◆4月30日の戸隠森林植物園 ![]() 某所のカタクリ花見か雪上ハイキングかを検討し、閣議決定の結果、戸隠にやってきました。 いつも(昨日も…)オトーサンがさまよい歩いている雪の森を、スノトレ長靴部隊の4人が行きます。 雪の森のいろいろな表情を楽しみながら、のんびりハイク。 鏡池では、近くまでやって来て餌をとるアオジの姿を愛でながら、サンドイッチとカップラーメンの昼食です。 ウチにやや遅れて、途中見かけたクロカン家族も鏡池に到着。大枝小枝が無数に落ちているので、さぞかし滑りにくかっただろうなあなどと思いつつ、麺をズルズルすすっていました。 池のほとりでゆったり過ごしていたのですが、いつの間にか黒い雲が西岳の向こうから空を覆い始めていました。 追われるように帰途につきます。 行きも帰りも鳥の出は今ひとつでしたが、天命稲荷でミソサザイが巣材を集める姿を見ることができました。高らかな囀りも聞けて満足です。 木道に戻る頃にはポツリポツリと雨が落ちてきました。 今日はこれでおしまいかなと思った頃、木道上をいく野原よたろうさんを発見。 ここんとこ、戸隠ですれ違ってばかりでしたが、ついに行き会えました。 よたろうさんと出会ってから鳥の出が一変。 ヒガラコガラが目の前で追いかけっこ。聞こえてくるクロツグミの声。 そして、何といってもオオアカゲラです。久々に見ましたよ。豪快に幹を掘る姿は見事でした(画像はよたろうさんのブログでどうぞ!)。 オオアカゲラを発見した息子曰く、「今日はいい一日だった!」 追加情報: 1.ついでに戸隠キャンプ場に寄ってみました。 テントサイトは全面30cmほどの雪で、設営は雪上にという状態です。例年テントが林立する大型連休ですが、キャンピングカーが数台と、テントは登山者らしいものが一つだけ。 2.帰りに地蔵久保(飯綱町旧牟礼村)のオオヤマザクラに寄ってみました。 花期が短く、なかなか見頃の時期に訪れることができません。 今日も一分咲き程度で早すぎました(例年よりはかなり遅め)。2-3日後がよさそうです。 2006年4月おわり記 ◆4月29日の戸隠森林植物園 ![]() 平地では20℃を超え、5月下旬並の暖かな日。 2週連続の戸隠詣で。植物園の駐車場は20台ほどでした。 先週や1ヶ月前の写真と見比べると、ぐんと雪が減ってきたことがわかります。場所によっては、地面をのぞかせている場所もありました。 高台園地の案内板(写真左下)は、2月にはてっぺんまで埋もれて見えませんでしたが、ここまで復活です。 全体としては1mを切りましたといったところ。木道の除雪は完了していました。 スノーシューはもう要りません。ざくざくと気持ちよく、鏡池(写真右下)まで歩きました。 もちろんアオバトの再来はならず。オシドリのカップルは2つがいに増えていました。 国内組では、先週はまだ姿を見せていなかったウグイス、クロジ、アカハラなどを確認。 みどりが池にはカイツブリが入りました。カイツブリが空を飛ぶところを、一度見てみたいものだと思います。 夏鳥は、ニュウナイに加えてサンショウクイ、コサメビタキ。1羽だけ遠くにキビタキの雄を見ることもできました。明日はもっと増えているでしょう。 そうそう、先週は「冬鳥の姿は既になく」と書きましたが、今日はマヒワとアトリがたくさんいました。マヒワが飛びながら囀る珍しい?行動を見ました。アトリはぐいんぐいんと群れで飛び回っていました。 エネルギーをもてあましている感じです。張り切りすぎない方がいいと思うんですが。
駐車場に行くと観光バスがずいぶんと入ってきていましたから、取りあえず木道一周の方々もたくさんいたでしょう。 それにしても毎年思うのですが、あんなに大きな声で喋りながら歩かなくてもいいのに。 木道に向かって歩いていくと、あの人は何?と言わんばかりの視線を皆様から一斉に向けられました。 いや、木道を外れて歩くなんてマナー違反よね-っ!という非難の眼だったのかもしれません。そう思われたとしたら、ちょっとつらいな。まだ雪がたっぷりあるじゃないですかー。 2006年4月おわり記 ◆イベリア半島 ![]() オナガはいろいろと面白そうな鳥ですが、特に日本などアジア東部と、スペイン・ポルトガルなどイベリア半島に分布するという点が興味深いです。 ユーラシア大陸の東西に分かれる奇妙な分布の理由は、人為的なものだという説を始め、諸説あるみたいですが、日本においても西日本からは姿を消したり、分布が局地的だったりと、何らかの影響を受けやすい種なのかもしれないです。 長野でも一時期オナガが随分減ったと話題になったことがありました(カッコウの托卵の影響ということですが)。 あくまで想像ですが、ユーラシア大陸に広く分布していたオナガがだんだんと追いやられ、今は東西の端っこで、それぞれかろうじて生き残っているのかもしれない。…水色と白の配色にそんなことを思い巡らします。 「オナガ」「イベリア半島」でグーグル先生に聞くと、イベリア半島南端・ジブラルタルでオナガの化石が見つかっているという記述を見つけてくれました。となると、やっぱり人為要因説は否定されるのかな。 ついでに見つけたのは、ウラゴマダラシジミというシジミチョウがいるそうですが(初めて知りました。もちろん見たことはありません)、それに最も近い種がイベリア半島に生息しているという記事。オナガと同じ事情なのかもしれないです。 さらに調べてみましたが、その近縁種の名前はグーグル先生にもわからないようです。ロボリスシジミがかする気もしますが、全くの見当外れかも。 チョウのチョウ初心者の私にはここまでです。ちょっとオヤジくさくなったので退却です。 2006年4月おわり記 ◆4月22日の戸隠森林植物園 ![]() 路面に雪はありませんでしたが、駐車場には少し雪が残っていました。 森に足を踏み入れると、積雪はまだ1mオーバー。昨日からの新雪は15cmほどありました。 昨年の同時期に比べればかなり多く、4月上旬並です。 木道の除雪作業が行われていました。すでに木道にロープを張ってある場所もありました。 5月の連休には普通の靴で歩くことができそうです。 木道以外のルートはツボ足でもいけそうですが、雪が柔らかく、スノーシューの方が楽なのでさっさと装着。 水路があちこちで顔を出しはじめ、スノーシューで歩く自由度は下がってきました。 ゴジュウカラの大きな声と、どこからともなく聞こえてくるクレッシェンドの効いたキクイタダキの囀りをBGMに歩き出します。 あれほどいたツグミ、アトリ、マヒワでしたが、彼らを含めて冬鳥の姿は既になく、替わって夏鳥の先陣を切りニュウナイスズメ登場。チュンチュク鳴く赤い姿を梢に見つけました。 雪の下から顔を見せた湿地では、アオジが餌を探していました。彼らも冬季にはいない種です。初夏のコーラスの主役を務めるべく、囀りの練習も始まっていました。 戸隠で冬を耐えたキバシリは、あちこちで盛んに動き回っていました。ようやくやって来た春を、キバシリなりに謳歌しているようでした。 カラ類は羽音が聞こえるほど近くまでやって来ます。冬に比べて太陽が高く日射しも強いせいか、雪面からの反射を受けて色彩や仕草が一段と輝いて感じられます。 ![]() 戸隠や西岳からは、雪が崩れ落ちる轟音が時折聞こえてきました。 わずかに開いている水面にカエル某がいるようで、ケロケロ声がします。 足を投げ出しザックを背もたれにして寝ころんでいると、まるで雪の下から声が聞こえてくるようでした。 新種のユキノシタガエルの声を楽しみながら空を仰いでいると、雲の流れと同調するかのように、アオバトの群れが東へ飛んでいきました。 戸隠で、声を聞いたことはあっても姿を確認できたのは初めてでした。寝ころんだまま、ちょっと興奮してしまいました。 帰り道、突然の大きなドラミングに足を止めました。春の森らしいすてきな響きです。 辺りを注意深く探すと、アオゲラの姿を見つけることができました。ちゃんと響きやすい枝を選んでいるようです。 熱心にドラミングを繰り返すその姿をじっくり楽しめたのは、今日の一番の収穫です。
2006年4月おわり記 ◆春の色 ![]() ツグミが何羽も地面から飛び立って枝にとまり、こちらを伺っていました。 予想通り、ほとんどの株は葉をやっと地上に広げたところでしたが、つぼみと花もいくつか見かけることができました。 落ち葉の上に腰を下ろして、つぼみの静かな表情を眺めました。 デジカメを取り出しましたが、スイッチが入りません。充電した電池をカメラに戻すのを忘れてしまったのです。 自分の間抜けさを嘆きましたが、たまたま予備のデジカメをザックに入れてきたことをすぐに思い出しました。 こちらの電池もあまり残っていませんでしたが、なんとかカタクリを写すことができてほっとしました。コンビニで買った鶏五目弁当を出して昼食にしました。鶏肉はゴムのような味がしました。 よろよろ尾根歩きを再開。北から吹きつける風に身が縮みます。手がかじかんできたので、手袋を取り出しました。 足下からいきなり飛び出したヤマドリの軌跡にぶつぶつと独り言ち、音もなく滑空していく猛禽のシルエットを呆然と見送り、木々の間から聞こえてくるヒガラやコガラの囀りに立ち止まって息を整えました。 ![]() 芽吹き前の無彩色の山景色でしたが、山道を下るにつれて、春の色が濃くなっていくのがわかりました。 膝をがくがく笑わせながら、忙しない日常へと戻っていきました。 2006年4月おわり記 ◆風は冷たくても カブト目当てで、息子と畑に積んであるおが屑の山をスコップで掘ってみましたが、幼虫系はカナブンらしいのを1匹見ただけ。おが屑の中で、ミミズがものすごい高密度で存在し働いているのを見て、ちょっと麺類が食えなくなりました。 収穫は自転車の帰り道、空舞うツバメ3羽の初認。 2006年4月はじめ記 ◆次の季節 ![]() そこで、意識的にいつもとは違う方向へスノーシューを向けてみました。 あちこちでこの冬をたくましく乗り越えてきた命に出会い、素直に感動します。あんなこともこんなことも、汗と共に流れ出ていきます。 アカゲラが追いかけっこをしていました。 あと1ヶ月で夏鳥がやってきて、目眩く春の戸隠の開幕です。 2006年4月はじめ記 ◆春のお粗末 ![]() 脳味噌の奥から眠気が湧いて出る (花粉症の薬が効いてます) 氷河かと見紛う春の河川敷 (飯山の雪捨て場はえらいことになっていました) 強風で止まるゴンドラ眺め居り (もうスキーはいいかなって) 雪解けの流れを伝うキセキレイ (声も姿もぴったり) 春が来たサンシュユ咲いたウメはまだ (昨日はまた氷点下) 常夏の水槽眺める炬燵ねこ (この「ねこ」は私のことね) 2006年4月はじめ記 |