスズメと検討をつけることができました。
指に乗せてみるとバランスを撮るために時々翅を広げます。そのときにちらりと見える下翅の青灰色が美しいと思いました。その色は写真には撮れませんでしたが、画像で改めて見ると、上翅にも同じ色の点が散りばめられていることがわかりました。
申し訳ないけどひっくり返してみると、お腹のもふもふがなかなかいい感じで、下翅の色もほんの少しわかります。
2021年2月なかごろ記
いつもの森でノスリとウソなど
1月末のいつもの近所の森。歩き始めてすぐ、木の梢からノスリが飛び立ちました。粉雪が舞う青空を悠然と滑空します。近すぎてフレームアウト。
最後は急降下して木立の向こうに消えていってしまいました。小翼羽がかっこよく撮れました。
雪化粧した山を背景に飛ぶのはハシボソガラスです。
森の中ではシロハラがさかんに落ち葉をひっくり返していました。
あとはカワラヒワとか。
シジュウカラとか。
そしてまたしてもウソを見ることができました。数シーズン分のウソを今季は一気に見ている感じです。次にまたここにやってくるのはどのくらい先の冬かわからないので、お腹いっぱい気味ではありますがとことん見ておくことにします。
2021年2月なかごろ記
冬を越せるのか
青空が気持ちいい畦道を行きます。晴れ、気温は1℃のコンディション。
鳥たちの冬越しも後半戦といっていいでしょう。雪もあと数回積もる程度でしょう、なんとか頑張ってほしいものです。
そう言えば、先日届いた「野鳥」誌に、モズのはやにえについての興味深い記事が載っていました。はやにえはただの保存食だと思っていたので目からうろこでした。もちろん保存食としての役割もあるのですけれど。詳しくは下のリンクから。
モズの『はやにえ』の機能をついに解明!―はやにえを食べたモズの雄は、歌が上手になり雌にモテる―(大阪市立大学)
そして最後にタヌキに出会いました。全く逃げようとしないのでこれまでの観察例から、疥癬かな?と思いましたが、毛並みはあまり傷んでいるように見えませんでした。ただ顔、眼のあたりは正常な健康状態とは言えない感じです。
近づいても藪に顔を突っ込むのが精一杯で、体力や気力はかなり失われているようでした。このタヌキは冬を越せるのだろうかと、少し暗い気持ちになりました。
2021年2月はじめ記
少し春が見えてきた
朝方積もっていた雪は、昼前にすでにこの状態。気温は上がりませんが、日差しはだんだんと強くなっていることを実感する1月下旬です。
ツグミの背景にはオオイヌノフグリの青が写っていました。
そのすぐ近くにはムクドリたちにとって至福の場所。でもこんなことはめったになくて、リンゴ畑の地面にポツポツ残されている実は、見事なまでに食い尽くされています。
皮が破れていないのがすごいと思うんですけど。鳥たちのつつき方って結構繊細なのだと思います。
川沿いで珍しい取り合わせを見つけました。
いつのまにかオナガが消えて、どこに行ったのかと思ったら、現れたノスリのモビング任務に赴いたようでした。
まだまだ寒い日が続いているものの、立春を前に少しずつ春めいてきた畦道でした。
2021年2月はじめ記
またしてもウソ
雪解けの畦道を進んで、いつもの近所の森に接続。お目当てはウソです。毎シーズンここで見られるわけではないので、チャンスの今冬はたっぷり見ておきたいです。
この前見た場所とは少し違う場所で、オス1メス1に会うことができました。
この日は、この森に隣接する庭木で種をついばんでいました。
帰り道も白い里山は美しく、レンズを向けたくなります。
明るさが失われていく風景の中のムクドリの群れ。
塒に帰るハシボソガラスたち。
うっすら色づいた空を背景にしたホオジロを見て、この日の散歩はおしまいです。
2021年2月はじめ記
雪解けの畦道
1月中旬の畦道です。
雪がとけて地面が顔を出し、冬は一段落といった感じの風景でした。
休耕田で食べ物を探すツグミ。
枝止まりのスズメとカワラヒワ。
里では雪解けが進みましたが、里山は雪化粧。
その白い山を背景に、枝に止まるノスリにオナガとハシボソガラスがモビングを仕掛けていました。
2021年2月はじめ記
ウソとミヤマホ
1月中旬の里山山麓です。
今季はウソの当たり年なのか、登山道の入口で、ここでもいきなりウソです。
見られないシーズンがずっと続いてたので、ちょっと嬉しい反面、サクラの蕾の食害が問題にならなければいいなと思います。花見のためにウソを駆除なんて、個人的にはとんでもないと思っていますから。
その他ここではシジュウカラ、写真はありませんがヒガラもいました。
山道を進んで雪の風景の中に入ると、鳥の姿や声はめっきり少なくなり、アカゲラを見た程度でした。
山中のため池がこの日の折り返し地点です。
夏はなんていうことのない小さな池ですが、冬はなかなかいい雰囲気です。
来た道を戻ります。太陽はだいぶ傾いてきていました。
この里山では毎シーズンミヤマホオジロが観察できています。この日も小さな群れに会うことができました。
この場所ではジョウビタキも見ることができました。ルリビタキにも会いたかったです。
登山口近くに戻ると、登り始めに見たウソとたぶん同じ群れに会いました。夕方の光のせいか、より赤く見えました。
車に乗る直前、幻日が見えていることに気づきました。うっすらハロも見えています。
家に帰ってニュースを見ると、この日は各地で幻日や幻日環、環天頂アークなどさまざまな大気光学現象が観察されたようです。鳥だけではなく空の様子にももっと注意してみていればよかったと、少し後悔しました。
2021年2月はじめ記
ウソはいい
再び雪の畦道風景です。
何かを燃やした跡をあさるハシボソたち。食べられるものが雪に埋まっているみたいで、この場所にはかなり執着していました。こういうのを目ざとく見つける賢さはすごいです。
畦道が住宅地にさしかかると、双眼鏡とカメラはバッグの中に入れて歩くことにしています。タイミングよくそれを取り出さないとこういう写真は撮れません。バッグへの出し入れに標準のバヨネットフードは引っかかるので、短めのねじ込みフードに換えました。
畦道から住宅地を経て、いつもの近所の森に接続。
再びウソの群れに会うことができました。これだから、近所の森通いはやめられません。今季はウソの当たり年と言っていい感じです。
警戒心はかなり薄くて近寄ることもできるし、声も柔らかくて雰囲気的にはほんかわしているウソ見でしたが、気持ちとしてはテンションあがりっぱなしでした。ウソはほんといいです。
帰りの畦道ではベニマシコにも会えまして、とってもいい鳥探しの散歩になりました。
2021年2月はじめ記
命輝く雪の畦道
1月中旬の畦道です。8時半、曇、-3℃のコンディション。
まだ獣?しか渡っていない橋を通るのは、なんだか嬉しい気持ちになります。この足跡はその先の道でも私を先導してくれていました。
休耕地のセイタカアワダチソウにはベニマシコの姿がありました。
荒れた田んぼが増えるのは困ったことだと思いますが、ベニマシコなど草の実を食べる鳥にとっては好都合かもしれません。軽井沢の発地なんかも耕作放棄のため見られる種類が増えているわけですし、環境の多様性が増すことだと考えてもいいのでしょうか。
佇むカシラダカ。それにしても、小雪舞う中の小鳥たちの姿は本当にいいです。もちろん鳥たちにとっては厳しい雪なのでしょうけど。
地面から飛び上がり枝に止まって私をやり過ごそうとするスズメ。雪をかぶったリンゴの枝とハシボソガラス。
自然の中で精一杯生きる命の輝きを感じながら、こうして歩けることの素晴らしさを思います。
上はヒヨドリと雪の藪の組み合わせが美しいと思って撮った1枚です。そして凛としたツグミ。
雪景色の中では、ムクドリのくちばしと脚のオレンジ色がとても映えます。
寒くても普通種しかいなくても、歩く価値のあるすてきな畦道です。
2021年2月はじめ記
山が見える生活
根子岳が美しすぎて幸せです。
昼間の白く輝く姿と、控えめな、でも実に美しいアーベントロート。
2021年2月はじめ記
幸せのウソ
1月上旬のいつもの近所の森です。(今年から灯台下暗しの森の表記はやめることにしました)。
ここでは久しぶりのウソの出現です。いやあ今日ここに来てよかった!という感じでした。
もういくらでも見ていられますね。
じっとしていると、枝の上から地面に降りてきて、かなり近くで見ることができました。
至福の時間でありました。
名残惜しかったのですが、日が傾きかけてきたので少し移動。
シロハラを見つけました。
今冬、自分の行動圏内ではかなり少ないアトリ。
夕陽に染まるカワラヒワ。
雲が色づき始めた頃、先程のウソポイントに戻ります。
ウソはまだいました。
草の種をくちばしにつけた姿のなんと愛らしいことでしょう。
たっぷりウソを見ることができて、すてきな森歩きになりました。
2021年1月おわり記
探鳥畦道
1月上旬の畦道です。
気温は-4度と程よく冷え込みました。
晴れて雪が美しく、表面霜がきらめく朝でした。
声を頼りに見つけたベニマシコ。
首かしげのモズ。
いつものスズメ、ツグミ、ムクドリ、ハシボソガラス。
枯れ草の茎をつつくコゲラ。この草薮で複数個体を見たので、案外食べ物が豊富なのでしょう。
実際に見ればちらちら動いて見えるので、どこにカシラダカがいるのかはわかりますが、こうして静止画にしてしまうとすぐにはわかりません。
見事な保護色です。
最後にジョウビタキに会いました。
ただ歩くだけならなんてことのない農道ですけれど、探鳥して歩けば単調ではありません。
2021年1月おわり記
青い光の中の鳥たち
夕方の畦道散歩です。
青く沈んだ風景の中のツグミ。
彼らの夏がどんなものなのかをちょっと知りたい気持ちになります。
みんなで頑張るスズメたち。
寒空に舞う姿の力強い美しさは写真表現ならではのもの。
背景の青い山に絶妙のコントラストを見せるホオジロ小群。そして帳を下ろすハシボソガラス。
2021年1月おわり記
鏡池(戸隠スノーシューその3)
「ミズナラ大王」の続きです。杉が立ち並ぶ奥社参道を横切り、鏡池に向かいました。参道では人に会いましたが、再び森に入ると静けさがやってきます。
勝手に「片流れのスギ」と呼んでいる巨樹に寄ります。枝がない側から見るとこんな↓感じです。
横に回り込むと、片流れ。どうしてこんな姿になったのか想像するのも楽しいです。
この片流れのスギの近くにはブナが数本あるので、ここにも立ち寄って写真を撮ります。
天命稲荷の近くでノウサギを見ました。白い冬毛の姿を見たのは初めてで、しかも2頭も見ることができたのです。とても幸運でした。もちろん写真を撮る時間的な余裕はありませんでした。
さていよいよ鏡池です。
全面結氷しているので池の真ん中まで行ってみました。ここでは先客がいましたが、すぐにまた一人きりになりました。
天気は下り坂で、先程まで見えていた青空は氷上にいる間に急速に色を失ってきていました。
ザックの中に入れて来たパンを食べ、お茶を飲んだら出発です。
というわけで3回に分けて記事にした今回の戸隠のスノーシュー遊び、控えめに言って最高でした。
2021年1月おわり記
ミズナラ大王(戸隠スノーシューその2)
「戸隠スノーシューその1」の続きです。ノートラックのふわふわパウダーを踏み踏み、ここまでやってきました。
スノーシューを初めた頃、この巨樹の存在を知らないまま偶然たどり着いて、そのスケールに圧倒されたのです。その後、この樹がミズナラ大王と呼ばれていることを知りました。
このサイトでは、レイアウトデザイン上基本的に画像は正方形にトリミングしてあるのですが、それではちょっと収まりきらないので、今回はノートリミングです。
一昨年、近くの飯綱高原では強風によって大量の倒木が発生しました。このミズナラ大王だって、いつ倒れてしまうかわかりません。いつまでこの姿を見ることができるのかと考えると、毎冬の出会いが貴重だと思います。
この後、鏡池まで行ってきました。
2021年1月おわり記
戸隠スノーシューその1
1月4日から仕事始めでした。しかし一日出勤しただけで早々に有給を取得してしまい、戸隠の雪の上にいました。奥社参道入口から冬の森に入ります。
気温はマイナス2℃。薄い手袋でも寒くないくらい、それでいて雪はふわふわのパウダー。
平日効果で人は全くいなくて、至福のスノーシューイングです。先行者のトレースもなく、もうとてつもなく贅沢な気分です。
キバシリとゴジュウカラの声、そしてゲレンデから遠くアナウンスが聞こえてくる以外、静かな雪の森です。
目指すはミズナラ大王です。でもそこに至るまでも魅力的な樹がたくさん。そのたびに立ち止まってシャッターを切るので、なかなか進みません。
広葉樹が多い中、モミの木の姿は目を引きます。下から見上げたときの、放射状に広がった枝とそこに積もった雪とのコントラストが魅力的です。
雪を乗せた枝ぶりがもうたまりません。有給をとって本当に正解でした。仕事的には微妙でありますが。
次回はミズナラ大王編です。
2021年1月おわり記
用水沿いを歩く
前回の「雪景色の中の鳥たち」の続きです。1月3日の畦道探鳥記録です。
用水沿いにやってきました。見上げる梢の先にはイカルの小群。
ほとんど人が通らないせいか、用水の流れにコガモが潜んでいることがあるのですが、今冬はまだ見かけません。代わりにいたのはキセキレイ。
三面コンクリ張りの部分ですが、逆光の水面の波紋が背景になって、写真的にはなかなか美しいです。ここでアオシギを見たこともあるのですが、その時以来再会できていません。
カワセミには1月1日に続いて会うことができました。いつでも見られるわけではないので、ここに定着しているわけではなさそうです。
小さな雑木の林がある場所に来ました。毎年シメが多く見られ、今季もここで初認はしたものの、それ以降シメを観察できていません。冬鳥的にはちょっといつもと違う冬です。
この日、林床の藪に潜んでいたのはホオジロとメジロでした。
道を挟んで反対側の枝にはヒヨドリ。ありふれた鳥でおまけにうるさいので、何だヒヨドリかと思ってしまいますが、こうして改めて見るととても美しい渋い色合いの鳥だと気づきます。
前回の記事も含めて、その他ベニマシコやハシボソガラス、オナガ、ノスリ、モズなど計17種類を観察しました。2021年も家庭の状況に変わりはなく、ここ数年と同じように自宅近くでの探鳥が中心になると思います。
家に帰り着く前、最後に見たのはキジバトでした。
2021年1月おわり記
雪と鳥
忙しがっていたり写真の整理が終わらなかったりで、すでに1月の下旬ですが、この記事はまだ1月3日のものです。
9時半、気温マイナス3℃のコンディション。白い太陽が見え、小雪が舞っていました。
ホオジロはあちこちで見かけるのですが、カシラダカがいません。結局この日はカシラダカの観察機会はありませんでした。
こんなアスファルトのどこに草の種があるのかと思います。鳥の目にはちゃんと見えているのですね。こんな車の轍も、積雪の日には鳥たちにとって大事な餌場となっているのです。
ホオジロが姿を消した茂みをそっとのぞいてみると、キジのオスに出くわしました。慌てる様子を見せず、ゆうゆうと別の茂みに姿を消していきました。
本当に美しい鳥で、国鳥なのも納得です。もっとも国鳥に選ばれた理由には、「食べておいしい」という理由も入っていると、どこかで読んだ記憶があります。
雪の中で命をつなぐスズメたち。
道に沿って歩いていくと追い立ててしまう形になり、食事中だったのにいつもすまぬすまぬと言いながら通り過ぎます。
ツグミにとって貴重なのはリンゴの落果です。渡来直後はあれほど警戒心が強かったツグミも、今は比較的近くで観察することができます。
写真にはありませんが、白い風景の中で懸命に生きる鳥たちを見ることができ、元気をもらえた1月3日の畦道散歩でした。
2021年1月おわり記
探鳥初めもいつもの畦道
新型コロナウイルス禍で開けた2021年。誰も帰省してこない静かな年末年始でした。1月1日、今年初めての畦道探鳥は、田んぼの雪が淡く色づいてくる時間帯でした。
土手のススキの種をホオジロがついばんでいました。
色づき始めた東の山を背景にしたスズメたち。
山の美しい道を歩く間にもどんどん明るさが失われていきます。
12月末の安曇野行きで初認したベニマシコを、ようやく地元でも見ることができました。これは嬉しかったです。
あとここではあまり見ることができないカワセミの出現も嬉しかったです。時々見かけますが、ここに定着しているとは言えない出現頻度です。
かなり暗くなっていてまともに撮ることができませんでしたが、薄暗い川でもその輝きは鮮烈でした。ちなみにいた環境はこんな感じです。
最後に見たのは夕空の色に染まりつつあるツグミでした。
2021年1月はじめ記
