自由研究
なーにが地震雲だ
2014年11月22日(土)夜10時8分、長野県北部で震度6弱を記録した地震がありました。白馬村の神城断層が動いたということで、「長野神城断層地震」と名付けられたそうです。
その時は、ちょうどベランダで星を眺めていました。パイプ椅子をベランダに持ち出して、双眼鏡でプレアデス星団などをのんびり見ていたら、どかんと揺れがやってきました。
家全体が大きく揺れ、まるで周囲の風景がうねるよう見えました。ベランダにいたので、近所の家からガシャガシャと何かが壊れるような音が聞こえました。座っていた椅子からは一歩も動けずでした。いざというときには何もできないものだと改めて思いました。
自分の家ではものが落ちて割れた程度で済みましたが、白馬などでは家が相当数倒壊し、大変な被害が出ました。
ネットでは、その日、「地震雲」が出ていたと話題になっていたようです。
-----以下引用(NAVERまとめ)
2014年11月22日関東(東京・千葉方面)“うろこ雲”地震雲!?と話題に
URL:http://goo.gl/buFrSS
-----引用ここまで
まとめに上がっていたツイートを見てみると、巻積雲の画像がたくさん出ていました。確かに見事な巻積雲で、自分もその場にいたら写真を撮っていたと思いますが、これが地震雲だったら、秋は毎週のように地震が起こることになってしまいます。巻積雲は、珍しい雲でも何でもありません。基本的な知識は大事です。
検証するまでもないのですが、その日の長野の空をたまたま写真に撮ってあったのでここに上げてみます。
上はその日の朝、外に出て長野市から北西方向(飯綱山方面)を撮った写真です。普通の雲です。その後は雲が消えて快晴になりました。
続いて東の空。言い方を変えれば関東方面の空ですが、こちらも特に変わった雲ではありません。そもそも巻積雲が変わった雲ではないので、この言い方も変です。
東京方面では巻積雲が出ていたみたいですけど、それを長野の地震に結びつけちゃうのですから、さらに変ですよね。
でも、こういう根も葉もないデマって、案外広まってしまうものだと思いました。というのも、地震対応で出勤したときに、上司が真顔で「今度の地震では地震雲が出たらしいよ!」なんて言っていたからです。普段は頭の回転が速くて信頼できる人なんですが、こういうのを信じちゃうのは残念です。
反論しようと思いましたがやめておきました。話題のレベルとしては血液型による性格診断程度ですし、流しておいた方がメリットが大きいと判断しました…^^; 大人っていやだいやだ。
2014年11月おわり記