荷物整理

荷物整理インデックス

新高野図鑑

『フィールドガイド・日本の野鳥』、通称「高野図鑑」の増補改訂版が出ました。初版は1982年(増補版は1989年)なので、25年ぶりの改訂となります。

この図鑑の前は、小学館から出ていたやはり高野伸二氏による『日本の野鳥・生態と観察シリーズ』を使っていたのですが、それに比べると数段グレードアップした識別図鑑で、これはすごいと感動しました。ただ表紙がハードカバーで、野外でページをめくりにくいのが難点でした。使いにくさに我慢できず、ソフトカバーの増補版に乗り換えました。

それ以降ずっと使ってきた増補版は山歩きには重いので持っていきませんが、鳥を見るときにはいつも持ち歩いてきました。ブックカバーをつけていたのであまり傷んではいませんが、手に馴染んだ図鑑です。写真図鑑も何冊か持っているのですが、野外ではイラストの図鑑の方が使いやすいと感じます。

個人的には小学館の図鑑で使われていた観察頻度を表す記号(●や○、△)が復活しているのがうれしいです。あと、分布図の表示が変更されている種がかなりあって興味深いです。2冊並べて比べてはあれこれ想像しています。

たとえばオオハムとシロエリオオハムの脇に見える白斑の有無が入れ替わっていたり、ハチクマの「2つのタイプ」という図版説明が「♂と♀」に書き換えてあったり、また長野でも一般的に見られるようになったミヤマガラスの記述が変更されているなど、修正されている箇所が結構ありますが、私の識別レベルではあまり関係・問題ありません。
なので図鑑を新しくする意味はそれほどないのですが、でもやっぱり新しいのはいいです。大いに活用していきたいと思います。

私は識別が苦手で、シギチドリやカモメ系、飛んでいるワシタカなどはお手上げに近いです。亜種の識別までできる方をネットで見かけたりすると尊敬以外の何ものでもないのですが、増補改訂版のまえがきを読んで、ああそれでもいいんだとちょっと安心しました。ここに引用させていただきます。

『フィールドガイド 日本の野鳥』まえがきより引用
(高野伸二著・財団法人日本野鳥の会・2007年増補改訂版第1刷)
----------
 海外の文献や標識調査から得られた知見も広まり、、羽1枚ごとの模様や形状、枚数に至る細部を確認することで、これまで野外識別は不可能とされてきた種や亜種、雄雌や年齢まで見分けようとする人が増えた。
 一方、多くのことがわかっているとの誤解が広まり、すべての野鳥が見分けられると思い込む人が増えてしまった側面もある。インターネットなどで定かでない識別や珍鳥の情報が飛び交うようにもなって、経験の少ない方が混乱したりマナーを知らない人がひんしゅくを買ったりする事態も増えた。
----------(引用ここまで)

増補改訂部分を執筆した方々のお言葉です。識別の専門家ですからご自身は「見分けようとする人」なんでしょうけど、こういっていただけるとわからなくても気が楽です。

鳥を見ることを意識するようになり、見たり聞いたりわかったりしたことを野帳につけるようになって来年で30年になります。 鳥見人生の後半はこの図鑑とともに歩んでいくことになります。二訂版が出るとすればまた25年後くらいになるのでしょうか。 その頃は70歳目前ですが、まだしつこく鳥を見たり山を歩いたりできているといいなと思います。

『フィールドガイド日本の野鳥』増補改訂版/2007年購入/2007年12月記

荷物整理インデックス

このページのトップ