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アホウドリをオキノタユウに

日本魚類学会が、差別的な表現を使ったおさかなの和名を変更するそうです。
YOMIURI ONLINE(読売新聞)より(1/6)。

−−−−−ここより引用−−−−−

(前略)

見聞きした人を精神的に傷つけたり、不快感を与えたりすることがある上、博物館や水族館などが別名への言い換えをバラバラに行う例も多く、混乱を解消すべきだと判断した。今月中に正式決定する。動植物や昆虫などにも差別語を含んだ標準和名が多いだけに、他学会にも影響を与えそうだ。

改名するのは、日本魚類学会標準和名検討委員会が差別的と判断した「メクラ」「オシ」「ミツクチ」など九つの語を含む魚で、日本産の魚類約3900種のうち30種が対象。同様の言葉が「種」より上位の「属」や「科」などの分類単位に使われている例もあるため、計49の標準和名を同時に改名する。

(後略)

(2007年1月6日14時34分 読売新聞) 」

−−−−−引用ここまで−−−−−

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070106i507.htm

日本魚類学会、なかなかやります。
日本鳥学会もそろそろ「アホウドリ」の改名を考えてほしいと思います。

アホウドリという名前は、簡単につかまえられる「アホウ」な鳥という見下した感覚からつけられました。集団営巣地(鳥島など)に上陸した人間に対し全く警戒心を持たなかったためで、ゆえにこの鳥は羽毛布団の原料として大量に捕殺され、絶滅の寸前まで追いつめられました。

それまで人間との接触がほとんどなかったということなわけで、それがこの鳥の神秘的なところだと思うわけなんですけど、出会いが羽毛目当てのお金に目がくらんだ人間ではまともな名前など付けてもらえるはずもありません。この鳥の美しさ、飛翔能力の高さなんてことに思いを巡らせることなんて当然出来なかったのでしょう。

ゴルフでパーより3打少なく入れる「アルバトロス」はアホウドリの英名。ギリシア神話に由来しているみたいです。バーディーよりイーグルより上だし、アルバトロスというニックネームの飛行機もあるみたいですし、ガンダムSEEDにも飛行艇の名前として出てきたらしいし(SEEDは見たけど全然気づきませんでした)、いいイメージの名前なんですよね。いっそのことアルバトロスに改名ってのもどうでしょう。

動物係バラエティ系番組を見ていると、和名を使わずに英名や現地名を使う例が割と多いように感じます。

これってあまり好きじゃなかったんですけど、鳥なんかでは日本に元々いない種につけられた和名があまりにもぎこちないケースも多い。キノドミドリヤブモズとかアオムネヒメエメラルドハチドリとか、とりあえず特徴列記してみました!って感じです。お付き合いした時間が短いと名前ってそうなってしまうものかなと思うのです。

だから、由緒正しい名前を採用するって事でアホウドリもアルバトロス。でも日本にも「オキノタユウ」という名前が江戸時代にはすでにあったのですよね。

漢字で書くと「沖の大夫」。「沖に住む立派な鳥」というような意味合いになるようで、漁師さんたちが尊敬の念を込めて呼んだ名前だそうです。

ゆったりと海の上を飛ぶこの鳥にぴったりの、スケールの大きな素敵な名前だと思いませんか(見たことはないんですけど)。
それにしても羽毛採りよりもずっと前から、漁師さんたちは「オキノタユウ」を目にしていたはずで、命名もこちらの方が古いはずなのですが、どうしてこちらが採用されなかったのでしょう。

2007年1月記・2008年11月追記

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