過去の野外手帳 -2006年1月

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◆今夜はキノコカレー
息子たちはギプスとインフルエンザ治りかけの咳コンコン。加えて妻が発熱とノドの痛みでダウン。
さすがに遊びに行くわけにはいかないなと、にわか主夫の日曜日でした。
それでも合間を見つけ、ミヤマホオジロ狙いで1時間だけ野外徘徊してきてしまいました。

結果はもちろん空振り。まさか遊びになんか出かけないよーって言っておきながら、妻が眠っているすきに出かけちゃったのですから。
でも、ルリビタキ雌タイプが、最後に出てくれました。
朝は冷えたものの、日中はプラス4度まで上がってぽかぽかでした。こんな日は、もちろんモモヒキインナー不要です。気持ちのよい散歩でした。

先週のあるある大辞典でキノコ鍋がノドの痛みや咳によいといっていたので、キノコを買って帰ってたっぷりカレーに入れました。
2006年1月おわり記


◆モモヒキ的一日
◇家を出るまで
今日の行動は、骨折野郎とインフルエンザ野郎を抱える我が家の現状では、必然的に一人遊び(自由行動)。しかし外遊びだけでも大変多くの選択肢があり、迷ってしまいます。

 (1)松本イスカ・リベンジ(下記参照)
 (2)イスカ・レンジャク来てるらしい(長野市内)
 (3)今度こそミヤマホオジロ(下記参照)
 (4)氷上のオオワシ探索(ちょっと遠いが)
 (5)スノーシューで森散歩(近場で)
 (6)プチ・バックカントリースキー(今季未出動)
 (7)クロスカントリースキー(レンタルでね)
 (8)ゲレンデスキー(ややめげ気味だけど)

どれも魅力的。布団の中逡巡10分、午前中に(2)、午後に(5)と決めました。モモヒキ的冬山インナーをはいて、のんびり出発。

◇2年ぶりにイスカ
市街から上る道で、紫色のbBがスピンしたのか頭から壁に突っ込んでいました。赤レガシィにあおられますが、スピード控えめに車を走らせます。

現地気温はマイナス4度ですが、モモヒキインナーの威力、全く寒さを感じません。寒いと鳥を探すどころではないですから、これで腰を据えて赤い鳥に取り組めます。

場所は前回(2004年1月「イスカ朝飯前」)と同じ。
車を降りると、すぐにマヒワが賑やかに迎えてくれました。鮮やかな色彩に魅了されます。

聞き覚えのある声がしました。見上げるとカラマツの梢に「らしい」シルエット発見。
双眼鏡でくちばしを確認。イスカです。スコープの視野に、赤い姿をとらえることができました。
その後、3時間近く歩き回りましたが、結局イスカは一度一羽だけでしたし、レンジャクは影も形もありませんでした。でも、もちろん大満足。

◇違う人達
午後は、スノーシュー遊びです。スキーの跡が2本ついていましたが、わざとそれを外して歩きます。
青い影の美を求めて、小さな斜面を上ってみたり下ってみたり。写真をバチバチ撮りまくりです。
少し雪と遊んだだけで、汗をかいてしまいました。これもモモヒキインナーの威力。フリースを脱いで、ザックに入れました。

鏡池が近づくとあちこちから踏み跡が合流して、ちょっとした通りができています。氷の上に出ると、戸隠と西岳の威容が見事でした。

池の手前で一緒になった外国の方と、競うようにシャッターを切りました(向こうはニコンの高級デジ一眼でしたけど)。
レンズを向ける先、構える姿勢の低さなど、生まれた国は違っても、どうやら同じ人種のようでした(可処分所得面では違う人種のようでしたけど)。

デジカメの電池が怪しくなってきたのでそろそろ自分が付けたトレースで戻ろうと思ったのですが、その道は、途中から広く踏み固められていました。
鏡池に着く少し前に、30人以上のパーティーが引き上げていくのとすれ違いましたが、この団体が私の踏み跡をたどって帰っていったのです。

もちろんこれは大したことでもマナー違反でもないのですが、妙に腹立たしい気分になりました。どこでも自由に歩けることがここ戸隠をスノーシューで歩く魅力だよと思ってしまいました。
ルート取りは無限なのに、一人きりしか歩いていない細い踏み跡をわざわざ大勢で行かなくたっていいじゃないか…。
今こうやって書いてみると、身勝手で矮小な偏屈オジサンの姿が見えてきて、ちょっと恥ずかしいですが。

考えてみれば団体の場合、前の人が歩いて踏み固めた跡をそのまま歩き自分でルートを決めることはないのですから、こんな私の気持ちを想像することさえないのですね。
こうした大人数で歩く人とは、同じ戸隠を歩いても感じることは結構違うのだろうなと思いました(これは善し悪しではなくてね)。

私のルート取りは、アップダウンを繰り返したり無用なトラバースをしたりと大変効率の悪いものでしたが、団体さんはそれを忠実にたどっていました。
しかし、こいつとは帰る方向が違うと途中で気付いたのでしょう。いきなり直角に折れて、団体のカチコチトレースは斜面を下っていきました。

私の足跡だけになりました。体重をかけると雪が沈む音がします。鳥の声も聞こえてきて、双眼鏡を出しました。間もなく山の端に落ちようかという太陽に照らされて、オレンジ色に染まったコガラが見えました。
急に冷えてきたので、車に戻るとラーメンを作りました。熱いスープは狭く小さな心を溶かしていきました。
2006年1月おわり記


◆モモヒキ的考察
今日は、二桁まで下がる寒い一日でした。
暖房のない場所で仕事をしなくてはならない機会が多い日は、とっておきの冬山用インナーのお出まし。有り体に言えば、モモヒキ代わりです。

バカボンのパパと同世代のくせに普段は若作りにつとめているので、モモヒキなんて絶対はかないのですが、マイナス10度にもなりますとそんなことも言っていられません(絶対という言葉の軽さについては見逃して下さい)。
着用の有無は傍目にはわかりっこないので、若作り路線にあまり影響はありません。

動くことの少ない鳥見でも、このインナー(モンベルのモモヒキ)は活躍します。一枚空気の層が出来るだけで、ずいぶんと寒さの感じ方は違うものです。冬山インナー、鳥見にこそオススメです。

今日は、外にいるときに5羽ほどのツグミを見ました。やっと里にも下りてきたようです。
こんな寒い寒い日にも、羽毛一枚で(この言い方は正確ではないですが)適応できる鳥ってすごいと思いますが、羽毛が生み出す空気の層の威力というのはばかにならないのかもしれません。

人間が想像しているよりも、実は暖かいのかも。でも、飛べばいくら羽毛付きとはいえやっぱり寒いのだろうな。
ケケともいわずに飛び去っていったツグミたちを見送りながら、脚にまとわりつくモモヒキによる厚ぼったさと暖かさを感じつつ、そんなことを思っていたのでした。
2006年1月おわり記


◆イスカも夢を見るのか
車を降りると真っ赤な鳥が鈴なりにアカマツの梢にぶら下がっていました。そのうち手に乗る鳥さえ現れました。手の甲に止まって、羽を閉じたり開いたりしているのです。
イスカだと思っていた赤い鳥は、いつの間にかクジャクチョウになっていました。
家に帰ってきて少し休もうと横になったら、3時間も寝てしまいました。こんな夢で目が覚めました。

所用で松本へ。空いた時間を見つけてイスカを探しに抜け出しました。よたろうさんに教えていただいた凍結ロードを、そろりそろり上っていきます。
雪が薄く積もった林道の先で車を降り、アカマツの梢を見上げました。
もうすぐ12時ですが、外気温計表示はマイナス3度。立ち止まっていると寒さが応えます。

許される滞在時間は15分ほど。残念ながら彼らは現れませんでした。でも、イスカが棲む冷たい森で過ごした時間は短いながらも素敵な時間でした。
澄み切った空気が静かに流れ込んできて、ざらざらした感触を消してくれた気がしました。同じ空間にいることこそが、大事なのだと思いました。夢は、そんなことだったのかもしれません。

イスカには会えませんでしたが、ハクチョウ見物()の時は見ることができなかった常念を今回は見ることができました。路肩に車を停めてシャッターを押しました。上の写真、左より三角ピークが常念です。
2006年1月おわり記


◆ムクドリが見ていた
外から聞こえてくる物音で目が覚めました。未明までサイトをいじっていて寝坊した私も、眠い目をこすりスノトレを履いて外に出ました。
家の前の道路は厚さ20cm近くの圧雪が凍り付いた状態でしたが、父、妻、息子がそれを砕きにかかっていました。
私も参戦。雪かきでは全く歯が立たないので、スコップで少しずつ割りながら氷を道路脇に積んでいきます。

すぐ上の電線から、ムクドリがこちらを見下ろしていました。自分たちに関心がないと分かると、鳥たちは距離を縮めても平気なものです。目線を向けると急にそわそわするのが可笑しいというか、鋭いというか。

普段だらしない生活を送っているので、この作業で腰も腕もぷるぷるになってしまい、今日のフィールドワークはなしと決めました。
午後は遅お昼を食べに行って、ついでに遅い遅い初詣。

幹線道路は乾いていますが、一歩裏にはいると悲惨です。日の当たる場所は圧雪が溶けて、深いシャーベット状の雪になってしまい、まっすぐ走ることが出来ません。車が斜めになってしまい、どこいくの-っ!?状態です。スタックしてしまいそうな場所もあって、今日の運転は疲れました。
2006年1月なかごろ記


◆久しぶりに雨
今日はなんと雨。でも小雨程度でなんとか天気は持ちこたえています。ただ、これから本格的な雨ならスキーはつらい。
こんな日は、okameさんよたろうさんがミヤマホー告をしていて気になっていた公園に行きましょう。今シーズンは、まだミヤマホオジロもルリビタキも見ていないのです。

久々にマイナスにならない朝。
時々アカマツの梢から、どさっと雪の塊が落下してきます。小雨に濡れる双眼鏡の接眼レンズを拭き拭き、2時間ほど歩き回ってきました。

結果から言えば、ルリビタキ♀タイプは何度も見ることができて本日の目的の半分は達成。やっぱりヒタキはかわいいです。
ミヤマホオジロは、それらしきホオジロ系が雪にのぞいた地面からぱっと逃げた後ろ姿を見ただけ。真っ赤なゴアを着ていったのがいけませんでした(雨具は赤しか持っていないんだもん)。

今冬は少ない少ない少なすぎませんかと噂のツグミは、あちこちでかなり見かけて一安心。あと、ジェイジェイとカケスがやたら目立った今日の鳥見でした。

午後は結構本降りになりました。
2006年1月なかごろ記


◆無彩色の森で
スノーシューで森を歩きましたが、天候は悪くなるばかり。
そろそろ帰ろうと車へ戻る道すがら、空から数十羽の黒いシルエットが落ちてきました。
群れが降り立ったあたりにレンズを向けましたが、激しく落ちてくる雪片が双眼鏡の視野の中で白く重なり合って、視界を妨げます。

それでも、目を凝らして梢付近を丹念にたどっていくと、降る雪にちらちら見え隠れするアトリのオレンジ色をかろうじて認めることが出来ました。
無彩色に支配されつつある風景の中で、この色がとても鮮やかに感じられました。

今シーズンはまだ出会っていないのですが、冬にやってくる赤い鳥たちに強く心ひかれるのは、こんな冬ならではの色彩感覚が故かもしれません。
よたろうさんはイスカを見てきたそうです。うらやましすぎて頭がかゆいです。
2006年1月なかごろ記


◆楽しみたい
朝、目が覚めたら雪。もう少し寝ていよう…と思って再びうとうと。10時過ぎに起き出すと、晴れ間がのぞいていました。
息子と妻は、埼玉へ泊まりで大会遠征中。このまま家にいるのも悔しいので、午後券でひと滑り。でもあまり気持ちよく滑れませんでした。

びゅんびゅん滑っていく上級者が多かったからでしょうか。
上達しようという気持ちを捨ててから、スキーが楽しくなってきたここ数年だったのですが、この日は何だか上手い人と比べてしまって、オレって下手くそだぁなどと、マイナス思考を40%ほど抱えてリフトに乗っていました。

そろそろ今日はやめちゃおうかなと思っていた頃、レーシングスーツにヘルメットの青年2人とクワッドに乗り合わせました。
彼らの会話を何となく聞いていると(TFMの「アヴァンティ」みたいですが)、しみじみと「スキーって難しいスね」などと語り合っているのです。万年中級おじさんでもレーサーでも、「スキーは難しい」という点では同じなのだと、低レベルながら勝手に感じ入ってしまいました。

そんな私にリフト脇の木から大量の雪が落下直撃、レーサーもろとも全身「♪こな-ゆき-」まみれになって、それはもう笑うしかありませんでした。
やっぱり本当は楽しく滑って笑いたいですね。
2006年1月なかごろ記


◆ハクチョウ見物
「安曇野市」に初めて足を踏み入れましたが、もちろん特に変わったことはありません。
雪があまり積もっていなく、やはり今冬の長野県北部の雪の降り方は異常だと実感しました。

常念が見えなくて、少し残念でした。私はかつて4年ほど松本に住んでいたのですが、見上げる先はやっぱりいつも常念だったのです。

新潟方面の寒波・大雪の影響で、安曇野へのコハクチョウ飛来数は大幅増だそうです(通称「白鳥湖」に表示されていた数字は、1500羽オーバーでした)。

左写真は安曇野コハクチョウポイントの一つ。田圃でコハクチョウが羽を休めたり、餌をあさったり、小競り合いをしたりしていました。

ここは他のコハクポイントに比べ、観光地っぽい雰囲気がありません(ただの田圃なので)。
ハクチョウめあては、白い長玉付きカメラを構えていた方が一人いただけでした。
地元のおばちゃんとコハクチョウがすれ違う(左下)など、なかなかゆるい風景。

ボクはただのハクチョウ見物じゃないんだからねーというイヤらしい鳥屋根性が隅っこにあるので、観光地化されていないこんな雰囲気を好ましく感じましたが、やっていることはハクチョウ見物以外の何ものでもないのでした。
2006年1月なかごろ記


◆1月3日(粉雪)
昨日のかまくらメンバー(↓)でスキーに行くはずでしたが、ついにノロウィスル的ゲロウィスル5人目の被害者が出てしまい(「♪弟よ-!」かぐや姫風に)、私と息子と、3人だけで戸隠へ出かけることになりました。

長野市民だと割引一日券を買うことが出来ます。半日券を買うよりお得なので、それを購入。
しかし、里でもかなりの降り。そして大雪警報が出ているだけのことはあって、気象条件は厳しく、視界悪く寒く冷たく顔が痛く、楽しくスキーとは言い難い状況でした。

それでも止めどもなく降り注ぐ軽い軽い粉雪(最近、ついレミオロメンのメロディーで「♪こな-ゆき-」と言ってしまいます)を楽しみました。コース脇にはたっぷりパウダーが積もっていたので、息子たちと「♪こな-ゆき-」と言いながらプチパウダーごっこをして遊びました。

一人ならもうちょっと滑りたかったところですが、あまりにも寒く、病み上がり兄弟を引き連れていることもあり、2時前に撤収です。

帰ってくるとちょうど弟も点滴から帰ってきました。明日は誰がダウンするのでしょう。
2006年1月はじめ記


◆1月2日(ミニかまくら)
ひとりごとと下↓にも書きましたが、家庭内でノロウィスル的ゲロウィルスの被害が広がり、帰省中の家族を含め計11人中、すでに4人がダウンのため出かけるのは自重です(私は無事です)。

この日は点滴服薬休養して症状改善元気回復、外遊びが出来るまでに復活した息子たちと、帰省中の私の弟といっしょにミニかまくらを作りました。

以前なら私が主導権をとって作ったかまくらですが、息子たちの成長著しく、私が写真など撮っている間に出来上がってしまいました。

モズが電線でキャキャキャキャと鳴いてました。その姿を見上げると、また雪が静かに降り始めていました。
2006年1月はじめ記


◆昨日の紅白
野外手帳的じゃない話ですがご勘弁を。

大晦日の紅白はいつも何となく見てしまいます。具合の悪い(ひとりごとをご覧下さい)息子につきあっていたのでちらちらとしか見なかったのですが、その中で衣装について感想3つ。

その1…氷川きよしの衣装デザインのモチーフは絶対「蛾」だと思いました(賢明な皆さんにはすでにおわかりと思いますが、これは悪口ではありません)。

その2…小林幸子の変身前の髪型から、ミツカドコオロギの顔を連想してしまいました(昆虫でしたら変身ではなく変態ですね。でもコオロギですから、不完全変態です)。

その3…倖田來未の衣装とステージは、強いて言えばアオフウチョウ求愛ディスプレイでしょうか。左イラストの天地は逆ではありません(逆J字を描いて垂れ下がっているのは、長い尾羽です)。
アオフウチョウ:「全長約30cm。(中略)ニューギニア中央東部の標高1300-1800mの森林に生息。(中略)ディスプレイは枝にぶら下がり、脇の飾羽を広げ、体を左右に振り動かす。」以上引用『コンサイス鳥名事典』三省堂1989版より。

こんな私ですが、今年もよろしくお願いします。
2006年1月はじめ

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