自由研究
ルリチュウレンジ
4月の庭であたたかい陽の光を浴びてぼんやりしていると、ムシの姿。これはルリチュウレンジです。
一見黒っぽいハバチの仲間ですが、よく見るとその名の通り瑠璃色の輝きを宿しています。ツツジなどを食害する憎まれ役ですけれど、なかなか美しい昆虫です。
ここまでは、このハチをファインダーの中で捉えながらも思うことなんですけど、「その名の通り」とこうして改めて書いてみると、気になるのはこの和名の後半です。ルリは瑠璃色。ではチュウレンジとはなんでしょう。前々から気になっていました。
ネットで調べてみると、真っ先にヒットするのはこのページです。札幌のもぐらさんとほたるさんの「二人の館」の中のコンテンツです。拙サイトと同じく、今は絶滅しかけている個人サイトで、勝手に親近感が湧いてしまいます。そしてこういう有益な情報はこうした個人サイトにたくさん溜め込まれているのだと改めて感じます。
というわけでルリチュウレンジについての記述を引用させていただきました。
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ルリチュウレンジは、「瑠璃鐫花娘子」と書き、蜂の一種で、瑠璃色をした雌の成虫が花の茎を彫って卵を産み付けることに由来するという。
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チュウレンジだけ取り出してみると、漢字で「鐫花娘子」と書くということです。
「鐫」は音読みが「セン」。訓読みが「うがつ」「ほる」「しりぞける」「える」。穴をあけるというような意味があるので、「二人の館」さんに書かれていた産卵行動を、この一字で端的に表していると言えます。
続く「花」は産卵対象を表しているとして、残る「娘子」です。メスって意味があるのでしょう。中国語っぽいので、グーグル翻訳で調べてみました。
やはり女性を表す言葉でした。問題はこれがどうして「チュウレンジ」になるのかということです。
グーグル翻訳で発音を聞いてみると、「ニィアン・ズー」って聞こえます。花をつけてみて「花娘子」としてみると、訳は「フワラーレディ」とそのまんまで、発音は「フア・ニィアン・ズー」(Huā niángzǐ)と聞こえます。
ちなみに鐫をつけて「鐫花娘子」としたら微妙に訳は変わって「乙女」になりました。
発音は「チュアン・フア・ニィアン・ズー」(Juān huā niángzǐ)って感じで、なんとなく「チュウレンジ」に近づいてきたように思います。
…ということで謎が解けたことにしておきます。
2020年4月なかごろ記