自由研究
ヒョウモン系は難しい
野外手帳2014年8月の「探蝶の湿原と草原」の補足記事です。
ヒョウモン系の同定は自分にはかなり難しいです。翅の表側は、もちろんみんなヒョウ柄(?)なのでまずわかりません。すぐわかるのは自宅周辺にも飛んでいて、見る機会の多いツマグロヒョウモンくらいです。
翅の表と裏を写真に撮ったりよく観察して記録しておけば、家に帰って図鑑と照らし合わせてなんとか解決できるのですが、例えば同じ場所で見られたこの2種はかなり似ていて、写真があっても迷います。
図鑑を見ると、左がギンボシヒョウモン、右がウラギンヒョウモンと思われます。
上の写真の状態(翅の裏側)での見分けは、↓の水色で囲った中の白斑の数。左のギンボシヒョウモンが4つで、右のウラギンヒョウモンが5つです。
覚えてしまえば見分けられそうですが、もう一種よく似た翅の裏模様をもつチョウに、オオウラギンヒョウモンがいます。数が大変少ないチョウなのでここでは除外しますが、もしかしたら出会う機会があるかもしれません。オオウラギンヒョウモンは白斑の数は5つでウラギンと同じなのです。
ただ、それ以上に厄介だと感じるのは和名が似ていることです。図鑑「フィールドガイド日本のチョウ」の掲載順で、その一部を並べてみると…
ウラギンスジヒョウモン
オオウラギンスジヒョウモン
ギンボシヒョウモン
ウラギンヒョウモン
オオウラギンヒョウモン
となります。写真を元に同定するときも「あれ?どうだっけな」と何度図鑑をめくったことか。
虫の場合、似たような和名を持つ種はたくさんあって、それは鳥などに比べて種類が多いことが要因だと思われるのですが、この「ギン」のつくヒョウモンのごちゃ混ぜ感は初心者には辛いものがあります。
ただ、よく見ると「ギンボシヒョウモン」の存在が事態をややこしくしていることがわかります。
ほかはオオがつくかつかないかだけの違いなのですから。
翅の模様は、ウラギンスジヒョウモンとオオウラギンスジヒョウモンとが、そしてギンボシヒョウモン、ウラギンヒョウモン、オオウラギンヒョウモンとがそれぞれよく似ています。
つまり、ギンボシヒョウモンは「ウラギンスジ」系ではなく、「ウラギン」系なわけです。
なので、
ギンボシヒョウモンを
「コ」ウラギンヒョウモンとか、
「ヒメ」ウラギンヒョウモンとか、
「ヨツギンボシ」ウラギンヒョウモン
などにしてもらえていたらすっきりします。
最後のはあまりすっきりしてない感じもしますが。
2014年8月記