過去の野外手帳 -2003年10月
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◆霧氷の山へ
いっしょに雲取に行こうと誘ってもらっていましたが、直前になって体調不良のため行けなくなったとの連絡。残念だけど仕方ないです。

自分だけで登ることも考えたのですが、それほど雲取へのモチベーションが高かったわけではなく、予定していた午前3時に目は覚めたものの、明るくなるまでふとんに潜ってぐずぐずしていました。

そして結局、いつものように近くの山へ。里からも、昨日一日霧氷が輝いて見えていたあの山に登ることにしました。

日射しと風を受けて、バラバラと落ちる霧氷の音が森に響きます。冷たいかけらを背中に浴びます。白い造形の、あまりの美しさに何度も立ち止まりながら、ゆっくり標高を上げていきます。

遠くに北アルプス、市街地は靄に沈み、風はあくまでも冷たく、心澄み渡る山歩きです。
2003年10月おわり記


◆冬鳥のシーズン
ツグミを初認しました。いよいよ冬が近くなったことを実感します。
ほかにもアトリ、マヒワを見ました。安曇野からはコハクチョウ渡来の便り。続々と冬鳥が渡ってきています。

今日はアルプスが白く輝いていました。白い山が増えてきたら、休日の過ごし方は山歩き中心から鳥見とスキー中心にシフトします。そんな私にとっての季節の変わり目も、もうすぐです。
2003年10月おわり記



◆割れぬなら落としてみよう胡桃の実
話に聞いたことはありましたが、カラスが道路にクルミを落として割ろうとしているところを初めて見ました。落としたクルミを追いかけるように舞い降りるという動作を繰り返していました。
交通量の多い道路でやっていたのは、車にひかせて割ることをねらっていたのでしょうか。

カラスの害が話題になる昨今ですが、サラリーマンよろしく夕方帰宅?していく姿を見るにつけ、つくづく人間くさい鳥だと思います。
2003年10月おわり記


◆小さな後悔
Kanさんの「ちぃじがき蕎麦の里」に影響されて、山道から見降ろす里の風景を撮ってみました。黄色く見えるのはブドウ畑。住宅街が畑を浸食してきた様子が、山の上からはよくわかります。この風景はいつまで残るのでしょう。

育った家は田んぼに面していて、見える向こうの家は数百メートルほど離れていました。その間を埋めていたのは水田とリンゴ畑。

今も同じ場所に住んでいますが、ベランダから見える風景に当時の面影は全くありません。家家家。あのころの家のまわりの様子を、写真に残しておけばよかったとすこし後悔しています。自分が見ていた風景を息子にも見せたかったんです。
2003年10月おわり記


◆ジョウビタキ
本日(10/19)初認です。はるばるよく来たねって声をかけました。
これで里にツグミがやってきたら、いよいよ冬の到来です。

渡り鳥で季節の移ろいを知るのは、鳥見をする人間の幸せです。そしてその季節最初の出会いは、なんだかたまらない瞬間なんです。うまく言葉で言えないのですが、この小さな鳥の姿の向こうに、壮大な距離やいろいろな物語を感じてしまうんです。
2003年10月なかごろ記


◆どきどき里山
里山は難しいと実感しました。
道標なし。登山道としての整備もなし。作業道が入り組んでいて、こっちに行っても行き止まり、あっちに行っても行き止まり。
これは獣道か?という道をかいくぐって、ようやく頂上台地につきました。ほんの1時間ほどの登り道・迷い道でしたが、どきどきしながら頭を使って歩きました。

迷った道すがら、いろいろなものを発見しました。左は狩りの現場。被害者はハトでしょうか。ハンターはだれなのかわかりませんでしたが、ちょっとどきどきする現場検証でした。
左はジコボウ。私のキノコシーズンはそろそろ終わりです。バター炒めは今ひとつでした。
その他の発見物は、写真倉庫012の計器残骸とベンチの化石です。
2003年10月なかごろ記


◆志賀黄葉
天気の様子を見て、志賀に出かけました。黄葉はちょうど見頃。人もたくさん。道路脇に車を止めて、写真を撮っている方がたくさんいました。私も心の中で小さな歓声を上げながら、気持ちよく運転を楽しみます。

登山口はひっそりとしていました。多摩ナンバーのレガシィが1台とまっていて、持ち主は周囲の散策から帰ってきたところでした。
鈴を付けて歩き始めた私に「熊がいるんですか?」と声をかけてきました。返事は「たくさんいると思います!」にしておきました。

こんな気持ちのいい道を歩けるなんて、幸せ以外の何ものでもないです。
コガラの群れが通り過ぎていきます。ウグイスがちゃっちゃと鳴いていました。途中から鈴は外して歩きました。
2003年10月なかごろ記


◆死体スケッチ
先日、アブラコウモリの死体を入手しました。早速スケッチ。なんだかいつも、死体のスケッチはわくわくします。変ですかね-。

クロッキー帳にスケッチして気付くのは、人間の腕-指の骨格とコウモリの翼を支える骨格との見事な符合ぶりです。
そして、手に取ってみてわかるのは翼を作る皮膚の素晴らしさです。向こうが透けて見えるくらいの薄さにもかかわらず、ものすごい柔軟性を持った皮膚です。

鳥とは異なるアプローチで「飛ぶ」という目的のために、進化していった一つの答えがこの姿なのだということが、よくわかりました。

そのまま2,3日ほおって置いたら、しなやかな皮膚もひからびてしまいました。すまなかったと心の中で詫びながら、土に埋めました(生態系には反した行為ですけどね)。
2003年10月なかごろ記


◆フンガーッ
先月、ある里山を歩いていたんです。ブナの森や北アルプスの展望を十分楽しんでから、下山を始めました。ここをターンすれば水場という場所で、数メートル先からガサガサという音がしました。直後に「フンガーッ」という、どう考えても獣のうなり声。

熊が水を飲んでいるのか。野犬だったら勝ち目ないかも。でも犬の声じゃないし。今日は誰も登っていないし、ひどいけがをしたらどうしよう。麓の村までたどりつけるんだろうか。いろいろな思いが瞬時に駆けめぐりました。

時計を見て、時間を確認。気持ちを落ち着かせてからザックの中から笛を出し、ピピピピ-と何度もふいてみました。10分経ったか、と思って時計を見るとまだ3、4分しか経過していません。
でも、森は静けさを取り戻し、こつこつとコゲラが幹をたたく音が聞こえています。

おそるおそる数メートル先の水場をのぞきこんでみると、獣の姿はなし。辺りをうかがいながら、慎重に進みました。ぬかるみに残されていたのは、おそらくイノシシの足跡。ここはヌタ場(泥浴びをする場所)だったようです。

山を歩くということは、動物たちの住処に足を踏み入れること。そんなことを改めて実感した、ちょっと怖い数分間でした。
2003年10月はじめ記


◆マクロ世界入門
sachi*さんの写真に影響されて、迷うことなく買ってしまったレイノックスのスーパーマクロレンズ。FZ1にパチンとはめれば望遠マクロカメラに変身です。

ある程度望遠でないとケラレがでること→望遠マクロゆえ被写界深度がかなり浅く、ピント合わせは難しいことなど、失敗写真を増産する要因はたくさんありますが、理屈ぬきにどアップは楽しいです。

カメラ位置の前後でピント合わせをしたあと、カメラのAFで合焦マークを点灯させてからシャッターを切ると比較的スムーズに撮れます。

いくらしたの!とにらまれましたが、にらまれるほどのお値段でないことも嬉しいです。

とりあえず近所の田んぼでバッタを撮ってみました。
作例はパナソニックFZ1にレイノックススーパーマクロDCR250装着。シャッター速度1/320、絞りf4(プログラムAE)。35ミリカメラ換算218mm。手持ち。リサイズのみ。
2003年10月はじめ記


◆コンビニの季節感
ずいぶん朝夕は寒くなってきました。今朝は電線にとまっているムクドリを見上げるとが、心なしかふくれて見えました。土手のバッタも動きが鈍くなったように感じます。

コンビニで、おでんとか肉まんとか、いくらなんでもちょっと早いんじゃない?と思っていたのは、つい先日のことです。アルプスも志賀も雪便り。実際の季節が、やっとコンビニに追いついてきました。
2003年10月はじめ記
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